道路交通法
目次
- 第三章 車両及び路面電車の交通方法
- 第一節 通則(第十六条―第二十一条)
- 第二節 速度(第二十二条―第二十四条)
- 第三節 横断等(第二十五条・第二十五条の二)
- 第四節 追越し等(第二十六条―第三十二条)
- 第五節 踏切の通過(第三十三条)
- 第六節 交差点における通行方法等(第三十四条―第三十七条の二)
- 第六節の二 横断歩行者等の保護のための通行方法(第三十八条・第三十八条の二)
- 第七節 緊急自動車等(第三十九条―第四十一条の二)
- 第八節 徐行及び一時停止(第四十二条・第四十三条)
- 第九節 停車及び駐車(第四十四条―第五十条)
- 第九節の二 違法停車及び違法駐車に対する措置(第五十条の二―第五十一条の十五)
- 第十節 灯火及び合図(第五十二条―第五十四条)
- 第十一節 乗車、積載及び牽引(第五十五条―第六十一条)
- 第十二節 整備不良車両の運転の禁止等(第六十二条―第六十三条の二の二)
- 第十三節 自転車の交通方法の特例(第六十三条の三―第六十三条の十一)
第一章 総則
この法律は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、及び道路の交通に起因する障害の防止に資することを目的とする。
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
歩道
歩行者の通行の用に供するため縁石線又は柵その他これに類する工作物によつて区画された道路の部分をいう。
車道
車両の通行の用に供するため縁石線若しくは柵その他これに類する工作物又は道路標示によつて区画された道路の部分をいう。
本線車道
高速自動車国道(高速自動車国道法(昭和三十二年法律第七十九号)第四条第一項に規定する道路をいう。以下同じ。)又は自動車専用道路(道路法第四十八条の四に規定する自動車専用道路をいう。以下同じ。)の本線車線により構成する車道をいう。
自転車道
自転車の通行の用に供するため縁石線又は柵その他これに類する工作物によつて区画された車道の部分をいう。
路側帯
歩行者の通行の用に供し、又は車道の効用を保つため、歩道の設けられていない道路又は道路の歩道の設けられていない側の路端寄りに設けられた帯状の道路の部分で、道路標示によつて区画されたものをいう。
横断歩道
道路標識又は道路標示(以下「道路標識等」という。)により歩行者の横断の用に供するための場所であることが示されている道路の部分をいう。
自転車横断帯
道路標識等により自転車の横断の用に供するための場所であることが示されている道路の部分をいう。
交差点
十字路、丁字路その他二以上の道路が交わる場合における当該二以上の道路(歩道と車道の区別のある道路においては、車道)の交わる部分をいう。
安全地帯
路面電車に乗降する者若しくは横断している歩行者の安全を図るため道路に設けられた島状の施設又は道路標識及び道路標示により安全地帯であることが示されている道路の部分をいう。
車両通行帯
車両が道路の定められた部分を通行すべきことが道路標示により示されている場合における当該道路標示により示されている道路の部分をいう。
車両
自動車、原動機付自転車、軽車両及びトロリーバスをいう。
自動車
原動機を用い、かつ、レール又は架線によらないで運転する車又は特定自動運行を行う車であつて、原動機付自転車、軽車両、移動用小型車、身体障害者用の車及び遠隔操作型小型車並びに歩行補助車、乳母車その他の歩きながら用いる小型の車で政令で定めるもの(以下「歩行補助車等」という。)以外のものをいう。
原動機付自転車
原動機を用い、かつ、レール又は架線によらないで運転する車であつて次に掲げるもののうち、軽車両、移動用小型車、身体障害者用の車、遠隔操作型小型車及び歩行補助車等以外のものをいう。
内閣府令で定める大きさ以下の総排気量又は定格出力を有する原動機を用いる車(ロに該当するものを除く。)
車体の大きさ及び構造が自転車道における他の車両の通行を妨げるおそれのないものであり、かつ、その運転に関し高い技能を要しないものである車として内閣府令で定める基準に該当するもの
軽車両
次に掲げるものであつて、移動用小型車、身体障害者用の車及び歩行補助車等以外のもの(遠隔操作(車から離れた場所から当該車に電気通信技術を用いて指令を与えることにより当該車の操作をすること(当該操作をする車に備えられた衝突を防止するために自動的に当該車の通行を制御する装置を使用する場合を含む。)をいう。以下同じ。)により通行させることができるものを除く。)をいう。
自転車、荷車その他人若しくは動物の力により、又は他の車両に牽引され、かつ、レールによらないで運転する車(そり及び牛馬を含み、小児用の車(小児が用いる小型の車であつて、歩きながら用いるもの以外のものをいう。次号及び第三項第一号において同じ。)を除く。)
原動機を用い、かつ、レール又は架線によらないで運転する車であつて、車体の大きさ及び構造を勘案してイに準ずるものとして内閣府令で定めるもの
自転車
ペダル又はハンド・クランクを用い、かつ、人の力により運転する二輪以上の車(レールにより運転する車を除く。)であつて、身体障害者用の車、小児用の車及び歩行補助車等以外のもの(原動機を用いるものにあつては、人の力を補うため原動機を用いるものであつて内閣府令で定める基準に該当するものを含み、移動用小型車及び遠隔操作により通行させることができるものを除く。)をいう。
移動用小型車
人の移動の用に供するための原動機を用いる小型の車(遠隔操作により通行させることができるものを除く。)であつて、車体の大きさ及び構造が他の歩行者の通行を妨げるおそれのないものとして内閣府令で定める基準に該当するもののうち、身体障害者用の車以外のものをいう。
身体障害者用の車
身体の障害により歩行が困難な者の移動の用に供するための車(原動機を用いるものにあつては、内閣府令で定める基準に該当するものに限り、遠隔操作により通行させることができるものを除く。)をいう。
遠隔操作型小型車
人又は物の運送の用に供するための原動機を用いる小型の車であつて遠隔操作により通行させることができるもののうち、車体の大きさ及び構造が歩行者の通行を妨げるおそれのないものとして内閣府令で定める基準に該当するものであり、かつ、内閣府令で定める基準に適合する非常停止装置を備えているものをいう。
トロリーバス
架線から供給される電力により、かつ、レールによらないで運転する車をいう。
路面電車
レールにより運転する車をいう。
信号機
電気により操作され、かつ、道路の交通に関し、灯火により交通整理等のための信号を表示する装置をいう。
道路標識
道路の交通に関し、規制又は指示を表示する標示板をいう。
道路標示
道路の交通に関し、規制又は指示を表示する標示で、路面に描かれた道路鋲、ペイント、石等による線、記号又は文字をいう。
運転
道路において、車両又は路面電車(以下「車両等」という。)をその本来の用い方に従つて用いること(原動機に加えてペダルその他の人の力により走行させることができる装置を備えている自動車又は原動機付自転車にあつては当該装置を用いて走行させる場合を含み、特定自動運行を行う場合を除く。)をいう。
特定自動運行
道路において、自動運行装置(当該自動運行装置を備えている自動車が第六十二条に規定する整備不良車両に該当することとなつたとき又は当該自動運行装置の使用が当該自動運行装置に係る使用条件(道路運送車両法第四十一条第二項に規定する条件をいう。以下同じ。)を満たさないこととなつたときに、直ちに自動的に安全な方法で当該自動車を停止させることができるものに限る。)を当該自動運行装置に係る使用条件で使用して当該自動運行装置を備えている自動車を運行すること(当該自動車の運行中の道路、交通及び当該自動車の状況に応じて当該自動車の装置を操作する者がいる場合のものを除く。)をいう。
駐車
車両等が客待ち、荷待ち、貨物の積卸し、故障その他の理由により継続的に停止すること(貨物の積卸しのための停止で五分を超えない時間内のもの及び人の乗降のための停止を除く。)、又は車両等が停止(特定自動運行中の停止を除く。)をし、かつ、当該車両等の運転をする者(以下「運転者」という。)がその車両等を離れて直ちに運転することができない状態にあることをいう。
停車
車両等が停止することで駐車以外のものをいう。
徐行
車両等が直ちに停止することができるような速度で進行することをいう。
追越し
車両が他の車両等に追い付いた場合において、その進路を変えてその追い付いた車両等の側方を通過し、かつ、当該車両等の前方に出ることをいう。
進行妨害
車両等が、進行を継続し、又は始めた場合においては危険を防止するため他の車両等がその速度又は方向を急に変更しなければならないこととなるおそれがあるときに、その進行を継続し、又は始めることをいう。
交通公害
道路の交通に起因して生ずる大気の汚染、騒音及び振動のうち内閣府令・環境省令で定めるものによつて、人の健康又は生活環境に係る被害が生ずることをいう。
道路法第四十五条第一項の規定により設置された区画線は、この法律の規定の適用については、内閣府令・国土交通省令で定めるところにより、道路標示とみなす。
この法律の規定の適用については、次に掲げる者は、歩行者とする。
移動用小型車、身体障害者用の車、遠隔操作型小型車、小児用の車又は歩行補助車等を通行させている者(遠隔操作型小型車にあつては、遠隔操作により通行させている者を除く。)
次条の大型自動二輪車又は普通自動二輪車、二輪の原動機付自転車、二輪又は三輪の自転車その他車体の大きさ及び構造が他の歩行者の通行を妨げるおそれのないものとして内閣府令で定める基準に該当する車両(これらの車両で側車付きのもの及び他の車両を牽引しているものを除く。)を押して歩いている者
自動車は、内閣府令で定める車体の大きさ及び構造並びに原動機の大きさを基準として、大型自動車、中型自動車、準中型自動車、普通自動車、大型特殊自動車、大型自動二輪車(側車付きのものを含む。以下同じ。)、普通自動二輪車(側車付きのものを含む。以下同じ。)及び小型特殊自動車に区分する。
都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、又は交通公害その他の道路の交通に起因する障害を防止するため必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、信号機又は道路標識等を設置し、及び管理して、交通整理、歩行者若しくは遠隔操作型小型車(遠隔操作により道路を通行しているものに限る。)(次条から第十三条の二までにおいて「歩行者等」という。)又は車両等の通行の禁止その他の道路における交通の規制をすることができる。
この場合において、緊急を要するため道路標識等を設置するいとまがないとき、その他道路標識等による交通の規制をすることが困難であると認めるときは、公安委員会は、その管理に属する都道府県警察の警察官の現場における指示により、道路標識等の設置及び管理による交通の規制に相当する交通の規制をすることができる。
公安委員会は、環状交差点(車両の通行の用に供する部分が環状の交差点であつて、道路標識等により車両が当該部分を右回りに通行すべきことが指定されているものをいう。以下同じ。)以外の交通の頻繁な交差点その他交通の危険を防止するために必要と認められる場所には、信号機を設置するように努めなければならない。
信号機の表示する信号の意味その他信号機について必要な事項は、政令で定める。
道路標識等の種類、様式、設置場所その他道路標識等について必要な事項は、内閣府令・国土交通省令で定める。
公安委員会は、政令で定めるところにより、前条第一項に規定する歩行者等又は車両等の通行の禁止その他の交通の規制のうち、適用期間の短いものを警察署長に行わせることができる。
公安委員会は、信号機の設置又は管理に係る事務を政令で定める者に委任することができる。
警察官又は第百十四条の四第一項に規定する交通巡視員(以下「警察官等」という。)は、手信号その他の信号(以下「手信号等」という。)により交通整理を行なうことができる。
この場合において、警察官等は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため特に必要があると認めるときは、信号機の表示する信号にかかわらず、これと異なる意味を表示する手信号等をすることができる。
警察官は、前項の規定による措置のみによつては、その現場における混雑を緩和することができないと認めるときは、その混雑を緩和するため必要な限度において、その現場にある関係者に対し必要な指示をすることができる。
警察官は、道路の損壊、火災の発生その他の事情により道路において交通の危険が生ずるおそれがある場合において、当該道路における危険を防止するため緊急の必要があると認めるときは、必要な限度において、当該道路につき、一時、歩行者等又は車両等の通行を禁止し、又は制限することができる。
第一項の手信号等の意味は、政令で定める。
道路を通行する歩行者等又は車両等は、信号機の表示する信号又は警察官等の手信号等(前条第一項後段の場合においては、当該手信号等)に従わなければならない。
歩行者等又は車両等は、道路標識等によりその通行を禁止されている道路又はその部分を通行してはならない。
車両は、警察署長が政令で定めるやむを得ない理由があると認めて許可をしたときは、前項の規定にかかわらず、道路標識等によりその通行を禁止されている道路又はその部分を通行することができる。
警察署長は、前項の許可をしたときは、許可証を交付しなければならない。
前項の規定により許可証の交付を受けた車両の運転者は、当該許可に係る通行中、当該許可証を携帯していなければならない。
第二項の許可を与える場合において、必要があると認めるときは、警察署長は、当該許可に条件を付することができる。
第二章 歩行者等の通行方法
歩行者等は、歩道等と車道の区別のある道路においては、次の各号に掲げる場合を除き、歩道等を通行しなければならない。
車道を横断するとき。
道路工事等のため歩道等を通行することができないとき、その他やむを得ないとき。
前項の規定により歩道を通行する歩行者等は、普通自転車通行指定部分(第六十三条の四第二項に規定する普通自転車通行指定部分をいう。第十七条の二第二項において同じ。)があるときは、当該普通自転車通行指定部分をできるだけ避けて通行するように努めなければならない。
警察官は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要があると認めるときは、第一項の行列の指揮者に対し、区間を定めて当該行列が道路又は車道の左側端(自転車道が設けられている車道にあつては、自転車道以外の部分の左側端)に寄つて通行すべきことを命ずることができる。
歩行者等は、道路を横断しようとするときは、横断歩道がある場所の付近においては、その横断歩道によつて道路を横断しなければならない。
歩行者等は、交差点において道路標識等により斜めに道路を横断することができることとされている場合を除き、斜めに道路を横断してはならない。
歩行者等は、車両等の直前又は直後で道路を横断してはならない。
ただし、横断歩道によつて道路を横断するとき、又は信号機の表示する信号若しくは警察官等の手信号等に従つて道路を横断するときは、この限りでない。
歩行者等は、道路標識等によりその横断が禁止されている道路の部分においては、道路を横断してはならない。
歩行者用道路又はその構造上車両等が入ることができないこととなつている道路を通行する歩行者等については、第十条から前条までの規定は、適用しない。
目が見えない者(目が見えない者に準ずる者を含む。以下同じ。)は、道路を通行するときは、政令で定めるつえを携え、又は政令で定める盲導犬を連れていなければならない。
目が見えない者以外の者(耳が聞こえない者及び政令で定める程度の身体の障害のある者を除く。)は、政令で定めるつえを携え、又は政令で定める用具を付けた犬を連れて道路を通行してはならない。
児童(六歳以上十三歳未満の者をいう。以下同じ。)若しくは幼児(六歳未満の者をいう。以下同じ。)を保護する責任のある者は、交通のひんぱんな道路又は踏切若しくはその附近の道路において、児童若しくは幼児に遊戯をさせ、又は自ら若しくはこれに代わる監護者が付き添わないで幼児を歩行させてはならない。
児童又は幼児が小学校、幼稚園、幼保連携型認定こども園その他の教育又は保育のための施設に通うため道路を通行している場合において、誘導、合図その他適当な措置をとることが必要と認められる場所については、警察官等その他その場所に居合わせた者は、これらの措置をとることにより、児童又は幼児が安全に道路を通行することができるように努めなければならない。
高齢の歩行者、身体の障害のある歩行者その他の歩行者でその通行に支障のあるものが道路を横断し、又は横断しようとしている場合において、当該歩行者から申出があつたときその他必要があると認められるときは、警察官等その他その場所に居合わせた者は、誘導、合図その他適当な措置をとることにより、当該歩行者が安全に道路を横断することができるように努めなければならない。
遠隔操作型小型車は、遠隔操作により道路を通行する場合において、歩行者の通行を妨げることとなるときは、当該歩行者に進路を譲らなければならない。
遠隔操作型小型車(道路を通行しているものに限る。)の遠隔操作を行う者は、当該遠隔操作型小型車について遠隔操作のための装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該遠隔操作型小型車の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で通行させなければならない。
移動用小型車又は遠隔操作型小型車を道路において通行させる者は、当該移動用小型車又は遠隔操作型小型車の見やすい箇所に内閣府令で定める様式の標識を付けなければならない。
警察官等は、遠隔操作により道路を通行している遠隔操作型小型車が著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は交通の妨害となるおそれがあり、かつ、急を要すると認めるときは、道路における交通の危険を防止し、又は交通の妨害を排除するため必要な限度において、当該遠隔操作型小型車を停止させ、又は移動させることができる。
第二章の二 遠隔操作型小型車の使用者の義務
遠隔操作型小型車(遠隔操作により道路において通行させるものに限る。以下この項及び次条において同じ。)の使用者は、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項を当該遠隔操作型小型車を遠隔操作により通行させようとする場所を管轄する公安委員会に届け出なければならない。
その届け出た事項を変更しようとするときも、同様とする。
遠隔操作型小型車の使用者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
遠隔操作型小型車を遠隔操作により通行させようとする場所
遠隔操作型小型車の遠隔操作を行う場所の所在地及び連絡先並びに遠隔操作のための装置、人員その他の体制
運送される人又は物の別及び当該人又は物の運送の方法
非常停止装置の位置及び形状
遠隔操作型小型車の仕様に関する事項として内閣府令で定める事項
前項の規定による届出には、当該届出をする者に係る住民票の写し又は登記事項証明書、当該届出に係る遠隔操作型小型車の仕様を示す書面その他の内閣府令で定める書類を添付しなければならない。
公安委員会は、この章の規定の施行に必要な限度において、遠隔操作型小型車の使用者に対し、遠隔操作型小型車の遠隔操作による道路における通行に関し報告若しくは資料の提出を求め、又は警察職員に、第十五条の三第一項第三号に規定する場所その他の遠隔操作型小型車の使用者の事務所に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
前項の規定により警察職員が立ち入るときは、その身分を示す証票を携帯し、関係者に提示しなければならない。
第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
公安委員会は、遠隔操作型小型車の使用者又はその使用する者が遠隔操作型小型車の遠隔操作による道路における通行に関しこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこの法律の規定に基づく処分に違反した場合において、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要があると認めるときは、当該遠隔操作型小型車の使用者に対し、遠隔操作型小型車の遠隔操作による道路における通行に関し必要な措置をとるべきこと(措置をとるまでの間、遠隔操作型小型車の遠隔操作による道路の通行を停止させることを含む。)を指示することができる。
