みいちゃんと山田さん 連載版感想〜13話目(2)「オンナノコドモ」~
※ヘッダー画像は亜月ねね「みいちゃんと山田さん」より引用
前回の記事↓
ついに発売!しかもKindle版は4/3までセール中!
届いたら2巻の感想記事も書きたいなあ。
注意⚠️
・ネタバレあり
・みいちゃん=神経発達症・境界知能の視点で読んでいます。
・個人の感想です。批判は受け付けません。
それを理解できる方は下記の感想へどうぞ〜。
その翌日…
みいちゃんがゴムの万引きで捕まった翌日。
「皐月ちゃん!おはよー」
と元気良く挨拶をするみいちゃん。
目の合った皐月ちゃんはパッと逸らしてしまう。訳のわからないみいちゃん。
流石にそうする他ないよね…。
みいちゃんの万引き事件のことは、翌日にはクラス中に広まっていた。
思春期の女の子の世界なんて、一瞬でひっくり返る。
だから、みいちゃんの束の間の平穏は終わってしまった。
みいちゃんの机の上には心無い落書きや、ゴムが貼り付けてあった。
それでもみいちゃんは、ことの重大さに気づいていないのか、相変わらず皐月ちゃんに話しかける。
それを見た周囲の男子が「皐月もビッチ仲間?」「ヤリてえ!」と揶揄する。黙れ男子。
周りの目が気になる皐月ちゃんに、みいちゃんは「ごめん、しばらく話しかけないで!」と言われてしまう。理由がわからないみいちゃん。
周りからも忌避され遠巻きにされている現状は、ただ腫れ物扱いだった前よりも酷いかもしれない。
その様子を見て「これで学校来なくなるでしょ」というポニテの子。複雑そうな顔?で黙る雪奈ちゃん。
みいちゃんは、暴れ出したいのを佐藤くんのためにと我慢しているのがつらそうだ。
今まではクラスで良い感じに受け入れられ始めていたのに…。
さらなる悪意
人間は叩く理由を見つけると、どこまでもどこまでも残酷になれる。
「みいちゃんに可能性なんてないんだよバーーーーカ」
ポニテの子はさらに追い打ちをかける。
なんとみいちゃんの元に不良の先輩をけしかけたのだ。
この学校にもこんな不良がいたのか…前回平和な学校にしか見えなかっただけにゴリゴリ不良出現に衝撃。
メールの文面がまた酷い…。
勝手に先輩のことを好きなことにされ、そのために万引きをしたのだというでっち上げを伝えている。
ポニテの子はみいちゃんの心理を読んで、ある意味適切な行動を取ったり、人を裏で操作するタイプの陰湿な女子だった。
前回の「親切にされたことがない人生だったからうれしかったんだよ。」だとか、どうすればみいちゃんが万引きをし、どうすれば不良たちがみいちゃんを狙うようになるか、わかっている。
人を孤立させて陥れるタイプの、たまにいるけど厄介なタイプだ。
不良とみいちゃん
その後は、詳しく書くとエグイのでちょっと省略して書くと、みいちゃんはポニテの子にメールで焚きつけられた不良3人に強●されてしまう。
ボロボロになったみいちゃん。
不良は「初めてだったんか…」「初めてを俺に捧げてくれるなんて感動した!ペロペロも上手だったよ!みいちゃんすげえよ‼︎才能あるわ‼︎」と口々に話している。
そして「みいちゃんみたいな子超好き!」「俺も!」「俺も…!」
「みいちゃんサイコーーー!」と叫ぶ不良。
なんだこのキモイちいかわみたいなノリは。ただの犯罪だこんなん。
そしてポニテの子は明らかに教唆罪だ。
メール文とみいちゃんの訴えがあれば起訴できるかもしれないほどの犯罪行為だ。
そんな不良たちなのに、みいちゃんはポニテの子の「両想いになれる方法」を思い出し「これでいいんだ…!」と納得してしまう。
「佐藤君とこれやったら……とっても幸せ」
救われるべき人は、救いを受けられるだけの受容力を持たない。
みいちゃんと佐藤君
そんな間違った認識を持ったまま佐藤君と会うみいちゃん。
ある日、視聴覚室に呼び出した佐藤君に、みいちゃんは「ヤろ?」とスカートの裾をまくり上げる。
「さようなら中村さん」
佐藤君はそのまま去っていこうとする。
いきなり呼び出してそんなことを言うみいちゃんだから、これは仕方のない対応だとは思う。
「これやって両想いじゃないの⁉︎なんでなんで⁉︎」というみいちゃんに佐藤君は答える。
「中村さん僕はね、君の邪気のなさというか…人間の下心のない感じが結構、居心地良かったんだよね。性愛を感じない関係が良かったのに…」
「永遠に変わらないものなんてないって改めて実感したよ」
13話より引用
どうしてこういう考えに至ったのか。
佐藤君や雪奈ちゃんや、ポニテの子、それぞれの視点やドラマなんかも気になる。
そう言って「もう話しかけないでほしい」と去ってゆく佐藤君。
それでもみいちゃんは自分の何がダメだったのか、おそらく真実理解できていない。
自暴自棄なみいちゃん
佐藤君に拒否され、自暴自棄になったみいちゃんは、その後誰とでもヤる子になってしまう。
この頃には21歳時点のみいちゃんの価値観が育ってしまっていたのだとわかる。
自分を強●した不良、自分が万引きした店舗の店員、ゆきずりのおじさん、先生…(シゲオに似てる…)誰とでも。
