523:名無しの冒険者
リヴァイアサンは強敵やったなぁ
524:名無しの冒険者
レベル6以下はランクアップ間違いなしやろ
525:名無しの冒険者
はっきり言っていい?イッチさぁチート過ぎない?
526:名無しの冒険者
それな
527:名無しの冒険者
もうあの人だけで良くない?
528:名無しの冒険者
冒険者という果てしないマラソンゲーム
529:名無しの冒険者
倒す、換金する、装備を整える
530:名無しの冒険者
何の為に?
531:
はいお疲れ、解散解散
532:名無しの冒険者
なっ
533:名無しの冒険者
なんで、オマエが此処にいる
534:
なんでって、あーそう言う事。
道化所属はヘラが56した
535:名無しの冒険者
そうか、タヒね
536:名無しの冒険者
もうええねん
537:名無しの冒険者
どんだけこのくだり続けんの
538:
親に恵まれたな
スレ立てする為のパソコンとか
539:名無しの冒険者
あっ、うん。そこはマジで否定出来ねぇ
540:名無しの冒険者
>>535 おいおいアイツ死んだわ
541:名無しの冒険者
>>535 仮にもヘラに死ねと言ったぞ
542:
死刑ですね。分かります。
火と水、どっちがいい?
543:>>535
オワタ\(^o^)/
『>>535がログアウトしました』
544:名無しの冒険者
そう言えば些細な疑問なんやけど、ヘラがもしゼウスを殺すなら死因はなんやと思う?
545:名無しの冒険者
おいバカやめろ。なんか想像出来るから
546:名無しの冒険者
絶対生々しいヤツじゃね?
547:
首絞めながらの腹上死だろ。そして逝ったら後を追う
548:名無しの冒険者
イッチィィィィ!?
549:名無しの冒険者
何故言ったし!?馬鹿なの!?
550:名無しの冒険者
それ話題にしたら実行されるヤツ!?
551:名無しの冒険者
【悲報】ゼウス終了のお知らせ
552:名無しの冒険者
ヤンデレがアップを始めました。
553:名無しの冒険者
これで二大派閥消えたらイッチのせいやからな!?
554:
大丈夫でしょ。ゼウスやし
555:名無しの冒険者
変態爺の頑丈さに対する信頼が重い!?
556:名無しの冒険者
まあ、あの爺なら確かにのらりくらりと逃げるやろ
557:名無しの冒険者
最近思ったんやけどイッチもヘラの眷属らしくなってきたじゃん
558:
感情にブレーキかけ過ぎるとストレス溜まるからな
559:名無しの冒険者
花御も呪いらしくなってきたじゃん
560:
花御じゃないノーグだ。
この名言、テストに出るから注意しておくように
561:名無しの冒険者
ヅラァ……何のテストだよそれは
562:名無しの冒険者
ノーグ検定、一級はいるんか?
563:
いる。解析最強ニキは一級
彼には『空前絶後のストーカー』の称号を与えよう
564:名無しの冒険者
サンシャインかよww
565:名無しの冒険者
残当やろ
566:名無しの冒険者
あのネカマも泣いて喜ぶんじゃねww
567:名無しの冒険者
とりまリヴァイアサン討伐、マジおつかれー
568:名無しの冒険者
カツカレー
569:名無しの冒険者
ビーフカレー
570:名無しの冒険者
ハヤシライス
571:名無しの冒険者
最後変なヤツ居たな
572:名無しの冒険者
今イッチ何しとんの?てか時間は?
573:
今はメレンの砂浜で一休み。あと二日は宿屋にいる感じ。流石に全員は泊まれないから宿分けとるけど、ワイや一級以上は個室泊まりや。時間はあの日から三日後、祝勝会中やけど抜け出しとるし
574:名無しの冒険者
なんや疲れたんか?
575:名無しの冒険者
まあそこにアルフィア居ないからやろ、静寂やしボイコットしとるんちゃう?
576:名無しの冒険者
立役者二人がボイコットか
577:
あー、違う違う。アルフィアはリヴァイアサン戦の疲れが取れてないから休んどるし、ワイは単純に夜風に当たりたかっただけや。女ばかりで肩身狭いし
578:名無しの冒険者
た、確かに……!?
579:名無しの冒険者
同じ立場なら同じ行動してる気がする
580:名無しの冒険者
レオンやガイネウスは?
