2章:第16話 諸葛孔明伝(2)
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第16話 諸葛孔明伝(2)
さて。町の人々の注目する中、我々を乗せた駐在所のパトカーは、一路無目的地へ。
駐在さんも人々の視線に気づいたのか、必要以上にゆっくり走ってくれちゃったりしてるわけです。我々。とんだ「見せ物」です。江戸時代で言うところの市中引き回しってやつですよ。こりゃ。
しかたないので、なんとか「少年院への護送」と思わせぬ為に、僕たちは必要以上に笑顔をつくりました。が、なんにもおもしろいことがないのに、そんなに人間笑えないものです。
「どこまで行きたいんだって?」
駐在さんの質問に
「ああー。じゃ、○○市までお願いします」
「○○市ねぇ。少しまわり道するが、かまわんな?」
駐在さんが続けます。
「それにしても本屋さんはいい人だなぁ」
「そうですね・・・」
「お前ら、しかけたんだろ?」
おっと、いきなり核心をついてきました。
「しかけただなんて・・・」
「あんないい人にまでしかけるとは、お前らホントとんでもねーな」
原因がそもそも「自分が仕掛けた」ことであることはすっかり棚に上げています。
しかし
「お前らみたいなヤツにはお灸すえないといかんなぁ」
くそぉ。だからお言葉にあまえなくてよかったのに。
パトカーは方向こそ○○市に向かっていましたが、とんだ田舎道を走っていました。田舎道というよりは、もはや山道?
やがて山道を15分も走ったでしょうか。
窓の外に沼が見えて来ました。そこの横にちょっとした広場があるのですが、駐在さんは、そこにパトカーを停めると、車から降りました。
「おい、お前らも降りてみろよ。奇麗だぞ」
確かに、沼のまわりは花など咲いて、なかなかな光景でした。
駐在さん、沼を見ながら
「俺はなぁ。ここに赴任してまだ間もないが、けっこうこの町、好きなんだよな」
しみじみと言いました。
「いい町だよなぁ。お前らみたいなのもいるけど」
後半はよけいです。
すると
「ちょっとタバコとってくる」
と、駐在さんが車にもどられました。
バタン。
ドアの閉まる音。
ブルルン。
エンジンがかかる音。
ん?なぜエンジン?
と、疑問に思う暇もなく、なんとパトカーは走り出しました!
パトカーの窓から駐在さんが大声で言いました。
「お前らー。そっから歩いて帰れー」
なんだって????
「まぁ、町まで1時間くらいかな?道1本だからな」
や、やられた!!
「じょーだんじゃありませんよ。僕たち試験目前なんですよ!」
しかし、駐在さんは
「そう言えば、お前たち、“森のくまさん”って唄知ってるか?」
「ええ。知ってますが、それがなにか?」
「このへん出るらしいからな。気をつけてなー。わっはっはー」
それを捨て台詞に、なんと急発進したパトカー!
いわゆる置き去りです。
「と、とんでもねーやつ!」と、西条くん。
「大丈夫だ。西条」
「え?」
「駐在さん、すぐに停まるから」
「なんでそんなことわかるんだよ!」
「パトカー、カークーラーついてたろ?」
「ああ。それがなにか関係あるわけ?」
しかし、僕の予言通り、パトカーは急発進からわずか100mほど走って急停車しました。
実は僕は、車を降りる間際に、西条くんのかばんのチャックを開けてきたのでした。
そうです。あの本屋さんで呼吸もできなかった異臭騒ぎのゾウキンが入っている袋です。
4坪の事務所でさえ、呼吸はおろか目もあけられない激臭。それが車の中なのですから運転などできるはずもありません。カークーラー(当時はカーエアコンではない)がついていたということは、駐在さんは窓を閉めて走り始めるということ。
100m先で停車したパトカーからは、案の定、駐在さんが飛び出していました。
「お灸をすえる、あたりから雲行きがあやしかったからな。こんなことだろうと思って」
「お前、あたまいいなぁ」
「諸葛孔明だな!」
漢字もわからないくせに褒めるなよっ。悪い気はしませんでしたが。
やがて僕たちは、余裕でパトカーに追いつき、車の横でorzになってる駐在さんを尻目に、中の鞄のチャックを閉じると勝手に後ろに乗り込みました。
「そろそろ帰りましょうか。駐在さん」
「く、く、くそぉ!お前らぁ。うげぇ!」
駐在さんは、その後もゲーゲー言っていましたが、やがてパトカーは無事町に到着。
車から降りると、公園で子供たちがさわいでいました。
どうやら高い木に飛行機がひっかかってるらしいのです。
「助けてやろうか?」
と、西条くん。
ところが、後からやってきた一人が、棒にガムテープをまきつけたものを持ってきて、ペタっと飛行機につけると、なんなく解決しました。
「あ、アタマいいなぁ〜」と、西条くん。
「諸葛孔明だな!」
えー?そのレベル?
