生大喜利の回答で意識していること
生大喜利の回答の考え方や発想の取っ掛かり、ルールごとで意識していることやテクニックなどを全て書きます。
章立てて何かを書くという経験が大学のレポート以来なかったので下手くそな文章にはなると思いますがご了承ください。
はじめに
まずこの文章を書く理由としては、自分の思考の整理も兼ねていますが、ありがたいことに「どうやって回答考えてますか?」「大会の時何考えてますか?」「苦手なお題の時どうしてますか?」などと訊いていただける機会が多々あり、その都度納得いく回答をできている気がしておらず、「これを見てもらえれば…」と思えるようなものを提示できればと思い書きました。
裏を返せば「自分のスタイルや考え方を曲げてまで大喜利を強くなりたいとは思わない」という方もいらっしゃると思います。このnoteでは便宜上「こうした方が良い」という表現を使うことが多々ありますので、そういう考えの方には向いていない内容となることをご了承ください。
指南書のようなものにするつもりはあまりないのですが、大喜利を始めたての人~大会で勝ち上がりたい人向けくらいの認識です。
正直なところ、皆さん言われなくても無意識のうちにできていることを文章にしている部分もあると思います。
また、大喜利において「絶対に勝てる」などということは無く、残酷ですが当人の大喜利が面白いかどうかに依拠してる割合が非常に大きいので、「これを見て面白くならなかった」と言われても「すみません…」と返すほかありません。この記事が「絶対に面白くなれることを保証するものではない」ということをご承知おきください。
回答の取っ掛かりや勝つために意識しておいた方が良いこと、くらいに思っておいてください。
また、これからの文章は全て自分の目線で書かれているものであり「当たり前みたいに書いてるけどこれできたら苦労しないよ」と思う部分もあるかもしれませんが、あくまでこれを読んで意識するキッカケを作っていただければと思い書いているので大目に見ていただけるとありがたいです。
回答の考え方
回答の考え方は基本的に以下の2種類に分けられると思います。
1.あるあるや実体験をベースに考える
2.想像したとき(実際に演じたとき)に面白い状況を考える
実際にした回答をベースに解説できればと思います。
1.あるあるや実体験をベースに考える
お題:"生きたガム"ことガム虫の生態
回答:ティッシュに包んで捨てるとき一番ガム
まずこのお題を「ガムみたいな虫」と大枠で捉えます。
答えて欲しい物としては"虫"なので、虫の要素から考えたとき、自分は虫が苦手なので「家に出た虫の対処」が苦手というところが思いつきます。
特に生きていても死んでいても、素手で虫を触るのが苦手なのでティッシュに包んで捨てるのは苦手な人のあるあるなのではないかと思います。(むしろもっと遠ざけて捨てる人もいると思いますが…)
そこで浮かんだ「ティッシュ」の要素が、ガムの要素とも一致していることに気づき採用。ボケの大枠が思いつきました。
次は回答の語順です。
そこまで長くない回答の場合は、「ボードをめくるタイミング=オチであると分かる部分」が、回答の終盤であれば望ましい気がします。
一瞬でも見ている人に「この回答は最後どう着地するんだ?」と思わせるのはテクニックの一つかと。
ボケの語順として、上記のボケは
・ティッシュでくるんで捨てるとき、ガムすぎる
・ガムみたいに、ティッシュでくるんで捨てる
の2パターンがあります。上のパターンは割とオーソドックスです。回答単体で成立してる回答なイメージ。
下のパターンは多少スカシ的なものが入ってます。
「別に虫もそうだろ」的なツッコミが現地で進行の方がしてくれるor見ている人がこのツッコミを想像したときに笑いが起こるイメージ。
EOAは印象のルールですが、回答者が横並びで6人いるので、自分が回答している時点で他の人が挙手をしているケースが多いと思います。
なので、あまりにも解釈に時間を要してしまう場合はボケが十分発揮される前に次の方が指名されて次の回答の時間に移ってしまうことがあります。
そのため、下のパターンはリスクがあると判断し上を選びました。
※タイマンのような自分にスポットライトが当たる時間が長い形式や、進行の方のツッコミで大会自体が盛り上がってる印象の時は下のパターンを採用しても良さそうかなと思います
あとは表現です。
このままでもいいのですが「ガムすぎる」より「一番ガム」の方が個人的には面白いと思ったのでそちらを採用。ここは個人的な部分が多いと思うので今まで大喜利をやってきた自分を信じる形になります。
今となっては「特にガム」などの表現もあるなあと思ったりもしますが、それでも「一番ガム」で十分かなと思います。
「ティッシュでくるんで捨てる」がある程度発想の強い部分を担えているので、後半の表現で説得力が落ちるようなことにはならない気がします。
今する反省じゃないけど、「一番」は「いちばん」と書いた方がよかったかも。「一番ガム」だと見た目が商品名っぽいかもと思いました。
細かいですがこういうノイズを減らす作業も大事だと思います。
あと、気付いた方もいるかもしれませんが、この回答はお題の「生態」の部分に沿っていません。この回答が全体の1答目だと、もしかしたらそこまでウケていないかもしれませんが、お題は制限時間やいろんな回答が出ていく中で見ている人の中でも細部が落とされていくような気がします。
これもお題の制限時間の中でどこかでこのお題に沿い続けることに飽和する瞬間があり、見ている側が笑っているうちに「正確にお題に沿っているかどうかの判断が鈍くなる瞬間」があるので、そのタイミングで出せるのが理想だと思います。
ただ、もちろん最後までしっかりお題に対して沿っているかどうかの評価軸を持っている人がいるのも忘れないで下さい。
もう1個別の回答の思考も説明しようと思います。
お題:娘の運動会の結果速報を逐一、Xでポストしているお父さん
回答:娘の赤組が負けたとき、チーンって言って白黒の自撮りあげてた
最初は「娘が負けた時にどういうポストをするか」という状況から考えました。
割とどのお題に対しても言えることかもしれませんが、そのお題の世界の中で「何かマイナスなことが起きる」ということはわかりやすく面白いことが思いつきやすい印象です。
このお題での「マイナスなこと」は、お父さんの娘が運動会で負けてしまうかなと思い、そこから考えました。
次に「結果をポストする人」から着想を得ようとしたときに、明確に実体験(見たことあるツイッターの人)から引っ張って考えることができました。
具体的には覚えてないのですが、毎週競馬の予想を書いてる人がいて、予想が外れるとそのアイコンが白黒だったり何かしら加工したものが投稿される、みたいな感じだったと思います。
お題の発想の根幹はスポーツの実況や、それこそ大喜利大会のようなものの結果をポストしている人をベースにしていると思いますが、「結果をポストする人」という部分から飛躍してその人が思い浮かびました。