581:
生贄にして緊急テレポート
582:名無しの冒険者
押し付けて逃げたなイッチ
583:名無しの冒険者
いやむしろご褒美だろ。女の子に囲まれてる時点でさ
584:名無しの冒険者
いいご身分じゃねえかタヒね
585:名無しの冒険者
もう嫉妬はええやろ。そろそろ聞かせてもらおうか。肝心のイッチのステイタスをよぉ!
586:
まあええよ。そこを含めてちょっと相談したかったし
587:名無しの冒険者
キターーー!!
588:名無しの冒険者
キターーーン!!!
589:名無しの冒険者
拡散しろーー!!
590:名無しの冒険者
待ってたぜ、この時を……!!
591:名無しの冒険者
ずっとスタンバっていました!!
592:
とりあえずランクアップ可能やけど今は保留。
これが今のワイのステイタスや。
ノーグ Lv.5 (ランクアップ可能)
力 E411
耐久 G200
器用 S972
敏捷 D503
魔力 SSS1301
【天眼E→D】
【耐異常F】
【耐冷D→C】
【魔導G→F】
【並列思考I→H】
『魔法』
【アプソール・コフィン】
・二段階階位付与魔法
・一段階『凍てつく残響よ渦を巻け』
・二段階『燻りし焔をその手に慄け、氷界の果てに疾く失せよ』
【リア・スノーライズ】
・領域魔法
・指定した存在に氷付与魔法を付与
・極寒、氷結範囲に幻像使用権限獲得
・極寒、氷結範囲から魔素の回収、精神力還元
『それは尊き冬の幻想、今は閉ざされし幻雪の箱庭、流れて駆けゆく数多の精、黄昏に吹雪く厳冬の風、打ち震えよ、我が声に耳を傾け力を貸せ、黄昏の空を飛翔し渡り、白銀の大地を踏み締め走れ、悠久の時を経て、懐かしき冬が目を醒ます、届かぬ天を地に落とし、今こそ我等に栄光を、箱庭は開かれた、偉大なる冬の世界へようこそ』
『スキル』
【
・■■■■■■■■■
・神威に対する拒絶権
【
・
・疾走時、精神力を消費し『敏捷』の上昇
・発動時、加速限界の制限無視
【
・発展アビリティ【耐冷】の獲得
・環境極寒時、ステイタスの高補正
【
・一定以上の憤怒時発動可能
・精神力二倍消費による魔法の詠唱破棄
・怒りの丈より出力上昇
【
・魔法発動中、精神力超消費にて冷気隷属
・隷属範囲及び練度はLv.に依存
【
・
・発動中
・発動終了後、
【
・限界突破ごとに肉体及び精神の精霊化、人間性の機能消失
・肉体の不老獲得
593:名無しの冒険者
594:名無しの冒険者
595:名無しの冒険者
596:名無しの冒険者
597:名無しの冒険者
598:名無しの冒険者
待て
599:名無しの冒険者
うん、ツッコミたい事が幾つかあるんだけど
600:名無しの冒険者
リヴァイアサン戦一回でこの数値?
601:
ワイ、リヴァイアサン戦ずっと魔法を使い続けたせいで魔力値が異常に伸びとる。逆に耐久はそうでもないのは残当やろ
602:名無しの冒険者
残当な訳ねえだろやっぱおかしいって
603:名無しの冒険者
君ホントにどうなってんの?
604:名無しの冒険者
ベル君じゃあるまいし、成長補正無しでコレかよ
605:
多分なんやけど、ワイの魂の他にフララの魂も溶け込んどるから恩恵二人分。二倍とはいかへんけど1.5倍の成長速度が有るんやない?アルフィアも同じようなスキルあるっぽいし
606:名無しの冒険者
へー、アルフィアにもあるんやな成長補正スキル
607:名無しの冒険者
じゃ、じゃあスキルは?なんやこの新スキル?
608:名無しの冒険者
【
・
・発動中
・発動終了後、
これアレか?フィンの第二魔法の持続版?
609:名無しの冒険者
またチートかよ。ふざけんなイッチ
610:
馬鹿野郎使えるわけねえだろ。もう一つのスキルを見ろや
611:名無しの冒険者
【
・限界突破ごとに肉体及び精神の精霊化、人間性の機能消失
・肉体の不老獲得
なんやこれ……不穏過ぎへん?
612:名無しの冒険者
人間性の機能の消失って、なんや?
