第10回【戦場の風】ゲームブックリプレイ
※ここから先はゲームブック【戦場の風】のネタバレを含んでいます。ご注意ください。
ぜろです。
ゲームブック「戦場の風」のプレイを続けています。
戦場に取り残され、なおも戦おうというコーデリア王女を無事に離脱させるため、王命を受けて旅立った主人公。
紆余曲折ありましたが、いよいよ王女を伴い戦場を離脱します。
しかし王女が決めた作戦は、自らが囮となってウォードレイクを引きつけ、その隙に軍を撤退させるというもの。
そんな無茶な作戦につきあうのは俺ひとり。さあ、いよいよ最終局面です。
【ロニー 技術点9 体力点17 運点11】
【持ち物】
・剣
・荷物袋
・食料1
・馬
・ガーネット
・黒いコイン
・牛飼いの笛
・牛の血
●アタック07-4 ロニー、牛飼いの笛を吹く
王女が軍から離れ、別行動を取っているこの動き。
ドラッツェン側から見たらどのように受け取られるだろう。
おそらくは、王女が軍を捨て、ひとり脱出を図っているように見えるに違いない。
その見え方は、まさに俺が最初に王命を受けた「王女を戦場から離脱させる」にマッチしている。
だから、なんの問題もない。
駆け出してほどなく、戦場を哨戒するドラッツェン兵に見つかった。
戦って蹴散らすか、逃げるかの選択肢。
ここは逃げるを選択だ。
俺たちの目的は、こんなところで小さな勝利を重ねることではない。
逃げ続けて、敵の注意を引きつけつつ、自分たちも逃げ切ることだからだ。
駆ける。駆ける。
ドラッツェン軍には、王女が少数で戦場を駆け抜けようとしているという連絡が行っていることだろう。
となれば、そこへ送り込まれるのは……。
地響きが鳴る。
巨体がうなる。そして咆哮。
きた。ウォードレイクだ。
この時点で、王女の目的は達成だ。
ウォードレイクを自分たちに引きつけ、その隙に全軍撤退する。
ここからは、俺が目的を達成させねばならない。
ウォードレイクの足は、馬よりも速い。
だから、普通には逃げ切ることはできない。
それでも、やらなければならない。
・まっすぐに丘を下る
・牧草地に向かう
いい選択肢だ。
牧草地に向かうぞ。
牧草地に行けば牛が放牧されている可能性が高い。
当然、ウォードレイクの注意は牛に向かうに違いない。
そして俺にはこれがある。牛飼いの笛だ。これを吹けば、牛たちが寄って集まってくるという笛。
これの出番があるに違いない。
それだけではない。牛の血も持っている。これを使えば、ウォードレイクの注意をそらすこともできよう。
ウォードレイクにとっては誘惑のかたまりだ。
ウォードレイクの騎手は、手綱さばきでどこまで言うことをきかせられるのか、見物だな。
牧草地には、俺の目論見通り牛たちが放牧されていた。
俺たちはその中を突っ切っていく。
ウォードレイクが追いかけてくる。
牛たちは混乱している。
このまま読み進めれば、ウォードレイクに追いつかれて全滅し、ゲームオーバーとなる未来が見えている。
しかし、ここでパラグラフジャンプが使える。牛飼いの笛を吹くのだ。
これで、牛たちが集まって来れば、ウォードレイクへの目くらましに使えるはず。
俺はパラグラフジャンプをした。
しかし、飛んだ先の場面は、繋がっていなかった。
どうやら、ウォードレイクに対し、「止まれ」の合図を送っている場面だ。
え。どうして?
この場面で牛飼いの笛を吹き、牛を集めずして、いつ集めるっていうんだ。
ふと、隣接するパラグラフで、牛飼いの笛を用いて、牛を呼び集める描写が目に入った。
ここだ。俺はここに飛びたいんだ。
あれ、でも、これって……。
●アタック07-5 Bugってロニー
そのまま読み進めればゲームオーバー。
パラグラフジャンプも繋がっていなかった。
普通に考えればここで終了だ。
しかし俺はここに、違和感を感じ取った。
もしかしてこれ……バグなのでは?
