AI時代は「読破」よりも「問い駆動」でインプットを考えると良さそう
こんにちは!
今日は、AI時代には「本や論文を最後まで読み切る」ことが大事ではなくなったのではないか?ということを書きたいと思います。
AI時代になると、本とかを読破すること自体に、あまり価値がなくなってしまった気がします。
今までの人類は、本やサイトから情報を得ていて、それをまず頭に入れてから考える、ということをやってきたので、直感的にはあまり受け入れづらいんですが、AI時代だともう「読破するよりも、もっと良い方法がありそう」という感じがしているんですね。
じゃあ、代わりにどう考えるといいかと悩んでいたんですが、、結論としては「問い駆動(Question-Driven)」 みたいなコンセプトがわかりやすいかなあ、と思いました。
これについてちょっと解説をします!
前提
まず、問い駆動とは何か?を説明する前に、なぜ「読破」という考え方から変えた方がいいのか、という点を簡単に説明しておきます。
①情報量がすごく増えている
一つ目の理由は「情報量の爆発」です。
今や出版物、学術論文、SNSの投稿などを合わせると、1日に公開される情報量は人間が読める量をはるかに超えています。どれだけ速読ができても、すべてを読み切ることは物理的に不可能な時代になってしまっています。
さらに、AIの時代になると、これはより一層すごいことになります。当たり前ですが、AIによるコンテンツが増えると、それだけ読むべきものが増えるわけです。到底、人が読める量じゃないですよね。
本や資料を読破するのは、美徳かもしれませんが、もはや「必要な本を全部読むの、流石に無理じゃない?」という情報量になってきています。
②AIによってサマリーが簡単になった
二つ目は「AIサマリーの精度向上」です。
最近のLLM(大規模言語モデル)では、資料を渡すだけで、数秒で信頼性の高い要約が得られるようになりました。AIが本の内容を短時間で要約してくれるなら、すべてのページを自分で読む必要性が薄れてきてしまいます。
もちろん、本を書いたこともあり、本が大好きな僕からしてみると、本は要約ではなくて、最初から通して読むと効果が高いようになっているので、ちょっと不満もあるんですが・・・。
とはいえ、ここまで情報が大量にある時代であり、かつ要約が速攻でできてしまうのであれば、必要なものを全部読むと言うのは流石にハードすぎるのでAI要約にはどんどん頼っていいかなと。
③プロンプトスキルという概念が生まれた
三つ目は「Prompt Skillの台頭」です。AIに対して効果的な問いかけ(プロンプト)を作成できる人が、生産性において大きく差をつけるようになってきています。
つまり、「何を読んだか」より「どんな問いを立てられるか」が重要になってきています。元の本やサイトは同じでも、どのような質問をしたかによって、アウトプットが変わってくるので、より重要なスキルになっているということですね。
となると、情報を頑張って読むことに時間を使うよりも、問いの力を上げる方に力を割いた方が、効率がいいはずです。
問い駆動の時代
では、次に、「問い駆動」という概念について、説明していきます。
問い駆動ってなに?
今までのやり方は、基本的には
情報を頑張って頭にインプットをする
そこから思考したりアウトプットをする
という形でしたが、AI時代には問いで駆動させていく方がいいよね、というのが僕の主張です。具体的には
情報をとにかく集める
それに対して問いを投げる
AIによって要点を抽出
AIに問いながら検証する
それをまた情報として貯めておく
というような循環を高速にやるイメージです。
問いがずっとベースにあり、それによって情報を集めたり、中身を要約したり深掘りをしたりする、という感じですね。
ちなみに、「情報をとにかくたくさん集めておいて、そこから問うことで知りたいことを抽出する」というのはもちろん、「問いが先にあって、問いをもとに情報を収集する」という形もありえます。とにかく、「問い」が活動の中心にあると言うことです。
情報の質が悪かったらダメじゃない?と思うかもしれませんが、それもある程度、AIによって調査、検証ができるので、質の精査にそこまで時間をかける必要もなくなっていきます(限度はありますが)。
もうちょっとイメージしやすいように補足すると・・・今までは、本が鉱山だとしたら、読破=掘削という感じでした。