第三章 車両及び路面電車の交通方法
第一節 通則
道路における車両及び路面電車の交通方法については、この章の定めるところによる。
この章の規定の適用については、自動車又は原動機付自転車により他の車両を牽引する場合における当該牽引される車両は、その牽引する自動車又は原動機付自転車の一部とする。
この章の規定のうち交差点における交通に係る規定は、本線車道を通行している自動車については、適用しない。
この章の規定の適用については、自転車道が設けられている道路における自転車道と自転車道以外の車道の部分とは、それぞれ一の車道とする。
前項ただし書の場合において、車両は、歩道等に入る直前で一時停止し、かつ、歩行者の通行を妨げないようにしなければならない。
特定小型原動機付自転車(原動機付自転車のうち第二条第一項第十号ロに該当するものをいう。以下同じ。)、二輪又は三輪の自転車その他車体の大きさ及び構造が自転車道における他の車両の通行を妨げるおそれのないものとして内閣府令で定める基準に該当する車両(これらの車両で側車付きのもの及び他の車両を牽引しているものを除く。)以外の車両は、自転車道を通行してはならない。
ただし、道路外の施設又は場所に出入するためやむを得ないときは、自転車道を横断することができる。
車両は、道路(歩道等と車道の区別のある道路においては、車道。以下第九節の二までにおいて同じ。)の中央(軌道が道路の側端に寄つて設けられている場合においては当該道路の軌道敷を除いた部分の中央とし、道路標識等による中央線が設けられているときはその中央線の設けられた道路の部分を中央とする。以下同じ。)から左の部分(以下「左側部分」という。)を通行しなければならない。
車両は、次の各号に掲げる場合においては、前項の規定にかかわらず、道路の中央から右の部分(以下「右側部分」という。)にその全部又は一部をはみ出して通行することができる。
この場合において、車両は、第一号に掲げる場合を除き、そのはみ出し方ができるだけ少なくなるようにしなければならない。
当該道路が一方通行(道路における車両の通行につき一定の方向にする通行が禁止されていることをいう。以下同じ。)となつているとき。
当該道路の左側部分の幅員が当該車両の通行のため十分なものでないとき。
当該車両が道路の損壊、道路工事その他の障害のため当該道路の左側部分を通行することができないとき。
当該道路の左側部分の幅員が六メートルに満たない道路において、他の車両を追い越そうとするとき(当該道路の右側部分を見とおすことができ、かつ、反対の方向からの交通を妨げるおそれがない場合に限るものとし、道路標識等により追越しのため右側部分にはみ出して通行することが禁止されている場合を除く。)。
勾配の急な道路のまがりかど附近について、道路標識等により通行の方法が指定されている場合において、当該車両が当該指定に従い通行するとき。
車両は、安全地帯又は道路標識等により車両の通行の用に供しない部分であることが表示されているその他の道路の部分に入つてはならない。
特定小型原動機付自転車のうち、次の各号のいずれにも該当するもので、他の車両を牽引していないもの(遠隔操作により通行させることができるものを除く。以下この条及び次条において「特例特定小型原動機付自転車」という。)は、前条第一項の規定にかかわらず、道路標識等により特例特定小型原動機付自転車が歩道を通行することができることとされているときは、当該歩道を通行することができる。
ただし、警察官等が歩行者の安全を確保するため必要があると認めて当該歩道を通行してはならない旨を指示したときは、この限りでない。
歩道等を通行する間、当該特定小型原動機付自転車が歩道等を通行することができるものであることを内閣府令で定める方法により表示していること。
前号の規定による表示をしている場合においては、車体の構造上、歩道等における歩行者の通行を妨げるおそれのない速度として内閣府令で定める速度を超える速度を出すことができないものであること。
前二号に規定するもののほか、車体の構造が歩道等における歩行者の通行を妨げるおそれのないものとして内閣府令で定める基準に該当すること。
前項の場合において、特例特定小型原動機付自転車は、当該歩道の中央から車道寄りの部分(普通自転車通行指定部分があるときは、当該普通自転車通行指定部分)を徐行しなければならず、また、特例特定小型原動機付自転車の進行が歩行者の通行を妨げることとなるときは、一時停止しなければならない。
ただし、普通自転車通行指定部分については、当該普通自転車通行指定部分を通行し、又は通行しようとする歩行者がないときは、歩道の状況に応じた安全な速度と方法で進行することができる。
特例特定小型原動機付自転車及び軽車両は、第十七条第一項の規定にかかわらず、著しく歩行者の通行を妨げることとなる場合を除き、道路の左側部分に設けられた路側帯(特例特定小型原動機付自転車及び軽車両の通行を禁止することを表示する道路標示によつて区画されたものを除く。)を通行することができる。
前項の場合において、特例特定小型原動機付自転車及び軽車両は、歩行者の通行を妨げないような速度と方法で進行しなければならない。
車両は、前項の規定により歩道と車道の区別のない道路を通行する場合その他の場合において、歩行者の側方を通過するときは、これとの間に安全な間隔を保ち、又は徐行しなければならない。
軽車両は、軽車両が並進することとなる場合においては、他の軽車両と並進してはならない。
車両は、車両通行帯の設けられた道路においては、道路の左側端から数えて一番目の車両通行帯を通行しなければならない。
ただし、自動車(小型特殊自動車及び道路標識等によつて指定された自動車を除く。)は、当該道路の左側部分(当該道路が一方通行となつているときは、当該道路)に三以上の車両通行帯が設けられているときは、政令で定めるところにより、その速度に応じ、その最も右側の車両通行帯以外の車両通行帯を通行することができる。
車両は、車両通行帯の設けられた道路において、道路標識等により前項に規定する通行の区分と異なる通行の区分が指定されているときは、当該通行の区分に従い、当該車両通行帯を通行しなければならない。
車両は、追越しをするとき、第二十五条第一項若しくは第二項、第三十四条第一項から第五項まで若しくは第三十五条の二の規定により道路の左側端、中央若しくは右側端に寄るとき、第三十五条第一項の規定に従い通行するとき、第二十六条の二第三項の規定によりその通行している車両通行帯をそのまま通行するとき、第四十条第二項の規定により一時進路を譲るとき、又は道路の状況その他の事情によりやむを得ないときは、前二項の規定によらないことができる。
この場合において、追越しをするときは、その通行している車両通行帯の直近の右側の車両通行帯を通行しなければならない。
道路運送法第九条第一項に規定する一般乗合旅客自動車運送事業者による同法第五条第一項第三号に規定する路線定期運行の用に供する自動車その他の政令で定める自動車(以下この条において「路線バス等」という。)の優先通行帯であることが道路標識等により表示されている車両通行帯が設けられている道路においては、自動車(路線バス等を除く。以下この条において同じ。)は、路線バス等が後方から接近してきた場合に当該道路における交通の混雑のため当該車両通行帯から出ることができないこととなるときは、当該車両通行帯を通行してはならず、また、当該車両通行帯を通行している場合において、後方から路線バス等が接近してきたときは、その正常な運行に支障を及ぼさないように、すみやかに当該車両通行帯の外に出なければならない。
ただし、この法律の他の規定により通行すべきこととされている道路の部分が当該車両通行帯であるとき、又は道路の状況その他の事情によりやむを得ないときは、この限りでない。
車両(トロリーバスを除く。以下この条及び次条第一項において同じ。)は、左折し、右折し、横断し、若しくは転回するため軌道敷を横切る場合又は危険防止のためやむを得ない場合を除き、軌道敷内を通行してはならない。
当該道路の左側部分から軌道敷を除いた部分の幅員が当該車両の通行のため十分なものでないとき。
当該車両が、道路の損壊、道路工事その他の障害のため当該道路の左側部分から軌道敷を除いた部分を通行することができないとき。
道路標識等により軌道敷内を通行することができることとされている自動車が通行するとき。
軌道敷内を通行する車両は、後方から路面電車が接近してきたときは、当該路面電車の正常な運行に支障を及ぼさないように、すみやかに軌道敷外に出るか、又は当該路面電車から必要な距離を保つようにしなければならない。
第二節 速度
車両は、道路標識等によりその最高速度が指定されている道路においてはその最高速度を、その他の道路においては政令で定める最高速度をこえる速度で進行してはならない。
路面電車又はトロリーバスは、軌道法(大正十年法律第七十六号)第十四条(同法第三十一条において準用する場合を含む。第六十二条において同じ。)の規定に基づく命令で定める最高速度をこえない範囲内で道路標識等によりその最高速度が指定されている道路においてはその最高速度を、その他の道路においては当該命令で定める最高速度をこえる速度で進行してはならない。
車両の運転者が前条の規定に違反する行為(以下この条及び第七十五条の二第一項において「最高速度違反行為」という。)を当該車両の使用者(当該車両の運転者であるものを除く。以下この条において同じ。)の業務に関してした場合において、当該最高速度違反行為に係る車両の使用者が当該車両につき最高速度違反行為を防止するため必要な運行の管理を行つていると認められないときは、当該車両の使用の本拠の位置を管轄する公安委員会は、当該車両の使用者に対し、最高速度違反行為となる運転が行われることのないよう運転者に指導し又は助言することその他最高速度違反行為を防止するため必要な措置をとることを指示することができる。
前項の規定による指示に係る車両の使用者が道路運送法の規定による自動車運送事業者、貨物利用運送事業法(平成元年法律第八十二号)の規定による第二種貨物利用運送事業を経営する者又は軌道法の規定による軌道経営者(トロリーバスを運行するものに限る。)である場合における当該指示は、公安委員会が当該事業を監督する行政庁とあらかじめ協議して定めたところによつてしなければならない。
自動車は、道路標識等によりその最低速度が指定されている道路(第七十五条の四に規定する高速自動車国道の本線車道を除く。)においては、法令の規定により速度を減ずる場合及び危険を防止するためやむを得ない場合を除き、その最低速度に達しない速度で進行してはならない。
車両等の運転者は、危険を防止するためやむを得ない場合を除き、その車両等を急に停止させ、又はその速度を急激に減ずることとなるような急ブレーキをかけてはならない。
第三節 横断等
車両は、道路外に出るため左折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、徐行しなければならない。
車両(特定小型原動機付自転車等及びトロリーバスを除く。)は、道路外に出るため右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の中央(当該道路が一方通行となつているときは、当該道路の右側端)に寄り、かつ、徐行しなければならない。
道路外に出るため左折又は右折をしようとする車両が、前二項の規定により、それぞれ道路の左側端、中央又は右側端に寄ろうとして手又は方向指示器による合図をした場合においては、その後方にある車両は、その速度又は方向を急に変更しなければならないこととなる場合を除き、当該合図をした車両の進路の変更を妨げてはならない。
車両は、歩行者又は他の車両等の正常な交通を妨害するおそれがあるときは、道路外の施設若しくは場所に出入するための左折若しくは右折をし、横断し、転回し、又は後退してはならない。
車両は、道路標識等により横断、転回又は後退が禁止されている道路の部分においては、当該禁止された行為をしてはならない。
第四節 追越し等
車両等は、同一の進路を進行している他の車両等の直後を進行するときは、その直前の車両等が急に停止したときにおいてもこれに追突するのを避けることができるため必要な距離を、これから保たなければならない。
車両は、みだりにその進路を変更してはならない。
車両は、進路を変更した場合にその変更した後の進路と同一の進路を後方から進行してくる車両等の速度又は方向を急に変更させることとなるおそれがあるときは、進路を変更してはならない。
車両(道路運送法第九条第一項に規定する一般乗合旅客自動車運送事業者による同法第五条第一項第三号に規定する路線定期運行又は同法第三条第二号に掲げる特定旅客自動車運送事業の用に供する自動車(以下「乗合自動車」という。)及びトロリーバスを除く。)は、第二十二条第一項の規定に基づく政令で定める最高速度(以下この条において「最高速度」という。)が高い車両に追いつかれたときは、その追いついた車両が当該車両の追越しを終わるまで速度を増してはならない。
最高速度が同じであるか又は低い車両に追いつかれ、かつ、その追いついた車両の速度よりもおそい速度で引き続き進行しようとするときも、同様とする。
車両(乗合自動車及びトロリーバスを除く。)は、車両通行帯の設けられた道路を通行する場合を除き、最高速度が高い車両に追いつかれ、かつ、道路の中央(当該道路が一方通行となつているときは、当該道路の右側端。以下この項において同じ。)との間にその追いついた車両が通行するのに十分な余地がない場合においては、第十八条第一項の規定にかかわらず、できる限り道路の左側端に寄つてこれに進路を譲らなければならない。
最高速度が同じであるか又は低い車両に追いつかれ、かつ、道路の中央との間にその追いついた車両が通行するのに十分な余地がない場合において、その追いついた車両の速度よりもおそい速度で引き続き進行しようとするときも、同様とする。
車両は、他の車両を追い越そうとするときは、その追い越されようとする車両(以下この節において「前車」という。)の右側を通行しなければならない。
車両は、路面電車を追い越そうとするときは、当該車両が追いついた路面電車の左側を通行しなければならない。
ただし、軌道が道路の左側端に寄つて設けられているときは、この限りでない。
後車は、前車が他の自動車又はトロリーバスを追い越そうとしているときは、追越しを始めてはならない。
車両は、道路標識等により追越しが禁止されている道路の部分及び次に掲げるその他の道路の部分においては、他の車両(特定小型原動機付自転車等を除く。)を追い越すため、進路を変更し、又は前車の側方を通過してはならない。
道路の曲がり角付近、上り坂の頂上付近又は勾配の急な下り坂
トンネル(車両通行帯の設けられた道路以外の道路の部分に限る。)
交差点(当該車両が第三十六条第二項に規定する優先道路を通行している場合における当該優先道路にある交差点を除く。)、踏切、横断歩道又は自転車横断帯及びこれらの手前の側端から前に三十メートル以内の部分
車両は、乗客の乗降のため停車中の路面電車に追いついたときは、当該路面電車の乗客が乗降を終わり、又は当該路面電車から降りた者で当該車両の前方において当該路面電車の左側を横断し、若しくは横断しようとしているものがいなくなるまで、当該路面電車の後方で停止しなければならない。
ただし、路面電車に乗降する者の安全を図るため設けられた安全地帯があるとき、又は当該路面電車に乗降する者がいない場合において当該路面電車の左側に当該路面電車から一・五メートル以上の間隔を保つことができるときは、徐行して当該路面電車の左側を通過することができる。
停留所において乗客の乗降のため停車していた乗合自動車が発進するため進路を変更しようとして手又は方向指示器により合図をした場合においては、その後方にある車両は、その速度又は方向を急に変更しなければならないこととなる場合を除き、当該合図をした乗合自動車の進路の変更を妨げてはならない。
車両は、法令の規定若しくは警察官の命令により、又は危険を防止するため、停止し、若しくは停止しようとして徐行している車両等又はこれらに続いて停止し、若しくは徐行している車両等に追いついたときは、その前方にある車両等の側方を通過して当該車両等の前方に割り込み、又はその前方を横切つてはならない。
第五節 踏切の通過
車両等は、踏切を通過しようとするときは、踏切の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ。)で停止し、かつ、安全であることを確認した後でなければ進行してはならない。
ただし、信号機の表示する信号に従うときは、踏切の直前で停止しないで進行することができる。
車両等は、踏切を通過しようとする場合において、踏切の遮断機が閉じようとし、若しくは閉じている間又は踏切の警報機が警報している間は、当該踏切に入つてはならない。
車両等の運転者は、故障その他の理由により踏切において当該車両等を運転することができなくなつたときは、直ちに非常信号を行う等踏切に故障その他の理由により停止している車両等があることを鉄道若しくは軌道の係員又は警察官に知らせるための措置を講ずるとともに、当該車両等を踏切以外の場所に移動するため必要な措置を講じなければならない。
第六節 交差点における通行方法等
車両は、左折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、できる限り道路の左側端に沿つて(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分を通行して)徐行しなければならない。
自動車、一般原動機付自転車又はトロリーバスは、右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の中央に寄り、かつ、交差点の中心の直近の内側(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分)を徐行しなければならない。
特定小型原動機付自転車等は、右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、交差点の側端に沿つて徐行しなければならない。
自動車、一般原動機付自転車又はトロリーバスは、一方通行となつている道路において右折するときは、第二項の規定にかかわらず、あらかじめその前からできる限り道路の右側端に寄り、かつ、交差点の中心の内側(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分)を徐行しなければならない。
一般原動機付自転車は、第二項及び前項の規定にかかわらず、道路標識等により交通整理の行われている交差点における一般原動機付自転車の右折につき交差点の側端に沿つて通行すべきことが指定されている道路及び道路の左側部分(一方通行となつている道路にあつては、道路)に車両通行帯が三以上設けられているその他の道路(以下この項において「多通行帯道路」という。)において右折するとき(交通整理の行われている交差点において右折する場合に限る。)は、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、交差点の側端に沿つて徐行しなければならない。
ただし、多通行帯道路において、交通整理の行われている交差点における一般原動機付自転車の右折につきあらかじめ道路の中央又は右側端に寄るべきことが道路標識等により指定されているときは、この限りでない。
左折又は右折しようとする車両が、前各項の規定により、それぞれ道路の左側端、中央又は右側端に寄ろうとして手又は方向指示器による合図をした場合においては、その後方にある車両は、その速度又は方向を急に変更しなければならないこととなる場合を除き、当該合図をした車両の進路の変更を妨げてはならない。
車両は、環状交差点において左折し、又は右折するときは、第三十四条第一項から第五項までの規定にかかわらず、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、できる限り環状交差点の側端に沿つて(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分を通行して)徐行しなければならない。
車両は、環状交差点において直進し、又は転回するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、できる限り環状交差点の側端に沿つて(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分を通行して)徐行しなければならない。
