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経済・社会

2021.08.25 16:00

米国人を襲う謎の脳障害「ハバナ症候群」がベトナムでも発生

カマラ・ハリス米副大統領(Photo by Spencer Platt/Getty Images)

カマラ・ハリス米副大統領(Photo by Spencer Platt/Getty Images)

米国のカマラ・ハリス副大統領は、8月24日にベトナムを訪問したが、「ハバナ・シンドローム」と呼ばれる正体不明の症状への懸念から、フライトは数時間遅れで現地に到着した。ベトナムの首都ハノイでは、先週末に複数の米軍関係者がこの症状を発症していた模様だ。

ハリス副大統領は、中国が影響力を行使している東南アジア地域への訪問の一環としてハノイを訪れたが、シンガポールで3時間のフライトの遅れが生じたという。

NBCニュースによると、先週末にハノイで2人以上の米国人スタッフが「奇妙な音」と「ハバナ・シンドローム」に関連する症状で避難したという。ハノイの米国大使館は「ここ最近の異常な健康関連の事案」のために副大統領のスケジュールが遅延したと述べている。

ハバナ症候群とされる症状の人々は、甲高い音が原因で頭痛やめまい記憶喪失などの症状を発症するとされるが、米国の諜報機関は、この音が敵国が米国の外交官や政府職員に、マイクロ波エネルギーを照射した結果ではないかと疑っている。しかし、ニューヨーク・タイムズ(NYT)によると、CIAや国務省などによる調査で、この病気とロシアや中国、キューバなどの国との関連を示す証拠は発見されていないという。

ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、ドイツの2人以上の米国人スタッフも最近、ハバナ症候群に関連する症状を報告していた。また、1月下旬以降、ウィーンに居る約20人の米政府関係者がこのような症状に見舞われたという。

ハバナ症候群は、2016年にキューバの米国大使館員によって初めて報告されたことからその名が付けられ、これまで200人以上の米国人職員とその家族に頭痛、めまい、吐き気、記憶喪失などの症状をもたらしている。米国科学・工学・医学アカデミーは12月、この症候群の原因として最も可能性が高いのは「指向性のあるパルス状の高周波エネルギー」であると報告した。

冷戦時代の秘密兵器説も


WSJによると、「エネルギー・アタック」とも呼ばれるこの技術は、米国と旧ソ連で兵器としてテストされたことがある模様だ。CIAのウィリアム・バーンズ長官は7月のNPRの取材に、この技術が米国を攻撃するために使用されている「非常に強い可能性」があると述べていた。

JAMAに掲載された2019年の論文によると、症状を感じたハバナの米国大使館員の脳には「微妙な差」があることが判明したが、外傷性の脳障害の兆候は見られなかったとNPRは報じている。

また、別の論文では、ハバナ症候群に関わる証拠や主張は否定されている。NPRによると、2017年に録音された頭痛の原因となる音はコオロギの鳴き声であることが判明した。また、シリアで報告された米軍関係者に対する「ロシアのエネルギー攻撃」は、実際には食中毒だったとNYTは報じている。

NPRによると、アントニー・ブリンケン国務長官は6月に上院議員に対し「何かが起きていることは確かだが、何が原因なのかわからない」と述べたという。

編集=上田裕資

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2025.04.10 11:00

「Japan Inclusive Ventures Lab-Tokyo Day-」開催。金融のチカラでスタートアップのグローバル展開を次のステージへ

三菱UFJモルガン・スタンレー証券が2024年から新たに立ち上げたスタートアップ向け伴走支援プログラム「Japan Inclusive Ventures Lab (JIVL)」。第1期の参加企業(2社)を交え、スタートアップの支援の意義について語り合うイベントがこの3月、都内で開かれた。第2期募集が始まった今、果たしてこのプログラムの意義とはなんなのか。識者たちとのパネルディスカッションから、その要点を感じ取っていただきたい。


「Japan Inclusive Ventures Lab (JIVL)」は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が2024年に開始したスタートアップ伴走プログラムで、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の戦略的パートナーである米モルガン・スタンレーが米州およびヨーロッパ・中東・アフリカ(EMEA)地域で展開している「Morgan Stanley Inclusive & Sustainable Ventures」を活用したプログラムだ。

6カ月にわたるプログラムでは、バリューアップや投資家に向けたピッチのブラッシュアップ、ブランディング戦略、財務戦略の立案、さらに、メンターによるセッションなどの多岐にわたるカリキュラムが用意されている。