つまり、価値ある情報を得るためには、本全体を読み通す必要があった。一度採掘をしてから、使えそうなものを取り出すイメージですね。
でもAIがある時代には、「高性能レーダーで鉱脈を即座に特定し、最小限の掘削で鉱石を取り出す」ようになってしまったんです。必要な情報だけを効率よく抽出できるんですね。さらに、その取り出したものを、そのまま高速に調査したり、加工したりすることもできちゃう。
となると、質の高そうな情報を集めて、それらを人の目で読破して、そこから取捨選択をして情報をまとめていく・・・というのが必要なくなってしまったわけですね。
このあたりの考え方を変えると、AI時代の最適なインプット→アウトプットのフローを回すことができるわけです。
問い駆動時代に必要とされるスキル
では、この「問い駆動」の時代に、僕たちはどのようなスキルを身につけるべきか?なんですが、
特に重要なのが、以下の4つのスキルかなあ、と思っています。
1. 視点設計力
まず大切なのは、「どの視点で問いを立てるか」です。視点設計力と言いますか・・・。
同じ情報でも、マーケティング担当者として見るのか、エンジニアとして見るのか、あるいは肯定的なのか、批判的な立場なのか、によっても得られる洞察は大きく変わるわけなので、「どの視点なんだっけ」というのはとても重要になります。
例えば、組織論に関する情報を集めて「まとめて」と言うだけではふわっとした要約が出てくるだけです。
一方で、「これを組織を率いるリーダーが、メンバーのモチベーションアップに使うためにはどのような切り口で読むべきか?またそこからリーダーがするべきタスクを優先順位をつけながら10個作ってください」などの問いを立てると、その視点ならではの洞察が得られるようになります。
もちろん「この組織論の情報を参考に、結婚生活10年目の夫婦の関係性を良くするためにするべきことを教えてください」とすると、全く違う洞察になるわけですね。
どの視点なのか?と言うのは意外と忘れがちなので、視点設計の概念を持つと良いと思います。
2. 分解力
大きな問題を複数の小さな問いに分解する能力も重要です。
「この業界の将来性は?」という漠然とした問いよりも、
「この業界の5年後の市場規模予測は?」
「主要プレイヤーの戦略変化は?」
「新規参入の障壁は?」
というように分解することで、より具体的で深い理解が得られます。
他にも例えば、「リモートワークの効果を知りたい」という時も、問いを細かくするとしたら、
「リモートワーク導入企業と非導入企業の生産性指標の差は?」
「リモートワークが従業員のメンタルヘルスに与える影響を示す最新の研究結果は?」
「リモートワークが最も効果的な業種・職種と最も課題が多い業種・職種は?」
「ハイブリッドワークモデルの最適な設計パターンとその成功事例は?」
「リモートワークにおけるコミュニケーション課題を解決するための具体的なツールと手法は?」
みたいにします。
このように問いを分解することで、AIからより精度の高い回答を引き出せるだけでなく、自分自身の思考も整理され、見落としていた視点に気づくことができます。
3. 検証力
AIが出力した情報の根拠やバイアスを点検する能力も欠かせません。AIも当然、万能ではなく、時に誤った情報や偏った見解を提示することがあります。
ここに関しては、むしろ「ちゃんと基礎を勉強する」とか「コアとなる知識をきちんと持っておく」と言うのが重要になります。読破的なインプットはここで活きてくるわけです。
例えば、僕は葬式業界について何も知らないので、AIに「葬式業界の現状と将来性について調べて」とやっても、出てきたものが正しいかどうかもわからないわけですね。ある程度「ここは怪しいな」とか「大体あってそうだな」という土地勘を身につけるには、やはり基礎の知識を知っておく必要があるわけです。
それがない場合には、ファクトチェックなどを一通りちゃんと人の目でやったりすることが必要になります。
4. リフレーミング力
得られた答えを、再度問いに変換する能力も重要です。
どういうことかというと・・・。例えば、「他に反証はありますか?」「逆の立場から見るとどうなりますか?」といった質問をAIに投げかけることで、思考の幅を広げ、より多角的な視点を獲得できます。
このような問いのループを作ることで、単なる情報収集を超えた深い洞察が得られるようになるのです。
具体的なやり方
ちょっとまだイメージが湧きづらいと思うので、実際のステップを紹介します!