車両である場合
その通行している道路と交差する道路(以下「交差道路」という。)を左方から進行してくる車両及び交差道路を通行する路面電車
路面電車である場合
交差道路を左方から進行してくる路面電車
車両等は、交通整理の行なわれていない交差点においては、その通行している道路が優先道路(道路標識等により優先道路として指定されているもの及び当該交差点において当該道路における車両の通行を規制する道路標識等による中央線又は車両通行帯が設けられている道路をいう。以下同じ。)である場合を除き、交差道路が優先道路であるとき、又はその通行している道路の幅員よりも交差道路の幅員が明らかに広いものであるときは、当該交差道路を通行する車両等の進行妨害をしてはならない。
車両等(優先道路を通行している車両等を除く。)は、交通整理の行なわれていない交差点に入ろうとする場合において、交差道路が優先道路であるとき、又はその通行している道路の幅員よりも交差道路の幅員が明らかに広いものであるときは、徐行しなければならない。
車両等は、交差点に入ろうとし、及び交差点内を通行するときは、当該交差点の状況に応じ、交差道路を通行する車両等、反対方向から進行してきて右折する車両等及び当該交差点又はその直近で道路を横断する歩行者に特に注意し、かつ、できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない。
車両等は、交差点で右折する場合において、当該交差点において直進し、又は左折しようとする車両等があるときは、当該車両等の進行妨害をしてはならない。
車両等は、環状交差点に入ろうとするときは、第三十六条第三項の規定にかかわらず、徐行しなければならない。
車両等は、環状交差点に入ろうとし、及び環状交差点内を通行するときは、第三十六条第四項の規定にかかわらず、当該環状交差点の状況に応じ、当該環状交差点に入ろうとする車両等、当該環状交差点内を通行する車両等及び当該環状交差点又はその直近で道路を横断する歩行者に特に注意し、かつ、できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない。
第六節の二 横断歩行者等の保護のための通行方法
車両等は、横断歩道又は自転車横断帯(以下この条において「横断歩道等」という。)に接近する場合には、当該横断歩道等を通過する際に当該横断歩道等によりその進路の前方を横断しようとする歩行者又は自転車(以下この条において「歩行者等」という。)がないことが明らかな場合を除き、当該横断歩道等の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ。)で停止することができるような速度で進行しなければならない。
この場合において、横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。
車両等は、横断歩道等(当該車両等が通過する際に信号機の表示する信号又は警察官等の手信号等により当該横断歩道等による歩行者等の横断が禁止されているものを除く。次項において同じ。)又はその手前の直前で停止している車両等がある場合において、当該停止している車両等の側方を通過してその前方に出ようとするときは、その前方に出る前に一時停止しなければならない。
車両等は、横断歩道等及びその手前の側端から前に三十メートル以内の道路の部分においては、第三十条第三号の規定に該当する場合のほか、その前方を進行している他の車両等(特定小型原動機付自転車等を除く。)の側方を通過してその前方に出てはならない。
車両等は、交差点又はその直近で横断歩道の設けられていない場所において歩行者が道路を横断しているときは、その歩行者の通行を妨げてはならない。
第七節 緊急自動車等
交差点又はその附近において、緊急自動車が接近してきたときは、路面電車は交差点を避けて、車両(緊急自動車を除く。以下この条において同じ。)は交差点を避け、かつ、道路の左側(一方通行となつている道路においてその左側に寄ることが緊急自動車の通行を妨げることとなる場合にあつては、道路の右側。次項において同じ。)に寄つて一時停止しなければならない。
前項以外の場所において、緊急自動車が接近してきたときは、車両は、道路の左側に寄つて、これに進路を譲らなければならない。
もつぱら交通の取締りに従事する自動車で内閣府令で定めるものについては、第十八条第一項、第二十条第一項及び第二項、第二十条の二並びに第二十五条の二第二項の規定は、適用しない。
交差点又はその付近において、消防用車両(消防用自動車以外の消防の用に供する車両で、消防用務のため、政令で定めるところにより、運転中のものをいう。以下この条及び第七十五条の二十二第二項において同じ。)が接近してきたときは、車両等(車両にあつては、緊急自動車及び消防用車両を除く。)は、交差点を避けて一時停止しなければならない。
前項以外の場所において、消防用車両が接近してきたときは、車両(緊急自動車及び消防用車両を除く。)は、当該消防用車両の通行を妨げてはならない。
第三十九条の規定は、消防用車両について準用する。
第八節 徐行及び一時停止
車両等は、道路標識等により徐行すべきことが指定されている道路の部分を通行する場合及び次に掲げるその他の場合においては、徐行しなければならない。
左右の見とおしがきかない交差点に入ろうとし、又は交差点内で左右の見とおしがきかない部分を通行しようとするとき(当該交差点において交通整理が行なわれている場合及び優先道路を通行している場合を除く。)。
道路のまがりかど附近、上り坂の頂上附近又は勾配の急な下り坂を通行するとき。
車両等は、交通整理が行なわれていない交差点又はその手前の直近において、道路標識等により一時停止すべきことが指定されているときは、道路標識等による停止線の直前(道路標識等による停止線が設けられていない場合にあつては、交差点の直前)で一時停止しなければならない。
この場合において、当該車両等は、第三十六条第二項の規定に該当する場合のほか、交差道路を通行する車両等の進行妨害をしてはならない。
第九節 停車及び駐車
車両は、道路標識等により停車及び駐車が禁止されている道路の部分及び次に掲げるその他の道路の部分においては、法令の規定若しくは警察官の命令により、又は危険を防止するため一時停止する場合のほか、停車し、又は駐車してはならない。
交差点、横断歩道、自転車横断帯、踏切、軌道敷内、坂の頂上付近、勾配の急な坂又はトンネル
交差点の側端又は道路の曲がり角から五メートル以内の部分
横断歩道又は自転車横断帯の前後の側端からそれぞれ前後に五メートル以内の部分
安全地帯が設けられている道路の当該安全地帯の左側の部分及び当該部分の前後の側端からそれぞれ前後に十メートル以内の部分
乗合自動車の停留所又はトロリーバス若しくは路面電車の停留場を表示する標示柱又は標示板が設けられている位置から十メートル以内の部分(当該停留所又は停留場に係る運行系統に属する乗合自動車、トロリーバス又は路面電車の運行時間中に限る。)
踏切の前後の側端からそれぞれ前後に十メートル以内の部分
前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
乗合自動車又はトロリーバスが、その属する運行系統に係る停留所又は停留場において、乗客の乗降のため停車するとき、又は運行時間を調整するため駐車するとき。
旅客の運送の用に供する自動車(乗合自動車を除く。第四十九条の三第一項において同じ。)が、乗合自動車の停留所又はトロリーバス若しくは路面電車の停留場において、乗客の乗降のため停車するとき、又は運行時間を調整するため駐車するとき(当該停留所又は停留場における停車又は駐車であつて、地域住民の生活に必要な旅客輸送を確保するために有用であり、かつ、道路又は交通の状況により支障がないことについて、内閣府令で定めるところにより、道路運送法第九条第一項に規定する一般乗合旅客自動車運送事業者、公安委員会その他の当該停車又は駐車に関係のある者として内閣府令で定める者が合意し、その旨を公安委員会が公示したものをする場合に限る。)。
車両は、道路標識等により駐車が禁止されている道路の部分及び次に掲げるその他の道路の部分においては、駐車してはならない。
ただし、公安委員会の定めるところにより警察署長の許可を受けたときは、この限りでない。
人の乗降、貨物の積卸し、駐車又は自動車の格納若しくは修理のため道路外に設けられた施設又は場所の道路に接する自動車用の出入口から三メートル以内の部分
道路工事が行なわれている場合における当該工事区域の側端から五メートル以内の部分
消防用機械器具の置場若しくは消防用防火水槽の側端又はこれらの道路に接する出入口から五メートル以内の部分
消火栓、指定消防水利の標識が設けられている位置又は消防用防火水槽の吸水口若しくは吸管投入孔から五メートル以内の部分
火災報知機から一メートル以内の部分
公安委員会が交通がひんぱんでないと認めて指定した区域においては、前項本文の規定は、適用しない。
次の各号のいずれかに該当する者(以下この項及び次項において「高齢運転者等」という。)が運転する普通自動車(当該高齢運転者等が内閣府令で定めるところによりその者の住所地を管轄する公安委員会に届出をしたものに限る。)であつて、当該高齢運転者等が同項の規定により交付を受けた高齢運転者等標章をその停車又は駐車をしている間前面の見やすい箇所に掲示したもの(以下「高齢運転者等標章自動車」という。)は、第四十四条第一項の規定による停車及び駐車を禁止する道路の部分又は前条第一項の規定による駐車を禁止する道路の部分の全部又は一部について、道路標識等により停車又は駐車をすることができることとされているときは、これらの規定にかかわらず、停車し、又は駐車することができる。
第七十一条の五第三項に規定する普通自動車対応免許(以下この条において単に「普通自動車対応免許」という。)を受けた者で七十歳以上のもの
第七十一条の六第二項又は第三項に規定する者
前二号に掲げるもののほか、普通自動車対応免許を受けた者で、妊娠その他の事由により身体の機能に制限があることからその者の運転する普通自動車が停車又は駐車をすることができる場所について特に配慮する必要があるものとして政令で定めるもの
公安委員会は、高齢運転者等に対し、その申請により、その者が前項の届出に係る普通自動車の運転をする高齢運転者等であることを示す高齢運転者等標章を交付するものとする。
高齢運転者等標章の交付を受けた者は、当該高齢運転者等標章を亡失し、滅失し、汚損し、又は破損したときは、その者の住所地を管轄する公安委員会に高齢運転者等標章の再交付を申請することができる。
高齢運転者等標章の交付を受けた者は、普通自動車対応免許が取り消され、又は失効したとき、第一項第三号に規定する事由がなくなつたときその他内閣府令で定める事由が生じたときは、速やかに、当該高齢運転者等標章をその者の住所地を管轄する公安委員会に返納しなければならない。
前三項に定めるもののほか、高齢運転者等標章について必要な事項は、内閣府令で定める。
車両は、人の乗降又は貨物の積卸しのため停車するときは、できる限り道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。
車両は、駐車するときは、道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。
車両は、車道の左側端に接して路側帯(当該路側帯における停車及び駐車を禁止することを表示する道路標示によつて区画されたもの及び政令で定めるものを除く。)が設けられている場所において、停車し、又は駐車するときは、前二項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、当該路側帯に入り、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。
車両は、道路標識等により停車又は駐車の方法が指定されているときは、前条の規定にかかわらず、当該方法によつて停車し、又は駐車しなければならない。
公安委員会は、時間を限つて同一の車両が引き続き駐車することができる道路の区間であることが道路標識等により指定されている道路の区間(以下「時間制限駐車区間」という。)について、当該時間制限駐車区間における駐車の適正を確保するため、パーキング・メーター(内閣府令で定める機能を有するものに限る。以下同じ。)又はパーキング・チケット(内閣府令で定める様式の標章であつて、発給を受けた時刻その他内閣府令で定める事項を表示するものをいう。以下同じ。)を発給するための設備で内閣府令で定める機能を有するもの(以下「パーキング・チケット発給設備」という。)を設置し、及び管理するものとする。
前項に定めるもののほか、公安委員会は、時間制限駐車区間において駐車しようとする車両の運転者に対する情報の提供、時間制限駐車区間において駐車する車両の整理その他時間制限駐車区間における駐車の適正を確保するために必要な措置を講じなければならない。
公安委員会は、時間制限駐車区間を、時間を限つて同一の高齢運転者等標章自動車に限り引き続き駐車することができる道路の区間として指定することができる。
この場合において、公安委員会は、前条第一項の道路標識等にその旨を表示するものとする。
時間制限駐車区間における車両の駐車(第四十四条第二項各号に掲げる場合における当該乗合自動車若しくはトロリーバス又は当該旅客の運送の用に供する自動車の駐車を除く。次条において同じ。)については、第四十四条から第四十八条までの規定にかかわらず、この条から第四十九条の五までに定めるところによる。
車両は、時間制限駐車区間においては、駐車につき道路標識等により指定されている道路の部分及び方法でなければ、駐車してはならない。
高齢運転者等専用時間制限駐車区間においては、高齢運転者等標章自動車以外の車両は、駐車をしてはならない。
警察署長が公安委員会の定めるところにより時間制限駐車区間における車両の駐車につき駐車することができる場所及び駐車の方法並びに駐車を開始することができる時刻及び駐車を終了すべき時刻を指定して許可をした場合において、当該許可に係る車両が、指定された場所及び方法で、指定された駐車を開始することができる時刻から駐車を終了すべき時刻までの間において駐車を開始したときは、当該車両及びその運転者については、前二条(第四十九条の三第一項を除く。)の規定は、適用しない。
この場合において、当該車両は、当該指定された駐車を終了すべき時刻を過ぎて引き続き駐車してはならない。
車両は、第四十九条の三第三項の道路標識等により車両が駐車することができる道路の部分として指定されている時間制限駐車区間の第四十四条第一項各号に掲げる道路の部分においては、同項の規定にかかわらず、停車することができる。
時間制限駐車区間に駐車場法(昭和三十二年法律第百六号)第五条第一項の規定により同法第二条第一号に規定する路上駐車場(以下この条及び第百十条の二において「路上駐車場」という。)が設置されている場合における当該路上駐車場に係る道路の部分については、第四十九条の規定は適用しない。
時間制限駐車区間に設置されている路上駐車場に係る道路の部分のうち、駐車場法第六条第一項に規定する路上駐車場管理者によりパーキング・メーター又はパーキング・チケット発給設備が設置されているものについては、当該パーキング・メーター又はパーキング・チケット発給設備を第四十九条第一項のパーキング・メーター又はパーキング・チケット発給設備とみなして、第四十九条の三の規定を適用する。
時間制限駐車区間に設置されている路上駐車場に係る道路の部分のうち、パーキング・メーター又はパーキング・チケット発給設備が設置されていないものについては、第四十九条の三から第四十九条の五までの規定は適用しない。
交通整理の行なわれている交差点に入ろうとする車両等は、その進行しようとする進路の前方の車両等の状況により、交差点(交差点内に道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線をこえた部分。以下この項において同じ。)に入つた場合においては当該交差点内で停止することとなり、よつて交差道路における車両等の通行の妨害となるおそれがあるときは、当該交差点に入つてはならない。
車両等は、その進行しようとする進路の前方の車両等の状況により、横断歩道、自転車横断帯、踏切又は道路標示によつて区画された部分に入つた場合においてはその部分で停止することとなるおそれがあるときは、これらの部分に入つてはならない。
第九節の二 違法停車及び違法駐車に対する措置
車両が第四十四条第一項、第四十五条第一項若しくは第二項、第四十七条第二項若しくは第三項、第四十八条、第四十九条の三第二項若しくは第三項、第四十九条の四若しくは第四十九条の五後段の規定に違反して駐車していると認められるとき、又は第四十九条第一項のパーキング・チケット発給設備を設置する時間制限駐車区間において駐車している場合において当該車両に当該パーキング・チケット発給設備により発給を受けたパーキング・チケットが掲示されておらず、かつ、第四十九条の三第四項の規定に違反していると認められるとき(第五十一条の四第一項及び第七十五条の二十二第三項において「違法駐車と認められる場合」と総称する。)は、警察官等は、当該車両の運転者その他当該車両の管理について責任がある者(以下この条において「運転者等」という。)に対し、当該車両の駐車の方法を変更し、若しくは当該車両を当該駐車が禁止されている場所から移動すべきこと又は当該車両を当該時間制限駐車区間の当該車両が駐車している場所から移動すべきことを命ずることができる。
車両の故障その他の理由により当該車両の運転者等が直ちに前項の規定による命令に従うことが困難であると認められるときは、警察官等は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要な限度において、当該車両の駐車の方法を変更し、又は当該車両を移動することができる。
前項の規定により車両の移動をしようとする場合において、当該車両が駐車している場所からの距離が五十メートルを超えない範囲の地域内の道路上に当該車両を移動する場所がないときは、警察官等は、当該車両が駐車している場所を管轄する警察署長にその旨を報告しなければならない。
警察署長は、前項の規定により車両を移動したときは、当該車両を保管しなければならない。
この場合において、警察署長は、車両の保管の場所の形状、管理の態様等に応じ、当該車両に係る盗難等の事故の発生を防止するため、警察署長が当該車両を保管している旨の表示、車輪止め装置の取付けその他の必要な措置を講じなければならない。
警察署長は、前項の規定により車両を保管したときは、当該車両の使用者に対し、保管を始めた日時及び保管の場所並びに当該車両を速やかに引き取るべき旨を告知しなければならない。
警察署長は、前項の場合において、当該車両の所有者の氏名及び住所を知ることができないときは、政令で定めるところにより、当該車両の保管の場所その他の政令で定める事項を公示しなければならない。
警察署長は、前項の規定による公示をしたときは、内閣府令で定めるところにより、当該公示の日付及び内容をインターネットの利用その他の方法により公表するものとする。
第十二項の規定により売却した代金は、売却に要した費用に充てることができる。
第二項、第三項又は第五項から第十一項までの規定による車両の移動、車両の保管、公示その他の措置に要した費用は、当該車両の運転者等又は使用者若しくは所有者(以下この条及び次条において「使用者等」という。)の負担とする。
警察署長は、前項の規定により納付を命ぜられた者が納付の期限を経過しても負担金を納付しないときは、督促状によつて納付すべき期限を指定して督促しなければならない。
この場合において、警察署長は、負担金につき年十四・五パーセントの割合により計算した額の範囲内の延滞金及び督促に要した手数料を徴収することができる。
納付され、又は徴収された負担金等は、当該警察署の属する都道府県の収入とする。
第六項、第七項及び第九項から第二十項までの規定は、第六項の規定により保管した車両に積載物があつた場合における当該積載物について準用する。