それで自分が褒めてもらえるから。唯一対等になれるのがこれをしている時だから。
それを止めてくれる人はもういない。みいちゃんは、自分のこんな自傷行為のような行為で、味方になってくれたかもしれない人たちを遠ざけてしまった。
ぼろぼろになってゆくみいちゃん…。
不健全な世界から見る健全な二人
ぼろぼろなみいちゃんは、ふと見かけてしまう。
二人で並んで歩く二人の男女を。
「手、繋いでもいい?」
「いいよ」
自分から言ったのに手を握ろうとするその手は震えている。
「……手繋ぐのって緊張するね」
手を握ろうと言った女の子はおそらく雪奈ちゃんで、それを了承した男の子は佐藤君だ。
それを見て笑い出すみいちゃん。
「アハハハハッ佐藤君じゃなくてももう全然寂しくないや」
泣き笑うみいちゃんの先を、二つの影は手を繋いで歩いてゆく…。
つづく。
まとめ 一度手にした健全なすべてが崩壊してゆくキツイ回
最後のシーンは、不健全な方法でしか相手と関係を結べないみいちゃんと、手を繋ぐのですら緊張して震える健全な雪奈ちゃんとの対比に思えた。
普通、人間関係は少しずつ構築してゆくものだ。
佐藤君のようなATフィールド厚めに張ってそうな人は特にそのはず。
みいちゃんのように行為だけで関係を結ぼうとするのであれば、そんな関係は不健全だ。
しかし、佐藤君が思春期女子に居そうな潔癖男子だったとは…。
いや潔癖というか、そういう男女の関係が世の中にあると知り、拒否反応を起こす思春期特有の心理に似ている…。
あとやっぱ前の記事でも書いたけど、言動含めカヲルくんと綾波を足して割った感を感じた笑
ポニテの子が起こした一連
最近、学生による残酷な事件をよく聞く。
ポニテの子がやったことは「友達を想って」「他人をけしかけ」「相手に被害を与える」ことで、このキーワードだけ見ると、去年似たような事件があったと思う。
そして大小関わらず「悪評を流しスティグマを付け、他人をけしかけることで陥れる人」というのはどこにでもいる。
内容があまりにも酷いと犯罪にもなり、公にされるがそこまでいかないコミュニティのいじめなどは茶飯事なのかと思う。
身を守るスキルの重要さ
大事なのは、そういった人達から身を守るためのスキルがあるかどうかだ。
それには、ある程度の知性や社会性が求められる。
だからみいちゃんみたいな子が、普通学級にいることのデメリットはとても大きい。
自分を自分で守れないなら、他人から守ってもらえる子・助けを呼べる子でなくてはいけないのに、みいちゃんはどれもできない。
もし、今回のことをみいちゃんがしっかり状況を理解して、証言や証拠を集めたら、もしかしたら刑事事件化できたかもしれない。
ただ、こういった被害者はそんなことができない。家族もできない。
そこには、そんな状態だからこそ被害者になるのだという由縁がある。
佐藤君と山田さん
佐藤君や山田さんなど、みいちゃんを否定的に見ない人たちって、みいちゃんの裏表のない無邪気さを好いていたと思う。
亜月ねねのダイアナ名義の「夜のことばたち」には、みい山の元になった短編がある。
そこでは、みいちゃんの裏表のなさが好かれていたような描写があった。
聞いた話だが、これは知的障がい者福祉に関わる職員が感じることでもあるらしい。
社交辞令や嘘や建前ばかりの世の中だが、こういった人たちの裏表のなさに癒しを感じることもあるという。
それを上手く活かせていれば、みいちゃんも人間関係をどうにか構築できたかもしれない。ムウちゃんのように。
みいちゃんは可哀想だが全面的に援護できないスキがある
被害者にやりやすい人というのは存在する。
それはスキのある人だ。
誰でも良かった、という人でも無意識か意識的か、弱そうなやり返せなさそうな人、目につく人を狙う。
そして、正義を盾に他人を叩く場合は周囲の意向を組む。
叩いて良い人となった人を叩くことは、周囲から良い人と好かれてる人を叩くよりたやすい。
みいちゃんは、生まれた時点で周囲から遠巻きにされた近親相関の子で、その後も問題行動を起こす問題児だった。万引きもしてしまった。
周囲がみいちゃんを助けたいと思っても擁護しきれない。擁護しようとする人も減ってゆく。
「真の弱者は助けたくなるような姿をしていない」を体現してしまっている。
そしてそのスキを、加害的な人は狙う。
今回の話で、みいちゃんの味方はこの時点でもう誰もいないのだという気にさせられた。
クラスメイトはみいちゃんを陥れ、みいちゃんが自暴自棄になった時に福祉に繋げてくれる大人もいない。
それは、周囲の小さな悪意だったり無関心だったり、明らな加害者以外の大多数によって起こることだ。
悲惨な中学時代だけど、そこから21歳までの8年をみいちゃんは何とか生きてきたのだ。
そして現在軸で山田さんに出会い、再び束の間の平穏の日々を過ごしている…。
今回は悲惨な回だった。
この話を聞いた山田さんはどう思ってるのかな?そしてみいちゃんの語彙でちゃんと伝わっているのか。
キツイ展開だったけど、次回が楽しみ。
おしまい。
以下、関連図書的なもの
2巻目発売おめでとう!
