週末のちょっとした外出から帰省、観光や出張まで、プライベートやビジネスを問わず、さまざまなシーンで使えるスーツケース。大事な荷物を安全に運ぶためのものだけに、なるべく頑丈でつくりのいいものを所有しておきたいところです。そこで、スーツケースの選び方を解説し、定番ブランドの小型タイプを中心におすすめ製品をピックアップしました。
スーツケースは宿泊をともなう旅に欠かせないアイテム。最新のモデルは機能性もデザインもますます多様化しており、自分にぴったりの製品をきっと見つけられることでしょう。そんなスーツケースを選ぶうえでポイントとなるのは、「素材」「サイズ」「開閉方法」「キャスター」「デザイン」の5つ。これらをふまえ、スーツケースの選び方を解説します。
大切な荷物を安全に運ぶために、スーツケースには高い強度を求めたいもの。スーツケースの強度は外装素材によって大きく異なりますが、これは、アルミニウムやポリカーボネートなどのハード系と、ナイロンやポリエステルなどのソフト系に大別できます。アルミニウムは高強度ですが、重量は重め。これに対してナイロンやポリエステルは軽量ですが、耐衝撃性や耐久性はそれほど高くありません。そこで、強度の高さと軽量さを兼ね備え、ハードケースの素材として主流になってきているのが、ポリカーボネート。外装素材では今もっともおすすめできる素材です。迷ったら、ポリカーボネート製のものを選ぶようにしましょう。
スーツケースはサイズが大きいほど、たくさん荷物が入って便利と思われがちですが、大きすぎると持ち運びにくくなるばかりか、交通機関での輸送方法も制限されたり、料金が余計にかかったりしてくるので、目的に合ったものを選ぶことが重要です。サイズ選びに当たっては、宿泊日数から容量の目安をつけましょう。1泊2日で20L前後、2~3泊で35L前後、5~6泊で70L前後、1週間を超える滞在なら90L以上を目安にしてください。なお、旅先からお土産などを持ち帰る場合は、出発時より荷物が増えてしまうこともありますが、そんな時に便利なのが、「エキスパンダブル」機能。これはファスナーを拡張してマチ幅を広げ、収納容量を増やせるというものです。
移動で飛行機を利用する場合は、航空会社の機内持ち込みサイズの規定にも注意が必要です。JALやANAの100席以上の国際線・国内線の場合、身の回り品1個以外に持ち込める荷物の外形寸法は、3辺合計で115cm(幅55×奥行25×高さ40cm)以内、100席未満の国内線なら100cm(幅45×奥行20×高さ35cm)以内で、重量はいずれも10kg以内です。これを超えるサイズのスーツケースは貨物室に預けることになります。なお、機内持ち込みの規定については、航空会社によって異なるので、よく利用する航空会社の情報はチェックしておくといいでしょう。
スーツケースの開閉方法というと、荷物を収納した後に本体を折り畳み、荷物を取り出すときに全開する両面開きのものが一般的なイメージでしょう。内部のスペースを効率的に活用できるので、移動中にスーツケースを開けることがほとんどない場合は、このタイプが適しています。ただし、機内持ち込みができる小型スーツケースなどの場合、本体を寝かさないとちょっとした荷物を取り出せないことに不便を感じることも。そこで最近では、本体の前面のみを開いて、ノートPCなどを出し入れできるタイプのスーツケースが発売され、人気を集めています。ビジネス用途などなら、こうした開閉方法の製品も選択肢に入れておくといいでしょう。
開閉部分には、一部のハード系外装の製品にフレームを用いたものもありますが、最近ではファスナーを採用したものが大半となっています。布地にジップが付いたファスナーだと、破られて中身を取り出されるリスクも想定されますが、最近のファスナーは強度の強い素材が用いられており、簡単に破られることはほとんどなくなってきています。また、コイルを2重にして耐久性を高めたものもあるので、できればこうしたものを選びましょう。
また、防犯面においては、錠前も重要です。頑丈で壊れにくく、「TSAロック」に対応しているものがいいでしょう。TSAロックとは、アメリカ合衆国運輸保安庁によって認定されている規格で、空港のセキュリティチェックでスーツケース内部を確認する必要があるときに、当局の係員が錠前を破壊せずにカギで開錠できるというものです。また、スーツケースベルトを購入しておくのもおすすめ。事故による中身の散乱を防ぎ、荷物を開けるまでの手間を増やすことで、中身の盗難を防ぐことができます。
スーツケースはゴロゴロと転がして移動させることが多いだけに、キャスターの設計や品質が使い勝手に大きく影響してきます。2輪タイプは自立しやすい点で便利ですが、小回り性や安定感では4輪タイプに劣ります。また、1本の車軸にタイヤがひとつずつ付いているか、2つずつ付いているかもチェック。ひとつずつのほうが軽い力で押せますが、2つずつ付いているほうが安定します。また、より少ない力で押せるベアリングを内蔵したものや、転がしたときの音が小さい「静音キャスター」を採用したものもあります。なお、キャスターは劣化しやすいパーツなので、後で交換できるよう、なるべく実績のあるメーカーによって製造されたものを選んだほうが、長く使えます。