って言うか、お前の諸葛孔明ってただのカテゴリー?
2章完結 ありがとうございました~!
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コメント
くろわっさんの言っていたことが早く知りたいです。
このはなしを読んでいると、くろわっさんがどんな学
生生活を送ってるのかがよくわかります。なんだか楽しそうですね。このブログをみてると、いやなこと
を忘れることができます。ぼくも学校で一生懸命に
なれるものをさがしてみたいです。
次は3章。それでは
2007/01/17 17:56 by 火星 URL 編集
2007/01/18 22:00 by 名もない読者 URL 編集
2007/05/10 14:44 by くぁああああああああああああああああ URL 編集
2007/05/10 14:50 by くろわっ URL 編集
2007/06/30 18:15 by 名もない読者 URL 編集
▲---------
犯罪じゃありません。
帰れますから。どこまで乗せようと勝手です。
そういう観点では、この先読めませんよ。
2007/06/30 19:43 by くろわっ URL 編集
管理人のみ閲覧できます
2007/08/24 13:26 by 編集
2007/09/16 20:49 by りんごあめ URL 編集
これから一気に読むつもりです。
ありがと
2007/09/20 19:55 by おはな URL 編集
観想を率直に言うと「とてもおもしろかった」です。
これからも、面白い作品よろしくね(σ・∀・)σ
2007/09/20 22:23 by コシヒカリ URL 編集
一気に読んじゃいました
一気に読んじゃいました。
うちのサイトでも紹介させてもらいますね。
この先が楽しみです。
2007/10/02 03:34 by じょにい URL 編集
面白かったです(^-^)
2007/11/03 01:38 by 果湫睦凡? URL 編集
すさまじぃ・・・
かなり凄まじぃ攻防を繰り返していますね・・・。でも楽しそうで羨ましいです。その中にもほっとする(本屋のおやじさん)物語もあって、すっかりぼくちゅうの魅力にはまってしまいました。
また読ませてもらいます。
・・・それにしてもくろわっさん、頭回りますねぇ~(笑)「凄い」の一言。僕もそういうことしたかったゎ~(羨ましく思うとが変?)
2007/12/14 17:03 by ヴィル URL 編集
管理人のみ閲覧できます
2007/12/16 22:15 by 編集
2008/04/05 11:45 by 泉州タマヨ URL 編集
いやー最高ですね!「最高ー」って言いながら笑ってました。怪しかったかもしれません
本屋のおじさん、良い人ですねえ。
次は3章、また笑わせてもらいます!
2008/05/24 09:08 by 晃流 URL 編集
もうやめよっかなぁ
つかれてきたし
番号いうの、
2008/07/02 20:57 by 六道骸LOVE URL 編集
管理人のみ閲覧できます
2008/09/04 08:13 by 編集
打ち消しの文2009/08/18 17:52 by 名もない読者 URL 編集
おもろい
2009/08/23 00:04 by ウジヒロ URL 編集
とても言葉を大切にされているんだと感じます。
2009/09/11 06:26 by 翁仁 URL 編集
2009/10/24 11:53 by あいらぶゆー URL 編集
本当にいるのかな~?
2009/11/01 13:42 by ニセ西条くん URL 編集
2009/11/01 15:44 by 名もない読者 URL 編集
2009/11/21 17:21 by どぐら URL 編集
2010/08/19 22:59 by 名もない読者 URL 編集
2010/08/19 23:01 by 名もない読者 URL 編集
凄いだましあいにors!
2012/12/30 18:36 by choco URL 編集
2013/04/20 14:22 by 名もない読者 URL 編集
▼
あんまりおもしろいので、足跡としてセルフコメント。
と、同時に、初心を忘れていることに反省反省。
2014/02/02 02:29 by くろわっ URL 編集
あの頃はぼくちゅうに感化されて友人とダッチワイフをヘリウムで学校の大空に飛ばしたりしましたが、大人になった今、いたずらのワクワク感がわからなくなって寂しいです
2014/09/23 02:45 by 懐かしい URL 編集
初めまして
全体からすればまだ読み始めたばかりですが、とても楽しく読ませていただいています。
現在は、第二章の万引き疑惑が読み終わり、第3章の公害ブルースに入ります。
このような読みやすい文体のお話がとても好きです。
これからも頑張ってください、応援しています。
(*^_^*)
2016/03/17 05:33 by Masaki URL 編集
2018/02/12 22:45 by 名もない読者 URL 編集