自然とボケの軸として、「仮にこの人が娘が運動会で負けたときにどういうポストをするか」を考える方向に決まりました。
簡単な流れですが、「白黒加工したアイコン」に着想を得て、「白黒の自撮りをあげる」に決まりました。
最後、「娘の赤組が負けて、白黒の自撮りをあげる」をさらに補強できないかと思い少し考えました。
着想を得た競馬の人はあまり正確に覚えていないのですが何かしら文言があったはずで、これは一文沿えた方が面白くなるなと思いました。
「悔しい」「残念」の方向で考えても、良いパパの路線になって終わりなきがしてここはくだらなさに振った方が面白いと思ったときに、「チーン」が思いつき即採用でした。
ここは「普段何を面白いと思っているか」のセンサーの部分が大事になっていて、そのセンサーの感度が強い人は裏を返せば「何が面白くないか」に対しても敏感なはずです。
「競馬に負けて『チーン』と言いながら白黒の自撮りをあげる人」はあまり面白くない(知り合いがやってたらめっちゃ笑うけど)けど、これが娘の運動会を観てるお父さんとしたときに面白くなる、という部分が結構感覚的ですが直感で想像できると強いと思います。最後はこれを組み合わせて回答が完成します。
細かいですが、対戦相手がその前に「自撮りもセットであげる」と回答していました。これは実際には聞こえているのですが、自分の回答の方が強度があると思ったので出すことにしています。
とはいえ、すぐに出すとさすがに「回答が被った」と思われるので、他の人の回答が一個出たら出そうと考えています。
少し話は逸れますが、他の人と回答が被った(似た要素を使っている)場合は、自分は以下の基準を持っています。
・印象審査で、自分の回答に自信がある場合
→最低1個ほかの回答が出るのを待ってから回答を出す
・加点審査で、自分の回答に自信がある場合
→最低1個ほかの回答が出るのを待ってから回答を出す
・印象審査で、自分の回答に自信がない場合
→出さない
・加点審査で、自分の回答に自信がない場合
→次に指名される場合は出すが、他の人が指名された場合は出さない
加点でも同様に、最低1個回答が出るのを待ちます。場合によっては別の回答を自分で挟んで、そのうえで被っていたものを出すこともあります。
これは加点の最大値を狙う上でやっています。ルールによっては大体点数の幅が0点~5点くらいだとします。
普通の加点で考えて3点のポテンシャルの回答が、直前で被ったと思われて減点されるのはもったいないので、ちゃんとその回答がMAXのポテンシャルを発揮できる場面で出すのが得点につながります。そのためにはキープや別の回答を挟んで出すのがベストだと思います。超加点なんかだともっと点数の幅も変わりますし。
一番下はあざといですが、かぶっちゃいました的な顔や前振りをしてエンタメみたいな感じで出したりします。加点はとにかく出すのが大事。実際、この感じで点数が入ってるケースを何度も見ています。
2.想像したとき(実際に演じたとき)に面白い状況を考える
次にこちらの考え方について解説します。
こちらも例を挙げて。
お題:実家から「大量のレトルトカレーだけがパンパンに詰まった仕送り」が届きました。実家に電話をかけてください
回答:今日で使い切りそうだからまたお願いします
まず、この状況に置かれた人が取ったら面白そうな行動を思い浮かべてみます。
「お題の状況とのギャップを生む」という考え方は、面白い回答に繋がりやすいと感じます。
このお題だと「カレーだけがパンパンに来たこの奇怪な状況を、本人がとてもプラスに捉えている」と仮定します。
前述した「マイナスなことを起こす」という部分にも共通していますが、特段お題に縛りがない場合、お題がプラス(楽しそうな状況、本人が望んでいる状況)の場合はマイナスな出来事。お題がマイナス(不幸、理不尽な目に遭っている)の場合はプラスな出来事を考えると発想のとっかかりにはなると思います。
お題がニュートラル(特にプラスもマイナスもない場合)の場合ももちろんあります。この場合は、極端に良い出来事が起きたり、理不尽な目に遭わせることで無理やりプラスとマイナス方向にギャップを生むこともできると思います。
ただ、例えば「○○な世界でありそうなこと」のように「普遍的に起きること」を求められている場合はギャップを生む方向性の回答はあまり推奨しません。少なくとも序盤は普遍的なことを答えて、後半になってスパイス的にこの発想からこの世界に生まれたすごい奴やかわいそうな奴を考えた方が良いかと。
元のお題の話に戻りますが、この場合のギャップはプラス方向だと「仕送りに異常に喜ぶ」「ありがたいと思っている」、マイナス方面のギャップは「本人がカレー嫌い」「両親と仲が悪い」などが考えられます。
今回は「ありがたいと思っている」というところから考えました。現にこのお題の一答目で「ほんまありがとう」と答えてます(浅すぎ)
ここから飛躍して、感謝している理由として「本人が異常なカレー好き」の方向にシフトしたとき、「既にもう食べ切っている」という回答の軸が思いつきます。お題の文章から見ても、届いてから電話をかけるまでの期間は短い時間を想定しているはずですから、ここで食べ切っているという方向のボケは悪くないかと。
あとはどう伝えるかの表現の部分を考えます。
「食べきったからまたお願いします」みたいな着地でも全然悪くないのですが、ここで本人の異常性をもう少しアップしたほうが良さそうかなと思い「使い切りそう」という言葉を選びました。
そうすることで、「まだ食べ切ってはない」段階で電話をしてる図々しさもプラスされて結構あり得ない奴へと仕立てることができるかと。
「食べ切る」ではなく「使い切る」を使ったのは正直あまり考えていませんでしたが、仕送りをモノ扱いしてる異常さもプラスされて良いかなと。
このあたりの言葉遣いの選択も、逐一脳内でどっちにしようと考えているわけでありません。どれが面白い表現になりそうかを一発で行く道を見つけられるかは、これも経験の部分が大きいと思います。
話が逸れて申し訳ないのですが、大喜利で使う言い回しや適切な単語のチョイスなどは「自分が見てきたものの中で面白いと思ったもの」が咄嗟に出ると思います。
「見てきたもの」が例えば漫画や映画だったりするのか、何なのかは本人に依拠していると思いますが、自分の場合圧倒的に「お笑い」なので、大喜利に置いては有利なのかなと思います。
おそらく過去の回答の中には言い回しや表現の元ネタがお笑いにたくさんあると思いますが、この言い回しが面白いと思ってストックしているわけではなく自然と頭の中にあって、たまたまお題との関係性がその状況に近かったりすると出るのだと思います。(ストックとしてメモするのももちろんありです)
2についてフィジカル的な回答でも触れたく、文字では伝わりづらいかもしれませんができるだけ解説してみようと思います。
