東京都立川市の小学校で8日に暴行事件が起きてから一夜明けた9日、暴行容疑で現行犯逮捕された男2人が送検された。警視庁は容疑を傷害や建造物侵入などに切り替えた。事件をめぐっては男2人の名前が警視庁から公表されていないことが物議をかもしている。
事件は8日午前に起きた。学校ではある児童の母親がほかの児童とのトラブルをめぐって学校と面談。思ったような回答を得られなかったからか母親は知人の男らに連絡したという。男2人はタクシーで学校に乗りつけ、正門脇の通用口から侵入。母親の子供が通う教室に入り、教師らともみ合いになり暴行になった疑いがある。
男らは酒瓶を持っていたといい、犯行中も酔っていたとみられている。幸いにも児童らにけがはなかったが、教職員5人が負傷。今回の事件を受けて、全国各地の学校で危機管理体制の見直しが行われている。
男2人が白昼堂々と学校にカチコミをかけた事件は大騒動となっているものの、逮捕された男2人の名前は公表されていない。警視庁は男2人の名前を出すことで関係する児童の特定につながる恐れがあると考えているという。
SNSでは「なぜ犯人の名前出さないのか」「名前を出して報道しろよ」と違和感を訴える声が続出している。子供を同じ小学校に通わせている母親は「警察の懸念はその通りだと思うんですよね。まだ5月で新しい学年が始まったばかり。これから1年通わないといけないなかで特定されたら通いづらくなりますから」と理解を示した。
一方で「実際は同じ学年の人たちはもう(児童が誰か)分かっているのかもしれません」と周囲には特定されてしまっている可能性を指摘し、「犯人の名前は出した方がいいと思いますけどね」と話した。
別の母親は情報不足にヤキモキしている。「保護者会を開くというお知らせもない。学校には保護者会を開いてもらって、真実というか原因というか、何らかの説明があった方が皆さん納得されるんじゃないか」と早期の説明を求めている。