ゆめみでの2年間を振り返って
1. はじめに
そういえば、3月末を以ってしれっとゆめみを退職してました 🙋
— たっつー (@tatsutakein) April 5, 2025
ちょこちょここのお話をする機会が増えてきてたのでこちらでも!
2023年4月に株式会社ゆめみに入社し、2025年3月末をもって退職しました。2年間という短くも濃密な時間を過ごした会社を離れるにあたり、私が入社を決めた理由や退職に至った経緯を記録として残しておきたいと思います。
この2年の間に、会社の方針や制度には様々な変化がありました。この記事では特に制度変更と私自身の価値観のズレに焦点を当て、振り返りたいと思います。
先に申し上げておきたいのは、ゆめみという会社や在籍していた期間に関わった方々への敬意と感謝です。多くの学びと成長の機会をいただき、本当にありがとうございました。
2. ゆめみに入社しようと思ったきっかけ
2-1. 圧倒的成長環境への期待
ゆめみに興味を持った一番の理由は、「圧倒的な成長環境」でした。採用面接や会社説明会で感じたエンジニアのレベルの高さ、技術への真摯な姿勢に強く惹かれました。
特に驚きだったのは社内勉強会の充実ぶりです。毎日のように勉強会が開催されており、学びたい人のための環境が整っていました。
そして何より「勉強し放題制度」の存在は、エンジニアとして成長したい私にとって理想的でした。書籍、セミナー、実験機材、資格試験など、あらゆる学習コストを会社が100%負担するこの制度は、成長意欲の高いエンジニアにとって天国のような環境でした。参考:【2024年1月21日終了】勉強し放題制度(積読し放題規定含む)
2-2. 魅力的な制度
入社時に魅力を感じたのは「ワークフルライフ制度」でした。所定労働時間を下回る場合でも、期待された成果を出していれば欠勤控除されないという制度です。この「時間ではなく成果で評価する」という考え方に共感しました。参考:ワークフルライフ 制度(制度ではなくなって思想として定義)
また、給与自己決定制度の透明性と公平感も魅力的でした。市場価値や自身の貢献度を踏まえて給与を自分から提案できる制度は、客観的な自己評価能力を養うきっかけにもなりました。参考:給与自己決定制度(公式ドキュメント)
10%ルールも素晴らしい制度で、勤務時間の10%を勉強や学習に充てられる仕組みは、日々の業務に追われながらも継続的な学習を可能にしてくれました。参考:10%ルール
2-3. フルリモートワークの実現
ゆめみが完全フルリモートワークを採用していたことは、私にとって大きな魅力でした。場所に縛られずに働けることで、自分のライフスタイルを大切にしながら仕事ができる環境だったのです。
私はこのおかげで趣味のトランポリンやサウナのある温泉施設の近くで働き続けることができました。時間や場所に縛られない自由な働き方は、私のライフスタイルにも合っていたのです。
2-4. 有給取り放題制度
ゆめみの「有給取り放題制度」も入社の大きな決め手の一つでした。この制度では、法定の有給休暇とは別に、必要に応じて休暇を取得できる仕組みになっています。参考:有給取り放題制度
私が特に魅力を感じたのは、休暇取得に対する心理的ハードルの低さです。多くの企業では休暇を取ることに遠慮や罪悪感が生じがちですが、ゆめみでは「休むことも仕事のうち」という文化が浸透していました。
実際、体調不良や充電が必要な時には気兼ねなく休暇を取得でき、リフレッシュした状態で業務に戻ることができました。これにより、長期的には生産性の向上にもつながっていたと感じています。
また、プライベートの予定も立てやすく、趣味の活動や家族との時間も大切にできる環境だったことは、ワークライフバランスを重視する私にとって大きな価値がありました。
3. 退職を決めた理由
3-1. 会社の方針と自分の未来図の方向性の違い
2023年から2025年の間、会社の方針や制度には様々な変化がありました。これらの変化の多くは、私が入社時に魅力を感じていた部分とは異なる方向に進んでいるように感じられました。
会社の成長や事業拡大に伴い、より管理が厳格になる方向への変化は理解できる部分もありましたが、私自身のキャリアビジョンや働き方の理想との間にギャップが生じるようになりました。
3-2. 勉強し放題制度の廃止と心理的ハードルの上昇
入社の大きな決め手となった「勉強し放題制度」は、2024年1月21日に廃止されました。代わりに導入された「まなびファンディング制度」は、「メンバーがゆめみで成し遂げたい想いことに対して賛同者を募り、それを応援していく」というコンセプトのものです。参考:まなびファンディング制度(公式ドキュメント)
この変更により、学習のための支援を受けるには、その目的や価値を説明し、他のメンバーから賛同を得る必要が生じました。以前は個人の判断で自由に学習投資できたものが、他者の承認を得るプロセスに変わったことで、心理的なハードルを感じるようになりました。参考:まなびファンディング制度