お題:全ての職業の人が陶芸家のように納得できない出来だった時、自信の成果物を壊す世界
回答:体操選手が(着地するポーズをしたあとその場でふざけながら)「ダメダメダメ~」
いわゆるフィジカル回答というものです。フィジカルという言葉がどこまで指してるか曖昧ではありますが、ざっと「その場で立ち上がって回答する」「歌ったり大きい声を出す」「ボードを出す前に身振り手振りを行う」ぐらいの認識で進めていきます。
このお題について考えられるボケの軸は「職業の人が使っている道具を壊す」という回答、「この程度の出来で壊さなかったのかよ」となる回答、「こいつこれを『成果物』だと思ってたのかよ」と思わせる回答の3パターンが主かと思います。
その上で、「職業」と「その職業の人がどのような(どのように)成果物を壊すか」の二つを考える必要があり、特にこの「成果物」をどの範囲で捉えるかが肝なお題だと思います。
この中で後半2つはお題の複雑さに対してさらに一個踏み込んでいるボケのような気がして自分でも数が思い付かなそう。かつ、見ている側も若干難しいのではないかと思い、最初の軸で考えました。
最初で考えたうえで、他の人の回答で「サッカー選手が自身のゴールをなしにする」という旨の回答が聞こえており、「これは自分でもっと良い形にできる」と思い自分の中でその軸で考えることにしました。
正直こうやって文字に起こすとかなりズルではあるのですが、「ほかの人の回答からインスピレーションを受けて自分の考えやすい形にする」という行為は大会の横並び(4~6人)ではやっていいと思います。
先述の回答が被った時の考え方に近いですが、要素は基本的に早い者勝ちの側面がありますが、強度を伴えば後から出しても自分のものにできると思います。
また、サッカー選手の回答を自分は同じスポーツという枠ではありますが、体操に変えています。これは野球やバスケなどの「自分が得点を決める場面」があるスポーツだと見ている側にもボケが被った思われるリスクがあるからです。そこで審査員が決める型のスポーツの方が良いと思い、体操選手を思いつきました。
ここから「このボケをどう加工したら、見ていて面白いと思われるか」を考えます。
文字で「体操選手が演技した直後にふざけた動きをする」だと、味気ないし、「ふざけた動き」の部分に特定の画がなく幅が出てしまうので、ここは自分で実演したほうが面白いと思いフィジカルを実行することにします。
絵を描ける人はそれでも良いかもしれません。
フィジカルについてですが、面白さを補強するためにフィジカルで補強するパターン(50点を80点にする)と、フィジカルでやるからこそ面白いパターン(10点を100点にする)があると考えています。今回は後者です。
あとは「納得いってない体操選手が着地後にしたら面白い動き/声/セリフ」を考えますが、ここは短く終わらせた方が面白いはずです。
ボケの軸が良いのに長尺でやると、「フィジカルに逃げた」と思われかねないのでもったいないです。フィジカルは見る側にもある程度集中力が必要。
短く終わらせるとして、あとはもうふざけて諦めていることが分かれば良いので、「ダメダメダメ~」と言いながら両手を動かす感じにしました。
途中で挟んだ「ほかの人の回答からインスピレーションを受ける」について、ちょっと飛躍した話題になりますが自分の見解を挟んでおきます。(ずっと自分の見解だけど)
まず、根幹として「回答を考えているときに他の人の回答を聞くべきか」というのがありますが、自分は他の人の回答を聞くことをオススメします。
まずは「被りの防止」です。先ほどからちょこちょこ回答が被った時の話をしていますが、回答が被っているのに気付かずに出したときは本当にウケません。なぜか気まずい空気すら流れます。これは正直回避したいです。
自分は他の人と被らない自信があるという人は結構ですが、自分はリスクを減らしたいので極力聞くようにしています。
例えばボケの根幹自体は違っても、途中に出てくる単語が一緒だったりすると、被ってないのに被ったと思われることがあります。これは見ている側も「ボケ自体は違う」と理解してくれるのですが、その理解までにコンマ数秒被った単語が邪魔をして本来のウケに届かない可能性があります。そういう意味でもリスクヘッジとして回答は聞いておきたい。
「全部聞いていたら自分の回答に集中できないよ…」という人もいるかと思いますが、自分のボードに書いている/書こうとしている中で「このワードだけは他の人に出されたくないなあ」という部分があるかと思います。
そこだけでも意識していると嫌でも被ったときに耳に入ってくると思います。そうしたら、表現を変えてください。日本語が多彩なのはこのためにあるのかというくらい、代替できるワードはたくさんあります。固有名詞の場合は絶望。
次にインスピレーションです。
大喜利の最初は連想ゲームです。お題を見てお題の単語からどの要素を使うか多かれ少なかれ連想ゲームをしています。ブレインストーミングの中心からどれだけ枝を伸ばせるかで発想の量は変わります。その発想できる量が少ないと、少ない枝からヒントを得て回答することになります。枝が少なくても1つウケればいいのですがウケなかった時に逃げ道が少なくなって困ることが多いです。ずっと同じ枝から回答しても「この人ずっと同じところにいるな」と思われるとあまりウケなくなります。
そういう時に他の人の回答を聞くと、自分が思いつきもしなかったような枝が見えてくるものです。「思いつきもしなかった」は、「忘れてた」でもあります。「100%自分の中にその要素がない」というケースは少ないと思います。
例えばデパートのお題でずっとファッション系のお店が並んでいるところしか思いつかないところに他の人が「フードコート」の要素を出しているのを聞くと、一気に視界が広がる気がすると思います。
そうなると、自分がよく行っていたデパートのフードコートまでの道のりまでもが思い出せるようになる。そんな感じで、ただ「フードコート」を引っ張ってこれるだけでなく、フードコートに至る道、フードコートを抜けた先、フードコートのあとに行くお店なども思い出せるようになる。
これはデパートに限らず、自分が知っている要素であれば、どんな要素でも起こりうることだと思います。
そのまま「フードコート」の要素の回答を出すと被りかもしれませんが、そこまでの道のりにある要素を答えれば見てる側からしたら被っただなんて思われません。
あくまでこれは考えに行き詰ったときの考え方の一つにすぎませんが、これが他の人の回答を聞く最大のメリットのように自分は思えます。
特に加点などで思いつかないときは有効なイメージです。
お題を見てすること
ここまではお題を見てからの考え方の起点となるフックについて説明しました。次はお題の要素を見てからどのように回答に使うかのテクニック的なものを説明できればと思います。前段と重なる部分も多いと思いますのでそこは省略しながら書ければ。
