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ハーバード大基金、未公開株ファンド持ち分売却で損失へ-アックマン氏

  • 「割引価格」で売却、残りのファンド持ち分も評価額引き下げ必要に
  • 530億ドルと言われる寄付基金の価値は実際には400億ドル程度

ハーバード大学の寄付基金がプライベートエクイティー(PE、未公開株)ファンドの持ち分の一部売却を検討していることについて、ヘッジファンド会社パーシング・スクエア・キャピタル・マネジメント創業者のビル・アックマン氏は、大きな損失が生じるだろうと指摘した。

  アックマン氏は6日、ミルケン研究所グローバルコンファレンスで、530億ドル(約7兆6000億円)規模のハーバード大学寄付基金が保有するPEファンドの持ち分を売れば「かなりの割引価格」での売却となる可能性が高く、売却する以外のPEファンド持ち分も同様に評価額の引き下げが必要になるだろうと述べた。

  アックマン氏は「ハーバードは今、財政危機にある。自分たちでは気づいていないかもしれないが、既に危機的状況だ」とし、「530億ドルと言われている寄付基金の価値は、実際には400億ドル程度だ」と断じた。同氏はハーバード大の卒業生だか、同大学に対して批判的な姿勢を見せている。

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Ackman Says Harvard Is in a Financial Crisis
ビル・アックマン氏
Source: Bloomberg

  ブルームバーグ・ニュースは先月、事情に詳しい関係者の話として、ハーバード大学が約10億ドル相当のPEファンド持ち分の売却に向けた協議を進めていると報じた。

関連記事:ハーバード大基金、PE持ち分売却で最終交渉-財政巡る不確実性で

  2024年6月期の年次報告書によると、基金の資金の約40%がPEファンドに投じられている。アックマン氏は、これらの投資を「流動性が極めて低く、投資判断も拙劣」と批判した。

  基金を運用するハーバード・マネジメントはコメントを控えた。

  ハーバード大学の財政的な課題は今年、トランプ米政権による22億ドルの複数年補助金の凍結により深刻化している。政権側は、ユダヤ人学生の人権保護に関する法律を大学が順守していないと主張。大学側は資金凍結を巡り政府を提訴している。

原題:Ackman Predicts Private Equity Pain for $53 Billion Harvard Fund(抜粋)

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