3巻の表紙は誰になるのかも楽しみ。
ちなみに今1.2巻ともにKindle版は4/3まで、23%ポイント(180円)還元セール中なので、電子版購入予定の人はぜひこの機会に!
こちらは名義が違うけど、亜月ねねの漫画。
みい山の元となった短編も記載されている。
みいちゃんの自暴自棄なシーンを読んでいて、ふと思い出したエッセイ漫画。
あらいぴろよはみいちゃんとは違って、相手に告白させて捨てるまでの『隠れビッチ』を繰り返していたけど「自己肯定感の低さを他人からの称賛で埋めようとする」マインドは似ていると思うし、こういう人はまあいる。
毎回紹介しているけど、これは一度読むとみい山の解像度が上がる。
みいちゃんは結局特別支援学校ではないから仕方ないとも思うけど、こういった特性のある子たちを担当することを考慮して、先生や生徒にこういった特性を教育の中で教えておくのは必要な気もする。
重症度の違いはあれど、ASDやADHDの人は学校や職場に高確率で存在するので、こういった知識は同級生や同僚、上司になる上でも役に立つかもしれない。
以下、ニナちゃん的なグレーゾーンの人向けの関連図書
これは同性の多いコミュニティに参加しているのであれば必見。
中学校時点でこういう本を読んでいれば、何も知らないよりは対応できるのではと思う。
女子ならではの人間関係の複雑さに対してのカンフル剤。
神経発達症(発達障害)やASDの傾向があるのであれば、こちらも読んでみると良いと思う。ASD、そしてその女性が生涯陥りがちな場面についての記載があり、同じ特性を持つ女性たちの口コミなども多く載せられている。
ASDは女性より男性で有病率が高く、自閉症=男児のイメージが強いと思う。しかし、女の子の場合は特性が発見されにくいことが、その有病率の違いに関与しているのです。
みい山感想ブログまとめ
他の記事もぜひ読んでみてくださいませ。
今回のひとコマ
ほくろあるし雪奈ちゃんだよね。
めちゃくちゃ不健全なみいちゃんの前を歩く、健全な恋をしている雪奈ちゃん。
性愛否定派の佐藤君はどう思ったのかな?まあこれくらないなら微笑ましいから拒否反応も出ないだろうけど。
佐藤君のセリフのフォントも相まって、思春期ポエマー感を感じてしまった笑
ではでは。
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コメント
9今回は特に辛い回でしたね…でもそれだけ重要な回でもあったと思います…これから8年はみいちゃんも自力で生きてゆく過程があると思うので、何とか強く生きてほしいなあと思います!
読んで下さりいつもありがとうございます!
みいちゃんは環境的に早かれ遅かれ悲劇は起きたと思います。
それより陰湿な友達に執着され恋人も浮世離れしてる女の子の将来が不安です。
コメントありがとうございます!
小学校でちゃんと危機回避のスキルを身につけさせてあげられれば、また違ったのかもしれませんね…
執着されている雪奈ちゃん自体はわりとまともそうだったので、ポニテの子に対してどう思っているのか先がちょっと思いやられます👀
この回は本物の胸糞回ですね。
ポニテの悪行(みいちゃんに万引きの濡れ衣を着せて、不良達をけしかけてレ○プする)は冤罪事件でよくある「他人に濡れ衣を着せて、真犯人はのうのうと変わらぬ日常を送っている」に通ずる嫌な要素があります。(話は変わりますが、みいちゃんが望まぬ妊娠をしなかったのが救いですね)
うp主様の所感に書かれているとおり、悪意をかわすスキルは社会性と知性の両方を持っているか、逆に向けられた悪意をねじ伏せる要素(経済力、本人や親の社会的地位、才能、暴力、社会的制裁など)がないと無理ゲーだと感じるのは私だけでしょうか? それが無理なら、お互いに離れて近寄らないようにするしかありません。(できるなら、雪奈&ポニテと不良に対して「みいちゃんに近寄ってはいけない&違反したら、慰謝料を請求する」という念書が有効だけどみいママにはそこまで回る知恵がない上に、みい祖母のプライドが許さないので無理かもしれないですね)
ニナちゃんはスピンオフで救済されていますができれば、みいちゃんが山田さんと出会う前の8年間はどんな暮らしをしているのか、佐藤くん、雪奈、ポニテのその後が気になります。