【急募】見知らぬ世界で生きていく方法


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作:道化所属
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二十二スレ目



 つい筆が乗ってしまったリヴァイアサン戦はーじまーるよー!


 

 

1:超絶残虐破壊衝動女神(ハイパーウルトラヒステリー)の眷属

起きろテメェら、開戦の時間だ。

 

 

2:名無しの冒険者

開戦だと?

 

 

3:名無しの冒険者

ま、さか……

 

 

4:名無しの冒険者

俺はこの日を三千年待った

 

 

5:名無しの冒険者

いや老衰してるやないかい

 

 

6:名無しの冒険者

という事はイッチ、遂に……!

 

 

7:超絶残虐破壊衝動女神(ハイパーウルトラヒステリー)の眷属

今日、海の王獣を屠る。

 

 

8:名無しの冒険者

キター!!

 

 

9:名無しの冒険者

FOOOOOOOOOOーーー!!!

 

 

10:名無しの冒険者

ずっとスタンばってました!!

 

 

11:名無しの冒険者

カッケェェェ!!イッチ、輝いてるぞおおぉぉぉ!!!

 

 

12:名無しの冒険者

はい!はい!その前にイッチのスペック!!

 

 

13:名無しの冒険者

いやもう前回から目も当てられなかったんやけど、第一級になったんやろ?今回は発展アビリティの安価無かったけど

 

 

14:超絶残虐破壊衝動女神(ハイパーウルトラヒステリー)の眷属

今回はヘラに念押しされたから安価却下。

【精癒】【剣士】【連攻】があったが、それは選ばなかった。ステイタスの上がりもまあ、ランクアップしてから一ヶ月やったし、こんなもんやろ。

 

ノーグ Lv.5

 力  I70

 耐久 H141

 器用 I99

 敏捷 H160

 魔力 H171

【天眼E】

【耐異常F】

【耐冷D】

【魔導G】

【並列思考I】

『魔法』

【アプソール・コフィン】

・二段階階位付与魔法

・一段階『凍てつく残響よ渦を巻け』

・二段階『燻りし焔をその手に慄け、氷界の果てに疾く失せよ』

【リア・スノーライズ】

・領域魔法

・指定した存在に氷付与魔法を付与

・極寒、氷結範囲に幻像使用権限獲得

・極寒、氷結範囲から魔素の回収、精神力還元

『それは尊き冬の幻想、今は閉ざされし幻雪の箱庭、流れて駆けゆく数多の精、黄昏に吹雪く厳冬の風、打ち震えよ、我が声に耳を傾け力を貸せ、黄昏の空を飛翔し渡り、白銀の大地を踏み締め走れ、悠久の時を経て、懐かしき冬が目を醒ます、届かぬ天を地に落とし、今こそ我等に栄光を、箱庭は開かれた、偉大なる冬の世界へようこそ』

『スキル』

天啓質疑(スレッド・アンサーズ)

・■■■■■■■■■

・神威に対する拒絶権

追走駆動(ウェルザー・ハイウェイ)

任意発動(アクティブ・トリガー)

・疾走時、精神力を消費し『敏捷』の上昇

・発動時、加速限界の制限無視

冷鬼覇豪(ヘル・フレーザー)

・発展アビリティ【耐冷】の獲得

・環境極寒時、ステイタスの高補正 

憤怒臨界(アベレンジ・ラース)

・一定以上の憤怒時発動可能

・精神力二倍消費による魔法の詠唱破棄

・怒りの丈より出力上昇

天冽氷魔(ノーザン・メビウス)

・魔法発動中、精神力超消費にて冷気隷属

・隷属範囲及び練度はLv.に依存

 

 

15:名無しの冒険者

うん、まあ……

 

 

16:名無しの冒険者

そこに関してはもう何も言わないぜイッチ

 

 

17:名無しの冒険者

改めてドン引きする数値やけどな

 

 

18:超絶残虐破壊衝動女神(ハイパーウルトラヒステリー)の眷属

女帝に死ぬほど扱かれたからこんなもんやろ。あとはレイド戦が初めてだし、中衛で前後衛に魔素回収を割り振るからめっちゃ頭使うって事で【並列思考】が選ばれた。まあ指揮官が手に出来るようなスキルやけど、魔法同時使用でスキルまで使うとヤバいからとりまこうなった。

 

 

19:名無しの冒険者

でも、フィンはそんなアビリティ持ってないで

 

 

20:超絶残虐破壊衝動女神(ハイパーウルトラヒステリー)の眷属

アレは別。

あらゆる局面を記憶し、最適解を導いては最適化する。スキル有無の話じゃなく、単純な経験(キャリア)と知識量から出来とる。つか発現した所で要らんと思うで?

