【5月8日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領は7日、5月8日を第2次世界大戦の戦勝記念日と正式に定めるとともに、同大戦における欧州諸国の役割を軽視した。

トランプ氏はホワイトハウスで第2次大戦戦勝記念日に関する宣言を出した直後、「好むと好まざるとにかかわらず、この勝利は主にわれわれのおかげで達成された」と主張。

「80年前の今週、敵を打ち破ったのは米国の戦車、艦船、トラック、航空機、そして兵士たちだった。米国なしでは、(ナチス・ドイツからの)解放は決して実現しなかっただろう」と続けた。

トランプ氏は今月、欧州の多くの国と異なり、米国には1945年のナチス・ドイツ打倒を祝う日がなかったと主張し、5月8日を「第2次世界大戦戦勝記念日」とする意向を表明。第1次世界大戦についても終結は米国の功績だと主張して、別途「第1次世界大戦戦勝記念日」を制定する計画を明らかにした。

トランプ氏は「われわれなしでは、両大戦に勝利することはなかっただろう」と訴えた。

トランプ氏の発言は、両大戦で連合国側の欧州諸国の多くが米国よりもはるかに多くの死傷者を出し、壊滅的な被害を受けたという事実を軽視している。

米国は1941年に第2次大戦に参戦して以来、兵士40万人以上が死亡するなど甚大な被害を受ける一方、ノルマンディー上陸作戦やナチス・ドイツ総統アドルフ・ヒトラーの打倒に重要な役割を果たした。

最も大きな被害を受けたのは旧ソ連で、2000万人以上が死亡した。

英国は第2次世界大戦で兵士38万4000人、民間人7万人が死亡した。(c)AFP