自民 西田参院議員“ひめゆりの塔 歴史書き換え発言”撤回せず

自民党の西田昌司参議院議員は、5月3日に、沖縄戦で犠牲となった女子生徒らを慰霊する「ひめゆりの塔」の説明について、「歴史を書き換えるとこういうことになってしまう」などと発言しました。西田氏は、かつて現地で展示を見た印象を話したとして、発言は撤回しないと述べました。

自民党の西田昌司参議院議員は、5月3日に那覇市で開かれた憲法に関するシンポジウムで、沖縄県糸満市にある「ひめゆりの塔」の、沖縄戦で犠牲となった「ひめゆり学徒隊」の説明について、「日本軍がどんどん入ってきて、ひめゆり隊が死ぬことになり、アメリカが入ってきて、沖縄が解放されたという文脈で書いてある。歴史を書き換えると、こういうことになってしまう」などと発言しました。

これについて、西田氏は7日に記者会見し、「国会議員になる前の20年以上前に視察に行ったことがある。私が展示を見て、そう理解した。展示の文章は覚えてないが、そういう印象を持った」と述べました。

そして、「沖縄戦は民間の方もたくさん犠牲になったが、助けるために日本軍が行った。日本人を守るために先人は戦い、犠牲になった人を悼むと同時に、なぜそういう戦争が起きたのかを、日本人自身が問いかけなければならないという文脈で発言した」と述べました。

また、記者団から、発言を撤回するつもりがないか問われたのに対し、「事実を言っているので、もちろんない」としたうえで、沖縄県民を傷つける意図はないという考えを示しました。

ひめゆり平和祈念資料館「西田氏が言及した記述はない」

「ひめゆり学徒隊」の体験を伝えている、ひめゆり平和祈念資料館は、NHKの取材に対し、「西田氏が言及した記述は、現在も過去もないと断言する。発言は、後世に絶対戦争を起こさせないために伝えようとした方々の気持ちを否定し、冒とくするものだ」と批判しています。

沖縄 玉城知事「認識錯誤も甚だしい」

沖縄県の玉城知事は7日午前、報道陣の取材に対し「沖縄戦の実相をゆがめるという意味で考えるとゆゆしき発言だ。認識錯誤も甚だしい。西田氏をシンポジウムに招いたことが適当かどうかは考えの違いがあると思うが、結果としてこういう発言を引き出したということは相応の問題があったのではないか」と述べました。

沖縄県議会 抗議決議へ

沖縄県議会は「看過できない」として抗議決議を行う方針を確認し、今後、具体的な文言の調整を進めることになりました。

西田議員の発言を受けて県議会は、7日の議会運営委員会で今後の対応を協議しました。

この中で県政与党会派の議員は「ひめゆりの塔や平和祈念資料館は、戦争体験者が家族に言えないような自身の体験をなんとか我慢しながら後世に伝えるべくつくったものであり、発言は決して看過されるものではない」と指摘しました。

県政野党会派の自民党も「党県連から党本部に抗議することを決定した。県議会での抗議決議も行う」と述べ、県議会として抗議決議を行う方針を確認し、今後、具体的な文言の調整を進めることになりました。

このあとの記者会見で自民党沖縄県連の島袋大会長は「地上戦を経験した沖縄県民としては非常に厳しい発言だ。パッとシンポジウムに来て1時間ほど話して帰っていかれても、残された沖縄県民の思いは『何なんだ』となる。シンポジウムを共催した県連として『おかしいものはおかしい』としっかり申し入れる」と述べました。

立民 小川幹事長 「極めて不適切で意味不明」

立憲民主党の小川幹事長は、記者会見で「極めて不適切で、しっかりと釈明し、説明責任を果たしてほしい。『ひめゆり学徒隊』は、さまざまな医療的な救済にあたりながら、大変な被害を被った方々で、発言は意味不明だ」と述べました。

公明 西田幹事長 「尊厳踏みにじる行為 断じて容認できず」

公明党の西田幹事長は、記者会見で「私も『ひめゆり平和祈念資料館』を訪れ、学徒の皆さんの苦しみや、血のにじむような思いを見たことを思い出す。これを否定や軽視するような発言は、戦争体験者や遺族、沖縄県民などの尊厳を踏みにじる行為で断じて容認できず、公明党沖縄県本部として、撤回や謝罪を求めている。党本部も思いは同じだ。自民党の森山幹事長にも、こうした趣旨を伝えた」と述べました。

共産 小池書記局長 「許し難い言語道断の暴言」

共産党の小池書記局長は、記者会見で「許し難い言語道断の暴言、妄言だ。直ちに謝罪し撤回すべきだが、本人の責任だけで済む話ではなく、自民党としてどう対応するのかが問われている。沖縄県民や国民に対して、発言が事実に反するものだと、党としても認め、謝罪、撤回することが必要だ」と述べました。

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