【速報】逆子を元に戻す医療行為で赤ちゃんの脳に障害 業務上過失致傷の疑いで当時の担当医を書類送検 京都府警
逆子を元の体勢に戻す医療行為で赤ちゃんの脳に重い障害を負わせたとして、京都府警は9日、当時担当していた産婦人科の男性医師を業務上過失致傷の疑いで書類送検しました。
告訴状などによりますと、京都府に住む母親の千鶴さん(37)は妊娠中だった2020年、京都第一赤十字病院(京都市東山区)で、逆子になっていた長男・宝くん(4)を腹部の上から回転させる施術「外回転術」を受けました。その際、宝くんの心拍数が低下し、低酸素状態になったということです。
千鶴さんはこの施術の2日後、別の医師により緊急帝王切開で宝くんを出産しましたが、宝くんには手足のまひなど重い障害が残り、現在も介護が必要な状態が続いているということです。
病院側は医療ミスを認め和解したということですが、千鶴さんは担当医師から謝罪がなかったなどと訴えていて、去年、担当医師が緊急帝王切開などの処置を怠ったとして京都府警に刑事告訴していました。担当医師はその後、滋賀県にある別の病院で産婦人科医として勤務しているということです。
千鶴さんの代理人弁護士によりますと、刑事告訴を受け捜査していた京都府警は9日、この男性医師を業務上過失致傷の疑いで書類送検したということです。
■母親・千鶴さん「医療の在り方を見直すきっかけになってほしい」
書類送検を受け、母親の千鶴さんは次のようにコメントしています。
「ようやくここまで来た、という気持ちです。息子の人生があの日から大きく変わってしまったことを思うと、これまでずっと、胸の奥に悔しさや苦しさを抱えてきました。なぜ責任が問われないのかと感じる場面もありましたが、今回の書類送検によって、ようやくその行為が公の場で見つめ直される第一歩が踏み出されたと思っています。事故のあと、私たちが求めていたのは真実だけでした。けれど、いまだに担当医からきちんとした説明はありません。一言の謝罪もなく、ずっと逃げているように感じています。悔しくて、悲しくて、それでも息子のために、ここまで向き合ってきました。私たちが求めているのは、謝罪ではありません。本当に反省し、なぜこうした結果になったのかを正面から見つめてほしいと考えています。そして、医師としての責任をきちんと取っていただきたい。息子はこれから一生、重い障がいと向き合って生きていかなければなりません。あのときの判断がどれほど重い結果を生んだのかを、他人事ではなく、しっかりと受け止めてほしいと思います。息子に起きたことが、医療の在り方を見直すきっかけになってほしいと、心から願っています」