デザイン面では、スーツケースのカラーや表面仕上げにこだわるのもいいでしょう。最近はカラフルでおしゃれなスーツケースが増えており、女性を中心によく選ばれています。こうした製品はよく目立つので、荷物を紛失したり取り違えたりする「ロストバゲージ」対策にも有効です。
ここでは、世界の有名ブランドを紹介。いずれのブランドのスーツケースも、堅牢で機能性にすぐれ、洗練されたデザインのものばかり。長く使えて飽きのこないこだわりのスーツケースを探している人は、まずこちらから選ぶとよいでしょう。
1910年にアメリカで創業されたトランク製造会社を前身とする、スーツケースのリーディングカンパニー。頑丈で高品質な製品が、旅に時間とお金を費やす富裕層の支持を集め、世界中で顧客を獲得してきました。業界に先駆けて頑丈で軽い新素材の採用を積極的に推進したため、同社の製品は取り回しのよさでも定評があります。
1933年にアメリカで創業。軽量でファッショナブルなカラーを特徴とするスーツケースが人気を集め、主要航空会社の客室乗務員による“フライトテスト”を行った最初の企業として脚光を浴びました。その後も趣向を凝らしたPR展開でシェアを高め、1990年代にサムソナイトグループ傘下となり、現在は世界100か国以上で製品を展開しています。
1898年から続くドイツの老舗メーカー。1950年に発表された、スタイリッシュで堅牢なアルミニウム性スーツケースが、旅を象徴するような普遍的な魅力をアピール。そのデザイン性は、時代を超えて世界中のファンに愛されています。製品は厳しい品質検査を経て出荷されており、購入後のアフターサービスも細やかです。
1940年に日本・大阪で創業。軽くて強度があり、かつ汚れ落ちのよいバッグを開発し、一躍ヒット。その後、日本人の海外旅行が本格化するのに合わせて多くの顧客を獲得。日本人に合うスーツケースを作ることを目標に、さまざまなラインアップを展開してきました。高機能なスーツケースブランド「プロテカ」や「ace.」も展開中。
1975年にアメリカで設立。1980年代にソフトで機能性にすぐれたオールブラックのバリスティックナイロン製トラベルバッグを発表し、成長の足がかりを構築。その後は卓越した品質の高さと豊富な製品のラインアップにより、世界的なブランドへと成長を遂げました。高いクラフトマンシップによって維持される耐久性、弾力性がブランドを通してのDNAです。
機内持ち込みに対応した小型モデルから、長期の出張や滞在に適した大型モデルまで、価格.comの人気ランキング上位の製品を中心に紹介します。
ドイツの老舗ブランド「リモワ」のスーツケースは、シンプルかつ洗練されたデザインで、ビジネスパーソンを中心に大きな支持を集めています。本製品は、外装にポリカーボネートを採用し、堅牢さと軽量さを両立。内部には、高さ調節が可能な間仕切りを備え、荷崩れを防ぎます。独自開発のダブルタイヤ「マルチホイールシステム」や、無段階の高さ調整が可能な「テレスコープハンドル」など、ハイクオリティなパーツを多く搭載。11色のカラーから好みに合わせて選べます。
素材:ポリカーボネート+アルミニウム
本体サイズ・重量:約55(高さ)×39(幅)×23(奥行)cm・約3.2kg
収納容量:約36L
開閉方法:両面開き
キャスター:ダブルタイヤ4輪、静音仕様
ロック:TSAダブルロック
その他:機内持ち込み対応
本革製のハンドルがおしゃれなフロントポケット採用のスーツケース。細部のパーツまで統一感のあるカラーリングに仕上げられており、洗練された印象です。機能面では、フロントポケットにノートPCや書類などを収納できるほか、内装のポケットにも整理できます。旋回性にすぐれた双輪キャスターを備えているのもポイントです。
素材:ポリカーボネート
本体サイズ・重量:約50(高さ)×40(幅)×25(奥行)cm・約3.3kg
収納容量:約40 L
開閉方法:両面開き、フロントポケット
キャスター:ダブルタイヤ4輪、静音仕様
ロック:TSダイヤルファスナーロック
その他:機内持ち込み対応
前面にはガイドブックやチケットなどを、奥行きのある内部にも大型のポケットを備えながら、約2.3kgという軽量さを実現。1~2泊の出張でフットワークよく使えるソフト系素材のオーソドックスなモデルです。信頼の国内メーカー製品ながら、手ごろな価格で購入できるのも魅力です。
素材:ポリエステル840dn2トーンオックス
本体サイズ・重量:約54(高さ)×37(幅)×23(奥行)cm・約2.3kg
収納容量:約31L
開閉方法:前面開き/両面開き
キャスター:シングルタイヤ4輪
ロック:TSAダブルロック
その他:機内持ち込み対応
