森友学園に関する財務省の決裁文書の改ざんに関与させられ、自殺した、近畿財務局の職員、赤木俊夫さん(当時54)の妻の雅子さんは、財務省が検察に任意で提出した関連文書の開示を求め、先月4日、国有地の売却をめぐる学園側との交渉記録など2200ページ余りの文書が開示されました。
開示された文書にはほぼ時系列で通し番号が振られていましたが、欠落している番号が複数確認されたことから、雅子さんの弁護団は財務省に対して説明を求める申し入れを行っていました。
これに対し、財務省は9日、弁護団に文書で回答するとともに、学園側との国有地の取り引きの経緯を記録したとする一覧表を新たに開示しました。
まず、財務省は、学園側との取り引きについて、2013年6月から2016年6月までの間に1から382までの通し番号が振られた文書が作成されたと考えられるとしました。
そして、382件の文書のうち74件が欠落し、このうちの52件は、これまで一度も公表されていない文書だと明らかにしました。
文書が欠落している理由について、財務省は「欠落部分は政治家関係者に言及しているものが多くを占めていると推認され、大部分は記録を廃棄した過程で欠落したと考えられる」と回答しました。
学園側との交渉記録をめぐっては、2017年に国会質問につながる材料を極力少なくすることを目的に意図的に廃棄されていたことが明らかになっていて、財務省は、その過程で欠落文書の多くが廃棄されたという見解を示しました。
欠落している52件の文書には、森友学園の籠池泰典前理事長が安倍元総理大臣の妻・昭恵氏とともに写った写真を近畿財務局の職員に提示し「夫人からは『いい土地ですから前に進めてください』とのお言葉をいただいた」と伝えた2014年4月28日の記録や、その直後に作成された記録が含まれていました。
森友開示文書の欠落 財務省“政治家関係者に言及 多いと推認”
先月、財務省が新たに開示した、森友学園に関する文書の一部が欠落していた問題で、財務省は9日、説明を求めていた近畿財務局の職員の遺族の弁護団に文書で回答しました。財務省は「欠落部分は政治家関係者に言及しているものが多くを占めていると推認される」として、8年前に学園側との交渉記録を意図的に廃棄した過程で欠落文書の多くが廃棄されたという見解を示しました。
財務省「大部分は記録を廃棄した過程で欠落したと考えられる」
赤木雅子さん “なぜ 誰の意図で廃棄したのかを知りたい”
赤木雅子さんは9日、都内で記者団の取材に応じ「1歩進んで2歩下がるみたいなところはあるが、着実に進んでいる。今まで分からなかったことが分かるというのはすごく実感しています」と話していました。
また、先月開示された文書の一部が欠落していたことについて、財務省が「欠落部分は政治家の関係者に言及しているものが多くを占めていると推認され、記録を廃棄した過程で欠落したと考えられる」と説明していることについて、雅子さんは「なぜその部分を廃棄しないといけなかったのか、誰の意図で廃棄したのかを、ぜひ、今後知りたい。破棄をするから改ざんに向かっていったと思う。改ざんをしないといけなかった理由が知りたい」と話していました。
弁護団「あえて文書を抜いたとすれば組織的で悪質性高い」
財務省の回答を受けて、赤木雅子さんの弁護団が大阪市内で会見を開き、雅子さんもオンラインで参加しました。
この中で雅子さんは、文書の欠落について「やっぱり昭恵さんがらみだったんだと、新たなことがわかりました。再調査をしてほしいという気持ちが強いです」と述べました。
財務省が、一部が欠落した交渉記録を検察に任意提出していたことについては「提出された文書を見て検察は納得したのか疑問が残る」と話していました。
また、弁護団の生越照幸弁護士は「リストまでつくった上で、検討してあえて文書を抜いていたとすれば、組織的で悪質性が高い」と話していました。
一部欠落していた文書の内容は
9日、財務省が新たに開示したのは、森友学園側との国有地の取り引きの経緯を記録したとする一覧表です。
この一覧表からは、学園側との取り引きについて1から382までの通し番号が振られた文書が作成されていたことがわかります。
そして、文書ごとの作成日時や概要がほぼ時系列でリスト化されています。
この382件の文書のうち、先月開示したのは308件で、財務省は74件の文書が欠落していると思われるとしています。
74件のうち22件は財務省が2018年5月に公表した学園側との交渉記録に含まれていましたが、残りの52件はこれまでに一度も公表されていない文書だとしています。
この52件の文書についてリストに記載された概要を見ると、▽森友学園の籠池前理事長が安倍元総理大臣の妻・昭恵氏とともに撮影した写真を近畿財務局の職員に提示した2014年4月28日に作成された文書や、▽その直後からおよそ1か月にわたって財務省本省と打ち合わせを重ねた協議記録とみられる文書が含まれていることがわかります。
また、▽2014年5月9日に作成された文書の概要については「【重要】本省審理室より、近畿案では業務課長の了解が得られないとして、再検討の指示。開発申請を進められるように豊中市と協議せよとの指示」と記されていて、財務省本省が主導して取り引きを進めていた様子がうかがえます。
そして、52件の中には、▽2015年11月12日に昭恵氏付きの職員だった女性から国有地の貸付料の減額について財務省理財局に照会があったことを、大阪航空局へ情報提供した際の文書も含まれていました。
森友学園をめぐる問題では、当時の安倍総理大臣や妻の昭恵氏の存在が国有地の取り引きに影響していなかったかどうかが、国会で議論になっていました。
財務省 窪田理財局長 衆院財務金融委で答弁
森友学園に関する文書の開示の問題は、9日の衆議院の財務金融委員会でも取り上げられました。
この中で財務省の窪田理財局長は、先月開示した文書の一部が欠落していたことについて「平成29年当時、近畿財務局において、本省理財局からの指示を受けて、政治家の関係者との応接録として存在が確認されたものを、紙媒体および電子ファイルともに廃棄している。ことし4月に開示した文書で欠落していると思われるものは、政治家の関係者に言及しているものが多くを占めていることが推認され、こうしたことを踏まえると、その大半は応接録の廃棄の過程で欠落したと考えている」と述べました。
さらに、検察への提出の際に意図的に抜き取ったのではないかと問われたのに対し、窪田局長は「捜査における任意提出は捜査機関による依頼があるのが一般的であり、通常、捜査機関が捜査に必要のないものについて任意提出を受け、押収することはない。提出者が自発的に文書を選択しつつ提出するものではない」と述べました。
また、交渉記録に通し番号が振られていたことについて「土地取引は複数年にわたって取り扱いがされていたので、関連する資料を随時集めて、例えば人事異動があったときにも引き継げるようにということで、赤木氏によってというよりは、土地取引に関わっていた職員が節目節目の段階で取りまとめたものではないか」と述べ、近畿財務局で土地取引を担当していた職員がまとめたという見方を示しました。
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