「要素」を見つけて、向かう
まずは自分からその要素に向かいます。感覚的な書き方にはなってしまいますが、こう書くのが一番正確な気がしてます。
例えばお題に「場所」が含まれるケースは非常に多いです。
例:学校、病院、デパート、飛行機、自動販売機、おばあちゃん家、アメリカ、浅草、など…
このように、お題の要素として場所が指定されることは多々あります。
フェスやお花見、運動会、結婚式と言った行事もそこに含めてよいでしょう。
その場合は、まず自分の世界のその場所に行ってください。行ったことない場合はそれが登場する作品や画像を思い浮かべてください。誰かが行った時の話を思い出すのでも良いです。そこからそこにあるお店や道具、人々を思い浮かべるといくらでも要素があると思います。
お題の要素が「人」の場合でも同じです。
例:お母さん、先生、アナウンサー、パイロット、SMAP、アンパンマンなど…
この場合も同じく、頭の中でその人に会ってみる、もしくは今まで見てきたその人を思い浮かべてください。そうすればその人が何をしていたか、よくしていた言動、印象的だったフレーズなどが思い浮かべてください。
「先生」と言った場合は、実際に教えてもらっていた先生でも良いですし、ドラえもんの先生や金八先生など、なんとなく思い浮かべる先生が色々いても良いと思います。急に金八やられるとビックリされるけど、後半に出せれば回答の幅の一つになると思います。
逆にSMAPやアンパンマンみたいな、全員の中である程度人物像が固まっている場合、その要素を知っている場合は素直に自分が見てきた人物像に向かってもらえればと思います。知らな過ぎて無理に使おうとして空回るパターンは正直あります、その場合は無理に向かわないでください、知らない場合は焦らず。
本当に知らない場合に「どんな人かを司会の人に訊く」「(すみません○○について何も知らないんですけど)的な前振りをしてから回答する」テクニックもあります。が、どちらも割と強いメンタルがいるような気がします。大喜利的に有利でもメンタル的にマイナスになる可能性もあるのでもちろん無理のない範囲で、あくまでテクニックとして。
戻りますが、他にも、「サービス(広く括ると文化など)」がお題になる場合もあります。
例:作品(小説、映画、番組)、宅配、SNS(X、LINE)、アプリ(メルカリ、マッチングアプリ)など…
これらは、使ったことある/見たこと場合はもちろんその時を思い返して要素を使ってください。使ったことのない場合でも、たぶん変なことにはならないと思います。恋愛映画って言ってたら主人公とヒロインが恋愛するし、メルカリって言ってたらアプリで物が売ってて買えるんです。詳細に気にすることはあまりないです。「知らないんですけど」的なテクニックもあまり推奨しません。
加点が強い人はその要素に行くまでのスピードが尋常じゃなく早いです。早いというより、「実際にその場所の道を歩く」のではなく、ゲームのマップのようにその場所の中にある回答の要素にしやすいポイントが自然と会って、頭の中でそこをタップすれば瞬時に移動することができる、ぐらいの感じになってる人が多いのだと思います。
話は戻りますが、それでもその場所に行く想像つかない場合があります。例えば自分が行ったことのない実在する国や、「魔法の世界」などの場合。
この場合、他の回答者や観てる人が思い描けてる世界に自分だけ行けてなくて不利です。その場合は、もう一つの要素から攻めた方が良いです。
得意な要素を選ぶ
先ほどの話の続きですが、たいていの場合お題に「要素」は二つ以上あります。(後述しますが一要素お題もそう捉えられます)
片方の要素を完全に知らない場合を除き、基本的にはもう一つの要素で戦うことができると思っています。
例えば「忍者がやってるファミレス、どんなの?」というお題が出た場合、忍者のことを知らなくてもファミレスの要素に忍者を落とし込むことができます。忍者の方がとっかかりがあって考えやすい場合という人の場合は忍者の要素をファミレスに落とし込むのでも良いです。
強い人はどっちの方が考えやすいかの判断が早いです、というか判断とも思っていないです。頭の中で自動でやってます。
自分も最初の何答かは勝手にやれている感覚ですが、回答が行き詰ったり他の人が大きくウケてるのを聞いたりしたらこの思考に至ります。メインで考えていた要素じゃない方で考えてみることで、今までとは別の考え方ができるイメージ。
あと、よほど固有名詞の要素でなければ、一般的に一要素お題と言われているお題も、二要素お題と捉えることができると自分はずっと思っています。(これはマジでずっと)
例えば一般的に「こんな学校は嫌だ」は一要素と言われていますが、「学校」と「嫌」の二要素として、直近で会った嫌なことや、Xで見かけた嫌なポストとかを考えてそれを学校に落とし込む、という二要素の考え方でも考えられると自分は思います。
「医者の声がデカすぎる病院」とかも一要素と言われる部類だと思いますが、これも「大声」と「病院」の二要素な気がします。
本当の一要素は単語お題かなあと。
一要素お題が出たときは「病院」や「学校」みたいなわかりやすい要素に意固地になりすぎず、要素を修飾している文章の方に注目してみてください。
知らない要素が出たら
よほどのことがない限り、「どっちも全く知らない」ということは発生しないです。
よほどのことが起きたケースとして、「福本伸行が描いたちびまる子ちゃん」というお題が出て、手も足も出たなかった記憶があります。
でも自分は10年やってきて「要素を知らな過ぎて何も出せなかった」というのはこの1回です。苦手な要素でウケなかったとかはありますが、それでも回答を出すとっかかりを見つけることはできますし、上で挙げたケースも相当例外だと思って良いです。
そもそもこれは自分で言い聞かせていることでもありますが、「お題になるくらい有名な作品」を「知らない」で片付けてしまうのは言い訳になるという風に考えたこともあります。
10年大喜利をやっていて、ずっと「ドラえもん」「ちびまる子ちゃん」「サザエさん」「クレヨンしんちゃん」「ポケモン」の5つで回していたアニメ・漫画作品お題に、ワンピースや名探偵コナンが頻繁に登場するようになったのはここ3~4年のイメージです。
自分はワンピースをほとんど読んでいませんが「ゴムゴムの」「腕が!」「背中の傷は」「クソお世話になりました」「生ぎだい」「ナミすわぁ~ん」とかは大喜利をやっていく中で自然と覚えました。
勝敗のない大喜利会とかで当たったら「勉強」、大事な大会で出たら「運が悪かった」と思うくらいにして、ここまで世間的に読まれている作品なんだから多少知ってなきゃねと思うようにしています。
そんなこと言ってたら「結婚式」だって全員が全員参加してるわけじゃないけどお題として出ることがあるわけだし…。