特に私のように、試行錯誤しながら学ぶタイプの人間にとっては、事前に明確な目的や成果を提示することが難しく、制度を活用しづらくなりました。
3-3. 給与プロリクと時間重視の評価傾向
給与プロリク(給与の自己申告・提案)の評価基準において、次第に案件への投入時間や稼働率が重視される傾向が強まっていったと感じました。私の働き方は「長時間ではなく、短時間で効率的に成果を出す」というスタイルだったため、この変化に違和感を覚えました。
私自身、集中して仕事に取り組むことで、標準的な時間よりも短い時間で同等以上の成果を出すことを心がけていました。時間を多く費やすことよりも、いかに効率的に価値を生み出すかを重視する考え方です。
しかし、プロジェクトへの時間投入量が評価の重要な要素となっていく中で、「短時間で効率的に成果を出す」働き方が適切に評価されにくくなっているように感じました。時間の長さよりも、生み出された価値や成果の質に重点を置いた評価を望んでいた私にとって、この傾向は自分の働き方と合わないものでした。
3-4. 不就労控除導入(最大の決め手)
最終的な退職決断の最大の決め手となったのは、不就労控除の導入でした。以前の「欠勤控除なし」の仕組みでは、成果さえ出せば労働時間に縛られない自由度がありましたが、不就労控除の導入により、より時間管理が厳格になりました。
私が入社を決めた大きな理由の一つは、「時間ではなく成果で評価する」というゆめみの理念でした。不就労控除の導入は、この理念から離れる動きに感じられ、自分の働き方の核心部分と合わなくなったのです。
私自身、集中して短時間で成果を出すことを重視するタイプでした。アウトプットの質と量を維持しながらも、効率的に働くことでワークライフバランスを実現していたため、時間の管理が強化される方向性は私の働き方の根本と相容れませんでした。
この制度変更が、私にとって「これ以上はここで働き続けるのは難しい」と感じるターニングポイントとなりました。結果として、会社の変化する方針と自分の働き方や価値観との間にギャップを感じ、新たな環境を模索することにしました。
4. ゆめみの良かったところ
4-1. 人の良さ
何より素晴らしかったのは、ゆめみの人の良さです。高い技術力を持ちながらも謙虚で、互いに助け合う文化がありました。技術的な課題に直面した際も、質問すれば丁寧に教えてくれる同僚に恵まれました。
先輩方も、単に指示を出すのではなく、成長のチャンスを与えてくれる方々でした。困難なプロジェクトであっても、適切なサポートとアドバイスがあり、安心して挑戦できる環境でした。
また、技術的な知見を惜しみなく共有する文化も素晴らしかったです。社内勉強会では、最先端の技術動向から実践的なノウハウまで、多様な内容が共有されており、常に刺激を受けていました。
4-2. 学んだこと・成長できたこと
ゆめみでの2年間で、技術的なスキルだけでなく、プロジェクトマネジメントやコミュニケーション能力など、多岐にわたるスキルを身につけることができました。
特に、リモートワーク環境でのコラボレーション手法や、ドキュメンテーションの重要性について深く学ぶことができました。これらは今後どのような環境で働くにしても、貴重な財産になると確信しています。
また、自己管理能力も大きく向上しました。会社の制度や環境に頼りすぎず、自分の成長は自分で責任を持つという姿勢が身についたと感じています。
5. 今後について
退職後は、これまでの経験を活かしながら、より自分の価値観に合った環境で働きたいと考えています。特に、成果ベースの評価と時間や場所に縛られない柔軟な働き方を大切にしていきたいです。
ゆめみで学んだ技術や知識、そして何より「自律的に学び続ける姿勢」は、どのような環境でも私の強みになるでしょう。
ゆめみで共に働いた同僚や上司の皆さんには心から感謝しています。皆さんとの出会いがあったからこそ、今の自分があります。これからもそれぞれの場所で、互いに成長し続けられることを願っています。
6. まとめ
ゆめみでの2年間は、様々な変化と成長の連続でした。入社時の期待通りの部分もあれば、制度変更により理想とのギャップを感じる部分もありました。
しかし、どんな経験も無駄ではなく、全てが今の自分を形作る貴重な糧となっています。ゆめみという素晴らしい会社で働く機会を得られたことに、心から感謝しています。
最後に、この記事を読んでくださった方々、特に同じような状況で悩んでいる方に伝えたいのは、「環境と自分の価値観の一致」の重要性です。どんなに素晴らしい会社でも、自分の大切にしたい価値観とミスマッチがあれば、新たな一歩を踏み出す勇気も時には必要かもしれません。
みなさんの決断が、より良い未来につながることを願っています。
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