スウェーデンの家具メーカーが提供する、機能性の高さとおしゃれなデザインが目を引くモデル。本製品は、ケース前面を開けるとノートPCやガイドブックを収納でき、前面ポケット内装のファスナーを開けることで内部にもアクセスが可能。キャスターは静音仕様でストッパー付きです。
素材:ポリカーボネート+ABS樹脂
本体サイズ・重量:約55(高さ)×35(幅)×25(奥行)cm・約3.3kg
収納容量:約38L
開閉方法:前面開き/両面開き
キャスター:ダブルタイヤ4輪、静音仕様、ストッパー付き
ロック:TSAダブルロック
その他:機内持ち込み対応
ドイツ発祥ブランドならではの堅牢さや緻密な作り込みが際立つモデル。素材にはポリカーボネートを採用し、ファスナー部分には2重のコイルを採用。前面ポケットを開くと13型相当のノートPCなどが収納でき、そのまま内部の収納部も開けます。ストッパー付きの静音キャスターのほか、ケース側面に充電用のUSBポートを備えるなど、機能性の高さもポイント。
素材:ポリカーボネートプラス
本体サイズ・重量:約54(高さ)×37(幅)×24(奥行)cm・約3.1kg
収納容量:約35L
開閉方法:前面開き/両面開き
キャスター:ダブルタイヤ4輪、静音仕様、ストッパー付き
ロック:TSAダブルロック
カラー:ブラックヘアライン/シルバーヘアライン/ジェットブラック
その他:機内持ち込み対応、USBポート×2(モバイルバッテリーは別売り)
ロジェールは1989年の設立以来、ユーザーのニーズに応える製品づくりで人気上昇中のブランド。本製品は比較的コンパクトなサイズながら、エキスパンダブル機能を搭載。通常約37Lの状態から約42Lまで容量を拡張でき、前面から奥行のある内部にアクセスが可能です。ファスナー部分は2重のコイルが採用されるなど、耐久性にも配慮されています。
素材:アドバンスポリカーボネート(エンボス加工)
本体サイズ・重量:約53(高さ)×35.5(幅)×25/28(奥行)cm・約3.1kg
収納容量:約37/42L
開閉方法:前面開き/両面開き
キャスター:ダブルタイヤ4輪、静音仕様
ロック:TSAダブルロック
その他:機内持ち込み対応、エキスパンダブル機能
柳行李のような3軸織模様をモチーフとした、傷が目立ちにくいリブデザインを用いています。内装生地には抗菌・抗ウイルス加工を施しており、旅先でも安心して収納が可能。手元のボタン操作で簡単に長さを調節できるプルドライブハンドルや握りやすいトップハンドルなど、扱いやすい作りです。
素材:ポリカーボネートABS混合樹脂
本体サイズ・重量:約65(高さ)×48(幅)×27(奥行)cm・約3.6kg
収納容量:約68L
開閉方法:両面開き
キャスター:ダブルタイヤ4輪、静音仕様
ロック:TSAダイヤルファスナーロック
その他:キャスターストッパー
ボディシェルの角の丸みが小さいスクエア状のフォルムとなっているため、荷物を隅々まで有効に収納できます。ボディシェルにはシボ加工入り。フロントオープンポケットを備え、エキスパンダブル機能も備えているので、ノートPCや書類などの小さな荷物だけでなく、衣類などの大きな荷物も効率よく収納できます。身長や持ち方に合わせて多段階調整が可能なプルドライブハンドルや、ケース底面の底擦れを防ぐ凹リブを備えているのも特徴。
素材:ABS
本体サイズ・重量:約58[65](高さ)×41[45](幅)×30[30](奥行)cm・約4.1kg ※[ ]内は外寸表記
収納容量:約64/71 L
開閉方法:両面開き、フロントポケット
キャスター:ダブルタイヤ4輪、静音仕様
ロック:TSAダイヤルファスナーロック
その他:エキスパンダブル機能
鏡面加工のボディシェルがおしゃれな大容量タイプ。ボディシェル表面にはキズが付きにくいリブ形状が施してあります。内装には抗菌加工を施した生地を採用。ファスナー式収納スペースとメッシュポケット付き中仕切りを備えているので、効率よく収納できます。機能面では、旋回性にすぐれた双輪キャスターを用いており、キャスターストッパーも装備。
素材:ABS混合樹脂(鏡面加工)
本体サイズ・重量:約70(高さ)×52(幅)×34(奥行)cm・約4.8kg
収納容量:約100 L
開閉方法:両面開き
キャスター:ダブルタイヤ4輪、静音仕様
ロック:TSダイヤルファスナーロック
堅牢ながら軽量なボディに、さまざまな機能を搭載したフルスペックモデル。凸型リブデザインのボディシェルを採用しており、表面にキズが付きにくいです。手元で簡単に操作できるキャスターストッパーをはじめ、体感音量を抑えた静音キャスター、なめらかな走行感のベアリング内蔵ホイールなど、高性能なパーツを採用。また、カギの持ち歩きが不要なダイヤル式TSロックも備えました。
素材:ポリカーボネート・ABS混合樹脂
本体サイズ・重量:約68(高さ)×54(幅)×35(奥行)cm・約4.9kg
収納容量:約103 L
開閉方法:両面開き
キャスター:ダブルタイヤ4輪、静音仕様
ロック:TSダイヤルファスナーロック