【ENTPがENTPを解体する。】Ne-Ti宇宙
ENTPは自分勝手とか、陽気なサイコパスだとかよく言われる。MBTIギャグでは極端でオチに使われがちだし。ほかのタイプからは全然理解されてないんだろうなーと思う。人と話してても、自分は「陽気な変人」の枠になっており、理解しようと思われていないなー、あきらめられてるなーとよく感じる。
ということで、MBTI界隈でも具体的な精神構造がどうなってるかはあまり踏み込まれていないと思うので、僕が分析的にまとめてみようと思う。ENTPの方に共感してもらえたらうれしい。
例によって、心理機能が便利に使えるので補助線にしていく。
ENTPの核心~Ne-Tiユニバース~
単刀直入に。Ne-Tiに起因する脳内宇宙こそがENTPの性格の核心である。Neはリアルな世界の情報を、その意味や背景を意識しながら取り入れていく。一方で、TiはNeで取り入れた情報を頭の中で矛盾なく論理だった説明をすることに使われる。この二つの働きにより、ENTPは脳内に本質を突いた現実世界のシミュレーションを作り出すことができる。できるというか、それをライフワークにしている。これがENTPの持つ脳内Ne-Ti宇宙である。
Ne-Ti宇宙は完全に僕の造語なので、説明していきます。
第一の特質~現実のコピーであるということ~
Ne-Ti宇宙の第一の特質は、現実世界のコピーであるということである。Ne-Ti宇宙は細部の観察(Se)による結果でなく、あくまで解釈(Ne)の集合であるが、現実の世界及び既存のNe-Ti宇宙と矛盾しない(Ti)ことが原理原則として据えられている。いわば、ENTPはNe-Ti宇宙に現実世界の解釈や予言に使える事のみに本質的価値を置いている。そのため、いくら愛着のある思想であっても、リアリティを欠いていることが証明された場合は即座にパージされる。
この宇宙を本で例えると、Ne-Ti→サイエンスフィクション、Ne-Fi→ファンタジー、Se-Ti→ドキュメンタリー・ミステリー、Se-Fi→エッセイみたいな感じ。
第二の特質~縦横無尽で学際的~
第二の特質は記述範囲がかなり広いということだ。この範囲には個人差はある。例えば、宇宙の法則を解明しようとすれば物理学や数学などの宇宙を作るし、社会の動きに興味を持てば社会学や経済学、歴史の宇宙を作る。もっと身近なスケールで、人の心理やビジネス、恋愛などの宇宙を作るENTPもいるかもしれない。
ちなみに僕は、人間→心理学→社会・経済→人間史→地理→地学→生物学・生物史→天文学→物理学・数学→宇宙の創生(神?)って繋がっていく一連の流れが好きで、そのうち社会と理科の橋渡し部にある地学に特に興味を持っている。
こんな感じで、一般的にENTPは現実に即した非常に広範の知識を求め、ジャンル横断的かつ抽象的につなぎ合わせることで、他者にはまねできない、独自の論理体系を構築している。
逆に、学際的になりえないジャンルには興味がない。例えば芸能とかに興味があるENTPは少ないんじゃないだろうか。と勝手に考えてる。
ちなみに、同じNe-Ti宇宙ユーザーであるENTPとINTPの違いは、学際的かどうかだと思う。 ENTPは、表面上は全く関係ないようなことの関連性を発見し、矛盾がないようにつなぎ合わせることに最大の喜びを感じる。論理的精緻さや美しさを追求するINTPよりも、その繋がりの発見に重きをおくため、論理的細部がおろそかになりがちである。(日本の学会では生きづらそう…)
第三の特質~アイデアの飽和攻撃~
第三の特質として、Ne-Ti宇宙はアイデアの源泉となるということだ。これは、ENTPに他のタイプにはない特殊能力を付与する。抽象化されたNe-Ti宇宙は、ENTPの指示に基づき現実世界のシミュレーションを行い、その結果パターンの多数のイメージを導出する。これらは基本的に一から想像しているため、既存の枠組みや常識に囚われない。一方で、Ne-Ti宇宙は第一で述べた特質を持つため、これらのイメージはあくまで現実世界の解決策になりうるアイデアとして生み出される。
ただ、発表当初の段階ではこれらは論理による精査を受けておらず、「かも?」のレベルで、実現性はないことの方がが多い。しかし、その「かも?」をあらゆる視点(時には社会的タブーや自分の嫌う思想をベースにしてでも)から大量に撃ちまくれるのがENTPの最大の強みである。ENTPから出てくる斬新で突拍子もないアイデアや発明は、Ne-Ti宇宙のシミュレーションの結果なのだ。
これは素晴らしい能力だが、人に共感されない要因でもある。同時に複数の視点や、ときには目的意識をも操ってアイデアを導出するENTPの思考スタイルは、ほかのタイプからは理解しづらいし、それ以上に言っていることに単純についていけない。結果、「移り気で不誠実」というようなパーソナリティに映ってしまう。
以前、ブレインストーミングの時アイデアを自分だけ出しまくってる感じがあって、みんなはアイデアないの?って聞いたら、ISFJの人に俺は1つ出したよって言われたから、アイデアは100出して90没にするのが基本でしょう!って言ったら、めっちゃ睨まれたこと思い出した。
第四の特質~言語能力の揺り篭~
第四の特質は、Ne-Ti宇宙は言語能力と相互で刺激しあい、議論力を形づくるということだ。原理的に、Ne-Ti宇宙は、言語能力と並行して成長することになる。なぜなら、Ne-Ti宇宙を統合するためには、矛盾がないことを確認する必要があるが、分野横断的なイメージに矛盾がないことを確認するためには、一度それらを言語=理論に翻訳して評価する必要があるからだ。そのため、ENTPは生きているだけで自然に内的世界においてイメージを言語化するという訓練を積んでいる。
