加藤陽子著『それでも日本人は「戦争」を選んだ』には「ドイツ軍の捕虜となったアメリカ兵の死亡率は1.2%にすぎません。ところが、日本軍の捕虜になったアメリカ兵の死亡率は37.3%にのぼりました。これはやはり大きい。日本軍の捕虜の扱いのひどさはやはり突出していたのではないか」とある。
しかし、この高い死亡率には、米軍の攻撃によって輸送船が撃沈され死亡した捕虜がかなりの数、含まれている。それも日本軍の捕虜の扱いのひどさに含まれるのだろうか。
サラ・コブナー著『帝国の虜囚』には次のような記述がある。
「捕虜の死亡率を高めた最大の理由は、アメリカが捕虜の危険を顧みずに魚雷攻撃を行ったことであった」
そして原注を見ると、「友軍の攻撃により死亡した人数は、正確には分からない。輸送された捕虜の総人数の推定値に幅があることが、その主な理由である。…(Michnoの著書によれば)19,000人は味方の爆撃によるものだと推定している。日本軍に捉えられて死亡した捕虜の総数から彼らを除外すれば、ドイツ軍に捉えられた連合軍捕虜の死亡率とほぼ同じ程度になる」とある。
Geminiに質問したところ、次のような回答だった。
「注目すべきは、連合国軍自身の攻撃によって死亡した連合国軍捕虜の数である。捕虜を輸送していた日本の船舶が連合国軍の潜水艦や航空機によって攻撃され、少なくとも1万人以上、最大で2万人を超える捕虜が死亡したと推定されている。これは、日本軍捕虜の総死者数の相当部分を占める規模であり、戦争における「友軍相撃」の悲劇的な事例の一つである」