この場合において、第七項中「使用者」とあるのは「所有者、占有者その他当該積載物について権原を有する者(以下この条において「所有者等」という。)」と、第九項中「前項」とあるのは「第二十二項において読み替えて準用する第七項」と、「知ることができない」とあるのは「知ることができず、かつ、当該積載物の所有者以外の者に当該積載物を返還することが困難であると認められる」と、第十一項中「第七項から前項まで」とあるのは「第二十二項において読み替えて準用する第七項及び前二項」と、第十二項中「第八項の規定による告知の日又は」とあるのは「腐敗し、若しくは変質するおそれがあるとき、又は第二十二項において読み替えて準用する第七項の規定による当該積載物の所有者に対する告知の日若しくは」と、「費用」とあるのは「費用若しくは手数」と、第十五項中「第二項、第三項又は第五項から第十一項までの規定による車両の移動、」とあるのは「第二十二項において準用する第六項、第七項又は第九項から第十一項までの規定による」と、「運転者等又は使用者若しくは所有者(以下この条及び次条において「使用者等」という。)」とあるのは「所有者等」と、第十六項中「運転者等又は使用者等」とあるのは「所有者等」と、第二十項中「第八項の規定による」とあるのは「第二十二項において読み替えて準用する第七項の規定による当該積載物の所有者に対する」と読み替えるものとする。
警察署長は、警察官等に、違法駐車と認められる場合における車両(軽車両にあつては、牽引されるための構造及び装置を有し、かつ、車両総重量(道路運送車両法第四十条第三号の車両総重量をいう。)が七百五十キログラムを超えるもの(以下「重被牽引車」という。)に限る。以下この条において同じ。)であつて、その運転者がこれを離れて直ちに運転することができない状態にあるもの(以下「放置車両」という。)の確認をさせ、内閣府令で定めるところにより、当該確認をした旨及び当該車両に係る違法駐車行為(違法駐車と認められる場合に係る車両の運転者の行為をいう。第四項及び第十六項において同じ。)をした者について第四項ただし書に規定する場合に該当しないときは同項本文の規定により当該車両の使用者が放置違反金の納付を命ぜられることがある旨を告知する標章を当該車両の見やすい箇所に取り付けさせることができる。
何人も、前項の規定により車両に取り付けられた標章を破損し、若しくは汚損し、又はこれを取り除いてはならない。
ただし、当該車両の使用者、運転者その他当該車両の管理について責任がある者が取り除く場合は、この限りでない。
警察署長は、第一項の規定により車両に標章を取り付けさせたときは、当該車両の駐車に関する状況を公安委員会に報告しなければならない。
前項本文の規定による命令(以下「納付命令」という。)は、放置違反金の額並びに納付の期限及び場所を記載した文書により行うものとする。
公安委員会は、納付命令をしようとするときは、当該車両の使用者に対し、あらかじめ、次に掲げる事項を書面で通知し、相当の期間を指定して、当該事案について弁明を記載した書面(以下この項及び第九項において「弁明書」という。)及び有利な証拠を提出する機会を与えなければならない。
当該納付命令の原因となる事実
弁明書の提出先及び提出期限
放置違反金の額は、別表第一に定める金額の範囲内において、政令で定める。
第六項の規定による通知を受けた者は、弁明書の提出期限までに、政令で定めるところにより、放置違反金に相当する金額を仮に納付することができる。
納付命令は、前項の規定による仮納付をした者については、政令で定めるところにより、公示して行うことができる。
公安委員会は、納付命令を受けた者が納付の期限を経過しても放置違反金を納付しないときは、督促状によつて納付すべき期限を指定して督促しなければならない。
この場合において、公安委員会は、放置違反金につき年十四・五パーセントの割合により計算した額の範囲内の延滞金及び督促に要した手数料を徴収することができる。
納付され、又は徴収された放置違反金等は、当該公安委員会が置かれている都道府県の収入とする。
公安委員会は、納付命令をした場合において、当該納付命令の原因となつた車両に係る違法駐車行為をした者が当該違法駐車行為について第百二十八条第一項の規定による反則金の納付をしたとき、又は当該違法駐車行為に係る事件について公訴を提起され、若しくは家庭裁判所の審判に付されたときは、当該納付命令を取り消さなければならない。
公安委員会は、前項の規定により納付命令を取り消したときは、速やかに、理由を明示してその旨を当該納付命令を受けた者に通知しなければならない。
この場合において、既に当該納付命令に係る放置違反金等が納付され、又は徴収されているときは、公安委員会は、当該放置違反金等に相当する金額を還付しなければならない。
放置違反金等の徴収又は還付に関する書類の送達及び公示送達については、地方税の例による。
公安委員会は、納付命令をしたとき、第五十一条の四第十三項の規定による督促をしたとき、又は同条第十六項の規定により納付命令を取り消したときその他当該納付命令の原因となつた車両の使用者について内閣府令で定める事由が生じたときは、その旨、当該使用者の氏名及び住所、当該車両の番号標の番号その他内閣府令で定める事項を国家公安委員会に報告しなければならない。
この場合において、国家公安委員会は、放置車両に関する措置の適正を図るため、当該報告に係る事項を各公安委員会に通報するものとする。
国家公安委員会は、前項前段の規定により、督促をした旨の報告を受けたときは、当該報告に係る事項(内閣府令で定めるものに限る。)を国土交通大臣等(国土交通大臣若しくはその権限の委任を受けた地方運輸局長、運輸監理部長若しくは運輸支局長又は軽自動車検査協会(道路運送車両法第五章の二の規定により設立された軽自動車検査協会をいう。)をいう。次条及び第七十五条の十三第二項第一号において同じ。)に通知するものとする。
当該督促に係る納付命令を取り消した旨の報告を受けたときも、同様とする。
自動車検査証の返付(道路運送車両法第六十二条第二項(同法第六十七条第四項において準用する場合を含む。)又は総合特別区域法(平成二十三年法律第八十一号)第二十二条の二第三項の規定による自動車検査証の返付をいう。以下この条において同じ。)を受けようとする者は、その自動車(道路運送車両法第五十八条第一項に規定する自動車をいう。)が最後に同法第六十条第一項若しくは第七十一条第四項の規定による自動車検査証の交付又は自動車検査証の返付を受けた後に第五十一条の四第十三項の規定による督促(当該自動車が原因となつた納付命令(同条第十六項の規定により取り消されたものを除く。)に係るものに限る。)を受けたことがあるときは、国土交通大臣等に対して、当該督促に係る放置違反金等を納付したこと又はこれを徴収されたことを証する書面を提示しなければならない。
警察署長は、第五十一条の四第一項に規定する放置車両の確認及び標章の取付け(以下「放置車両の確認等」という。)に関する事務(以下「確認事務」という。)の全部又は一部を、公安委員会の登録を受けた法人に委託することができる。
次の各号のいずれかに該当する法人は、登録を受けることができない。
第五十一条の十の規定により登録を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない法人
役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。第七十五条の十四において同じ。)のうちに次のいずれかに該当する者のある法人
破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
禁錮以上の刑に処せられ、又は第百十九条の二の四第二項の罪を犯して刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者
集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者
暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第十二条若しくは第十二条の六の規定による命令又は同法第十二条の四第二項の規定による指示を受けた者であつて、当該命令又は指示を受けた日から起算して二年を経過しないもの
アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者
心身の障害により確認事務を適正に行うことができない者として国家公安委員会規則で定めるもの
公安委員会は、第二項の規定により登録を申請した法人が次に掲げる要件のすべてに適合しているときは、その登録をしなければならない。
車両、携帯電話用装置その他の携帯用の無線通話装置、地図、写真機及び電子計算機を用いて確認事務を行うものであること。
第五十一条の十二第三項の駐車監視員が放置車両の確認等を行うものであること。
当該公安委員会が置かれている都道府県の区域内に事務所を有するものであること。
登録は、登録簿に登録を受ける法人の名称、代表者の氏名、主たる事務所の所在地、登録の年月日及び登録番号を記載してするものとする。
登録は、三年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。
第二項から第五項までの規定は、前項の登録の更新について準用する。
公安委員会は、登録を受けた法人が前条第四項各号のいずれかに適合しなくなつたと認めるときは、その法人に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
公安委員会は、登録を受けた法人が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消すことができる。
第五十一条の八第三項第二号に該当するに至つたとき。
前条の規定による命令に違反したとき。
第五十一条の十二第二項から第四項までの規定に違反したとき。
偽りその他不正の手段により登録を受けたとき。
公安委員会は、第五十一条の八から前条までの規定の施行に必要な限度において、登録を受けた法人に対し、その業務又は経理の状況に関し報告をさせ、又は警察職員に、登録を受けた法人の事務所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
前項の規定により立入検査をする警察職員は、その身分を示す証票を携帯し、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
警察署長は、第五十一条の八第一項の規定により確認事務を委託したときは、その受託者(以下「放置車両確認機関」という。)の名称及び主たる事務所の所在地その他政令で定める事項を公示しなければならない。
放置車両確認機関は、公正に、かつ、第五十一条の八第四項第一号及び第二号に掲げる要件に適合する方法により確認事務を行わなければならない。
放置車両確認機関は、次条第一項の駐車監視員資格者証の交付を受けている者のうちから選任した駐車監視員以外の者に放置車両の確認等を行わせてはならない。
放置車両確認機関は、駐車監視員に制服を着用させ、又はその他の方法によりその者が駐車監視員であることを表示させ、かつ、国家公安委員会規則でその制式を定める記章を着用させなければ、その者に放置車両の確認等を行わせてはならない。
駐車監視員は、放置車両の確認等を行うときは、次条第一項の駐車監視員資格者証を携帯し、警察官等から提示を求められたときは、これを提示しなければならない。
放置車両確認機関の役員若しくは職員(駐車監視員を含む。次項において同じ。)又はこれらの職にあつた者は、確認事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
確認事務に従事する放置車両確認機関の役員又は職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用に関しては、法令により公務に従事する職員とみなす。
第五十一条の八第一項の規定により確認事務を委託した場合における第五十一条の四第一項の規定の適用については、同項中「警察官等」とあるのは、「警察官等又は第五十一条の十二第一項の放置車両確認機関」とする。
公安委員会は、次の各号のいずれにも該当する者に対し、駐車監視員資格者証を交付する。
次のいずれかに該当する者
公安委員会が国家公安委員会規則で定めるところにより放置車両の確認等に関する技能及び知識に関して行う講習を受け、その課程を修了した者
公安委員会が国家公安委員会規則で定めるところにより放置車両の確認等に関しイに掲げる者と同等以上の技能及び知識を有すると認める者
公安委員会は、駐車監視員資格者証の交付を受けた者が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、その者に係る駐車監視員資格者証の返納を命ずることができる。
第五十一条の八第三項第二号イからヘまでのいずれかに該当するに至つたとき。
偽りその他不正の手段により駐車監視員資格者証の交付を受けたとき。
前条第五項の規定に違反し、又は放置車両の確認等に関し不正な行為をし、その情状が駐車監視員として不適当であると認められるとき。
第五十一条の八から前条までに定めるもののほか、確認事務の委託の手続及び駐車監視員資格者証に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。
公安委員会は、第五十一条の四に規定する放置違反金に関する事務(確認事務、納付命令、督促及び滞納処分を除く。)の全部又は一部を会社その他の法人に委託することができる。
前項の規定により公安委員会から事務の委託を受けた法人の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、当該事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
第十節 灯火及び合図
車両等は、夜間(日没時から日出時までの時間をいう。以下この条及び第六十三条の九第二項において同じ。)、道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない。
政令で定める場合においては、夜間以外の時間にあつても、同様とする。
車両等が、夜間(前項後段の場合を含む。)、他の車両等と行き違う場合又は他の車両等の直後を進行する場合において、他の車両等の交通を妨げるおそれがあるときは、車両等の運転者は、政令で定めるところにより、灯火を消し、灯火の光度を減ずる等灯火を操作しなければならない。
車両等(自転車以外の軽車両を除く。以下この条において同じ。)の運転者は、次の各号に掲げる場合においては、警音器を鳴らさなければならない。
左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上で道路標識等により指定された場所を通行しようとするとき。
山地部の道路その他曲折が多い道路について道路標識等により指定された区間における左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上を通行しようとするとき。
車両等の運転者は、法令の規定により警音器を鳴らさなければならないこととされている場合を除き、警音器を鳴らしてはならない。
ただし、危険を防止するためやむを得ないときは、この限りでない。
第十一節 乗車、積載及び牽引
車両の運転者は、運転者の視野若しくはハンドルその他の装置の操作を妨げ、後写鏡の効用を失わせ、車両の安定を害し、又は外部から当該車両の方向指示器、車両の番号標、制動灯、尾灯若しくは後部反射器を確認することができないこととなるような乗車をさせ、又は積載をして車両を運転してはならない。
車両に乗車する者は、当該車両の運転者が前二項の規定に違反することとなるような方法で乗車をしてはならない。
貨物自動車の運転者は、出発地警察署長が道路又は交通の状況により支障がないと認めて人員を限つて許可をしたときは、前条第一項の規定にかかわらず、当該許可に係る人員の範囲内で当該貨物自動車の荷台に乗車させて貨物自動車を運転することができる。
車両(軽車両を除く。以下この項及び第五十八条の二から第五十八条の五までにおいて同じ。)の運転者は、当該車両について政令で定める乗車人員又は積載物の重量、大きさ若しくは積載の方法(以下この条において「積載重量等」という。)の制限を超えて乗車をさせ、又は積載をして車両を運転してはならない。
ただし、第五十五条第一項ただし書の規定により、又は前条第二項の規定による許可を受けて貨物自動車の荷台に乗車させる場合にあつては、当該制限を超える乗車をさせて運転することができる。
公安委員会は、道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要があると認めるときは、軽車両の乗車人員又は積載重量等の制限について定めることができる。
警察官は、第五十七条第一項の積載物の重量の制限を超える積載をしていると認められる車両が運転されているときは、当該車両を停止させ、並びに当該車両の運転者に対し、自動車検査証(道路運送車両法第六十条の自動車検査証をいう。第六十三条第一項において同じ。)その他政令で定める書類の提示を求め、及び当該車両の積載物の重量を測定することができる。
警察官は、前項の規定による命令によつては車両に係る積載が過積載とならないようにすることができないと認められる場合において、当該車両に係る過積載の程度及び道路又は交通の状況を勘案して当該車両を警察官が指示した事項を遵守して運転させることに支障がないと認めるときは、当該車両の運転者に対し、第五十七条第一項の規定にかかわらず、車両の通行の区間及び経路、道路における危険を防止するためにとるべき必要な措置その他の事項であつて警察官が指示したものを遵守して当該車両を運転し、及び当該車両に係る積載が過積載とならないようにするため必要な措置をとることを命ずることができる。
この場合において、警察官は、当該車両の運転者に対し、通行指示書を交付しなければならない。
自動車の運転者は、牽引するための構造及び装置を有する自動車によつて牽引されるための構造及び装置を有する車両を牽引する場合を除き、他の車両を牽引してはならない。
ただし、故障その他の理由により自動車を牽引することがやむを得ない場合において、政令で定めるところにより当該自動車を牽引するときは、この限りでない。
自動車の運転者は、他の車両を牽引する場合においては、大型自動二輪車、普通自動二輪車又は小型特殊自動車によつて牽引するときは一台を超える車両を、その他の自動車によつて牽引するときは二台を超える車両を牽引してはならず、また、牽引する自動車の前端から牽引される車両の後端(牽引される車両が二台のときは二台目の車両の後端)までの長さが二十五メートルを超えることとなるときは、牽引をしてはならない。
ただし、公安委員会が当該自動車について、道路を指定し、又は時間を限つて牽引の許可をしたときは、この限りでない。
前項ただし書の規定による許可をしたときは、公安委員会は、許可証を交付しなければならない。
前項の規定により許可証の交付を受けた自動車の運転者は、当該許可に係る牽引中、当該許可証を携帯していなければならない。
公安委員会は、道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要があると認めるときは、自動車以外の車両によつてする牽引の制限について定めることができる。
警察官は、第五十八条の三第一項及び第二項の規定による場合のほか、車両等の乗車、積載又は牽引について危険を防止するため特に必要があると認めるときは、当該車両等を停止させ、及び当該車両等の運転者に対し、危険を防止するため必要な応急の措置をとることを命ずることができる。
第十二節 整備不良車両の運転の禁止等
車両等の使用者その他車両等の装置の整備について責任を有する者又は運転者は、その装置が道路運送車両法第三章若しくはこれに基づく命令の規定(同法の規定が適用されない自衛隊の使用する自動車については、自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第百十四条第二項の規定による防衛大臣の定め。以下同じ。)又は軌道法第十四条若しくはこれに基づく命令の規定に定めるところに適合しないため交通の危険を生じさせ、又は他人に迷惑を及ぼすおそれがある車両等(次条第一項及び第七十一条の四の二第二項第一号において「整備不良車両」という。)を運転させ、又は運転してはならない。
警察官は、整備不良車両に該当すると認められる車両(軽車両を除く。以下この条において同じ。)が運転されているときは、当該車両を停止させ、並びに当該車両の運転者に対し、自動車検査証その他政令で定める書類及び作動状態記録装置(道路運送車両法第四十一条第二項に規定する作動状態の確認に必要な情報を記録するための装置をいう。第六十三条の二の二において同じ。)により記録された記録の提示を求め、並びに当該車両の装置について検査をすることができる。
この場合において、警察官は、当該記録を人の視覚又は聴覚により認識することができる状態にするための措置が必要であると認めるときは、当該車両を製作し、又は輸入した者その他の関係者に対し、当該措置を求めることができる。