まずは落ち着こう。
武具バグ武具バグ三武具バグ。
情報を整理しよう。
これまではパラグラフジャンプ等の内容までは書いてこなかったが、ここは詳細にいく。
俺が現在使用できるパラグラフジャンプは以下のとおりだ。
A 牛の血を使用(現パラグラフにプラス1)
B 牛飼いの笛を吹く(現パラグラフにプラス4)
C ウォードレイクに「止まれ」の合図を送る(現パラグラフの十の位と一の位を入れ替える)
ほかにも、司祭セロの名前を出す、というのもあるがここでは使用しない。
次は、今いるパラグラフについて。
81で、王女とともに聖堂を出発。
82で、ドラッツェン兵に遭遇。
84で逃走を選択し、戦場を駆ける。
85でウォードレイクが登場。丘を下るか牧草地に向かうか。
87で牧草地に向かい、放牧された牛を確認。ウォードレイクにやられる。
ここ87で俺は、牛飼いの笛を吹いてプラス4。
つまり、91へと飛んだ。
91は、ウォードレイクに「止まれ」の合図を送っている場面だった。
つまり、Cのパラグラフジャンプの進み先ってことだ。
Cは19から飛ぶってことがわかってしまったが、まあそれは置いておく。
87から、牛の血を使ってみる。プラス1だ。
88へ進む。
88は、笛を吹きならす場面だった。
つまり、Aのジャンプは機能しておらず、Bのジャンプの進み先だ。
しかも、混乱していた牛たちが俺のところに集結してくる。まさしく今の展開に合致している場面だった。
そう。俺はここに行きたいんだ。
88からパラグラフジャンプを逆にたどる。牛飼いの笛はプラス4で機能するから、マイナス4。
つまり84が、牛飼いの笛を使う場面ということになる。
で、84はというと、ドラッツェン兵から逃走を選択して、戦場を駆けていく場面だ。
まだ牛も登場していないし、ウォードレイクも出現していない。
ここで牛飼いの笛を吹けというのは無理がある。
俺は、確信した。バグであると。
念のため、FT書房の正誤表を確認しにいく。
掲載されていない。ということはこのバグ、ずっと見逃されていた?
さらに念のため、冊子版ではなく、電子書籍版を確認しにいく。
この点は特に修正されていないままだった。
なんということだ。
これって、クリアのための必須ルートだと思うのだが。
パラグラフが近いから発見は容易だ。なんとなく見過ごされてきてしまったのかも?
ここで修正をするとしたら、パラグラフ84と87を入れ替えることだろうか。
しかしパラグラフそのものを入れ替えるのは、他のバグを誘発するリスクがあるかもしれない。
ならば、牛飼いの笛を吹いた際のパラグラフジャンプを、プラス4からプラス1に修正するというのが、もっともスマートな修正ということになるな。
牛の血を用いた場合のパラグラフジャンプと同じ数字になってしまうが、仕方ないだろう。
こうして、ここのパラグラフジャンプはバグであると判断した俺は、問題なく牛飼いの笛を吹けたものとして、話を進めることにした。
【正誤表】 数値を4→1に変更
パラグラフ28
(誤)以降、この笛を使うべきだと思った時、君はいまいるパラグラフ番号に4を足した番号を確かめることができる。
(正)以降、この笛を使うべきだと思った時、君はいまいるパラグラフ番号に1を足した番号を確かめることができる。
パラグラフ64
(誤)以降、この笛を使うべきだと思った時、君はいまいるパラグラフ番号に4を足した番号を確かめることができる。
(正)以降、この笛を使うべきだと思った時、君はいまいるパラグラフ番号に1を足した番号を確かめることができる。
●アタック07-6 ロニーと2頭のウォードレイク
牧草地にて、ウォードレイクとおいかけっこ中。
放牧されている牛たちが混乱している。
俺は、牛飼いの笛を吹きならした。
この笛を吹けば、牛たちが俺のところに寄ってくるというものだ。
しかし、不安もある。
いくら牛集めの笛といえど、ウォードレイクがアバレアバレアバレまくれgetup!なこの状況で、牛たちは俺のところに来てくれるのか?
