山口大工学部(山口県宇部市)に通っていた男子学生=当時(21)=が令和6年12月に自殺したのは、指導教授や先輩の大学院生からアカデミックハラスメントやパワーハラスメントを受けたのが原因として、広島市内に住む母親が9日、山口大と教授らに計約8400万円の損害賠償を求めて広島地裁に提訴した。
訴状によると、当時工学部4年生だった学生は卒業論文の作成を控える中、所属研究室の教授から別の研究に従事させられ、過度な負担を負った。また、先輩の大学院生から指導で「1回で覚えろ」と言われるなど厳しい態度をとられた他、深夜から朝まで作業をさせられたという。
学生は精神的な苦痛を受け、論文完成への不安などから自殺に至り、山口大は就学環境に配慮する義務の違反があったと主張している。
山口大は「訴状が届いていないため、コメントは差し控える」とした。