同様に、イメージを具体的なコミュニケーションにつなげるために、外的世界でも積極的に言語を用い続けている。ENTPが情報交換したい最たるものはイメージやアイデアであるので、それが人間界で伝わるような翻訳は生きていく上で必須である。
このような生き方により、内部に発生した抽象的なイメージを論理だった言葉に変換することが極めて得意である。Feが発達すると、時に人の気持ちを言葉にしてあげることもできるようになり、信頼や相談されることも増えてくる。
第五の特質~脳内討論とメタ思考~
第五の特質として、メタ思考との親和性があげられる。ENTPのNe-Ti世界は学際的であるため、同じ問題でも、複数の立場で違う結論に至る事を日常的に思考で体験している。ENTPはそれを理解したうえで、同時に各評価軸から精査を行い、脳内でディベートを行う。この脳内ディベートで勝利した意見が、問題解決のため仮で採用されることになる。
ENTPはこのように脳内で様々な立ち位置からの解釈を事前にシミュレーションしているため、意見が立体的・メタ的である。
また、自分の意見は絶対的ではなく、他者の意見を立場の一つとしてを容易に取り入れられるので、素直な性質になる。 自分の中の意見があらかじめ拮抗している場合は、他者から良い意見を言われると脳内討論の勝者が変わる事があるため、意見を翻しやすかったりもする。
この意見が変わる様子も、なんか信念がなくいきあたりばったりに見られる。でもこれは、思考立体そのものは変わっておらず、外部の影響でその切り口が変わったってだけなんだけどね。
そして、人の意見と自分の意見が相対的であるということを普段から思い知っているため、正しさを武器に人に怒るということが出来ない。正面の議論バトルでは負けないけど、ただただ立場を主張されると、実は弱かったりする。
ENTPはなぜ、Ne-Ti宇宙のために生きるのか
特にないというのが結論。ENTPには目的意識はないのだ。なんとなく、自分の中で世界が広がっていき、それが現実世界と整合して統合されている様に感動を覚える。個人的にはこの感覚を「宇宙の調和」と呼んでいる。
ENTP(&INTP)は、なぜなぜ???を誰よりも重視して生きているんだけど、その一方で自分は目的を持たないというの皮肉が効いている。
ENTPが討論者といわれるのは…
討論者って言う呼称はほんとしっくりくる。とにかく口が早くて上手い自覚がある。これは、述べてきたようなのNe-Ti宇宙の特質に由来する。
感覚系のタイプが
相手の議論を聞き→ 理解し→ 論理的or感情的に解決し→ 言葉に変換し→ 話す
というステップを踏むのに対し、ENTPは
相手の意見を聞き即座にイメージに変換し→ Ne-Ti宇宙が回答イメージを返し→即座にイメージを言葉に変換して話す
というサイクルで口が回っている。
議論の際、ENTPはほとんど論理回路を働かせておらず、Ne-Ti宇宙の直観回路により論理的帰結を導き出している。これが討論者足る所以である。
これは超能力なわけではなく、実のところは普段の積み上げてきた論理的思考の賜物である。ENTPはNe-Ti宇宙を拡張する過程で既に、当時は無意味でお遊びだと思われたような様々なパターンについて、ゆっくりと論理的に思考を巡らせた事があるのだ。それらの過去の思考の道筋はイメージとして保存されており、新たな課題とリンクする。この過程で、ENTPには、直感的に回答のイメージがおりてくるのである。
ということで、ENTPにとっては3000文字で語っても足りないほど、とにかくこのNe-Ti宇宙が宝物である。そしてこの感覚は基本的にはINTP以外とは共有できない。それがENTPのパーソナリティの中核をなしている。
本当は、社会生活をこなすうえでは同等以上に重要になる、Feに関連する性質をまとめようと思っていたけど、思ったよりはるかにNe-Ti宇宙の記述が長くなったので、ENTPのFeや発達に関する事項は次に回します。



コメント
12「友達からなにをどう考えて生きてるのか」と聞かれた時にうまく伝えられなかった内容が全部書いてあるようでした。多分翻訳機能が弱いのかな?
“自分のこと”なのにすごく勉強になりました!
コメントありがとうございます。
まじですか、そう言ってもらえると嬉しいです!受験頑張ってください😉
私もENTPですが、書いてあること一つ一つに共感しました(ディベートで喋りすぎていると思いブレーキかけたり周りに問いかけたりしますよね笑)。
Ne-Ti宇宙の概念はとても興味深かったです。確かに人と会話してる時や情報を集めている時、得たデータを脳内にストックし、何かのタイミングで全く異なるジャンルのデータ同士が繋がった時にとても満足感を覚えます。また、それを人に上手く比喩で伝えられた時、それが成功体験としてお気に入りの考えになりますね。
データ同士の繋ぎ方を「正しいか」「正しくないか」よりも、「面白いか」否かで評価しているため、より面白そう(かつ困難な)意見に流れやすいのも悪魔の代弁者と言われる特徴かなと思いました。
ぎんさん、コメントありがとうございます。
Ne-Tiの組み合わせは、自分の中で宇宙を広げていってる感覚ですが、共有できて嬉しいです。
違うデータ同士の関連性を見つけたときにテンション上がりますよね!