第1期の参加企業には、過熱水蒸気を用いて食品加工過程の『かくれフードロス』をアップサイクルする「ASTRA FOOD PLAN」と、女性IT人材の育成を通じて日本の男女賃金格差・非正規雇用の多さとIT人材不足の同時解決を目指す「Ms. Engineer」が選定された。両社のプレゼンテーションを含む形で、プログラムの集大成となる「Japan Inclusive Ventures Lab-Tokyo Day-」が開催された。

本記事では、イベント後半に実施されたパネルディスカッションの様子をお届けする。モデレーターは、三菱UFJモルガン・スタンレー証券 チーフ・サステナビリティ・オフィサーの南里彩子(以下、南里)。パネリストとして、カイテク代表取締役社長の武藤高史、JETRO イノベーション部次長(スタートアップ担当)の樽谷範哉、MPower Partners Fund L.P. ゼネラル・パートナーのキャシー松井が登壇した。

南里彩子 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 チーフ・サステナビリティ・オフィサー
南里彩子 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 チーフ・サステナビリティ・オフィサー

「資金+ノウハウ+早期海外経験」を得るユニークなプログラム

南里:今回は、「日本のスタートアップのさらなる発展に向けて〜多様化、グローバル化、社会課題解決への伴走〜」と題して、ディスカッションをしていきます。JIVLでは、「日本においてグローバルなスタートアップエコシステムを構築」「経済社会における構造変革とESG課題の解決を実践」「日本の持続的成長に貢献」という3つのミッションを掲げています。本日のイベントも含め、プログラムをどのようにご覧になりましたか。

武藤高史(以下、武藤):まず、無料で参加できるプログラムという点が純粋に羨ましいですね。特に印象的だったのは、エクイティストーリーを早期にブラッシュアップできる仕組みです。もちろん起業家自身の努力もあるとは思いますが、短期間であれだけ完成度の高いピッチができるのは、専門家による手厚い伴走があったのではないかと感じました。

また、ニューヨークやロンドンでプレゼンできる点も大きい。創業初期に海外の投資家に事業を知ってもらい、フィードバックを得られるというのは本当に貴重です。たとえ今すぐ海外展開をしなくても、いずれそうなったときのことを考えて「逆算」もできます。私自身も英語でピッチをしてみて、国や文化の違いで「介護」への捉え方がまったく異なることを痛感しました。その違いによって、サービスや課題の優先順位が変わる可能性があるわけです。

武藤高史/カイテク 代表取締役社長。高齢化率世界一といわれる日本において、介護・医療業界の人手不足解消に挑む「有資格者に特化したスポットワークシェアアプリ」を運営。その規模は急拡大し、約1万施設での活用まで拡大。最近は英語でのピッチに注力し、海外投資家と対話も始めている。「海外のほうが日本以上に『高齢化社会問題』への関心が高いケースもある」と指摘する。
武藤高史/カイテク 代表取締役社長。高齢化率世界一といわれる日本において、介護・医療業界の人手不足解消に挑む「有資格者に特化したスポットワークシェアアプリ」を運営。その規模は急拡大し、約1万施設での活用まで拡大。最近は英語でのピッチに注力し、海外投資家と対話も始めている。「海外のほうが日本以上に『高齢化社会問題』への関心が高いケースもある」と指摘する。

樽谷範哉(以下、樽谷):ジェトロとしても日系スタートアップの海外展開を促進するアクセラレーションプログラムを多数企画していますが、JIVLはミッションにもある「日本においてグローバルなスタートアップエコシステムを構築」の観点で3つの魅力があると感じます。

1つめは、オペレーションに相当コストをかけており、出資後も株主として長期間伴走してくれるため、スタートアップにとってはプレッシャーも少なく、フレンドリーな仕組みになっている点。

2つめは、海外デモデイを組み込む「Born Global」の実現化です。日本は「国内での成功後に海外へ」という流れが多いですが、シリーズB・Cで海外を目指すとプロダクトマーケティングを一からやり直すリスクがある。また、日本市場に集中する場合でも、早期に海外を知っていれば世界の競合が日本市場にいずれ入ってくることを見越して、自社のポジショニングを考えるようになるなどメリットは大きいですね。

3つめは、同じ期(コホート)の企業同士でグローバルコミュニティを形成できる点です。10社、20社が同期になると強いつながりが生まれ、卒業生が次世代を支援する循環が生まれやすく、長期的にエコシステム全体が活性化します。JIVLはそういった可能性を秘めたプログラムだと思います。