正反対のことを言いますが「知らないよそんなの」って割り切るのもいいです。でも内心にとどめた方が良いです。よほどマニアックな要素が出てない限りは主催や出題者は悪くないと自分は思います。最近は出題と同時に補足してくれる主催の方も多いですし。
あと回答に固有名詞を含むときに名称に自信がない人は、あまり出さない方が良いのではないかと思っています。見る側としては事実と反していたり名前を間違えたりしてるのはノイズになりかねないです。やはりそういうもったいない減点は減らしていきたい。
例えば、YouTubeの『メンバーシップ』という言葉が思い出せなかったとき、「チャンネルの有料会員」みたいに、本質を変えずに一般的な用語に置き換えるのは良い方法だと思います。ド忘れしたときとかは使ってみてください。
こういう時の説明の語彙も普段どういう言葉を面白いと思っているかが結構大事になってくるな~と思います。
なんか全体的にまとまりがない章になってしまった気がしますが、「要素が少ないお題が苦手」「二要素お題苦手」という人は参考にしてみてください。
お題ごとの考え方、テクニック
ここまでは一緒くたにしていましたが、お題のジャンルによる考え方の整理もしようと思います。二要素お題に関しては先ほどの「お題の要素」の部分で触れたので省略します。テクニック的なのも軽く紹介できれば。
世界お題
先ほど例として挙げて軽く触れていますが、世界お題は「この世界に行く」「今の世界(日本)がこの世界になった場合を想像する」の2つが手っ取り早いです。
「人間が空を飛べる世界のあるある」というお題だったら、考え方としては
1.人間が空を飛んでいる世界を想像する
2.今の日本で、人間が空を飛べるとしたらこんなことが起こる
3.今の日本でのあるあるを、この世界に落とし込む
の3パターンから考えられると思います。(3はちょっと例外)
厳密には1のパターンを想像したほうがお題には沿っていますが、よほどお題に制約がない限り2のパターンで回答を考えても変な感じにはならないです。
3のパターンは軽いスカシが入ってる感じがします。初手で出すと「?」ってなる可能性があるのでリスク大きいかも。あくまでこのパターンで回答が作れるよね、という話です。
具体的には「遅刻してる奴が今飛びました、って言ってるとき、まだ家で準備してる」みたいな感じです。初手で出すとなんか変な感じになりそうなのは伝わるでしょうか。お題を見て真っ先に求められてるものを答えてはいない感じ。別にウケないことはないけどタイミングが重要な気がします。
1、2のパターンを経ての3が理想かなあ。自分が3しか思いつかない場合は1,2のパターンの回答がある程度出たら出すイメージ。
あとは「あるある」の部分ですが、ここは中盤以降無視した回答も出てきます。やはりどんなお題もある程度ウケが続いている流れ(特に大人数の横並びの場合)で細部がそぎ落とされていきます。
「あるあるじゃないだろ」みたいな部分をいちいち指摘するのも無粋かな、ぐらいウケる場合が多いので、お題に潔癖すぎなければもう「この世界で起きそうなこと」ぐらいで考えて、あるあるの部分に固執しなくても大丈夫です。
リズム(俳句、替え歌など)
リズムお題といえば、俳句や、特定の歌の替え歌などの答えて欲しいリズムが決まっているお題。
具体的には新俳句3・3・3や、短歌の575まで決まっていてオチの7・7を考えるパターン、あとは既存の曲の歌詞の一部が穴埋めになっているパターンなどがあります。
歌詞の穴埋めに関しては厳密にはリズムじゃなくても答えられますが、基本的には元のリズムに沿ったほうがウケやすいです。あとは正直元の要素次第です。俳句、短歌は風流に詠むテクニックがありますが、そこまで重要ではないかなあ。
テクニックでもなんでもない話になりますが、「人前で歌いたくない」という人が一定数いると思います。あそこだけ大喜利以外の「度胸」みたいなものが試されてる感覚ありますよね。そこはもう、無理しないことが第一だと思います。
自分は大喜利で勝つには仕方ないと思ってそこは割り切って歌うようにしました。これで精神がすり減るようなことがあれば絶対にやらなくていいし、そうしてまでも勝ちたいウケたいと思える場であればやった方が吹っ切れることもあると思います。自分は逆に大喜利って場じゃないところで大人数の前で歌うの恥ずかしいです。
あと、歌詞の穴埋めで歌いたくない場合は元のリズムを無視して「そういう文章」として普通に読む感じでも全然問題ないと思います。
あと曲を限定せず特定のアーティストとしてお題が出ることもあります。「機嫌が悪いミスチル」みたいな、そういうときもベースはまずミスチルの曲から考えてそれを機嫌が悪い風に替え歌するのが盤石ですが、ここの選曲も本当に売れてる曲を上から考えるくらい有名なやつの方が良いと思います。あとはそのアーティストについて知らない場合ですが、これはもう手も足も出ないといっても過言ではないです。他の人の回答聞いて「この曲聴いたことあるかも」と思うやつがあれば同じメロディでいいのでそれを選んで回答してください。そうするしかなさそう。
ここも、歌いたくないという人は普段の会話やセリフ、状況とかで答えても良いと思います。例題の場合だと、ミスチルの桜井がどうして機嫌が悪いかとかを考えても良いと思います。
そういえば「○○高校の校歌」みたいなパターンもありますね。
これも特に正解とかはないのですが、個人的には○○の要素に当てはまるかつ、校歌っぽさがある歌詞がウケる気がします。
ただ、「どこが校歌なんだよ」みたいなのもウケるし、割とリズムお題の中だと有象無象な気がします。
あと校歌のリズムがわからないって方もいると思いますが、「運動会の歌(ぼくらはかがやく たいようのように~ のやつ)」みたいな感じで歌えば大体成立します。
理由お題
個人的にそこまで得意ではないため、あまり言えることがなくて申し訳ないのですが、ボケのパターンとしては「納得できる理由」と「そんなわけない理由」に大きく分けられると思います。
回答の考え方に関しては、ギャップを生むがやはり糸口になりやすいかと。ただ、お題の中でギャップがすでにあるパターンもあります。
前者の場合は「喫茶店にお客さんが来ない理由」みたいな。この場合はどうして人気がないのか、期待してる喫茶店じゃない感じ、例えば「明るすぎる」「こだわってない」「おいしくない」「マスターが渋くない」みたいないわゆる想像する喫茶店から逆の要素を考えてそこから回答につなげていくのが良いと思います。
後者のお題にギャップがあるパターン。例えば「動物園のパンダの人気がない理由」みたいな。この場合は、「そりゃ人気でないわ」か「そんなことで人気が出なくなるの?」と思わせるパターンで考えられます。後者の方が巧みなイメージ。今時ここまでベタなお題は出ませんが、大枠で考えるとこの二つで考えられるかと。