前項の場合において、警察官は、当該車両の運転者に対し、道路における危険を防止し、その他交通の安全を図り、又は他人に及ぼす迷惑を防止するため必要な応急の措置をとることを命じ、また、応急の措置によつては必要な整備をすることができないと認められる車両(以下この条において「故障車両」という。)については、当該故障車両の運転を継続してはならない旨を命ずることができる。
警察官は、第二項の規定による措置をとつたときは、当該故障車両の運転者に対し、当該故障車両について整備を要する事項を記載した文書を交付し、かつ、当該故障車両の前面の見やすい箇所に標章を貼り付けなければならない。
警察官は、前項の措置をとつたときは、その旨を当該措置をとつた場所を管轄する警察署長に報告しなければならない。
警察署長は、前項の報告を受けたときは、当該故障車両の使用の本拠の位置を管轄する地方運輸局長に対し、内閣府令・国土交通省令で定める事項を通知しなければならない。
第四項の規定により貼り付けられた標章は、何人も、これを破損し、又は汚損してはならず、また、当該故障車両の必要な整備がされたことについて、内閣府令・国土交通省令で定める手続により、最寄りの警察署の警察署長又は車両の整備に係る事項について権限を有する行政庁の確認を受けた後でなければ、これを取り除いてはならない。
第三項の許可証の様式、第四項の規定により故障車両の運転者に対し交付する文書の様式及び同項の標章の様式は、内閣府令・国土交通省令で定める。
自動車の使用者その他自動車の装置の整備について責任を有する者又は運転者は、道路運送車両法第三章又はこれに基づく命令の規定により運行記録計を備えなければならないこととされている自動車で、これらの規定により定められた運行記録計を備えていないか、又は当該運行記録計についての調整がされていないためこれらの規定により定められた事項を記録することができないものを運転させ、又は運転してはならない。
前項の運行記録計を備えなければならないこととされている自動車の使用者は、運行記録計により記録された当該自動車に係る記録を、内閣府令で定めるところにより一年間保存しなければならない。
自動車の使用者その他自動車の装置の整備について責任を有する者又は運転者は、自動運行装置を備えている自動車で、作動状態記録装置により道路運送車両法第四十一条第二項に規定する作動状態の確認に必要な情報を正確に記録することができないものを運転させ、又は運転してはならない。
自動運行装置を備えている自動車の使用者は、作動状態記録装置により記録された記録を、内閣府令で定めるところにより保存しなければならない。
第十三節 自転車の交通方法の特例
車体の大きさ及び構造が内閣府令で定める基準に適合する自転車で、他の車両を牽引していないもの(以下この節において「普通自転車」という。)は、自転車道が設けられている道路においては、自転車道以外の車道を横断する場合及び道路の状況その他の事情によりやむを得ない場合を除き、自転車道を通行しなければならない。
普通自転車は、次に掲げるときは、第十七条第一項の規定にかかわらず、歩道を通行することができる。
ただし、警察官等が歩行者の安全を確保するため必要があると認めて当該歩道を通行してはならない旨を指示したときは、この限りでない。
道路標識等により普通自転車が当該歩道を通行することができることとされているとき。
当該普通自転車の運転者が、児童、幼児その他の普通自転車により車道を通行することが危険であると認められるものとして政令で定める者であるとき。
前二号に掲げるもののほか、車道又は交通の状況に照らして当該普通自転車の通行の安全を確保するため当該普通自転車が歩道を通行することがやむを得ないと認められるとき。
前項の場合において、普通自転車は、当該歩道の中央から車道寄りの部分(道路標識等により普通自転車が通行すべき部分として指定された部分(以下この項において「普通自転車通行指定部分」という。)があるときは、当該普通自転車通行指定部分)を徐行しなければならず、また、普通自転車の進行が歩行者の通行を妨げることとなるときは、一時停止しなければならない。
ただし、普通自転車通行指定部分については、当該普通自転車通行指定部分を通行し、又は通行しようとする歩行者がないときは、歩道の状況に応じた安全な速度と方法で進行することができる。
普通自転車は、道路標識等により並進することができることとされている道路においては、第十九条の規定にかかわらず、他の普通自転車と並進することができる。
ただし、普通自転車が三台以上並進することとなる場合においては、この限りでない。
自転車は、道路を横断しようとするときは、自転車横断帯がある場所の付近においては、その自転車横断帯によつて道路を横断しなければならない。
自転車の運転者は、内閣府令で定める基準に適合する制動装置を備えていないため交通の危険を生じさせるおそれがある自転車を運転してはならない。
自転車の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶるよう努めなければならない。
自転車の運転者は、他人を当該自転車に乗車させるときは、当該他人に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。
児童又は幼児を保護する責任のある者は、児童又は幼児が自転車を運転するときは、当該児童又は幼児に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。
第四章 車両等の運転者及び使用者の義務
第一節 運転者の義務
何人も、前項の規定に違反して自動車又は一般原動機付自転車を運転することとなるおそれがある者に対し、自動車又は一般原動機付自転車を提供してはならない。
何人も、自動車(道路運送法第二条第三項に規定する旅客自動車運送事業(以下単に「旅客自動車運送事業」という。)の用に供する自動車で当該業務に従事中のものその他の政令で定める自動車を除く。以下この項において同じ。)又は一般原動機付自転車の運転者が第八十四条第一項の規定による公安委員会の運転免許を受けていないこと(第九十条第五項、第百三条第一項若しくは第四項、第百三条の二第一項、第百四条の二の三第一項若しくは第三項又は同条第五項において準用する第百三条第四項の規定により運転免許の効力が停止されていることを含む。)を知りながら、当該運転者に対し、当該自動車又は一般原動機付自転車を運転して自己を運送することを要求し、又は依頼して、当該運転者が第一項の規定に違反して運転する自動車又は一般原動機付自転車に同乗してはならない。
十六歳未満の者は、特定小型原動機付自転車を運転してはならない。
何人も、前項の規定に違反して特定小型原動機付自転車を運転することとなるおそれがある者に対し、特定小型原動機付自転車を提供してはならない。
何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。
何人も、酒気を帯びている者で、前項の規定に違反して車両等を運転することとなるおそれがあるものに対し、車両等を提供してはならない。
何人も、第一項の規定に違反して車両等を運転することとなるおそれがある者に対し、酒類を提供し、又は飲酒をすすめてはならない。
何人も、車両(トロリーバス及び旅客自動車運送事業の用に供する自動車で当該業務に従事中のものその他の政令で定める自動車を除く。以下この項、第百十七条の二の二第一項第六号及び第百十七条の三の二第三号において同じ。)の運転者が酒気を帯びていることを知りながら、当該運転者に対し、当該車両を運転して自己を運送することを要求し、又は依頼して、当該運転者が第一項の規定に違反して運転する車両に同乗してはならない。
何人も、前条第一項に規定する場合のほか、過労、病気、薬物の影響その他の理由により、正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない。
車両の運転者が前条の規定に違反して過労により正常な運転ができないおそれがある状態で車両を運転する行為(以下この条及び第七十五条の二第一項において「過労運転」という。)を当該車両の使用者(当該車両の運転者であるものを除く。以下この条において同じ。)の業務に関してした場合において、当該過労運転に係る車両の使用者が当該車両につき過労運転を防止するため必要な運行の管理を行つていると認められないときは、当該車両の使用の本拠の位置を管轄する公安委員会は、当該車両の使用者に対し、過労運転が行われることのないよう運転者に指導し又は助言することその他過労運転を防止するため必要な措置をとることを指示することができる。
第二十二条の二第二項の規定は、前項の規定による指示について準用する。
警察官は、車両等の運転者が第六十四条第一項、第六十五条第一項、第六十六条、第七十一条の四第四項から第七項まで又は第八十五条第五項から第七項(第二号を除く。)までの規定に違反して車両等を運転していると認めるときは、当該車両等を停止させ、及び当該車両等の運転者に対し、第九十二条第一項の運転免許証又は第百七条の二の国際運転免許証若しくは外国運転免許証の提示を求めることができる。
前項に定めるもののほか、警察官は、車両等の運転者が車両等の運転に関しこの法律(第六十四条第一項、第六十五条第一項、第六十六条、第七十一条の四第四項から第七項まで及び第八十五条第五項から第七項(第二号を除く。)までを除く。)若しくはこの法律に基づく命令の規定若しくはこの法律の規定に基づく処分に違反し、又は車両等の交通による人の死傷若しくは物の損壊(以下「交通事故」という。)を起こした場合において、当該車両等の運転者に引き続き当該車両等を運転させることができるかどうかを確認するため必要があると認めるときは、当該車両等の運転者に対し、第九十二条第一項の運転免許証又は第百七条の二の国際運転免許証若しくは外国運転免許証の提示を求めることができる。
前三項の場合において、当該車両等の運転者が第六十四条第一項、第六十四条の二第一項、第六十五条第一項、第六十六条、第七十一条の四第四項から第七項まで又は第八十五条第五項から第七項(第二号を除く。)までの規定に違反して車両等を運転するおそれがあるときは、警察官は、その者が正常な運転ができる状態になるまで車両等の運転をしてはならない旨を指示する等道路における交通の危険を防止するため必要な応急の措置をとることができる。
二人以上の自動車又は原動機付自転車の運転者は、道路において二台以上の自動車又は原動機付自転車を連ねて通行させ、又は並進させる場合において、共同して、著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる行為をしてはならない。
削除
車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。
車両等の運転者は、次に掲げる事項を守らなければならない。
ぬかるみ又は水たまりを通行するときは、泥よけ器を付け、又は徐行する等して、泥土、汚水等を飛散させて他人に迷惑を及ぼすことがないようにすること。
身体障害者用の車が通行しているとき、目が見えない者が第十四条第一項の規定に基づく政令で定めるつえを携え、若しくは同項の規定に基づく政令で定める盲導犬を連れて通行しているとき、耳が聞こえない者若しくは同条第二項の規定に基づく政令で定める程度の身体の障害のある者が同項の規定に基づく政令で定めるつえを携えて通行しているとき、又は監護者が付き添わない児童若しくは幼児が歩行しているときは、一時停止し、又は徐行して、その通行又は歩行を妨げないようにすること。
前号に掲げるもののほか、高齢の歩行者、身体の障害のある歩行者その他の歩行者でその通行に支障のあるものが通行しているときは、一時停止し、又は徐行して、その通行を妨げないようにすること。
児童、幼児等の乗降のため、政令で定めるところにより停車している通学通園バス(専ら小学校、幼稚園等に通う児童、幼児等を運送するために使用する自動車で政令で定めるものをいう。)の側方を通過するときは、徐行して安全を確認すること。
道路の左側部分に設けられた安全地帯の側方を通過する場合において、当該安全地帯に歩行者がいるときは、徐行すること。
乗降口のドアを閉じ、貨物の積載を確実に行う等当該車両等に乗車している者の転落又は積載している物の転落若しくは飛散を防ぐため必要な措置を講ずること。
車両等に積載している物が道路に転落し、又は飛散したときは、速やかに転落し、又は飛散した物を除去する等道路における危険を防止するため必要な措置を講ずること。
安全を確認しないで、ドアを開き、又は車両等から降りないようにし、及びその車両等に乗車している他の者がこれらの行為により交通の危険を生じさせないようにするため必要な措置を講ずること。
車両等を離れるときは、その原動機を止め、完全にブレーキをかける等当該車両等が停止の状態を保つため必要な措置を講ずること。
自動車又は原動機付自転車を離れるときは、その車両の装置に応じ、その車両が他人に無断で運転されることがないようにするため必要な措置を講ずること。
正当な理由がないのに、著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる騒音を生じさせるような方法で、自動車若しくは原動機付自転車を急に発進させ、若しくはその速度を急激に増加させ、又は自動車若しくは原動機付自転車の原動機の動力を車輪に伝達させないで原動機の回転数を増加させないこと。
自動車を運転する場合において、第七十一条の五第一項から第四項まで若しくは第七十一条の六第一項から第三項までに規定する者又は第八十四条第二項に規定する仮運転免許を受けた者が表示自動車(第七十一条の五第一項、第七十一条の六第一項若しくは第八十七条第三項に規定する標識を付けた準中型自動車又は第七十一条の五第二項から第四項まで、第七十一条の六第二項若しくは第三項若しくは第八十七条第三項に規定する標識を付けた普通自動車をいう。以下この号において同じ。)を運転しているときは、危険防止のためやむを得ない場合を除き、進行している当該表示自動車の側方に幅寄せをし、又は当該自動車が進路を変更した場合にその変更した後の進路と同一の進路を後方から進行してくる表示自動車が当該自動車との間に第二十六条に規定する必要な距離を保つことができないこととなるときは進路を変更しないこと。
自動車、原動機付自転車又は自転車(以下この号において「自動車等」という。)を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置(その全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができないものに限る。第百十八条第一項第四号において「無線通話装置」という。)を通話(傷病者の救護又は公共の安全の維持のため当該自動車等の走行中に緊急やむを得ずに行うものを除く。同号において同じ。)のために使用し、又は当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置(道路運送車両法第四十一条第一項第十六号若しくは第十七号又は第四十四条第十一号に規定する装置であるものを除く。第百十八条第一項第四号において同じ。)に表示された画像を注視しないこと。
前各号に掲げるもののほか、道路又は交通の状況により、公安委員会が道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要と認めて定めた事項
自動車又は原動機付自転車(これらのうち内閣府令で定めるものを除く。以下この条において同じ。)の運転者は、道路運送車両法第四十一条第一項第十一号又は第四十四条第八号に規定する消音器を備えていない自動車又は原動機付自転車(当該消音器を切断したものその他の消音器の機能に著しい支障を及ぼす改造等で内閣府令で定めるものを加えた当該消音器を備えている自動車又は原動機付自転車を含む。)を運転してはならない。
自動車(大型自動二輪車及び普通自動二輪車を除く。以下この条において同じ。)の運転者は、道路運送車両法第三章及びこれに基づく命令の規定により当該自動車に備えなければならないこととされている座席ベルト(以下「座席ベルト」という。)を装着しないで自動車を運転してはならない。
ただし、疾病のため座席ベルトを装着することが療養上適当でない者が自動車を運転するとき、緊急自動車の運転者が当該緊急自動車を運転するとき、その他政令で定めるやむを得ない理由があるときは、この限りでない。
自動車の運転者は、座席ベルトを装着しない者を運転者席以外の乗車装置(当該乗車装置につき座席ベルトを備えなければならないこととされているものに限る。以下この項において同じ。)に乗車させて自動車を運転してはならない。
ただし、幼児(適切に座席ベルトを装着させるに足りる座高を有するものを除く。以下この条において同じ。)を当該乗車装置に乗車させるとき、疾病のため座席ベルトを装着させることが療養上適当でない者を当該乗車装置に乗車させるとき、その他政令で定めるやむを得ない理由があるときは、この限りでない。
自動車の運転者は、幼児用補助装置(幼児を乗車させる際座席ベルトに代わる機能を果たさせるため座席に固定して用いる補助装置であつて、道路運送車両法第三章及びこれに基づく命令の規定に適合し、かつ、幼児の発育の程度に応じた形状を有するものをいう。以下この項において同じ。)を使用しない幼児を乗車させて自動車を運転してはならない。
ただし、疾病のため幼児用補助装置を使用させることが療養上適当でない幼児を乗車させるとき、その他政令で定めるやむを得ない理由があるときは、この限りでない。
大型自動二輪車又は普通自動二輪車の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶらないで大型自動二輪車若しくは普通自動二輪車を運転し、又は乗車用ヘルメットをかぶらない者を乗車させて大型自動二輪車若しくは普通自動二輪車を運転してはならない。
一般原動機付自転車の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶらないで一般原動機付自転車を運転してはならない。
特定小型原動機付自転車の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶるよう努めなければならない。
第八十四条第三項の大型自動二輪車免許を受けた者で、二十歳に満たないもの又は当該大型自動二輪車免許を受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して三年に達しないもの(同項の普通自動二輪車免許を現に受けており、かつ、当該普通自動二輪車免許を受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して三年以上である者その他の者で政令で定めるものを除く。)は、高速自動車国道及び自動車専用道路においては、運転者以外の者を乗車させて大型自動二輪車(側車付きのものを除く。以下この条において同じ。)又は普通自動二輪車(側車付きのものを除く。以下この条において同じ。)を運転してはならない。
自動運行装置を備えている自動車の運転者は、当該自動運行装置に係る使用条件を満たさない場合においては、当該自動運行装置を使用して当該自動車を運転してはならない。
自動運行装置を備えている自動車の運転者が当該自動運行装置を使用して当該自動車を運転する場合において、次の各号のいずれにも該当するときは、当該運転者については、第七十一条第五号の五の規定は、適用しない。
当該自動車が整備不良車両に該当しないこと。
当該自動運行装置に係る使用条件を満たしていること。
当該運転者が、前二号のいずれかに該当しなくなつた場合において、直ちに、そのことを認知するとともに、当該自動運行装置以外の当該自動車の装置を確実に操作することができる状態にあること。
第八十四条第三項の準中型自動車免許を受けた者で、当該準中型自動車免許を受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して一年に達しないもの(当該免許を受けた日前六月以内に準中型自動車免許を受けていたことがある者その他の者で政令で定めるもの及び同項の普通自動車免許を現に受けており、かつ、現に受けている準中型自動車免許を受けた日前に当該普通自動車免許を受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して二年以上である者を除く。)は、内閣府令で定めるところにより準中型自動車の前面及び後面に内閣府令で定める様式の標識を付けないで準中型自動車を運転してはならない。