 

 

21:名無しの冒険者

そう考えるとフィンって化け物やなぁ

 

 

22:名無しの冒険者

まあ、小人族やし小賢しいのは当然と言えるやろうけど

 

 

23:名無しの冒険者

で?リヴァイアサン討伐の作戦は?

 

 

24:名無しの冒険者

少なからず蛇のようなモンスターとしか知らん。

 

 

25:名無しの冒険者

骨から察するに相当でかいんやろ?

 

 

26:超絶残虐破壊衝動女神(ハイパーウルトラヒステリー)の眷属

分かっている情報やと全長五十メートル。

魔法減衰の装甲、超広域範囲の探知音(ソナー)、今まで喰らった水中系統のモンスターの特性を扱える最強の強化種モンスターって事くらいやな

 

 

27:名無しの冒険者

なんやそのチート生物

 

 

28:名無しの冒険者

ぼくのかんがえたさいきょうのラスボスに出てくるような奴やん

 

 

29:名無しの冒険者

てことは、注意すべきは外殻か?

 

 

30:名無しの冒険者

甲殻系のモンスターの特性もあれば耐久戦になりそうやな。

 

 

31:超絶残虐破壊衝動女神(ハイパーウルトラヒステリー)の眷属

千年の歴史の中で【ヘラ・ファミリア】は二回討伐を逃してる。

原因はまさにそれや。耐久戦になったらリヴァイアサンは海に逃げる。逃げ道を封鎖しなきゃアカン。前は網にかける事をして陸に引き上げたんやけど、網の耐久性が足りんくて逃げたらしい。

 

 

32:名無しの冒険者

そらそうやろ

 

 

33:名無しの冒険者

いや、むしろそれ以外に方法が無いのか

 

 

34:名無しの冒険者

今回はイッチがいるって事は

 

 

35:超絶残虐破壊衝動女神(ハイパーウルトラヒステリー)の眷属

そう、ある場所まで誘導したら海を凍らせて()()()()()。つーわけで、今回ばかりは力を貸せ。

 

 

36:名無しの冒険者

超絶脳筋

 

 

37:名無しの冒険者

馬鹿かよ

 

 

38:名無しの冒険者  

魔法に物言わせた作戦、脳筋や

 

 

39:名無しの冒険者

イッチ、お前偏差値低いやろ

 

 

40:超絶残虐破壊衝動女神(ハイパーウルトラヒステリー)の眷属

これ考えたの女帝ですが?

 

 

41:名無しの冒険者

アッ

 

 

42:名無しの冒険者

オワタ

 

 

43:名無しの冒険者

【悲報】スレ民終了のお知らせ

 

 

44:名無しの冒険者

さ、さぁイッチ!頑張るんやで(震え声)

 

 

 

 ★★★★★

 

 

「こ、これで本当に大丈夫なんですか?」

「仕方ねぇだろ、人数は最小限。大部隊は海の王獣に対して号砲待機中だ」

 

 

 決戦場所はメレン。

 現在は【ポセイドン・ファミリア】が本拠地としている場所であり、海辺には誰も寄り付かない事で有名だ。ダンジョンの穴からモンスターが出る事で、海は地獄と化し、並大抵の人間は海の中では餌と同義。飛び込めば最後血肉は残らない。

 

 そんな中、リヴァイアサンが居ると思われる地点の遥か先までボートを漕いでいく二人の姿。ノーグと最近幹部に昇格したエルフの魔法剣士リリナ。

 

 

「だ、大丈夫なんでしょうか。私達二人で」

「問題ねえよ。ポセイドン達の()()()が終わってるし、ソナー持ちに大人数だとバレるしな」

 

 

 ポセイドンの眷属がリヴァイアサン討伐の為に危険を冒してまで仕込みをしてくれたのだ。使うのは最終手段になるが、損はないだろう。

 

 

「お前なら出来るよ。俺が保証する」

「!」

 

 

