「地震予知」のトリック
地震予知については、内閣府のXアカウントのベースとなる見解が、気象庁HP「地震予知について」で掲載されている。そこでは、「地震を予知するということは、地震の起こる時、場所、大きさの三つの要素を精度よく限定して予測することであるが、現在の科学的知見からは、そのような確度の高い地震の予測は難しい」、「一般に、日時と場所を特定した地震を予知する情報はデマと考えられる」と結論づけている。
近年、SNS上などで地震予知を称する情報の大半が、このような「価値がない」ものに相当するだろう。しかし、なんとなく「地震予知が当たるように感じる」ことがある人もいるだろう。
当たったと感じる最大の要因は、「日本は地震が非常に多い地域である」ことだろう。過去7年間、日本付近で起きた地震の回数を、「気象庁震度データベース検索」から集計すると以下の表のようになる。
震度5弱以上の地震は、年によって変動はあるが、平均月1回ペースで発生している。震度2以上の地震であれば、1日2回以上起きているのだ。毎週のように、日本のどこかで地震が起こると言い続ければ、小さな地震は必ず当たるだろうし、震度5弱程度の地震もたまに当たるだろう。それ以上の大きな地震も、「ハズレ」を無視して言い続けていればいつかはまぐれ当たりすることがある。
的中するかどうかは、対象範囲を広く取る、対象日数を長く取る、小さな地震も的中としてゴールポストを動かすことで、いくらでも的中とできる。この簡単なトリックを知っていれば、自称・「驚異の的中率」の地震予知は、誰でも行うことができるのだ。
しかし、こうした情報は気象庁HP「地震予知について」では「あいまいな予測や、毎日起きているマグニチュード4程度以下の小さな地震を予測するような場合はたいてい当たりますが、それに情報としての価値はあまりない」とするものに相当するだろう。
なお、筆者はXの投稿で「地震予知」を行い、これを的中させる実験を試みた。具体的には、昨年11月21日の投稿で「11/22-12/5の間で、国内の地図上で指定の範囲内の地震発生についてM4以上の地震予知情報」を出す実験を行った。
その結果、最大で11月26日に発生したM6.6、震度5弱の石川県西方沖の地震をはじめ、合計で31回もの地震を「的中」させている。「誰でも地震予知」が的中させられる事例だろう。