第八十四条第三項の準中型自動車免許又は普通自動車免許を受けた者で、当該準中型自動車免許又は普通自動車免許を受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して一年に達しないもの(当該免許を受けた日前六月以内に準中型自動車免許又は普通自動車免許を受けていたことがある者、現に受けている準中型自動車免許又は普通自動車免許を受けた日以後に当該免許に係る上位免許(第八十五条第二項の規定により一の種類の運転免許について同条第一項の表の区分に従い運転することができる自動車等(以下「免許自動車等」という。)を運転することができる他の種類の運転免許(第八十四条第二項の仮運転免許を除く。)をいう。第百条の二第一項第一号及び第三号において同じ。)を受けた者その他の者で政令で定めるものを除く。)は、内閣府令で定めるところにより普通自動車の前面及び後面に内閣府令で定める様式の標識を付けないで普通自動車を運転してはならない。
普通自動車対応免許を受けた者で七十歳以上七十五歳未満のものは、加齢に伴つて生ずる身体の機能の低下が自動車の運転に影響を及ぼすおそれがあるときは、内閣府令で定めるところにより普通自動車の前面及び後面に内閣府令で定める様式の標識を付けて普通自動車を運転するように努めなければならない。
普通自動車対応免許を受けた者で政令で定める程度の聴覚障害のあることを理由に当該普通自動車対応免許に条件を付されているものは、内閣府令で定めるところにより普通自動車の前面及び後面に内閣府令で定める様式の標識を付けないで普通自動車を運転してはならない。
普通自動車対応免許を受けた者で肢体不自由であることを理由に当該普通自動車対応免許に条件を付されているものは、当該肢体不自由が自動車の運転に影響を及ぼすおそれがあるときは、内閣府令で定めるところにより普通自動車の前面及び後面に内閣府令で定める様式の標識を付けて普通自動車を運転するように努めなければならない。
第二節 交通事故の場合の措置等
交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。
この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。同項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置(第七十五条の二十三第一項及び第三項において「交通事故発生日時等」という。)を報告しなければならない。
前項後段の規定により報告を受けた最寄りの警察署の警察官は、負傷者を救護し、又は道路における危険を防止するため必要があると認めるときは、当該報告をした運転者に対し、警察官が現場に到着するまで現場を去つてはならない旨を命ずることができる。
前二項の場合において、現場にある警察官は、当該車両等の運転者等に対し、負傷者を救護し、又は道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要な指示をすることができる。
前項の規定による措置をとつた場合において、当該損壊物等を移動したときは、警察官は、当該損壊物等を当該損壊物等の在つた場所を管轄する警察署長に差し出さなければならない。
この場合において、警察署長は、当該損壊物等を保管しなければならない。
第五十一条第七項及び第九項から第二十一項まで並びに第五十一条の二の規定は、前二項の規定による措置に係る損壊物等について準用する。
この場合において、第五十一条第七項中「使用者」とあるのは「所有者、占有者その他当該損壊物等について権原を有する者(以下この条及び次条において「所有者等」という。)」と、同条第九項中「前項」とあるのは「第七十二条の二第三項において読み替えて準用する第七項」と、「知ることができない」とあるのは「知ることができず、かつ、当該損壊物等の所有者以外の者に当該損壊物等を返還することが困難であると認められる」と、同条第十一項中「第七項から前項まで」とあるのは「第七十二条の二第三項において読み替えて準用する第七項及び前二項」と、同条第十二項中「第八項の規定による告知の日又は」とあるのは「腐敗し、若しくは変質するおそれがあるとき、又は第七十二条の二第三項において読み替えて準用する第七項の規定による当該損壊物等の所有者に対する告知の日若しくは」と、「費用」とあるのは「費用若しくは手数」と、同条第十五項中「運転者等又は使用者若しくは所有者(以下この条及び次条において「使用者等」という。)」とあるのは「所有者等」と、同条第十六項中「運転者等又は使用者等」とあるのは「所有者等」と、同条第二十項中「第八項の規定による」とあるのは「第七十二条の二第三項において読み替えて準用する第七項の規定による当該損壊物等の所有者に対する」と、第五十一条の二第一項中「同条第六項の規定により保管した車両の使用者等その他の関係者又は同条第二十二項において準用する同条第六項の規定により保管した積載物の所有者、占有者その他当該積載物について権原を有する者」とあるのは「第七十二条の二第二項後段の規定により保管した損壊物等の所有者等」と読み替えるものとする。
第三節 使用者の義務
車両等の使用者は、その者の業務に関し当該車両等を運転させる場合には、当該車両等の運転者及び安全運転管理者、副安全運転管理者その他当該車両等の運行を直接管理する地位にある者に、この法律又はこの法律に基づく命令に規定する車両等の安全な運転に関する事項を遵守させるように努めなければならない。
車両の使用者は、当該車両の運転者に、当該車両を運転するに当たつて車両の速度、駐車及び積載並びに運転者の心身の状態に関しこの法律又はこの法律に基づく命令に規定する事項を遵守させるように努めなければならない。
消防用自動車、救急用自動車その他の政令で定める自動車の使用者(第七十四条の三第一項の規定により安全運転管理者を選任したものを除く。)は、当該自動車の運転者に対し、当該自動車の安全な運転を確保するために必要な交通安全教育を行うように努めなければならない。
車両の使用者は、当該車両を適正に駐車する場所を確保することその他駐車に関しての車両の適正な使用のために必要な措置を講じなければならない。
自動車の使用者(道路運送法の規定による自動車運送事業者(貨物自動車運送事業法(平成元年法律第八十三号)の規定による貨物軽自動車運送事業を経営する者を除く。以下同じ。)、貨物利用運送事業法の規定による第二種貨物利用運送事業を経営する者及び道路運送法第七十九条の規定による登録を受けた者を除く。以下この条において同じ。)は、内閣府令で定める台数以上の自動車の使用の本拠ごとに、年齢、自動車の運転の管理の経験その他について内閣府令で定める要件を備える者のうちから、次項の業務を行う者として、安全運転管理者を選任しなければならない。
安全運転管理者は、自動車の安全な運転を確保するために必要な当該使用者の業務に従事する運転者に対して行う交通安全教育その他自動車の安全な運転に必要な業務(自動車の装置の整備に関する業務を除く。第七十五条の二の二第一項において同じ。)で内閣府令で定めるものを行わなければならない。
前項の交通安全教育は、第百八条の二十八第一項の交通安全教育指針に従つて行わなければならない。
自動車の使用者は、安全運転管理者の業務を補助させるため、内閣府令で定める台数以上の自動車を使用する本拠ごとに、年齢、自動車の運転の経験その他について内閣府令で定める要件を備える者のうちから、内閣府令で定めるところにより、副安全運転管理者を選任しなければならない。
自動車の使用者は、安全運転管理者又は副安全運転管理者(以下「安全運転管理者等」という。)を選任したときは、選任した日から十五日以内に、内閣府令で定める事項を当該自動車の使用の本拠の位置を管轄する公安委員会に届け出なければならない。
これを解任したときも、同様とする。
公安委員会は、自動車の使用者が前項の規定を遵守していないため自動車の安全な運転が確保されていないと認めるときは、自動車の使用者に対し、その是正のために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
自動車の使用者は、公安委員会からその選任に係る安全運転管理者等について第百八条の二第一項第一号に掲げる講習を行う旨の通知を受けたときは、当該安全運転管理者等に当該講習を受けさせなければならない。
自動車(重被牽引車を含む。以下この条、次条第一項及び第七十五条の二の二第二項において同じ。)の使用者(安全運転管理者等その他自動車の運行を直接管理する地位にある者を含む。次項において「使用者等」という。)は、その者の業務に関し、自動車の運転者に対し、次の各号のいずれかに掲げる行為をすることを命じ、又は自動車の運転者がこれらの行為をすることを容認してはならない。
第八十四条第一項の規定による公安委員会の運転免許を受けている者(第百七条の二の規定により国際運転免許証又は外国運転免許証で自動車を運転することができることとされている者を含む。以下この項において同じ。)でなければ運転することができないこととされている自動車を当該運転免許を受けている者以外の者(第九十条第五項、第百三条第一項若しくは第四項、第百三条の二第一項、第百四条の二の三第一項若しくは第三項又は同条第五項において準用する第百三条第四項の規定により当該運転免許の効力が停止されている者を含む。)が運転すること。
第二十二条第一項の規定に違反して自動車を運転すること。
第六十五条第一項の規定に違反して自動車を運転すること。
第六十六条の規定に違反して自動車を運転すること。
第八十五条第五項の規定に違反して大型自動車、中型自動車若しくは準中型自動車を運転し、同条第六項の規定に違反して中型自動車若しくは準中型自動車を運転し、同条第七項の規定に違反して準中型自動車若しくは普通自動車を運転し、同条第八項の規定に違反して普通自動車を運転し、同条第九項の規定に違反して大型自動二輪車若しくは普通自動二輪車を運転し、又は同条第十項の規定に違反して普通自動二輪車を運転すること。
第五十七条第一項の規定に違反して積載をして自動車を運転すること。
自動車を離れて直ちに運転することができない状態にする行為(当該行為により自動車が第四十四条第一項、第四十五条第一項若しくは第二項、第四十七条第二項若しくは第三項、第四十八条、第四十九条の三第三項、第四十九条の四若しくは第七十五条の八第一項の規定に違反して駐車することとなる場合のもの又は自動車がこれらの規定に違反して駐車している場合におけるものに限る。)
公安委員会は、第二項の規定による命令をしようとするときは、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第十三条第一項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
公安委員会は、前項の聴聞を行うに当たつては、その期日の一週間前までに、行政手続法第十五条第一項の規定による通知をし、かつ、聴聞の期日及び場所を公示しなければならない。
前項の通知を行政手続法第十五条第三項に規定する方法によつて行う場合においては、同条第一項の規定により聴聞の期日までにおくべき相当な期間は、二週間を下回つてはならない。
第四項の聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。
第四項の聴聞の主宰者は、必要があると認めるときは、道路交通に関する事項に関し専門的知識を有する参考人又は当該事案の関係人の出頭を求め、これらの者からその意見又は事情を聴くことができる。
公安委員会は、第二項の規定による命令をしたときは、当該命令を受けた自動車の使用者に対し、運転し、又は運転させてはならないこととなる自動車の番号標の番号その他の内閣府令で定める事項を記載した文書を交付し、かつ、当該自動車の前面の見やすい箇所に内閣府令で定める様式の標章をはり付けるものとする。
前項の規定により標章をはり付けられた自動車について、当該自動車の使用者から当該自動車を買い受けた者その他当該自動車の使用について権原を有する第三者は、内閣府令で定めるところにより、公安委員会に対し、当該標章を取り除くべきことを申請することができる。
この場合において、公安委員会は、当該標章を取り除かなければならない。
何人も、第九項の規定によりはり付けられた標章を破損し、又は汚損してはならず、また、当該自動車に係る運転の禁止の期間を経過した後でなければ、これを取り除いてはならない。
公安委員会が自動車の使用者に対し次の表の上欄に掲げる指示をした場合において、当該使用者に係る当該自動車につきその指示を受けた後一年以内にその指示の区分ごとに同表の下欄に掲げる違反行為が行われ、かつ、当該使用者が当該自動車を使用することについて著しく交通の危険を生じさせるおそれがあると認めるときは、当該自動車の使用の本拠の位置を管轄する公安委員会は、政令で定める基準に従い、当該使用者に対し、三月を超えない範囲内で期間を定めて、当該自動車を運転し、又は運転させてはならない旨を命ずることができる。
自動車の使用者に対する指示 | 違反行為 |
第二十二条の二第一項の規定による指示 | 最高速度違反行為 |
第五十八条の四の規定による指示 | 過積載をして自動車を運転する行為 |
第六十六条の二第一項の規定による指示 | 過労運転 |
公安委員会が第五十一条の四第一項の規定により標章が取り付けられた車両の使用者に対し納付命令をした場合において、当該使用者が当該標章が取り付けられた日前六月以内に当該車両が原因となつた納付命令(同条第十六項の規定により取り消されたものを除く。)を受けたことがあり、かつ、当該使用者が当該車両を使用することについて著しく交通の危険を生じさせ又は著しく交通の妨害となるおそれがあると認めるときは、当該車両の使用の本拠の位置を管轄する公安委員会は、政令で定める基準に従い、当該使用者に対し、三月を超えない範囲内で期間を定めて、当該車両を運転し、又は運転させてはならない旨を命ずることができる。
前条第三項から第十一項までの規定は、前二項の規定による命令について準用する。
公安委員会は、安全運転管理者が選任されている自動車の使用の本拠について、自動車の安全な運転を確保するために必要な交通安全教育その他自動車の安全な運転に必要な業務の推進を図るため必要があると認めるときは、当該安全運転管理者を選任している自動車の使用者又は当該安全運転管理者に対し、必要な報告又は資料の提出を求めることができる。
公安委員会は、速度、駐車若しくは積載又は運転者の心身の状態に関しての自動車の適正な使用の推進を図るため必要があると認めるときは、自動車の使用者に対し、必要な報告又は資料の提出を求めることができる。
第四章の二 高速自動車国道等における自動車の交通方法等の特例
第一節 通則
高速自動車国道及び自動車専用道路における自動車の交通方法等については、前各章に定めるもののほか、この章の定めるところによる。
警察官は、道路の損壊、交通事故の発生その他の事情により高速自動車国道又は自動車専用道路(以下「高速自動車国道等」という。)において交通の危険が生じ、又は交通の混雑が生ずるおそれがある場合において、当該道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るためやむを得ないと認めるときは、必要な限度において、その現場に進行してくる自動車の通行を禁止し、若しくは制限し、又はその現場にある自動車の運転者に対し、第十七条第一項及び道路法第四十七条第四項の規定に基づく政令の規定にかかわらず路肩又は路側帯を通行すべきことを命じ、若しくは第八条第一項、第三章第一節、同章第六節若しくはこの章に規定する自動車の通行方法と異なる通行方法によるべきことを命ずることができる。
第二節 自動車の交通方法
自動車は、法令の規定によりその速度を減ずる場合及び危険を防止するためやむを得ない場合を除き、高速自動車国道の本線車道(政令で定めるものを除く。)においては、道路標識等により自動車の最低速度が指定されている区間にあつてはその最低速度に、その他の区間にあつては政令で定める最低速度に達しない速度で進行してはならない。
自動車は、本線車道においては、横断し、転回し、又は後退してはならない。
自動車(緊急自動車を除く。)は、本線車道に入ろうとする場合(本線車道から他の本線車道に入ろうとする場合にあつては、道路標識等により指定された本線車道に入ろうとする場合に限る。)において、当該本線車道を通行する自動車があるときは、当該自動車の進行妨害をしてはならない。
ただし、当該交差点において、交通整理が行なわれているときは、この限りでない。
緊急自動車以外の自動車は、緊急自動車が本線車道に入ろうとしている場合又はその通行している本線車道から出ようとしている場合においては、当該緊急自動車の通行を妨げてはならない。
自動車は、本線車道に入ろうとする場合において、加速車線が設けられているときは、その加速車線を通行しなければならない。
自動車は、その通行している本線車道から出ようとする場合においては、あらかじめその前から出口に接続する車両通行帯を通行しなければならない。
この場合において、減速車線が設けられているときは、その減速車線を通行しなければならない。
自動車(これにより牽引されるための構造及び装置を有する車両を含む。以下この条において同じ。)は、高速自動車国道等においては、法令の規定若しくは警察官の命令により、又は危険を防止するため一時停止する場合のほか、停車し、又は駐車してはならない。
ただし、次の各号のいずれかに掲げる場合においては、この限りでない。
駐車の用に供するため区画された場所において停車し、又は駐車するとき。
故障その他の理由により停車し、又は駐車することがやむを得ない場合において、停車又は駐車のため十分な幅員がある路肩又は路側帯に停車し、又は駐車するとき。
乗合自動車が、その属する運行系統に係る停留所において、乗客の乗降のため停車し、又は運行時間を調整するため駐車するとき。
料金支払いのため料金徴収所において停車するとき。
第五十条の二から第五十一条の二までの規定は、自動車が前項の規定に違反して停車し、又は駐車していると認められる場合について準用する。
この場合において、第五十一条第三項中「当該車両が駐車している場所からの距離が五十メートルを超えない道路上の場所」とあるのは「政令で定める場所」と、同条第四項中「当該車両が駐車している場所からの距離が五十メートルを超えない範囲の地域内の道路上に当該車両を移動する場所がないとき」とあるのは「前項の政令で定める場所に当該車両を移動することができないとき」と、同条第五項中「駐車場、空地、第三項に規定する場所以外の道路上の場所その他の場所」とあるのは「第三項に規定する場所以外の場所」と読み替えるものとする。
高速自動車国道等において第一項の規定に違反して駐車していると認められる自動車であつて、その運転者がこれを離れて直ちに運転することができない状態にあるものは、第五十一条の四第一項に規定する放置車両とみなして、同条の規定を適用する。
第三節 運転者の義務
自動車の運転者は、高速自動車国道等において自動車を運転しようとするときは、あらかじめ、燃料、冷却水若しくは原動機のオイルの量又は貨物の積載の状態を点検し、必要がある場合においては、高速自動車国道等において燃料、冷却水若しくは原動機のオイルの量の不足のため当該自動車を運転することができなくなること又は積載している物を転落させ、若しくは飛散させることを防止するための措置を講じなければならない。
自動車の運転者は、故障その他の理由により本線車道若しくはこれに接する加速車線、減速車線若しくは登坂車線(以下「本線車道等」という。)又はこれらに接する路肩若しくは路側帯において当該自動車を運転することができなくなつたときは、政令で定めるところにより、当該自動車が故障その他の理由により停止しているものであることを表示しなければならない。
自動車の運転者は、故障その他の理由により本線車道等において運転することができなくなつたときは、速やかに当該自動車を本線車道等以外の場所に移動するため必要な措置を講じなければならない。
第四章の三 特定自動運行の許可等
特定自動運行を行おうとする者は、特定自動運行を行おうとする場所を管轄する公安委員会の許可を受けなければならない。
前項の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を公安委員会に提出しなければならない。
特定自動運行を行う者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名並びにその役員の氏名及び住所
次に掲げる事項を記載した特定自動運行に関する計画(以下「特定自動運行計画」という。)