613:名無しの冒険者
イッチが精霊になるって事?
614:
まあそんな感じ、ヘラ曰く限界突破するごとに自身の肉体がその出力に耐えきれないから
615:名無しの冒険者
つまるところアレか。
人間8で精霊2の比重が傾いて戦闘中は人間2で精霊8になるって事やろ?
616:名無しの冒険者
あっ、そういう事か。
それで戻そうとしたら人間7と精霊3までしか戻せない感じって認識でオケ?
617:名無しの冒険者
解説乙
618:名無しの冒険者
意外と分かりやすい
619:
まっ、そゆことや。
こればかりはワイを抱きしめながらヘラも謝っとった。精霊になればなるほどに人から外れていく。代償になる対象が分からへんけど、肉体や精神は当然として機能って意味が広過ぎる。
記憶、感情、食欲、性欲、睡眠欲、知識、本能、理性、理念、意思、感性、数え上げたらキリないしそれこそ何が対象になるんか分からへん。まあ使えば確実にデメリットでしかない。
620:名無しの冒険者
封印だな。それ使うなよ
621:名無しの冒険者
使うとしても使い所を誤るなよイッチ
622:
あの時はリリナ…あのエルフっ娘が使ってた憤慨呪詛でタガが外れてて、こう器にピキッと罅が入った感じや。そのせいか左手から肘にかけて肌が真っ白で、魔法使っとらんのにドライアイス並に冷たい。対処法はある?
623:名無しの冒険者
624:名無しの冒険者
精霊の力が反発して少し戻る可能性にかける
625:名無しの冒険者
火傷する可能性に一票
626:名無しの冒険者
加護がすぐ切れるに一票
627:名無しの冒険者
加護が喧嘩してフララが消えるに一票
628:
不謹慎すぎない?
人の心とかないんか?
★★★★★
メレンの砂浜にて。
あの日からリヴァイアサンの死体の回収。メレンの修復作業に海の男達が尽力している。氷塊が未だ浮かぶ海と空に浮かぶ月と満天の星空を眺めながら酒を飲む。
「ゴホッ……っ、流石に、無理し過ぎたかな」
左手に持つ酒瓶を傾けて飲み込んだ酒は
あの激戦の代償としては見合ったものかもしれない。しかし、あのスキルを反映させてしまってから、人でなくなる事に僅かな恐怖を覚えていた。記憶、感情、理性、それがなくなってしまったらきっともう立ち直る事は出来なくなるだろう。
何かを捨てる強さ。
それだけは自分が唯一持っていないものだった。
「ああ、嫌だなぁ……」
「何がですか?」
「っ!?」
気を抜き過ぎていた。
随分と考え事に没頭していた。振り返るとそこには少し顔に赤みがかかったリリナの姿だった。
「お疲れ様です。ノーグさん」
「リリナか……あれ、祝勝会は?」
「抜け出してきました。少し酔ってしまったので」
エルフであるリリナが珍しく酒を飲んでいた。
リリナは宴会の時はアルコール抜きのカクテルや果実水などを飲むことが多い。潔癖というか、毅然とした自分の在り方に誇りを持ち、そのイメージを崩さないようにしているかららしい。
まあ今日は無礼講。
魔法で氷のグラスを作り、少し酒を注いだ。
「飲むか?」
「いただきます……あっ、美味しい」
「そっか。作った甲斐がある」
「手作りですかコレ!?」
よく飲むクラフトコーラをハイボールで割ったコークハイ。この世界にコーラがない分、炭酸はないがコーラの味だけは再現出来た。一口飲めばお気に召したようで目を見開いている。
誰かと酒を飲むのはサポーター以来だ。
「大丈夫ですか?」
「何が?」
「左手、真っ白になって…何かあったんですよね」
「っ」
酔っているのに目敏い。
包帯か手袋か着けておけばよかったが、別に隠し通せるような事でもないしな。いずれバレる話ではあるが、それでもあまり言いたくはなかった。弱みを見せたくなかったから。
「大丈夫です。聞きませんから」
「……いいのか?」
「話してほしい気持ちはありますけど傷付けたくはありませんし、そんな顔していたら言いたくないって分かりますから」
本当に気を遣ってくれる優しい子だ。
傲岸不遜のアルフィアと正反対で献身的と言えばいいのか。メーテリアと同じく、ヘラの中の良心みたいな存在だった。しっかり相手を見て考えてあげられる優しさが少し染み渡る。