 Lv.5での昇格はアルフィア以来だ。

 例外であるノーグを除けば、実力で幹部入りを果たしたと言っても過言ではない。幹部は全員何処かしら尖っているスキルや魔法を兼ね備えている。リリナもその一人だ。

 

 

「私、頑張ります!」

「ちょっ、大声出すな!?」

 

 

 波が一瞬強く揺れた事に二人とも真顔になってゆっくりとボートを漕ぐ。何せリヴァイアサンは二人の下の海中に眠っているのだから。此処でバレたら即死である中で、二人ともため息を吐いて安堵する。リリナが小声で謝った。

 

 

「よし配置に付いた。リリナ、やってくれ」

「はい!」

 

 

 杖をノーグに向け、詠唱を開始する。

 

 

「【──起きろ憤怒の怪物共よ】」

 

 

 リリナ・ウィーシェルは【ヘラ・ファミリア】の中で珍しい魔法スロット三つを埋めたエルフ。エルフである魔法種族(マジック・ユーザー)にとって不思議ではないが、どの魔法も性能が尖っている。

 

 

「【燃ゆる故郷、鏖殺の宴、無力を呪え残灰の骸】」

 

 

 最初から一つの魔法と一つの呪詛を持つ復讐心を燃やすエルフ。絶望から発現したとされるその性能は破格と言える。

 

 

「【ああ憎い、人が憎い、空が憎い、運命が憎い、焦がす憎悪を糧に薪を焚べよ】」

 

 

 かつて、ラキアの侵攻に使われたクロッゾの魔剣。故郷が焼かれ、その憎しみから発現した呪詛魔法は今となっては殆ど使われなくなったが、今回は使用を命じられ、ノーグの手助けとして側に置いた。

 

 リリナは人間が嫌いだった。

 故郷を奪った人間が許せなかった。最初こそ、ノーグを見かけたらきっと嫌いになると思っていた。だが、纏う雰囲気から嫌悪感が湧かなかった。それが後に精霊から授かった力だと知り、精霊に認められた人間として興味を持った。

 

 

「【楔を解き放て、憤怒のままに吠え狂い、灰燼と帰せ】」

 

 

 今となっては、ノーグに想いを寄せ、復讐心は薄れているが、この魔法が起動されればその復讐心は目を覚ます。故郷を守れなかった後悔と無念、怒りのままに暴れて復讐したかった渇望を呪詛に詠唱は紡がれる。

 

 

「【私は私を許さない】」

 

 

 小さな魔法円(マジック・サークル)は黒く滲み、そこから発せられたドス黒い魔力が溢れ出す。だが、今回はリリナにではなく、ノーグに対してその呪詛は発動された。

 

 

「【グリヴェント・イラ】」

 

 

 紡がれた歌と共に出現した漆黒の魔力がノーグへと向かった。そしてノーグの身体に侵食すると、その魔力から身体が拒絶反応を起こし、身体が震え、発汗が止まらない。そして、それと同時にノーグの内側から溢れ出す激しい魔力。掻きむしりたくなる衝動をリリナが手を抑えて止める。

 

 

「グッ、ギィァ、これキツッ…!」

「抑えてください!まだ……!」

 

 

 リリナが発動した【グリヴェント・イラ】は『憤慨』の呪詛。ありとあらゆる存在に対しての殺戮衝動を剝き出しにする『狂猛の魔眼』とは違い、()()()()()()()()()()()()()()()()()。発動すれば最後、理性のタガが外れた狂戦士と化し、あらゆる敵を殲滅する衝動に殆どの人間が暴走する。怒りの増幅度は魔力に依存し、増幅すればするほどに耐久が落ちる代わりに対象の魔法効果の超増幅。

 

 クロッゾの魔剣で故郷を焼かれ、怒りと共に魔法を発動する森の狂戦士。対象は自分か他者の一人のみ、リリナが自分にかければ最後、魔法戦だけならリヴェリアの持つ広範囲殲滅魔法(レア・ラーヴァテイン)に匹敵する威力を引き出す。遠征を通してLv.5となり幹部入りを果たした彼女の呪詛をノーグは真っ向に食らった。

 

 

「女帝の…サインは!?」

「まだ……!」

 

 

 激昂を抑えるノーグに合図と呼べる鐘の音が鳴り響く。

 

 

「来た!ノーグさん!」

 