ステップ1:一次問いを投げる
まずは素直に知りたいことをAIに質問します。基本的には添付した書籍やPDF、サイトなどをもとに「簡単に要約して」とかを投げかけるといいです。
そのときに、例えば「このPDFの要旨を"反対論者"の視点でまとめて」というように、最初から視点を指定すると面白い洞察が得られます。
他にも「このコンテンツを20代の若手社員に説明するとしたらどうまとめる?」「このテーマについて保守的な立場と革新的な立場それぞれの主張を対比して」「このビジネス書の内容を実際に導入して失敗した企業があるとしたら、どのような問題が起きた可能性があるか」といった角度からの問いかけも効果的です。
ステップ2:即席サマリーを確認する
ステップ1でAIが生成した要約を読み、気になる点や内容の漏れがあればどんどんと質問をしてしまいます。
「それってこういうことなの?」と自分の理解を聞いてもいいですし、気になったところを「深く掘り下げて」とか「もっと詳しく教えて」というのも効果的です。
ここでは、「内容を理解できるレベルまで聞いてみる」というのを目的にします。
ステップ3:二次問いを生成する
そこから、さらに内容を独自に深掘りをしていきます。
例えば、「こういう批判もあるのでは」とAIが出したものに批判的な視点で言及をしてみたり、「この意見に反対の人がいるとしたら、どのような批判をすると思いますか」と聞いて、それに対して答えさせたりとかです。
この意見に対して、どのようなバイアスがあると思いますか?などを聞いてみるのも面白いです。
ステップ4:メモを統合する
得られた洞察を自分のメモなどにまとめておきます。
僕の、Obsidianと言うメモアプリに貼り付け、AIに自動タグ付けをしてもらいます。すると知識グラフが更新されていくので、他のノートとの連携ができるようになり、溜まれば溜まるほど、自分だけの知識データベースができてきます。
ステップ5:アウトプットを作成する
例えば、ブログを書いたり、社内で文章としてまとめる必要が出たら、その原稿をもとに、さらにAIに「これを社内用の文章としてまとめて」みたいな感じでアウトプットをします。
社内チャット用、メール用などと、いろいろなアウトプットパターンで出せるので、自分が必要なアウトプットの形で出すと良さそうです。
メリットと注意点
この「問い駆動型」のアプローチはメリットが多くあるなと思うんですが、、同時に注意すべきリスクも存在するので、、
メリットとリスクで思いつくものをまとめておきます。
速いが間違いもある
問い駆動型アプローチの最大の魅力は、情報処理の圧倒的な速さです。従来の読破方式と比較すると、情報処理時間を、体感で8-9割くらい短縮できることがあります。
具体的には、これまで1時間かけていた情報整理が、わずか10分程度で完了することもよくあります。
一方で、この速さの裏には、AIによる要約ミスというリスクが潜んでいます。重要な判断を下す場合には、必ず原典へのリンクを保存し、随時検証できる体制を整えておくことが重要です。
まあ、書籍とか人に聞いても間違いは多かったりするので、AIに限った話ではないんですが・・・。あまりに速度が早いが故にミスに気づきづらいと言うのがあるので、より注意が必要かなと。
網羅性があるが、AIによるバイアスもある
また、網羅性もこのアプローチの強みです。質問の角度を少し変えるだけで、多様な視点からの洞察が得られる点です。同じ資料に対しても、質問の仕方を変えることで、まったく異なる気づきを得られることがあります。
なんですが、、AIが持つ潜在的なバイアスに引きずられてしまう危険性もあったりします。ChatGPTとかは自分の過去の話したこととかのデータを見ちゃうので、ちょっと変な方向に行く時とかもあって・・・。
ちなみに僕は、対策として複数のAIモデルで回答を比較検証するとかをやって、ちょっとバランスを取ったりはします。
深い理解がしやすいが、意外と人間は偏りがち
最後に「なぜ?」「どうやって?」といった再帰的な深掘り質問を繰り返すことで、表面的な理解を超えた本質的な洞察へと到達できます。これは従来の読書法では難しかった深い理解を可能にするという面でとても強烈なんですが、、
人間が質問をしていると、重要な深掘りポイントを見逃してしまうリスクもあります。例えば、人間は「whyが気になる人」と「howが気になる人」「whatが気になる人」などの、思考の癖があったりするんですよね。
なので、この課題に対しては、「5W1H」などの質問テンプレートを活用し、意図的に多角的な質問を強制するとかを意識するとうまくいきやすいです。
というわけで
AI時代においては、情報の「読破」よりも「問い駆動型」のアプローチが重要になるよ、という話でした!
AI時代には、単純な読書量ではなく、質の高い問いを立てる能力こそが知的生産性を高める鍵となります。
「問いかけ→情報抽出→検証→さらなる問いかけ」というサイクルを効率的に回す能力を磨くことが、これからのインプットの量と質にすごく影響を与えると思うので、まとめて書いてみました。
参考になれば幸いです!ちなみに「アル開発室」では、このようなAI時代の考え方の変化などについてよく投稿しているので、もしよければみなさん入ってください!
では!
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購入者のコメント
1読破すると、それ自体が気持ちよくなってしまうこともあります。
好奇心・探究心が大事になってきますね。