特定自動運行に使用する自動車(以下「特定自動運行用自動車」という。)の型式、自動車登録番号又は車両番号及び車台番号、自動運行装置に係る使用条件その他の内閣府令で定める特定自動運行用自動車に関する事項
特定自動運行に関する次に掲げる事項
特定自動運行の経路
特定自動運行を行う日及び時間帯
特定自動運行により運送される人又は物
(1)から(3)までに掲げるもののほか、内閣府令で定める事項
特定自動運行を管理する場所の所在地及び連絡先
この法律及びこの法律に基づく命令の規定並びにこの法律の規定に基づく処分により特定自動運行実施者(第七十五条の十六第一項に規定する特定自動運行実施者をいう。次条第一項第三号において同じ。)又は特定自動運行業務従事者(第七十五条の十九第一項に規定する特定自動運行業務従事者をいう。次条第一項第三号において同じ。)が実施しなければならない措置に関する次に掲げる事項
第七十五条の十九第一項に規定する教育の具体的内容及びその実施方法
第七十五条の十九第二項の規定による特定自動運行主任者の指定及び同条第三項の規定による現場措置業務実施者の指定の方法
第七十五条の二十第一項に規定する措置の実施方法及び当該措置を講ずるための装置、人員その他の体制
第七十五条の二十第二項の規定による表示の具体的方法
第七十五条の二十一、第七十五条の二十二及び第七十五条の二十三第一項から第三項までの規定による措置を講ずるための設備、人員その他の体制及び当該措置の手順
(1)から(5)までに掲げるもののほか、内閣府令で定める事項
前項の申請書には、特定自動運行用自動車の自動車検査証記録事項(道路運送車両法第五十八条第二項に規定する自動車検査証記録事項をいう。)が記載された書面その他の内閣府令で定める書類を添付しなければならない。
公安委員会は、前条第一項の許可をしようとするときは、同条第二項の規定により提出を受けた申請書に記載された特定自動運行計画が次に掲げる基準に適合するかどうかを審査して、これをしなければならない。
特定自動運行計画に係る特定自動運行用自動車が特定自動運行を行うことができるものであること。
特定自動運行計画に従つて行われる特定自動運行が当該特定自動運行用自動車の自動運行装置に係る使用条件を満たすものであること。
第七十五条の十九から第七十五条の二十二まで及び第七十五条の二十三第一項から第三項までの規定による措置その他のこの法律及びこの法律に基づく命令の規定並びにこの法律の規定に基づく処分により特定自動運行実施者又は特定自動運行業務従事者が実施しなければならない措置の円滑かつ確実な実施が見込まれるものであること。
特定自動運行計画に従つて行われる特定自動運行(道路において当該特定自動運行が終了した場合を含む。)が他の交通に著しく支障を及ぼすおそれがないと認められるものであること。
特定自動運行計画に従つて行われる特定自動運行が人又は物の運送を目的とするものであつて、当該運送が地域住民の利便性又は福祉の向上に資すると認められるものであること。
公安委員会は、第七十五条の十二第一項の許可を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当する場合には、その許可をしてはならない。
第七十五条の二十七第一項の規定により許可を取り消され、その取消しの日から五年を経過していない者(当該許可を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しを受けた法人のその処分を受ける原因となつた事項が発生した当時現にその法人の役員として在任した者で当該取消しの日から五年を経過していないものを含む。)であるとき。
法人である場合において、その法人の役員が前号に該当する者であるとき。
公安委員会は、第七十五条の十二第一項の許可をする場合において、必要があると認めるときは、当該許可に道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要な条件を付することができる。
公安委員会は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため特別の必要が生じたときは、前項の規定により付した条件を変更し、又は新たに条件を付することができる。
第七十五条の十二第一項の許可を受けた者(以下「特定自動運行実施者」という。)は、特定自動運行計画を変更しようとするときは、内閣府令で定めるところにより、公安委員会の許可を受けなければならない。
ただし、内閣府令で定める軽微な変更については、この限りでない。
特定自動運行実施者は、第一項ただし書に規定する内閣府令で定める軽微な変更をしようとするときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公安委員会に届け出なければならない。
特定自動運行実施者は、第七十五条の十二第二項第一号に掲げる事項を変更したときは、内閣府令で定めるところにより、変更の日から三十日以内に、公安委員会に届け出なければならない。
公安委員会は、第七十五条の十二第一項又は前条第一項の許可をしたときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。
特定自動運行は、第七十五条の十二第一項の許可を受けた特定自動運行計画(第七十五条の十六第一項又は第三項の規定による変更の許可又は届出があつたときは、その変更後のもの。第七十五条の二十七第一項第二号において同じ。)及び第七十五条の十五第一項(第七十五条の十六第二項において準用する場合を含む。)の規定により付された条件(第七十五条の十五第二項(第七十五条の十六第二項において準用する場合を含む。)の規定により変更され、又は新たに付された条件を含む。)に従わなければならない。
特定自動運行実施者は、次項の規定により指定した特定自動運行主任者、第三項の規定により指定した現場措置業務実施者その他の特定自動運行のために使用する者(以下「特定自動運行業務従事者」という。)に対し、第七十五条の二十一、第七十五条の二十二及び第七十五条の二十三第一項から第三項までの規定による措置その他のこの法律及びこの法律に基づく命令の規定並びにこの法律の規定に基づく処分により特定自動運行業務従事者が実施しなければならない措置を円滑かつ確実に実施させるため、内閣府令で定めるところにより教育を行わなければならない。
特定自動運行実施者は、特定自動運行を行うときは、第七十五条の二十一、第七十五条の二十二並びに第七十五条の二十三第一項及び第三項の規定による措置その他のこの法律及びこの法律に基づく命令の規定並びにこの法律の規定に基づく処分により特定自動運行主任者が実施しなければならない措置を講じさせるため、当該措置を講ずるために必要な適性について内閣府令で定める要件を備える者のうちから、特定自動運行主任者を指定しなければならない。
特定自動運行実施者は、次条第一項第一号に規定する措置を講じて特定自動運行を行うときは、第七十五条の二十三第一項及び第二項の規定による措置を講じさせるため、現場措置業務実施者を指定しなければならない。
特定自動運行実施者は、特定自動運行中の特定自動運行用自動車について、次の各号のいずれかの措置を講じなければならない。
当該特定自動運行用自動車の周囲の道路及び交通の状況並びに当該特定自動運行用自動車の状況を映像及び音声により確認することができる装置で内閣府令で定めるものを第七十五条の十二第二項第二号ハに規定する場所に備え付け、かつ、当該場所に特定自動運行主任者を配置する措置
第七十五条の二十三第三項の規定による措置その他の措置を講じさせるため、特定自動運行主任者を当該特定自動運行用自動車に乗車させる措置
特定自動運行実施者は、特定自動運行を行つているときは、内閣府令で定めるところにより、当該特定自動運行用自動車の見やすい箇所に特定自動運行中である旨を表示しなければならない。
特定自動運行主任者は、道路において特定自動運行が終了したときは、直ちに、次条又は第七十五条の二十三第一項若しくは第三項の規定による措置その他のこの法律及びこの法律に基づく命令の規定並びにこの法律の規定に基づく処分により特定自動運行主任者が実施しなければならない措置を講ずべき事由の有無を確認しなければならない。
特定自動運行主任者は、特定自動運行が終了した場合において、当該特定自動運行用自動車又は当該特定自動運行主任者に対し次の各号のいずれかの措置又は命令が行われているときは、直ちに、当該特定自動運行用自動車を当該措置又は命令に従つて通行させるため必要な措置を講じなければならない。
第四条第一項後段に規定する警察官の現場における指示
第六条第一項の規定による警察官等の交通整理
第六条第四項の規定による警察官の禁止又は制限
特定自動運行主任者は、特定自動運行が終了した場合において、当該特定自動運行用自動車に緊急自動車若しくは消防用車両が接近し、又は当該特定自動運行用自動車の付近に緊急自動車若しくは消防用車両があるときは、直ちに、当該特定自動運行用自動車が当該緊急自動車又は消防用車両の通行を妨げないようにするため必要な措置を講じなければならない。
特定自動運行主任者は、特定自動運行が終了した場合において、当該特定自動運行用自動車が違法駐車と認められる場合は、直ちに、当該特定自動運行用自動車の駐車の方法を変更し、又は当該特定自動運行用自動車を当該場所から移動するため必要な措置を講じなければならない。
特定自動運行(道路において当該特定自動運行が終了した場合を含む。第三項及び第六項並びに第百十七条第三項において同じ。)において特定自動運行用自動車(第七十五条の二十第一項第一号に規定する措置が講じられたものに限る。)に係る交通事故があつたときは、同号の規定により配置された特定自動運行主任者は、直ちに当該交通事故の現場の最寄りの消防機関に通報する措置及び現場措置業務実施者を当該交通事故の現場に向かわせる措置(当該交通事故による人の死傷がないことが明らかな場合にあつては、現場措置業務実施者を当該交通事故の現場に向かわせる措置)を講じなければならない。
この場合において、当該特定自動運行用自動車の特定自動運行主任者は、直ちに当該交通事故の現場の最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。第三項及び第四項において同じ。)の警察官に交通事故発生日時等を報告しなければならない。
前項に規定する交通事故の現場に到着した現場措置業務実施者は、当該交通事故の現場において、道路における危険を防止するため必要な措置を講じなければならない。
特定自動運行において特定自動運行用自動車(第七十五条の二十第一項第二号に規定する措置が講じられたものに限る。)に係る交通事故があつたときは、当該交通事故に係る特定自動運行用自動車に同号の規定により乗車させられた特定自動運行主任者その他の乗務員(第五項において「特定自動運行主任者等」という。)は、直ちに、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。
この場合において、当該特定自動運行用自動車の特定自動運行主任者(特定自動運行主任者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署の警察官に交通事故発生日時等を報告しなければならない。
前項後段の規定により報告を受けた最寄りの警察署の警察官は、負傷者を救護し、又は道路における危険を防止するため必要があると認めるときは、当該報告をした特定自動運行主任者に対し、警察官が現場に到着するまで現場を去つてはならない旨を命ずることができる。
前三項の場合において、当該交通事故の現場にある警察官は、当該交通事故の現場にある現場措置業務実施者又は特定自動運行主任者等に対し、負傷者を救護し、又は道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要な指示をすることができる。
第七十二条の二及び第七十三条の規定は、特定自動運行において交通事故があつた場合について準用する。
この場合において、第七十二条の二第一項中「前条第三項」とあるのは「第七十五条の二十三第五項」と、「の運転者等」とあるのは「に係る現場措置業務実施者(第七十五条の十九第三項に規定する現場措置業務実施者をいう。以下同じ。)又は特定自動運行主任者等(第七十五条の二十三第三項に規定する特定自動運行主任者等をいう。以下同じ。)」と、「同項」とあるのは「同条第五項」と、「現場」とあるのは「当該交通事故の現場」と、第七十三条中「運転者等以外」とあるのは「特定自動運行主任者等以外」と、「の運転者等が第七十二条第一項前段」とあるのは「に係る現場措置業務実施者が第七十五条の二十三第二項に規定する措置を講じ、又は特定自動運行主任者等が同条第三項前段」と、「又は」とあるのは「若しくは」と読み替えるものとする。
特定自動運行実施者による特定自動運行についてのこの法律の規定(第四章第二節を除く。)の適用については、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
運転者 | 特定自動運行主任者(第七十五条の十九第二項に規定する特定自動運行主任者をいう。以下同じ。) | |
おいて、 | おいて、特定自動運行主任者又は | |
運転者は、故障その他の理由により踏切において | 特定自動運行主任者は、踏切において特定自動運行が終了した場合において、 | |
運転することができなくなつた | 運転し、又は運転させることができない | |
非常信号を行う等踏切に故障その他の理由により | 鉄道事業法(昭和六十一年法律第九十二号)の規定による鉄道事業者又は軌道法の規定による軌道経営者への通報(特定自動運行主任者が第七十五条の十二第二項第二号イに規定する特定自動運行用自動車に乗車している場合にあつては、非常信号)を行う等踏切に | |
運転者 | 特定自動運行実施者(第七十五条の十六第一項に規定する特定自動運行実施者をいう。以下同じ。) | |
を運転させ、又は運転して | の特定自動運行を行わせ、又は特定自動運行を行つて | |
運転者 | 特定自動運行実施者 | |
を運転させ、又は運転して | の特定自動運行を行わせ、又は特定自動運行を行つて | |
運転者 | 特定自動運行主任者 | |
運転者は、故障その他の理由により | 特定自動運行主任者は、 | |
当該自動車を運転することができなくなつた | 特定自動運行が終了した場合において、当該自動車を運転し、又は運転させることができない | |
自動車が故障その他の理由により | 自動車が | |
運転者は、故障その他の理由により | 特定自動運行主任者は、 | |
運転することができなくなつた | 特定自動運行が終了した場合において、当該自動車を運転し、又は運転させることができない |
公安委員会は、この章の規定の施行に必要な限度において、特定自動運行実施者に対し、その特定自動運行に関し報告若しくは資料の提出を求め、又は警察職員に、第七十五条の十二第二項第二号ハに規定する場所その他の特定自動運行実施者の事務所に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
前項の規定により警察職員が立ち入るときは、その身分を示す証票を携帯し、関係者に提示しなければならない。
第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
公安委員会は、この章の規定の施行のため必要があると認めるときは、官庁、公共団体その他の者に照会し、又は協力を求めることができる。
公安委員会は、特定自動運行実施者又はその特定自動運行業務従事者が、特定自動運行に関しこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定若しくはこの法律の規定に基づく処分又は他の法令の規定に違反した場合において、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要があると認めるときは、特定自動運行実施者に対し、特定自動運行に関し必要な措置をとるべきこと(措置をとるまでの間、特定自動運行を行わないことを含む。)を指示することができる。
公安委員会は、前項の規定による指示をしようとする場合において、当該指示に係る特定自動運行実施者による特定自動運行が道路運送法第二条第二項に規定する自動車運送事業(貨物自動車運送事業法第二条第四項に規定する貨物軽自動車運送事業を除く。)又は貨物利用運送事業法第二条第八項に規定する第二種貨物利用運送事業として行われるものであるときは、当該事業を監督する行政庁の意見を聴かなければならない。
公安委員会は、次の各号のいずれかに該当するときは、当該特定自動運行実施者に対し、特定自動運行の許可を取り消し、又は六月を超えない範囲内で期間を定めてその効力を停止することができる。
特定自動運行実施者又はその特定自動運行業務従事者が、特定自動運行に関し、この法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこの法律の規定に基づく処分に違反したとき。
特定自動運行計画が第七十五条の十三第一項各号に掲げる基準に適合しなくなつたとき。
特定自動運行実施者が第七十五条の十四各号のいずれかに該当することとなつたとき。
公安委員会は、第一項の規定により特定自動運行の許可を取り消したときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。
次の各号のいずれかに該当する場合において、道路における危険を防止するため緊急の必要があるときは、その事実があつた場所を管轄する警察署長は、当該特定自動運行実施者に対し、その事実があつた日から起算して三十日を経過する日を終期とする特定自動運行の許可の効力の停止(以下この条において「仮停止」という。)をすることができる。
特定自動運行中の特定自動運行用自動車に係る交通事故があつたとき。
特定自動運行実施者又はその特定自動運行業務従事者が、特定自動運行に関しこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定若しくはこの法律の規定に基づく処分又は他の法令の規定に違反したとき。
警察署長は、仮停止をしたときは、当該処分をした日から起算して五日以内に、当該処分を受けた特定自動運行実施者に対し弁明の機会を与えなければならない。
仮停止をした警察署長は、速やかに、内閣府令で定める事項を公安委員会に報告しなければならない。
仮停止は、前項の規定により報告を受けた公安委員会が当該仮停止の期間内に当該事案について第七十五条の二十六第一項又は前条第一項の規定による処分をしたときは、その効力を失う。
仮停止を受けた者が当該事案について前条第一項の規定による許可の効力の停止を受けたときは、仮停止をされていた期間は、当該許可の効力の停止の期間に通算する。
公安委員会は、第七十五条の二十六第一項若しくは第七十五条の二十七第一項の規定による処分をしたとき、又は前条第三項の規定による報告を受けたときは、内閣府令で定める事項を国家公安委員会に報告しなければならない。
この場合において、国家公安委員会は、当該報告に係る事項を各公安委員会に通報するものとする。
第五章 道路の使用等
第一節 道路における禁止行為等
何人も、信号機若しくは道路標識等又はこれらに類似する工作物若しくは物件をみだりに設置してはならない。
何人も、信号機又は道路標識等の効用を妨げるような工作物又は物件を設置してはならない。
何人も、交通の妨害となるような方法で物件をみだりに道路に置いてはならない。
何人も、次の各号に掲げる行為は、してはならない。
道路において、酒に酔つて交通の妨害となるような程度にふらつくこと。
道路において、交通の妨害となるような方法で寝そべり、すわり、しやがみ、又は立ちどまつていること。
交通のひんぱんな道路において、球戯をし、ローラー・スケートをし、又はこれらに類する行為をすること。
石、ガラスびん、金属片その他道路上の人若しくは車両等を損傷するおそれのある物件を投げ、又は発射すること。
前号に掲げるもののほか、道路において進行中の車両等から物件を投げること。
道路において進行中の自動車、トロリーバス又は路面電車に飛び乗り、若しくはこれらから飛び降り、又はこれらに外からつかまること。
前各号に掲げるもののほか、道路又は交通の状況により、公安委員会が、道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく交通の妨害となるおそれがあると認めて定めた行為
次の各号のいずれかに該当する者は、それぞれ当該各号に掲げる行為について当該行為に係る場所を管轄する警察署長(以下この節において「所轄警察署長」という。)の許可(当該行為に係る場所が同一の公安委員会の管理に属する二以上の警察署長の管轄にわたるときは、そのいずれかの所轄警察署長の許可。以下この節において同じ。)を受けなければならない。