あとは理由お題と言いながら、パンダにどういうことをされたかなどを実際に演じてみる答え方もあります。これも見てる側が勝手に「だから人気でないのね」と勝手にお題と紐づけてお題の細部を削ぎ落してくれてるイメージです。最近はこの答え方も多い気がします。
セリフお題
セリフお題の考え方はほとんど要素の拠る所があるのでここはテクニック的な話をメインでしようと思います。
個人的な感想ですが、セリフお題は一番ハネやすい印象です。120点を出せるお題なうえに、数も出やすいので特に場が盛り上がりやすい気がします。
いわゆるフィジカルとかもセリフお題だと出やすいです。
セリフお題の答え方として、「声色を変える」のは割とみんなやってると思いますが、それもウケやすい、状況が想像しやすいからです。恥ずかしくなければ個人的には声色を変えるのはやった方が良いと思います。
おばさんお題とかはわかりやすく語尾をそれっぽくしたり声色を艶っぽくしたりするのがいいのかなと、身近なおばさん像で再現するので良いと思います。おじさんのセリフの場合は声を低くしたり怒鳴ったりした口調にしたり、「○○カナ?」みたいなクソリプおじさんのパターンだったりいろいろと試せると思います。
ここからは特に個人的な意見になりますが、よほどコント仕立てにしたりしない限りは、そのお題の人に「なりきりすぎる」のはウケが少し減る印象です。というのも、「この人全力でなりきってる」という風に映るからかな…?個人的にはそういう理由だと思っているのですが、とにかく「やりに行ってる感」というのが出すぎてしまうからかなと思います。これはかなり個人的な意見です。むしろ「全力でやってるぞ」という風に映りたい場合は全力でやって大丈夫ですが、多少手を抜くというか、「大喜利の回答の範囲内」としての演技という適正な位置が存在しているのでそこを目指すのが良いかと。「この人のことを演技している」ことが最低限伝われば問題ないです。
芸能人/アニメお題のモノマネなんかも同じですが、「モノマネをする」のではなく「お題の人物をやっていること」が伝わればそれで十分だと個人的には思っています。
あと個人的に思っていることですが、セリフの一部が穴埋めになっているタイプのお題(例:自信がない先生「○○かも」 みたいな)の時。
このタイプでたまに穴埋めじゃないところが疎かになるときがあるのですが、ここはできる限り最後まで従った方が良いです。無視してウケるパターンは、相当回答が面白くないと一旦ノイズになる気がします。
少なくとも序盤~中盤は従って、終盤、周りも無視してる人がいたりして無視してもウケそうな流れだったり自分で無視したほうが文章がスムーズになる時とかはまあ出してもいいかなあくらいの印象。
画像お題
画像お題こそ画像によるだろって感じですが、大体の場合で言えるのは「この画像の時系列の前後、位置的な前後」を想像すると考えやすいです。これは昔、虎猫さんに教えてもらいました。ありがとうございます。
例えば「おじいさんが笑っている画像」の場合
・おじいさんがなぜ笑ってるのか(時系列・前)
・おじいさんが笑ったことで何が起こるか(時系列・後)
・おじいさんが何を見て笑っているか(位置・前)
・おじいさんが笑っているのを見ている他の人物がいたらなんと言うか(位置・後)
この4つを想像すると考えやすいです。
それ以外にも文章お題化するのも有効な考え方です。「おじいさんが笑いながら一言」という文章題と仮定してセリフお題として考えたり、「おじいさんが笑っている理由」という理由お題にして想像したりするのも考え方の一つです。個人的にはセリフお題にして何を言ってるかで考えるのが一番考えやすいです。
人や動物、銅像が映っている場合は大体上記のテクニックが使えます。
また、「建物」や「モニュメント」のような一見何かわからないものが写っている画像お題もあります。
その場合は「この建物が急に建って一言」「この建物の名前」→「この名前の建物ができた理由」「この名前の建物の中に入っているもの」のように、連想ゲームのようにして文章題として考えたりもできます。
あと、芸能人はアニメの作品など、固有名詞の要素を含む画像お題も出たりします。ネットでバズってたりする画像とかもそれに含まれますが、その場合はこの要素を使ってあげた方がウケやすいと思います。知らない場合はそのまま「画像で一言」として状況を考えるしかないかなあ。
アニメの画像お題とかは、作品名はわからないけどアニメであることはわかるみたいな絶妙なラインの作品の画像お題がたまに出ることがありますが、その場合は普通の画像お題として取り組むのが良いと思います。
あと、たまにある番組の切り抜きを画像にしてるときとかにある「画像の文字がある場合」は、その文字を活かすのも良いです。回答を考えるためのフックが増えてると思ってもらうのが良いでしょう。
○○みたいな××
まずは「みたいな」の方。よくあるのは××みたいな○○の方で考えてしまうことですが、これもお題の後半になると意外とごっちゃになっても回答が通じてしまう場合がありますが、回答者としてはここは潔癖になった方が良いと思います。
お題が「ケーキみたいな学校」なら、あくまで答えるものは学校です。学校で起きていることや学校を舞台にした回答をします。
考え方としてはケーキあるあるを学校に落とし込むのがマストです。
あるあるの種類ですが、大きく分けて2パターンあると思っています
1.「その物のあるある」を答える
2.「その物に対する認識のあるある」を答える
1の場合、「ケーキみたいな学校」だとケーキのそのもののあるあるを考えます。
具体的には食卓に出てきたケーキやケーキ屋さんに並んでるケーキなどを思い浮かべます。見た目から着想を得るパターンです。
例えば「薄いフィルムが巻いてある」というあるあるが思いついたとすると、それを学校の要素に落とし込みます。素直に「学校の周りに薄いフィルムが貼ってある」と答えても成立はしますが、そこからさらに「ケーキのフィルムにクリームがくっついてる」まであるあるを飛躍させると「学校の周りに薄いフィルムがあって、何人かの生徒はそっちに持っていかれてる」と、少し奥行きのある回答まで作れます。1はかなり直接的にケーキ=学校とした場合で、クリーム=生徒の式がなんとなく成立するのはわかるでしょうか、ここはかなりニュアンスですが、回答自体はかなり素直にケーキ=学校としている回答です。
次に2のパターンで考えます。「ケーキが登場する場面から、ケーキについて思うこと」を想像します。
例えばケーキが出てくる場面は「何かめでたいことがある」という認識はあると思いますが、そこから飛躍して「何もない時にケーキが出る日」もあったかと思います。その時の感情をそのまま学校に落とし込みます。
「特に何もない時のケーキがうれしい」「特に何もないのにケーキが出ると不思議」というあるあるを学校に置き換えます。