するとなんと、笛の音に引き寄せられ、牛たちはウォードレイクすらものともせずに、俺の方に集まってくるではないか。
きたか…!!(ガタッ)
こんな状況でも集まってくるなんて、ただの笛ではなく、特別な効果のある逸品に違いない。
騎手が慌ててウォードレイクを制する。
その隙に俺は王女の手を取り自分の馬に引っ張り上げ……おや?
王女、いつの間に落馬してた?
落ち着いて前のパラグラフを読み返す。
俺たちはウォードレイクに追いつかれ、すんでのところで身をかわすものの、王女はバランスを崩して地面に投げ出されていた。
俺、牧草地で放牧されている牛を見たあたりで、すぐにパラグラフジャンプって判断したから、前のパラグラフをじっくり読んでいなかった。
まあいい。ウォードレイクが牛の群れで立ち往生した隙に、俺は王女を引き上げ、自分の馬に乗せた。ここからは2人乗りだ。もってくれよ我が愛馬。
ウォードレイクは牛の群れに囲まれ、食欲が抑えきれない様子だ。
命令などとても聞ける状態ではない。
俺たちはウォードレイクを完全に振り切ることに成功した。
このままふもとの街道に向かう。
来る時に通った道だ。
この街道の先にはドラッツェンが陣を敷いている。迂回が必要だ。
「ふもとにはもう1頭いると聞きます。気をゆるめないでください」
知ってる。来る時に遭遇した。
などと余裕ぶっていられるのも、ここまでだった。
前方から咆哮が聞こえる。ウォードレイクだ。
そして、その先進むべきパラグラフ番号は、14。
14といえばゲームブックにつきもののデスナンバーだが、問題はそこじゃない。
実は俺は、いや、かつての挑戦者たちが、14を通過したことがある。
それは、序盤に遭遇するウォードレイクの登場の場面だ。
序盤のウォードレイク戦は、幾度も繰り返した。3人の挑戦者がここで犠牲になっている。
そして理解したのだ。序盤のウォードレイク戦は、ゲームオーバーの袋小路であると。
今、シチュエーションを変え、その場面に再びやってきた。
俺はこの袋小路を乗り越えなければならない。
だが、手はある。前と違う要素を俺は持っている。
以前は持ち得なかったもの。それは知識だ。
パラグラフジャンプを駆使して、なんとしても切りぬけてやる。
次回最終回。ウォードレイクを打ち破れ。
【ロニー 技術点9 体力点17 運点11】
【持ち物】
・剣
・荷物袋
・食料1
・馬
・ガーネット
・黒いコイン
・牛飼いの笛
・牛の血
■登場人物
ロニー ロング・ナリク軍の一員で若き騎兵。7人目の挑戦者。
ロング・ナリク王 おうさま。コーデリア王女の父。
コーデリア ロング・ナリクの王女。15歳で初陣。戦場の指揮を執る。
ジャルベッタ ドラッツェン軍の指揮官。冷酷無比との噂。
聖騎士ウォーレン ロング・ナリクの当代一の聖騎士。ロング・ナリク軍の副官。戦地で命を落とす。
ジェイコブ 金牛の丘の牛飼い
アンドロ 聖騎士ウォーレンに従っていた兵士。ウォードレイクに遭遇し生き延びる。王女の説得に一役買う。
セロ 聖堂の司祭。コーデリア王女の神学の先生でもある。
■作品情報
作品名:戦場の風
著者:丹野佑
編集:エディットなかの
発行所・発行元:FT書房
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