 

 普通の人間なら暴走し、精神力(マインド)を使い果たすまで暴れ続ける。怒りのタガが外れると自分を制御出来ない。全開で呪詛をかければ最後、本来なら会話すら出来ない。周囲の有無すら視界に留まらない破壊者となる。本来は魔法を持たない人間に対する異常精神(アンチマインド)か、自身に対しての諸刃の剣の秘策でしかない。

 

 だが……

 

 

「…【憤怒臨界(アベレンジ・ラース)】、【天冽氷魔(ノーザン・メビウス)】起動……!」

 

 

 ノーグにとってこれほどに相性のいい呪詛は存在しない。一定以上の憤怒を強制的に抱かせる事で魔法の詠唱破棄と効果の増幅。そして魔法発動による冷気の隷属により、黒い焔は掲げた右手へと収束していく。

 

 熱の燃焼。マイナスの世界は際限なく上げられる温度とは違い限度が存在する。絶対零度である−273.15度より下には下げられない。

 

 だが、新しいスキル【天冽氷魔(ノーザン・メビウス)】の効果は冷気の隷属。冷気とは熱だけではなく、()()()()()()()()()()()()。つまりノーグはスキル発動に伴い、風すらも掌握する。そして何よりいつもなら撒き散らす焔を制御し、リリナを巻き込まないように調整が可能となった。

 

 今は真冬、海の上では気温は−3度。

 既に冷たい極寒の空間である以上、領域魔法の恩恵を最大限に賜わる事が出来る。理論上無限に回復する精神力に馬鹿みたいに消費してまで増幅した魔法の効果をたった一点に圧縮する。

 

 絶対零度にまで下げられた冷気と焔が圧縮され、それは海に放り投げられた。

 

 

 

「──『黒星』」

 

 

 

 瞬間、海一面が一瞬にして白銀の世界と化した。

 圧縮した黒い焔の爆破に海の熱は一瞬にして奪われ、凍結する。あらゆるモンスターは凍結し、身動きも取れずに死に至る。

 

 そして、眠っていたリヴァイアサンごと海が凍結。時間が経てば凍ったまま死に至る事も考えたが、楽観視した期待は当然の如く裏切られた。

 

 

「……っ、やっぱ、無理か…!」

 

 

 氷海が揺れた。

 あれだけの出力の魔法でさえリヴァイアサンを殺すに至らない。凍り付いて動きを止める所か、氷の中で暴れて氷海が割れ始める。リヴァイアサンが海へと戻ろうと踠いている中で、ノーグは視線をリヴァイアサンから沿岸にいる四人に向ける。

 

 此処までは想定範囲内。この程度で殺せるとは思っていない。

 

 

「女帝、副団長、紅さん、レシア!!」

 

 

 第二段階に移行する。

 予め四人にかけておいた領域魔法の付与。それもスキルによって出力が上がり、付与された焔の色は()()()()()()()()。リヴァイアサンの動きを止めている間に四人は海辺から此方まで海に足を踏み入れると同時に、海水が凍り付き、海の上へと出来る氷の橋。そして沿岸までの道が完成する。

 

 

『リヴァイアサンの誘導?』

『ええ、リヴァイアサンと戦うなら沿岸で戦う事は必須』

 

 

 リヴァイアサンと海辺で戦うのは自殺行為だ。

 故に沖までリヴァイアサンを引き摺り出さなければならない。

 

 第一段階はリヴァイアサンの一時的な足止め。

 第二段階はリヴァイアサンを閉じ込める『生け簀』作り。

 

 

『リヴァイアサンは脅威に敏感、不意打ち後は逃げられる。だから敢えて()()()()()()()()()()()

『という事は、沿岸まで誘導する死路を作らなきゃいけないのか』

『ええ、貴方がリヴァイアサンを一時的に動きを止めて、破られた時の抜け道にリヴァイアサンを誘導、道を作ったらすかさず凍らせて沿()()()()()()()()()()()()()()()()

『俺めっちゃ大変じゃん……』

 

 

 ゲンナリするほどの大仕事に顔を引き攣らせながらも、ステイタスが軒並み高い四人が藍色の焔を纏って走り、海を凍らせる事で、リヴァイアサンを閉じ込める為の『生け簀』が完成する。

 

 だが……

 

 

「っっ!?退避!!」

 