「特に何もないのに登校する日が一番うれしい」という回答が出来上がりました。学校の要素は登校しかありませんが、これでも十分伝わると思います。一見、ケーキのあるあるとは思わないですが、お題がフリとなって「ケーキってこういう場面あるよな」と少し遅れて面白く感じる気がします。
個人的には2のパターンは特に大喜利の印象審査などで強い説得力を持つタイプの回答な気がします。あと、○○と××が根本から違うとき(「挨拶と車」や「悲しみと鉛筆」など)にも考えやすいです。単純にかぶりにくいのも有効な理由の一つ。
正直ルールや人数などでどっちを考えるべきかは向き不向きがあると思いますが、これらの考え方は有効だと思います。
カルタお題
カルタお題と一口に言っても画像に指定されてる頭文字が書いてあるパターンと、○○カルタの「あ」みたいな文章題のパターンがあると思うのですが、どちらにせよ「そのお題の要素から近い、その頭文字から始まる言葉」を見つける速さが大事です。ここも正直経験だったりするのですが、適した言葉が思いつかない場合はその頭文字で「何か適当に思いついた言葉」を無理やり回答に落とし込むのも、回答を思いつく取っ掛かりの一つになると思います。(加点だと特に有効)
たまに画像やお題と頭文字に関連がありすぎたり、誘導がある場合(林修の画像お題で「い」みたいな)パターンだと、序盤で言ったギャップを生みにいく方法が有効です。林修から遠い「い」から始まる言葉を考えたり「今」までは同じで、そこから派生したりするのが良いかと。
あとこれはテクニックというか見る側で思うことなのですが、口頭でも回答の言い始めがその頭文字じゃないとウケないことが多いです。前振りが必要だったり仕方ない場面はあると思いますが、それでも極力控えた方が良いかなと思います。どうしてもお題に沿ってないって印象が勝ってウケが減るイメージです。
○○と××が逆の世界
これも少し触れておきます。意外と考え方は「○○みたいな××」と近いかもしれません。
単純に逆になった光景を想像するのがベストな考え方な気はしますが、少し回答の方向性を変えたい時は「片方の要素にしか使わない動作や単語を使う」という考え方があります。
例えば「鳥みたいなおばさん」というお題だとしたら鳥にしか使わない言葉を考えます。「羽ばたく」「鳴く」「つつく」「啄む」「威嚇」「求愛」などなど…。おばさんには使わず、鳥にしか使わないような言葉を使うだけで、インスタントって言い方はあれですが回答にしやすいイメージです。
加点などの回答数が必要な場合は有効な気がします。
「大きく手を広げて求愛する」みたいな回答でも、おばさんと求愛という言葉の合わなさで割とウケるイメージ。
実際に回答した例だと
お題:ドッキリとしゃもじが逆の世界
回答:若手芸人が、うっすら「これからよそわれるんだろうな」と思う
これもしゃもじ特有の「よそう」という動詞を「若手芸人がうっすらドッキリに勘付く」というあるあるに取り入れています。
厳密にはドッキリとご飯が逆の世界かもしれませんが、加点の場だったのでそこまで厳密じゃなくても大丈夫でした。
ベースはもちろん逆をそのまま想像するのが良いですがテクニックとして紹介しました。
ルールごとの立ち回り方
印象審査(横並び4人~)
ルールごとにある程度場合分けして考えようと思ったのですが、印象審査の横並び複数人の場合だけ、ルールや勝ち上がり人数などのパターンが多すぎるのと大枠はこれまでの文章で伝えているため軽く説明するだけに留めておこうと思います。
おそらくある程度戦っている皆さんの場合、最後の投票の段階である程度自分がどれくらいの位置に居るかは分かっていると思います。
このまま行くと優勝/勝ち上がれる、このままだと3人勝ち抜けのボーダーだな、のような体感は制限時間の半分くらいの時におおよその目星を付けて後半にそれに応じた立ち回りをするのが良いと思います。
・ウケずに劣勢の場合
ここまである程度回答数を出してあまり手ごたえがない場合は、見せ方を変える必要があります。おそらく自分の考え方が見ている側が求めている回答にギャップが発生している場合が多いです。フィジカルを使うような奥の手などもこのタイミングで判断したほうが良いかもしれません。
勝つために「こいつ路線変えたな」と思われても仕方ないですが、「こいつ路線変えたな」があまりに浮き彫りになるとそれはそれでノイズになるので難しいところだとは思います。
・自分もウケているが他にもっとウケている人がいて劣勢の場合
これは路線を変えずにやる方が良いと思います。逆に自分にフィジカルなどの自身がある人はそっちに舵を切って回答の幅を見せるのもありです。
・圧倒的に優勢の場合
「まあこれは勝ち抜けるだろ」みたいなウケがある場合は、油断せず自分の回答をじっくり考えてほかの人がウケたときの二の矢三の矢を備えましょう。極論、最後の一答まで結果はわからないのが大喜利なので、ここは慎重に立ち回るのが良いです。決勝戦のようなとにかく「1位」が必要な場合、ここまでウケている追い風を利用して答えても良いですが、観ている側の期待を下回らないのが大事になってくる場面なので、ノリで出すような軽いボケは減点のリスクがあるので気を付けましょう。楽しくなっちゃってるなら仕方ないです。自分が楽しいのが第一ですから。
・やや優勢の場合
これまで答えてきたペースで回答するのが良いと思います。ここまでウケているということは自分の回答が受け入れられる土壌ができているということですので、ここから先も変なことをしなければ投票してくれる理由になる可能性が高いです。逆に後半尻すぼみになると、どうしても見ている側は後半の印象の方が強くなってしまうので捲られる可能性が高いです。こんなことできるなら苦労しないよって話ですが、ペースとクオリティを落とさないように意識して答えましょう。
加点
加点はまず、とにかく出すことです。加点ではそこまで注意深く他の人の回答は聞いていません。先述した通り回答が被ったパターンの場合分けもしたのでそちらをご確認ください。
加点のコツですが、「一度書いた回答を消さない」「文章の推敲に時間を使わない」ということを意識すると良いと思います。
「回答を考えてやっぱり出すのをやめる」のが一番のロスです。
大喜利をやっている以上、自分でボードに書いたものが0ぐらいつまらないなんてことは無いと思います。ボードに書くまでの作業を要したのであればそれは0であろうと出しちゃった方が良いと思います。とにかく回答数を出すべきなので、5人審査員がいたら一人くらい手を上げる可能性に賭けてみるのが良いと個人的には思います。
ただ、最初に思い付いたボケが「本当に0~1」くらいの時があると思います。その時は加工してください。そのボケをベースとして、さらに発展させて起こりそうなことや、セリフ口調であればもう一言足すなどした方が良いです。例を一つあげます。
お題:完全に誤認逮捕だったけどもう後には引けない万引きGメン
回答:事務所に来い!事務所で決着だ!
