(今はもう、ブログのタイトルに書かれているようなことはないと思っています)
もう17年前のことになる。私は、会社の取締役に直談判に行った。
目的は、もう10年近く茨城の日立市の本社から東京小平のルネサスに派遣させている社員をルネサスに転籍させることを認めるためだった。結果は、「馬鹿なこと言うな!」と転籍させてもらうことは却下された。
理由は、「別の会社に転籍させるのは、わが社の貴重な人材を手渡すことになる、次から次へと同様なことが起きるんだよ。」「そんなこと起きたらどうやて収拾するんだ。」「困るだろ!」ということ。これの帰着は、会社が派遣で得ている収入が無くなるので自分の立場が悪くなるということ。
最後に取締役から「どうして、日立市内にこれだけ子会社がるのかしっているのか?」
と問われました。私は、答えませんでした。そうしたら、「地元の人間を容易にさいようするためだ。」「そんなこともしらないのか。」「勉強して出直して来い!」といわれました。
私は、これは無駄だと思い、話を切り上げて引き上げました。やはり、こんな考え方しかできない幹部が上に立つとろくなことはありません。
くだらんことで、社員を利用しているだけ。会社の本業はあくまでも派遣業ではなく自社製品を開発して販売すること。自社の技術を活用して新しい製品を創造していくことにある。そのために、技術の習得のために他社に派遣することはあり得る。だから、社員を派遣させること自体、私は否定しない。ただ、それが5年も10年にもなったらもう技術習得の意味はなさない。ただ単に、派遣業で収入を得るだけのこと。
ここでの問題は、派遣先で多かったのは日立製作所だったりその関連会社だったりすること、しかも時給が半端ない、他の非関連会社の派遣者との時給と比較して倍以上の差が発生していた。これは、公平な競争を阻害する大問題です。本来、派遣の時給というものは派遣されたその人の能力を評価して支払われるべきものです。それが、関連会社と非関連会社との間で倍以上の時給の差が発生していたら、あなたはどう思いますか?
非関連会社の派遣社員の中には高い能力を持った人も多くいました。一方で、関連会社の社員には能力が劣り問題行動を起こす人も少なくありませんでした。これは、過去に(今はどうなのか知りませんが)ルネサスで起こっていた事実です。私は、これは構造的な問題と捉えていました。派遣元からすれば、高い時給で派遣することができるので会社の収入源として安定して利用できる。しかも、派遣なのので自社の施設(建屋やその他の機材、備品を手配する必要がない)を必要としない、派遣収入はほぼ人件費だけに回して、その他は会社の利益にできる。人件費として支払われる給料は派遣収入のほぼ半分以下です。何を言いたいかというと、派遣で会社に渡っているお金はその人の就業の対価として支払われているものです。それを会社が半分以上を中間搾取しているという状況なのです。専ら派遣業をしている会社にしてみれば、「あり得ない」話です。そういったことを日立製作所およびその関連会社はしてきた訳です。
問題は、そこまでのことではありません。さらには、管理職であっても派遣労働者として扱われていたのです。管理職の定義の一つとして裁量権があります。派遣労働者として働いた場合、指揮命令権は派遣先の管理者になるのです。つまり、派遣されたことによって管理職の立場が剥奪され一般社員と同じ扱いになります。「なんじゃこれ?」という世界ですよ。自社に帰れば、当然管理職としての扱いはうけることはできますが、派遣先では、派遣先の管理職から業務の指示を受けてそれに従って業務をするのです。あり得ますか?
さらに、最悪なのは管理職の場合は固定給で月給制になっているので、残業しても残業代は派遣元の会社からは支払われません。つまり、自動的に残業すればサービス残業になるのです。そこでの矛盾は、派遣先は時給でその賃金を支払うので、その残業分の賃金は会社が完全に搾取していることになるのです。
これを私は、労基に訴え残業代を支払う必要があることを認めさせることができました。
さらに、管理職を派遣させるのは違法であることも認めさせました。
ただ、私が一番に問題としていることはそんなことではありません。
一緒に、茨城から東京に長年に渡り派遣され続けてきた私の部下が不憫でなりません。なぜなら、派遣ではなく完全に転籍することができれば、活躍の場が増えキャリアアップができていたはずなのに、そのチャンスを奪われたのです。過去に、いきなりの転籍は難しいとしても、出向という形でルネサスで働くチャンスがありました。ルネサスの幹部が日立市の本社まで出向いて申し込み行ったのですが、うちの会社の幹部はそれを蹴ったのです。理由は、上長である私たちの部長が単に「派遣の収入が無くなったら、お前の部の予算成り立つのか?」と事業部長から一言いわれたので決断できなかったとのことです。そんなことで、社員の将来を踏みにじるのです。
それと、茨城から東京へ派遣されているという立場の問題もあります。つまり、所属は東京ではなくあくまでも茨城県であること。そういった不安定な立場の人がいわゆる婚活をしたくてもうまくいかない理由があるのです。
私は、当時管理職だったため、派遣でルネサスにいられなくなりさることになりましたが、部下たちは管理職ではなかったのでルネサスに残ることはできました。それは、少しの救いでした。
ただ、私がやりたかったのは彼らをルネサスに転籍させて活躍してもらいたかった。それだけです。今もそのことが悔しくてなりません。涙がこみあげてくる。
私は、確かに労災の申請をして認めてもらおうとはしていますが、そのことよりもこの社会構造の不適切さが非常に腹立たしい。
こういった、関連会社間の慣れ合いの構造は会社の利益にも社会の発展にもつながらないことを理解してください。