南里:早期に海外を知ると、やはりマインドセットにも違いが出ますか。

樽谷:はい、海外に出る際の意思決定やピボット(方向転換)が格段に早くなる印象ですね。

樽谷範哉/JETRO イノベーション部 次長。2000年代から日本のベンチャー・スタートアップ企業の海外展開を支援するなか、サンフランシスコ駐在を含め15年間、日本のベンチャー・スタートアップ企業のエコシステム構築に尽力。スタートアップのグローバルスケールの必須要件として、「メンタリング」「アクセラレーションプログラム・海外派遣プログラム」「日本のエコシステムの海外発信」を挙げる。
樽谷範哉/JETRO イノベーション部 次長。2000年代から日本のベンチャー・スタートアップ企業の海外展開を支援するなか、サンフランシスコ駐在を含め15年間以上、日本のベンチャー・スタートアップ企業のエコシステム構築に尽力。JETROではスタートアップのグローバルスケールプログラムとして、「メンタリングやメンターを通じたKOL・投資家・潜在顧客の紹介」「アクセラレーションプログラム・海外派遣プログラム」「SNSやカンファレンスを通じた日本のエコシステムの海外発信」を行っている。

強力なネットワークで女性起業家をバックアップ

南里:キャシーさんはウーマノミクスを提唱され、日本初の女性活躍推進に特化したスタートアップ支援ファンド「WPower ファンド」も設立されています。今回の参加企業2社はいずれも女性CEOですが、どのような感想をもたれましたか。

キャシー松井(以下、キャシー):おふたりのピッチが市場規模、事業コンセプト、社会課題との紐づけを論理的に整理されていて、非常に完成度が高いと感じました。プログラムの効果という点では、武藤さんや樽谷さんがおっしゃった内容に加え、「ネットワークの充実度」も挙げたいですね。

日本で女性起業家が少ない要因のひとつは、ネットワーク不足とそれに伴う情報不足です。男性の場合、ごく自然に横のつながりができるのに比べ、女性は気軽にコミュニティを構築しにくい面がある。この課題に対し、スタートアップ・アクセラレーション・チームとのエクイティストーリーの磨き上げや、経験豊富なメンターとのマッチングを通じて常に壁打ちができる環境を整えているのは、JIVLの大きな強みだと思います。

キャシー松井/MPower Partners Fund L.P. ゼネラル・パートナー。ウーマノミクスの提唱者であり、日本初のESG重視型VCファンドを共同創業。女性起業家やマイノリティへの投資拡大を目指し、直近では「WPower ファンド」を立ち上げた。その取り組みのなかで、日本のスタートアップの規模の小ささを「多様性」「グローバルな挑戦」「ESGの不足」と捉え、改善を訴えている。
キャシー松井/MPower Partners Fund L.P. ゼネラル・パートナー。ウーマノミクスの提唱者であり、日本初のESG重視型VCファンドを共同創業。女性起業家やマイノリティへの投資拡大を目指し、直近では「WPower ファンド」を立ち上げた。その取り組みのなかで、日本のスタートアップの規模の小ささを「多様性」「グローバルな挑戦」「ESGの不足」と捉え、改善を訴えている。

樽谷:実は、キャシーさんが仰った通り、女性起業家について「コホート」を設けることは、非常にメリットが大きいと感じています。というのも、ジェトロでは、セクターを分類しないものから、AI・グリーンテックなどの専門分野にフォーカスしたものまで多様なプログラムを展開しているのですが、“情報の溜まり方”がコホートによって異なることがわかっています。「女性起業家プログラムでは、コホート同士の情報のシェアや課題解決のスピードが速い」という傾向がありますね。

「DEI」への逆風をチャンスに、日本でこそ多様化推進を

南里:今後の課題感も出てきたところで、後半では、日本のスタートアップの現状と見通しについてうかがいたいと思います。昨今、米国を中心にDEI(多様性、公平性、包摂性)への逆風が吹いているとも言われますが、このバックラッシュをどのように捉えていらっしゃいますか。

キャシー:政治的なツールとして「DEI」という言葉も使われるなど、非常に残念な傾向になっていると感じています。一部の人からは「アメリカが後退しているなら日本もリラックスしていいのでは?」とコメントをもらうこともありますが、日本の少子高齢化や労働人口減少の現実を踏まえると、すでに危機的状況と言えます。