 

 予定調和を砕くかのように、『黒星』の凍結範囲からリヴァイアサンの顎が開かれた。それを見た六人は即座に射線から離脱する。そして次の瞬間、

 

 

「うおおおおおっ!?」

「熱っ!?」

 

 

 氷が崩壊する。

 深層の竜の巣を連想するような火力、階層主を思い出すような咆哮と共に、あり得ない密度の魔力が込められた熱線に目を見開いた。

 

 ベヒーモスがどんな者でも殺す猛毒のモンスターであるならば、リヴァイアサンはどんな者すら消滅させる矛とあらゆる者を嘲笑うような強靭な盾を兼ね備えている古のモンスター。

 

 それがこの一つ。

 圧倒的な熱量を収束させた矛。

 

 

「リヴァイアサンの破壊光線……!」

 

 

 圧倒的な魔力が収束した万物を破壊するリヴァイアサンの光線。その射程は驚異の約400メトラ。海から破壊光線をメレンに向けて放つ厄災の矛。海から顔を出す事もなく、地上に影響を与えられるそれはハッキリ言って規格外。まともに戦おうと思えば、リヴァイアサンにとっては海から一方的な蹂躙(ワンサイドゲーム)に変わる。

 

 何より光線の熱波に氷が溶け始める。

 バキバキバキッ!!と割れる氷海、誘導する為に生み出した『生け簀』の一部が崩れ始める。これが崩れたら前提が崩れる。逃げ場を無くす為の作戦が瓦解する。

 

 

「こ、の……大人しくしやがれええぇぇぇ!!!!」

 

 

 ノーグは両手に収束した『黒星』二発を再び海へとぶち込んだ。崩れた『生け簀』をカバーするように凍結範囲が更に広まり、再びリヴァイアサンの動きを封じる。だが、リヴァイアサンはそれを避けるように砕いた氷から海へと這い擦り出た。凍結する焔から逃げるようにリヴァイアサンは沿岸まで逃げるように泳いでいく。

 

 

「でかしたノーグ!リヴァイアサンを誘導出来てる!!」

「追いかけるっすよ!!」

「無茶言うな……!?俺めっちゃキツイんだけど……!」

「の、ノーグさん!その、ファイトです!」

「もっと気の利いた言葉を言え…!!雑か!?」

 

 

 消費精神力が倍となり、『黒星』を二発。

 精神疲弊(マインドダウン)から回復しては女帝達の付与の維持、燃費が悪過ぎて眩暈がする程の虚脱感に動きが鈍い。呪詛を維持したままのせいか精神的にもキツい。自身の付与魔法を解除し、発動を領域魔法のみに絞る。

 

 

「全く」

「うおっ…!」

「拙が中衛まで運ぶ。その後は自分でどうにかしてくれ」

「ありがと…紅さん……!」

「それとよくやった。値千金の判断だ」

 

 

 米俵のように抱えられながらも魔素を回収し、自身の回復から四人の付与までを続けるのは流石に疲弊する。呪詛も完全に解いている訳ではない。今は前衛に必要な火力を送るために呪詛は継続だ。

 

 寧ろ、結構な精神力を呪詛に注ぎ込んでまだ辛うじてとはいえ理性があるノーグにリリナは驚愕している。

 

 

「魔導師部隊、構えなさい!」

 

 

 第二段階は成功、第三段階は魔法を待機させた魔導師達の一斉掃射。リヴァイアサンが沿岸へと顔を出した瞬間、魔導師達の魔法を一斉に炸裂させる。

 

 だが、リヴァイアサンもわざわざ攻撃を食らうために突っ込みはしない。海中で顎を開き、魔力を収束させる。

 

 

「二発目の破壊光線が来る!!」

「メナ!!」

 

 

 女帝の叫びと共に魔導師の前に立ち、メナは杖を構えて詠唱を始める。

 

 

「【才知の祝福、天理の杖、我が手の上に魔は統べる】」

 

 

 メナはこの世界最高位の治癒士であると共に、治癒士でありながら魔法剣士としての実力を持つ。彼女が後衛にいる限り、冥府へと誘う死神は消え、前衛である場合は()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「【コーネリアス・ロア】」

 

 

 リヴァイアサンから放たれた破壊光線に対し、メナが広げた魔法円(マジック・サークル)から出現した黒い球体が六つ並び、破壊光線に直撃した。

 

