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太平洋同盟・シンガポールFTA、3カ国で発効
(シンガポール、メキシコ、コロンビア、ペルー、チリ)
シンガポール発
2025年05月09日
シンガポール貿易産業省(MTI)は、チリ、ペルーとの間で太平洋同盟・シンガポール自由貿易協定(PASFTA)が5月3日に発効したと発表した(5月5日付MTIプレスリリース)。太平洋同盟は、メキシコ、コロンビア、ペルー、チリで構成した組織だ。PASFTAは2022年1月の太平洋同盟首脳会議で署名され、シンガポールが2022年7月、ペルーが2023年2月、チリが2025年3月4日に批准したことから、まずは3カ国の間で発効した(注)。メキシコとコロンビアについては、それぞれの批准手続き完了後に発効する。
シンガポールはこれまで、メキシコとチリとの間では環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP)、ペルーとの間ではCPTPPと2国間FTAが発効している。太平洋同盟加盟国のうちコロンビアのみがシンガポールとの間でFTAが発効していない。コロンビアがPASFTAを批准すれば、シンガポールとコロンビアとの間で初めてFTAが発効することになる。
PASFTAは、物品の貿易、サービス貿易、投資、中小企業、規制慣行、電子商取引など25章からなる。国際海上運送サービスに関する章が盛り込まれるシンガポール初のFTAとなる。国際海上運送サービスに関する章は、太平洋同盟とシンガポール間の物理的なつながりを強化するとともに、ベストプラクティスの交換や研修の機会を促進することを目的としている。また、MTIはPASFTAのメリットとして、コロンビアとの間で発効すると、関税分類品目の85.7%の関税が削減・撤廃される点などを挙げている。
PASFTAの協定条文はシンガポール企業庁のウェブサイトで閲覧可能。
(注)PASFTAでは、シンガポールと、少なくとも他の2つの署名国が寄託国(コロンビア)に通告すれば、協定は60日後に発効する。
(朝倉啓介)
(シンガポール、メキシコ、コロンビア、ペルー、チリ)
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