DEIの本質は、女性やマイノリティに対するアファーマティブアクション(積極的格差是正措置)ではなく、「すべての人に平等の機会を与え、人間のポテンシャルを最大化すること」です。単なる人権問題ではなく、経済合理性に基づく重要な要素だと私たちは考えています。

実際、弊社が20~23年にIPOした国内スタートアップを対象に、女性ファウンダー企業と男性ファウンダー企業を比較したところ、女性の方が累積調達額に対するIPO時価総額が1.5倍、IPO達成までの日数は3割ほど短いという結果が得られました。にもかかわらず、スタートアップへの資金のうち、女性起業家が手にするのはわずか2%。私たちはこうした構造的ギャップを打破し、未来を切り拓く女性リーダーへ資金を届けたいと思っています。DEIやダイバーシティにおいては、日本は逆風に流されるのではなく、むしろ世界のリーダーシップを取るチャンスではないでしょうか。

樽谷:私も、ダイバーシティは経済合理性があるからこそ、進めるべきだと考えています。以前、東京大学ならびに住友生命と共同で行った日米スタートアップの比較調査においても、「連続起業家が関わっている」「海外投資家や海外メンターがアーリーから入っている」「多様性のあるチームである」の3つが世界でスケールするための要因でした。ジェンダー、国籍、経歴など形態はさまざまですが、とりわけファウンダーに異なる考え方や価値観が入ると、プロダクト開発の初期からマーケティングまでがグローバル視点になり、競合他社に先んじる例が実際に多いように思います。

南里:日本のスタートアップが世界に成果を示すことが、これからますます求められますね。力強いご意見を、JIVLの発展にも生かしていきたいと思います。

社会課題解決を推し進めるために必要なもの

南里:最後に、介護・医療という、まさにど真ん中の社会課題の解決に向けて活動されている武藤さんにうかがいます。これまで事業推進で苦労された点は何でしょうか。

武藤:いちばん苦労したのは資金調達ですね。介護は社会貢献度が高く市場も大きい一方、「儲からない」と思われがちで、メガバンクではデューデリジェンスで難航し、融資実行まで時間がかかりました。その後、シリーズAでインパクト投資家と出会い、それがコロナ禍を乗り越える大きな支えになりました。

一方で、起業家として多くの学びも得ました。例えばインパクト投資家とともに「ロジックモデル」を作成し、このビジネスが介護業界や高齢者、家族にどんなポジティブな変化をもたらすのかを可視化することで、「社会的インパクト」と「収益性」の両立が可能であることを証明でき、投資家との理解が深まり、それが事業推進への大きな後押しになりました。

社会課題をビジネスで解決するのは容易ではありませんが、だからこそ大きなやりがいもありますし、JIVLの参加企業とも連携しながら「日本発のモデル」を世界に発信していきたいと思っています。

南里:貴重なご意見を真摯に受け止め、意識変革や仕組みづくりをよりスピーディーに進めていきます。ありがとうございました。


「Born Global」へ伴走支援。世界へ羽ばたくCEOへ“経済の血流”の金融の力を

イベント終了後、「JIVL」を立ち上げ期からプロジェクトをリードしてきた2人のキーパーソン、前出の南里と、モルガン・スタンレー 社長室 エグゼクティブ・ディレクターの小池梓(以下、小池)に、これまでの成果と展望を聞いた。

小池 梓 モスガン・スタンレー 社長室 エグゼクティブ・ディレクター
小池 梓 モルガン・スタンレー 社長室 エグゼクティブ・ディレクター

両氏によれば、「JIVL」の源泉は、米モルガン・スタンレーが展開する「Morgan Stanley Inclusive & Sustainable Ventures(MSISV)」と、「この素晴らしいプログラムを日本で実現したい」という想い。同時期、三菱UFJモルガン・スタンレー証券とモルガン・スタンレー日本法人で同じ構想を抱く者同士がタッグを組み、MSISVの枠組みを取り込みながら日本版へのカスタマイズを行ったという。

「スタートアップにとって資金調達は死活問題ですが、女性やマイノリティの起業家に十分行き渡っていないのが現状。JIVLの役割はこのギャップを埋めること。モルガン・スタンレーのネットワークを活用することで創業初期からグローバルな視野をもつスタートアップを日本から育てたい」と南里。一方、モルガン・スタンレーの日本法人でビジネスを絡めたさまざまなプロジェクトに従事してきた小池は、「日本と米国における大手金融機関2社が協働し、両社の強みを活かして国内外のネットワークやノウハウを提供できるのがこのプログラムの“醍醐味”。積み上げた成果を社会メッセージに変えていきたい」と語る。

