バヌアツの法則
南太平洋のバヌアツ付近で大地震が起きると、日本でも大地震が起きるとまことしやかに噂されることがある。少なくとも2000年代のブログ全盛期から既に指摘されており、昨今のSNS社会でも、お約束のようにバヌアツ付近で地震があると投稿されることを見かける。
この「法則」に関しては、2023年の日本地震学会の学会誌「地震」に、京都大学の加藤護准教授による「バヌアツの法則は成立しない」という寄稿がある。ここでは、日本の地震の発生間隔と、日本とバヌアツの地震の発生間隔という2つの指標を検証した結果、「バヌアツの地震が日本の地震発生に影響している証拠がない、つまりバヌアツの法則は成立しない」として評価されている。
バヌアツ周辺も、日本付近も世界的に地震が多い地域である。地震雲の際に示した、偶然一致したケースだけが取りざたされている事例に近いだろう。
そもそも、科学的な「法則」(物理法則)とは「特定の条件下で普遍的に成り立つ現象の規則性」を指すことである。「近い時期に起きることがある」程度に用いることは、そもそも望ましくないだろう。