加点神という名の通り、加点の大会です。
回答の根幹は「万引きGメン→事務所」と簡単な連想ゲームですが、最初に「変に強気すぎる」という軸のボケで「事務所に来い!」と思いついたのですがそれだけじゃいくら加点とは言え味気なさすぎるので、さらに一言足そうと思い「事務所で決着だ!」を付け足しました。
こういった「ボケの加工した方が良い、しなくても良い」の判断はやはり経験則に基づく部分が大きいです。こういう「勘」の部分が得意かどうかも大喜利において重要になってくると思いますが、養おうと思って養えるものではないのも事実です。
話は変わりますが、次に「文章の推敲」について。
ボケが思いついてボードに書いてからの時間ですが、基本的には最初に書いた表現のまま出すので良いと思います。正直ボケの根幹がしっかりしているのであれば細かい表現で加点できることはあっても大きく失点することは無いと思います。素直に書いた表現を出したり、仮にもっといい表現が思いついた場合はボードの文字を残して口頭で別の表現に言い換える、くらいのことは、よほど内容が違くなければ許容範囲だと思います。審査する側も展開が早いのでいちいちそこまで考えてはいないと思って大丈夫です。
また、「自分のした方向性の回答に被せる」のは、2回連続でいったん止めるのがベターな気がします。「またこれかよ」「もう入れないぞ」と思われるのはもったいないです。逆に少し時間が経った地自分で他のベクトルの回答をした場合はまたその方向に戻しても良いかと。
また、お題に対しての回答が思いつかないときですが、自分は加点の時にとにかく「ボードに白紙の状態を作らない」というのを意識して、回答を消したら何か書くようにしています。
思いついたのを書くのもそうですが、本当に思いつかなかったときは目の前にあるものや見えたもの、急に降ってきた言葉などでも、とにかく何かしらをボードに書いて、勝手にこの要素をお題に足したりして考えのとっかかりにすることもあります。これはまあ印象審査でも考えのとっかかりの一つとして持っていても良いとは思いますが、特に加点で使えると思っています。
上記のテクニックは正直加点が得意だからできることだよなあと書きながら思いましたが、参考程度に。
加点が強い人はとにかくブレストが早いです。お題の要素から広がる景色や連想されるワードなどが出てくるスピードがほぼ自動化されているのだと思います。その部分は正直、経験と才能だと思います。
自分はニコ生の大喜利で「制限時間内に回答数無制限でコメントで回答しまくる」ということを数年間やり続けたのが功を奏して加点が強くなったと思っています。
正直、加点で強くなるには加点の場で練習しまくるのがベストですが、あいにくそういう場は少ないので、「面白いこと」は度外視で「連想ゲーム」をめちゃくちゃしてみるというのもアリかもしれません。
これ以外にも「ボードに書く文字数を少なくする(オチだけや簡単な絵など)」「前振りは挙手をしてから当てられるまでの時間で考える」など細かい技みたいなものは言えますが、とにかく回答を作るうえでのテクニックとして参考にしてみてください。
超加点
めっちゃ良いルールだよな~(雑談)
超加点も究極は加点と同じです。数を出すことを意識すると良いのですが、戦況が見えてる上では最後の1答を特に意識してください。(中盤~終盤からある程度意識するのが良いですが結構難しい印象)
モニターなどで横並びでやっている人たちの点数が表示されてる場合は、「自分が何点以上出せば勝ち(勝ち抜け)か」が、分かる状態になっていると思います。その場合は、もう目標となる点数がわかっている訳ですからその点数以上を確実に目指しましょう。1票でも多く入る出し方にできないか考えましょう。ただ、考えすぎるのに時間を要しすぎると見る側や審査員のハードルも不思議と上がってしまうので注意。
また、これは俺が結構あるのですが、途中でふと経過を見たときに「実は思ったより点数が伸びてない」ということがあります。(ドジ)
超加点の絶妙な点数配分で、7票入ってる挙手の数が見えて「おっウケたぞ」と思っても実は1答の上限の半分に達してない(49点)ので合算したのを見て意外と負けてるなんてことが結構ありますので、そういう傲慢な部分を正すためにもたまに点数は見た方が良いです。
自薦ベストアンサー
いわゆるサックス杯ルールと呼ばれるものですが、自分はサックス杯ルールの大会に出たことがなく会の小さいトーナメントなどでやったぐらいなのであまりこれと言ったコツを言えることがなくて申し訳ないです。
究極、1答で勝てるルールなので数を出すよりは重い一発を意識した方が良いです。
印象で「50~70点くらいの回答を積み重ねて勝つ」という勝ち方がありますが、それが通用しないルールなので50点~70点くらいの回答を研鑽して100点にできないか模索する方に時間を使った方が有効なイメージです。
タイマン
究極、相手よりウケたら勝ちというだけなのですが、これも「自分が今どの立場に置かれているのか」を把握するのが大事です。
劣勢、優勢の時の考え方は先述した印象審査横並びの時の考え方で良いと思います。勝ち方としては「めちゃくちゃ回答がウケて勝つ」か「終わった時に平均的に面白いボケが多かったから勝つ」の2パターンで、前者はできたら苦労しないよと言う感じですが、後者は戦況の把握ができる人の場合上手く立ち回れる印象です。最後の1答でひっくり返す/ひっくり返される可能性があるのも後者。
自分が1答めっちゃウケたときは「連続で回答してめっちゃウケて試合を決定付ける」が出来ると良いのですがこれも同様にできたら苦労しないよって感じです。自分が今会場の空気を味方に付けてるというのを感じ取れれば出来るかもしれないですが、なかなか難しいです。
あとは、続けて相手もめっちゃウケると「良い試合だ…!」って空気になることもあるのですが、その場合は終わった時の平均で見られることが多いかもしれないです。いわゆる乱打戦だとそのイメージ。
あとなんとなくですが思っていることを箇条書きします。
・相手が1答めっちゃウケた場合、同じぐらいのウケだと2答はしたい
→1答でイーブンか、先手有利ぐらいで負けてもおかしくないイメージです。
・お互い決定打がないまま終わりそうなときの最後の1答は大事
→フィジカルなどに振ってもいいですが、不振だった時に印象が下がる可能性もあるので気を付ける
・自分が多答できそうな場合はする
→同じくらいのウケだと回答数が多い方が評価されやすい印象
・諦めたムーブをしない
→投票しない理由が確定で出来てしまうのを避ける
チーム・タッグ戦
ここも正直、ルールなどによって変わる部分が大きいので手短に。
とにかく「戦況をなんとなく把握すること」が大事だと思います。
有利なのか不利なのか、極論、めちゃくちゃ勝っているときはチームの印象を下げないために「自信がない回答を出さない」というのも大事な選択になります。もちろん、自分のチームが劣勢な場合は構わず出してもらって大丈夫だと思います。
あとタッグでたまにある「二か所穴埋め」みたいな形式。一応触れようとは思いますが、経験もそんなにないのであくまで個人的な意見として。
個人的にはフリとオチの部分の分担をハッキリしてみて、何答かして上手くいかなかったら交代する感じがスムーズかな~という印象です。
「二か所ともパッケージで思いついている場合」は、それを書いてもらうよう指示するのがいいかな~。
あとタッグの相談の声が大きくてたまに回答と被っちゃうときあるけどあれどうにかルールで統制できないかな(雑談)
さいごに
ここまで読んでいただき有難うございます。な
んか雑談とか書いちゃってたな。
本当に何度も予防線を張るようで申し訳ないのですが、あくまで参考程度にしてください。
ぺるともより大喜利が面白い人なんていくらでもいるし、本当に一意見です。もっと参考にしたい人がいると思いますから、その場合はその人に直接相談する方が良いです。
この記事に書いてあることを意識しすぎて大喜利が楽しくなくなるのは本末転倒です。
あくまで、最高の趣味で最高の結果を残したいと思う人は、少し意識してもらえると良いかなと思いますが、意識した結果やっぱりできないやと思うのも全く問題ないです。ひとつも強制はしません。
これらの文章は全て、「めっちゃ当たり前」だし、「まったくの見当違い」の可能性もありますから。
さいごに。
正直、自分が明かせる手の内はほとんど明かしたつもりです。恥ずかしいです。
今後、大会などで分かりやすくここで書いてるテクニックを使っている場面に何度も遭遇すると思いますが、裏で言ってやったりはしないでください。
有難うございました。
↓本当にすごく参考になった場合にのみ…
「ありがとうございます」と書いてあります
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