 

「すっげ……」

 

 

 破壊光線が一つの球体に衝突すると、光線が()()()()()()()()

 

 メナが持つ第二魔法【コーネリアス・ロア】の効果は()()()()()()()()()()()()()。黒い球体は魔法や魔力に由来した攻撃に衝突すると制御が奪われ、メナに掌握される。人間に当たれば意図的に魔力暴発(イグニスファトゥス)を起こしたり、魔法の制御の手助けを行ったりする事が可能。

 

 実際に彼女は49階層の階層主である()()()()()()()()()()()()()。二つ名は【枢機魔女】。オラリオ最高位の治癒と最高位の魔力制御を誇る魔女である。

 

 

「っ……ヤバッ、保たない!」

 

 

 だが、リヴァイアサンの破壊光線に込められた魔力は並みではない。放たれ続ける光線に一つずつ球体が消失していく。三、四、五と最後の球体に差し掛かるその時、

 

 

「【福音(ゴスペル)───サタナス・ヴェーリオン】」

 

 

 音という防御無視の鐘楼の鐘がリヴァイアサンに直撃した。リヴァイアサンの外殻の魔法耐性は属性に対しては相性がいいが、『音』だけは相性が最悪だ。何せリヴァイアサンの探知は音で判断する為、その器官を閉じる事が出来ない。破壊光線が途切れ、嫌がるように咆哮する。

 

 

「五月蝿い断末魔だ。【福音(ゴスペル)】」

 

 

 アルフィアの魔法が海中のリヴァイアサンに直撃。

 そして遂に痺れを切らしたかのように海の王獣は海から地上へと顔を出した。

 

 それは蛇と呼ぶには余りにも異質。青と黒の二色が混合した外殻、それを支える密度の高い筋力を兼ね備えた肢体、双眼から放たれる殺気とビシビシと伝わる魔力の塊。

 

 

「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!」

 

 

 海の王獣、リヴァイアサン。

 天に向かい咆哮する。今日此処で、此処にいる全てを殲滅する雄叫びを上げる。リヴァイアサンは此処にいる全ての存在を敵と見做し、殲滅する対象として認識した。それに対して【ヘラ・ファミリア】の開戦の挨拶はただ一つ。

 

 

「放てっ!!!」

 

 

 全ては思い描いていた構図の中、リヴァイアサン討伐の開戦の号砲は、魔導師達の一斉掃射によって鳴らされた。

 

 

 





リリナ・ウィーシェル Lv.5
 力  I70
 耐久 i59
 器用 I99
 敏捷 I53
 魔力 G235
【魔導E】
【耐異常F】
【精癒H】
【鉄心I】
『魔法』
【ウォーパル・スレイズ】
・炎属性
・広範囲殲滅魔法
【フィアレンズ・クロア】 
・付与魔法
・炎属性
・魔力追加消費にで不滅効果付与
【グリヴェント・イラ】
・憤慨呪詛
・耐久値減少と引き換えに魔法効果超増幅
『スキル』
妖精憎魔(フェアリー・アグリクス)
・魔法効果増幅
・憎しみを抱く対象に魔力の超高補正
護天氷魔(ディア・カランコエ)
・特定の存在との共闘時、魔力の超高補正


メナ・アルテイン Lv.6
 力  B777
 耐久 C681
 器用 S999
 敏捷 B742
 魔力 S999
【魔導D】
【耐異常F】
【精癒G】
【聖光G】
【魔防H】
『魔法』
【リザ・アルフィエル】
・広範囲回復魔法
・回復力は魔力値に依存
・魔力追加消費にて状態異常回復
【コーネリアス・ロア】
・制御奪取魔法
・魔力制御の奪取
・制御効果は器用値に依存
『スキル』
天癒包円(リザレクトエリーゼ)
魔法円(マジックサークル)内の回復魔法効果の増幅
・魔力効率の最適化
破天魔女(ロストフルーレ)
・戦闘時、魔力の超高補正
・魔法発動時、魔力制御の高補正


 ★★★★★
 18巻見たら筆が乗ってしまったリヴァイアサン戦。
 リヴァイアサン戦多分三話くらい引き摺りそうです。小説読んだら小説風に書けた気がする。

 良かったら感想・評価お願いします。モチベが上がります。
26/40 



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