「ありがとな」
「えっ?」
「あの時、憤慨呪詛が無かったら俺は死んでたからな。お前が居なかったらリヴァイアサンを討伐出来なかったかもしれない」
あのスキルの原因はおそらくリリナだ。
憤慨呪詛が影響して器に罅が入った感覚があった。自身が制御出来る範囲での出力だった付与魔法のタガを外して暴走させた。その反動で人と精霊の
でも、感謝はしている。
死ぬよりマシで、あの時リリナが居なければリヴァイアサンに勝てなかったかもしれない。だからこのスキルが生まれた意味はリリナには伝えない。その方がきっと幸せだから。
「──ありがとなリリナ。俺を助けてくれて」
「っ──……」
だから、恨みなんてない。
ただ背中を押してもらったリリナにノーグは感謝を告げた。
「──好き」
「えっ?」
ポツリと呟かれたその言葉に困惑した。
酒に酔っているのか、顔が赤いだけじゃなくリリナの瞳には涙が溢れていた。ポロポロと泣き上戸のまま此方を向くと、俺の片手を掴んで俯いていた。
「私、ノーグさんが好き。異性として貴方が好きです」
酒に酔ってなんかいない。
照れながらも勇気を振り絞って手が震えていた。自分の事を好きとリリナの本心を告げられて僅かに頰が紅潮する。
「っ……俺は」
「分かってます。ノーグさんの気持ちがアルフィアさんに向いている事くらい私は知ってますよ」
絶句した。何故知ってるのか。
誰にも告げたことはないのにそれに気付けたという事は自分を見て察していたという事だ。正直な話、二人きりの場合を除いてそんな素振りを見せなかった筈なのだが。
「……俺そんな分かりやすい?」
「いいえ。でも副団長や紅さんくらいは分かってると」
「女帝は知らないんだ」
「あの人は強過ぎて恋を知らないんだと思いますよ」
「お前それ絶対本人の前で言うなよ?」
想像は付くけれど、と内心では思っている。
泥臭くて強くなろうとする男が好きらしいが、その好きは恋愛のそれではなく、手元に置きたい支配欲も含まれている。恋よりも愛で物事を考えてるから多分恋は知らないと思うが、本人が聞けばここは血の惨状に早変わりだ。
「……俺は確かにアルフィアに気持ちが向いてる。多分、恋してるとは思う」
「はい……」
「俺は親友としてはお前に好きと言えても、異性としては言えない」
リリナの告白は普通に嬉しい。
こんな自分を好きになってくれるなんてという気持ちが大きかった。けれど、もう好きになってしまった人がいる。そういう関係になりたいと思う自分がいる。だから、今の気持ちを口にした。
「分かってます。だから、少しだけズルさせてください」
「へっ?」
呆気に取られたような声が漏れた。
次の瞬間、目の前にリリナが迫っては頰に柔らかい感触に僅かに微睡むような意識は完全に覚醒していた。目を見開いて頰に手を当てて飛び退いた。
「なっ……お、まっ……」
「私、諦めませんから。アルフィアさんが相手でもいつかノーグさんを振り向かせます」
不敵に笑ったリリナは指を刺して笑った。
いつか絶対に好きにさせてみせる、そんな分の悪い賭けに対して負けないという意地を張りながら笑って宣戦布告した。
「覚悟、してくださいね?」
それだけ告げるとリリナは走って砂浜から離れていく。
取り残されたノーグはただ茫然としながらその背中を見つめていた。
「………………」
頰が熱い、身体が熱い、今まで意識してこなかった女の子からの告白。もしも振ってしまったら友達で居られなくなる事を知っていながら、それでもリリナは想いを告げた。諦められないから勝ち目の薄い勝負に挑んでは、接触を苦手とするエルフでありながら頰に口付けをする大胆さまであった。
僅かに揺れた。ほんの僅かに想いが揺らいだ気がした。
「……………やっぱアイツもヘラの眷属か」
その事実に納得し、顔に手を当てて砂浜に倒れ込んだ。酒に溺れて酔えたのなら、どれだけ良かったのか。もしくは出会い方が変わっていたのなら、あの子を好きになっていたのか。
今はただ、この冷めない熱に浸って目を閉じた。
この熱の冷まし方を空に浮かぶ星々は答えてくれなかった。
★★★★★
同時刻。