プログラムの最後に設けた6カ月を振り返るセッションでは、参加企業2社から率直なフィードバックをもらった。海外デモデイの意義と同じくらい、エクイティストーリー作成や資本政策面で常に知見を得られる相談相手がいたことへの評価が高かったという。

イベントの「振り返り」では、参加企業2社とのセッションを実施。海外デモデイの意義と同じくらい、エクイティストーリー作成や資本政策面で常に知見を得られる相談相手がいたことへの評価が得られたという。

「プログラムを常にアップデートしながら、多様な起業家を幅広く支えられる場に成長させたい」(小池)。

「究極的には、特別なプログラムがなくてもあらゆる起業家が活躍できる世界を目指していく」(南里)。

両氏の言葉には、さらなる展開へ向けた手応えと決意がにじんでいた。三菱UFJモルガン・スタンレー証券では現在、JIVLの第2期の参加企業を募集中(応募期間は、25年4月21日(月)正午まで)だという。今後の展開に期待したい。

「Japan Inclusive Ventures Lab」(JIVL) 応募はこちらから
https://www.morganstanley.co.jp/ja/jivl


三菱UFJモルガン・スタンレー証券
https://www.sc.mufg.jp/

Promoted by 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 / text by Sei Igarashi / photographs by Masahiro Miki / edited by Akio Takashiro

東京五輪の「セックス防止ベッド」に海外メディアが注目の理由

Carl Court/Getty Images

Carl Court/Getty Images

2021年の東京オリンピックは、新型コロナウイルスへの対応を迫られるだけでなく、フェイクニュースの波にも襲われている。

一部のニュースメディアは、五輪の出場選手らが、選手村でのセックスを防止するために製作された、段ボール製のベッドで寝ることを強制されていると報じている。

7月18日のニューヨーク・ポストは「選手らが、感染拡大防止のためのアンチセックス(性関係防止)ベッドで寝なければならない」と伝えている。記事によると、このベッドは一人分の重さしか耐えられず、ちょっとした刺激でバラバラになってしまう危険性があるという。

五輪の関係者が、選手の性行為を妨害するために、粗末なベッドを考案したのだとしたら面白いが、これは完全な作り話だ。このフェイクニュースは、ツイッターで約11万人のフォロワーを持つJohn Aravosisという人物のツイートなどを通じて広まった。そこには、「東京五輪の選手村のベッドは、セックスによる感染拡大を防止するために、段ボールで作られており、一人以上が乗ると壊れる設計になっている」と書かれていた。

しかし、この段ボール製のベッドは実在するものではあるが、セックスが原因で壊れるようには設計されていない。このベッドは、新型コロナウイルスが発生するずっと前に、五輪のリサイクル活動の一環として考案された。

問題のベッドは、2019年9月にはUSAトゥデイで、2020年1月にはAPニュースで紹介されていたが、その際にはアンチセックス効果については一切触れられていなかった。

セックス防止ではなく環境への配慮


実際、このベッドは約200キロの重量を支えることができ、木製のものより頑丈だと言われている。段ボール製のベッドは、以前から災害時の仮設ベッドとして定着していたが、東京五輪では環境への配慮から導入されていた。

「このベッドは、大会終了後に紙製品にリサイクルされ、マットレス部分は新たにプラスチック製品にリサイクルされる。オリンピックとパラリンピックの歴史の中で、すべてのベッドと寝具がほとんど再生可能な素材で作られるのは、これが初めてのことだ」と、リリース資料には記載されている。

また、アイルランドの体操選手であるリース・マクレナハンは7月18日、アンチセックスの噂を否定するビデオをツイッターに投稿し、段ボール製のベッドの上で何度もジャンプしている姿を公開した。マクレナハンは、この噂を「フェイクニュース」と表現した。

今年のオリンピックは、莫大な開催費用やウイルスの蔓延の可能性、米国選手の大麻使用による出場禁止処分など、多くの問題に直面しているが、「アンチセックス」ベッドは、インターネットが思い込みを加速させてニュース記事にしてしまった事例のひとつと言える。

しかし、アスリートたちにとっては到着後の楽しみがひとつ増えたのかもしれない。

編集=上田裕資

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