宴会に参加せずに宿の自室に籠っているアルフィアと、隣でアルフィアを支えているメナ。苦しそうに蹲っては心臓が酷い痛みを発していた。
「ゴホッ、ゴホッ……!」
胸を押さえて血を吐き出し、苦しそうな様子のアルフィアにメナは背中を撫でている。酷い発作だ。第三魔法を使った際に起きる反動は三日経っても鎮まり切らない。
「薬飲んで、少しは良くなるから」
「ああ……っ、ハァ…ハァ……」
「第三魔法の反動、やっぱり酷いね」
精霊の丸薬。
ノーグの血を使い作られた唯一の緩和薬。アルフィアやメーテリアの不治の病にすら通じる。それを飲んでは身体を横にしていた。メナが医療道具を用いてアルフィアを診察する。
「これじゃあ、黒竜戦は厳しいね」
「っ、そこまで酷いか」
「うん。薬は進行を緩めるだけで、完治は出来ない。診断したけどかなり酷いよ。臓器にダメージがあるし、機能がこれから弱まっていく」
アルフィアにはあるスキルが存在する。そのスキルの名は【
ステイタスの常時
元々、アルフィアはメーテリアと同じ『不治の病』を抱えていた。恩恵として刻まれた時、それが
「ノーグに精霊の奇跡が出来るなら、延命は出来るのかな」
「やめろ、私の問題にノーグは関係ない」
ありもしない可能性を告げても意味などない。
だが、出来るかもしれない。メナでは根本的な治療も出来なければ、この病は医神でさえお手上げ状態、唯一救えるかもしれないその可能性に縋らずにはいられなかった。
「……ノーグに頼んで出来るように特訓させてみる?案外出来るかもしれないよ?」
「それも止めろ。絶対にだ」
「何で?」
「知られたくない。それが出来るなら私よりもメーテリアにしてほしい。それに……」
ノーグは精霊ではない。
精霊の力を宿していても、人である事を捨ててまではいない。精霊と人間の在り方はかけ離れている。大いなる力には大いなる代償が必要だ。それを実行してほしいとまでは思えない。
「恐らくそれは代償が大きい。分かってる筈だ」
「……うん」
メナもそれ以上は何も言わなかった。
今はノーグも家族だ。家族を犠牲にしてまで得られる幸せなんてメーテリアも望まないだろう。だからこの話はここで終わりだ。
ただ、アルフィアは少しだけ変わった気がする。傲岸不遜は相変わらずだが、先程の発言はノーグを意識している言い回しだった。メナは横になるアルフィアを見て口にした。
「アルフィア、なんか変わったね」
「?」
「少し、柔らかくなった」
少しだけ、他人に対して優しくなった気がする。
アルフィアの理解者は多いわけではない。天才が故にそれに嫉妬するもの、それを畏怖するものは多く、女王という名が相応しい彼女が何処か柔らかくなった気がした。
その原因となる人の名前を告げてメナは質問する。
「ノーグの事、どう思ってる?」
「!」
その質問に僅かに肩が揺れた。
答える必要などない。けれど今の反応で意識している事を知られた。アルフィアはノーグとの関わりが嫌いではなかった。同じタイプで、同じ天才、気が合うからこそ親友だとは思っている。
この先どうなりたいのかは分からない。
恋人になりたいと思っているのか、今の関係を維持したいのか、その答えはきっと出ない。いずれ置いていってしまう事を悟っているから。情を深め過ぎてしまえば、置いていかれた人間は地獄を生きなければならない事を知っている。失う苦しみは少なからず理解はしているつもりだから。
けれど、どう思っているのか。それだけは素直に告げた。
「……大切だとは思っている」
「!」
「それが親友としてなのか、別の意味なのかは分からないが」
それだけ告げると寝返りを打ってそっぽ向いた。
意外と気恥ずかしかったのか、僅かに頰が熱くなった気がした。
「そっか……頑張れアルフィア」
「何をだ?」
「それが分からない内は、まだ子供だよ」
「むっ」
年長であるメナはケラケラと笑うと、部屋を出た。
薬が効いてきたのか、先程まで苦しかった発作は収まりアルフィアはベランダに座り空を見上げた。寒い筈なのに吹く風は何処か心地良かった。
彼女は微笑んで星空を眺め、月は静かに灰色の乙女を照らしていた。