道路において工事若しくは作業をしようとする者又は当該工事若しくは作業の請負人
道路に石碑、銅像、広告板、アーチその他これらに類する工作物を設けようとする者
場所を移動しないで、道路に露店、屋台店その他これらに類する店を出そうとする者
前各号に掲げるもののほか、道路において祭礼行事をし、又はロケーシヨンをする等一般交通に著しい影響を及ぼすような通行の形態若しくは方法により道路を使用する行為又は道路に人が集まり一般交通に著しい影響を及ぼすような行為で、公安委員会が、その土地の道路又は交通の状況により、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要と認めて定めたものをしようとする者
当該申請に係る行為が現に交通の妨害となるおそれがないと認められるとき。
当該申請に係る行為が許可に付された条件に従つて行なわれることにより交通の妨害となるおそれがなくなると認められるとき。
当該申請に係る行為が現に交通の妨害となるおそれはあるが公益上又は社会の慣習上やむを得ないものであると認められるとき。
所轄警察署長は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため特別の必要が生じたときは、前項の規定により付した条件を変更し、又は新たに条件を付することができる。
前条第一項の規定による許可を受けようとする者は、内閣府令で定める事項を記載した申請書を所轄警察署長に提出しなければならない。
前条第一項の規定による許可に係る行為が道路法第三十二条第一項又は第三項の規定の適用を受けるものであるときは、前項の規定による申請書の提出は、当該道路の管理者を経由して行なうことができる。
この場合において、道路の管理者は、すみやかに当該申請書を所轄警察署長に送付しなければならない。
所轄警察署長は、前条第一項の規定による許可をしたときは、許可証を交付しなければならない。
前項の規定による許可証の交付を受けた者は、当該許可証の記載事項に変更を生じたときは、所轄警察署長に届け出て、許可証に変更に係る事項の記載を受けなければならない。
第三項の規定による許可証の交付を受けた者は、当該許可証を亡失し、滅失し、汚損し、又は破損したときは、所轄警察署長に許可証の再交付を申請することができる。
所轄警察署長は、第七十七条第一項の規定による許可をしようとする場合において、当該許可に係る行為が道路法第三十二条第一項又は第三項の規定の適用を受けるものであるときは、あらかじめ、当該道路の管理者に協議しなければならない。
第二節 危険防止等の措置
警察署長は、次の各号のいずれかに該当する者に対し、当該違反行為に係る工作物又は物件(以下この節において「工作物等」という。)の除去、移転又は改修、当該違反行為に係る工事又は作業(以下この節において「工事等」という。)の中止その他当該違反行為に係る工作物等又は工事等について、道路における危険を防止し、又は交通の妨害を排除するため必要な措置をとることを命ずることができる。
第七十六条第三項の規定に違反して物件を置いた者
第七十七条第一項の規定に違反して工作物等を設置し、又は工事等を行なつた者
第七十七条第七項の規定に違反して当該工作物の除去その他道路を原状に回復する措置を講じなかつた者
第四項の規定により売却した代金は、売却に要した費用に充てることができる。
第二項から第四項までに規定する工作物等の除去、移転、改修、保管、売却、公示等に要した費用は、当該工作物等の返還を受けるべき占有者等の負担とする。
警察署長は、前項の規定により占有者等の負担とされる負担金につき納付すべき金額、納付の期限及び場所を定め、これらの者に対し、文書でその納付を命じなければならない。
警察署長は、前項の規定により納付を命ぜられた者が納付の期限を経過しても負担金を納付しないときは、督促状によつて納付すべき期限を指定して督促しなければならない。
この場合において、警察署長は、負担金につき年十四・五パーセントの割合により計算した額の範囲内の延滞金及び督促に要した手数料を徴収することができる。
納付され、又は徴収された負担金等は、当該警察署の属する都道府県の収入とする。
警察署長は、沿道の土地に設置されている工作物等が道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく交通の妨害となるおそれがあるときは、当該工作物等の占有者等に対し、当該工作物等の除去その他当該工作物等について道路における交通の危険を防止し、又は交通の円滑を図るため必要な措置をとることを命ずることができる。
第八十一条第三項から第十二項までの規定は、前項後段の規定による保管について準用する。
警察官は、道路又は沿道の土地に設置されている工作物等又は転落積載物等が著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は交通の妨害となるおそれがあり、かつ、急を要すると認めるときは、道路における交通の危険を防止し、又は交通の妨害を排除するため必要な限度において、当該工作物等又は転落積載物等の除去、移転その他応急の措置を採ることができる。
前項に規定する措置を採つた場合において、工作物等又は転落積載物等を除去したときは、警察官は、当該工作物等又は転落積載物等を、当該工作物等が設置されていた場所又は当該転落積載物等が在つた場所を管轄する警察署長に差し出さなければならない。
この場合において、警察署長は、当該工作物等又は転落積載物等を保管しなければならない。
第八十一条第三項から第十二項までの規定は、前項の規定による保管について準用する。
第六章 自動車及び一般原動機付自転車の運転免許
第一節 通則
自動車及び一般原動機付自転車(以下「自動車等」という。)を運転しようとする者は、公安委員会の運転免許(以下「免許」という。)を受けなければならない。
免許は、第一種運転免許(以下「第一種免許」という。)、第二種運転免許(以下「第二種免許」という。)及び仮運転免許(以下「仮免許」という。)に区分する。
第一種免許を分けて、大型自動車免許(以下「大型免許」という。)、中型自動車免許(以下「中型免許」という。)、準中型自動車免許(以下「準中型免許」という。)、普通自動車免許(以下「普通免許」という。)、大型特殊自動車免許(以下「大型特殊免許」という。)、大型自動二輪車免許(以下「大型二輪免許」という。)、普通自動二輪車免許(以下「普通二輪免許」という。)、小型特殊自動車免許(以下「小型特殊免許」という。)、原動機付自転車免許(以下「原付免許」という。)及び牽引免許の十種類とする。
第二種免許を分けて、大型自動車第二種免許(以下「大型第二種免許」という。)、中型自動車第二種免許(以下「中型第二種免許」という。)、普通自動車第二種免許(以下「普通第二種免許」という。)、大型特殊自動車第二種免許(以下「大型特殊第二種免許」という。)及び牽引第二種免許の五種類とする。
仮免許を分けて、大型自動車仮免許(以下「大型仮免許」という。)、中型自動車仮免許(以下「中型仮免許」という。)、準中型自動車仮免許(以下「準中型仮免許」という。)及び普通自動車仮免許(以下「普通仮免許」という。)の四種類とする。
次の表の上欄に掲げる自動車等を運転しようとする者は、当該自動車等の種類に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる第一種免許を受けなければならない。
自動車等の種類 | 第一種免許の種類 |
大型自動車 | 大型免許 |
中型自動車 | 中型免許 |
準中型自動車 | 準中型免許 |
普通自動車 | 普通免許 |
大型特殊自動車 | 大型特殊免許 |
大型自動二輪車 | 大型二輪免許 |
普通自動二輪車 | 普通二輪免許 |
小型特殊自動車 | 小型特殊免許 |
一般原動機付自転車 | 原付免許 |
前項の表の下欄に掲げる第一種免許を受けた者は、同表の区分に従い当該自動車等を運転することができるほか、次の表の上欄に掲げる免許の種類に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる種類の自動車等を運転することができる。
第一種免許の種類 | 運転することができる自動車等の種類 |
大型免許 | 中型自動車、準中型自動車、普通自動車、小型特殊自動車及び一般原動機付自転車 |
中型免許 | 準中型自動車、普通自動車、小型特殊自動車及び一般原動機付自転車 |
準中型免許 | 普通自動車、小型特殊自動車及び一般原動機付自転車 |
普通免許 | 小型特殊自動車及び一般原動機付自転車 |
大型特殊免許 | 小型特殊自動車及び一般原動機付自転車 |
大型二輪免許 | 普通自動二輪車、小型特殊自動車及び一般原動機付自転車 |
普通二輪免許 | 小型特殊自動車及び一般原動機付自転車 |
牽引自動車によつて重被牽引車を牽引して当該牽引自動車を運転しようとする者は、当該牽引自動車に係る免許(仮免許を除く。)のほか、牽引免許を受けなければならない。
牽引免許を受けた者で、大型免許、中型免許、準中型免許、普通免許、大型特殊免許、大型第二種免許、中型第二種免許、普通第二種免許又は大型特殊第二種免許を現に受けているものは、これらの免許によつて運転することができる牽引自動車によつて重被牽引車を牽引して当該牽引自動車を運転することができる。
大型免許を受けた者で、二十一歳に満たないもの又は大型免許、中型免許、準中型免許、普通免許若しくは大型特殊免許のいずれかを受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して三年に達しないものは、第二項の規定にかかわらず、政令で定める大型自動車、中型自動車又は準中型自動車を運転することはできない。
中型免許を受けた者(大型免許を現に受けている者を除く。)で、二十一歳に満たないもの又は大型免許、中型免許、準中型免許、普通免許若しくは大型特殊免許のいずれかを受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して三年に達しないものは、第二項の規定にかかわらず、政令で定める中型自動車又は準中型自動車を運転することはできない。
二十一歳に満たない者又は大型免許、中型免許、準中型免許、普通免許若しくは大型特殊免許のいずれかを受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して三年に達しない者
政令で定める準中型自動車
大型免許、中型免許、準中型免許、普通免許又は大型特殊免許のいずれかを受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して二年に達しない者
政令で定める普通自動車
普通免許を受けた者(準中型免許を現に受けている者を除く。)で、大型免許、中型免許、準中型免許、普通免許又は大型特殊免許のいずれかを受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して二年に達しないものは、第二項の規定にかかわらず、政令で定める普通自動車を運転することはできない。
大型二輪免許を受けた者で、大型二輪免許又は普通二輪免許のいずれかを受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して二年に達しないものは、第二項の規定にかかわらず、政令で定める大型自動二輪車又は普通自動二輪車を運転することはできない。
普通二輪免許を受けた者(大型二輪免許を現に受けている者を除く。)で、大型二輪免許又は普通二輪免許のいずれかを受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して二年に達しないものは、第二項の規定にかかわらず、政令で定める普通自動二輪車を運転することはできない。
大型免許、中型免許、準中型免許又は普通免許を受けた者は、第二項の規定にかかわらず、自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律(平成十三年法律第五十七号)第二条第六項に規定する代行運転自動車(普通自動車に限る。以下「代行運転普通自動車」という。)を運転することはできない。
次の表の上欄に掲げる自動車で旅客自動車であるものを旅客自動車運送事業に係る旅客を運送する目的で運転しようとする者は、当該自動車の種類に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる第二種免許を受けなければならない。
自動車の種類 | 第二種免許の種類 |
大型自動車 | 大型第二種免許 |
中型自動車及び準中型自動車 | 中型第二種免許 |
普通自動車 | 普通第二種免許 |
大型特殊自動車 | 大型特殊第二種免許 |
牽引自動車によつて旅客用車両を旅客自動車運送事業に係る旅客を運送する目的で牽引して当該牽引自動車を運転しようとする者は、当該牽引自動車に係る免許(仮免許を除く。)のほか、牽引第二種免許を受けなければならない。
牽引第二種免許を受けた者で、大型免許、中型免許、準中型免許、普通免許、大型特殊免許、大型第二種免許、中型第二種免許、普通第二種免許又は大型特殊第二種免許を現に受けているものは、これらの免許によつて運転することができる牽引自動車によつて旅客用車両を旅客自動車運送事業に係る旅客を運送する目的で牽引して当該牽引自動車を運転することができるほか、これらの免許によつて運転することができる牽引自動車によつて重被牽引車を牽引して当該牽引自動車を運転することができる。
代行運転普通自動車を運転しようとする者は、普通第二種免許を受けなければならない。
大型第二種免許又は中型第二種免許を受けた者は、第二項に規定するもののほか、代行運転普通自動車を運転することができる。
大型自動車、中型自動車、準中型自動車又は普通自動車を当該自動車を運転することができる第一種免許又は第二種免許を受けないで練習のため又は第九十七条第一項第二号に掲げる事項について行う運転免許試験若しくは第九十九条第一項に規定する指定自動車教習所における自動車の運転に関する技能についての技能検定(次項において「試験等」という。)において運転しようとする者は、その運転しようとする自動車が大型自動車であるときは大型仮免許を、中型自動車であるときは中型仮免許を、準中型自動車であるときは準中型仮免許を、普通自動車であるときは普通仮免許を受けなければならない。
大型仮免許を受けた者は大型自動車、中型自動車、準中型自動車又は普通自動車を、中型仮免許を受けた者は中型自動車、準中型自動車又は普通自動車を、準中型仮免許を受けた者は準中型自動車又は普通自動車を、普通仮免許を受けた者は普通自動車を、練習のため又は試験等において運転することができる。
この場合において、仮免許を受けた者は、練習のため自動車を運転しようとするときは、その運転者席の横の乗車装置に、当該自動車を運転することができる第一種免許を受けている者(免許の効力が停止されている者を除く。)で当該免許を受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して三年以上のもの、当該自動車を運転することができる第二種免許を受けている者(免許の効力が停止されている者及び二十一歳に満たない者を除く。)その他政令で定める者を同乗させ、かつ、その指導の下に、当該自動車を運転しなければならない。
仮免許を受けた者は、練習のため自動車を運転しようとするときは、内閣府令で定めるところにより当該自動車の前面及び後面に内閣府令で定める様式の標識を付けて当該自動車を運転しなければならない。
仮免許を受けた者は、第二項の規定にかかわらず、旅客自動車運送事業に係る旅客を運送する目的で旅客自動車を運転することはできない。
仮免許を受けた者は、第二項の規定にかかわらず、代行運転普通自動車を運転することはできない。
仮免許の有効期間は、当該仮免許に係る第九十七条第一項第一号に掲げる事項について行う運転免許試験(第九十条第一項及び第九十五条の六第一項において「適性試験」という。)を受けた日から起算して六月とする。
ただし、当該期間が満了するまでの間に、大型仮免許を受けた者が大型免許若しくは大型第二種免許を受け、中型仮免許を受けた者が大型自動車若しくは中型自動車を運転することができる第一種免許若しくは第二種免許を受け、準中型仮免許を受けた者が大型自動車、中型自動車若しくは準中型自動車を運転することができる第一種免許若しくは第二種免許を受け、又は普通仮免許を受けた者が大型自動車、中型自動車、準中型自動車若しくは普通自動車を運転することができる第一種免許若しくは第二種免許を受けたときは、当該仮免許は、その効力を失う。
第二節 免許の申請等
次の各号のいずれかに該当する者に対しては、第一種免許又は第二種免許を与えない。
大型免許にあつては二十一歳(政令で定める者にあつては、十九歳)に、中型免許にあつては二十歳(政令で定める者にあつては、十九歳)に、準中型免許、普通免許、大型特殊免許、大型二輪免許及び牽引免許にあつては十八歳に、普通二輪免許、小型特殊免許及び原付免許にあつては十六歳に、それぞれ満たない者
第九十条第一項ただし書の規定による免許の拒否(同項第三号又は第七号に該当することを理由とするものを除く。)をされた日から起算して同条第九項の規定により指定された期間を経過していない者若しくは免許を保留されている者若しくは同条第二項の規定による免許の拒否をされた日から起算して同条第十項の規定により指定された期間を経過していない者又は同条第五項の規定により免許を取り消された日から起算して同条第九項の規定により指定された期間を経過していない者若しくは免許の効力を停止されている者若しくは同条第六項の規定により免許を取り消された日から起算して同条第十項の規定により指定された期間を経過していない者
第百三条第一項若しくは第四項の規定による免許の取消し(同条第一項(第四号を除く。)に係るものに限る。)をされた日から起算して同条第七項の規定により指定された期間(第百三条の二第一項の規定により免許の効力を停止された者が当該事案について免許を取り消された場合にあつては、当該指定された期間から当該免許の効力が停止されていた期間を除いた期間。以下この号において同じ。)を経過していない者若しくは第百三条第二項若しくは第四項の規定による免許の取消し(同条第四項の規定による免許の取消しにあつては、同条第二項に係るものに限る。)をされた日から起算して同条第八項の規定により指定された期間を経過していない者又は同条第一項若しくは第四項、第百三条の二第一項、第百四条の二の三第一項若しくは第三項若しくは同条第五項において準用する第百三条第四項の規定により免許の効力が停止されている者
大型仮免許にあつては二十一歳(政令で定める者にあつては、十九歳)に、中型仮免許にあつては二十歳(政令で定める者にあつては、十九歳)に、準中型仮免許及び普通仮免許にあつては十八歳に、それぞれ満たない者に対しては、仮免許を与えない。
免許を現に受けている者は、当該免許と同一の種類の免許を重ねて受けることができない。
前項に規定する公安委員会は、同項の規定により免許申請書を提出しようとする者に対し、その者が次条第一項第一号から第二号までのいずれかに該当するかどうかの判断に必要な質問をするため、内閣府令で定める様式の質問票を交付することができる。
第一項の規定により自動車教習所の所在地を管轄する公安委員会(その者の住所地を管轄する公安委員会を除く。)に仮免許に係る免許申請書を提出し、当該公安委員会の仮免許を受けている者であつて、現に当該自動車教習所において自動車の運転に関する教習を受けているものは、自動車の運転について必要な技能を有するかどうかについて当該公安委員会が内閣府令で定めるところにより行う検査を受けることができる。
この場合において、当該公安委員会は、その者が自動車の運転について必要な技能を有すると認めるときは、内閣府令で定めるところにより、その者に対しその旨を証する書面を交付するものとする。
公安委員会は、前条第一項の運転免許試験に合格した者(当該運転免許試験に係る適性試験を受けた日から起算して、第一種免許又は第二種免許にあつては一年を、仮免許にあつては三月を経過していない者に限る。)に対し、免許を与えなければならない。
ただし、次の各号のいずれかに該当する者については、政令で定める基準に従い、免許(仮免許を除く。以下この項から第十二項までにおいて同じ。)を与えず、又は六月を超えない範囲内において免許を保留することができる。
次に掲げる病気にかかつている者
幻覚の症状を伴う精神病であつて政令で定めるもの
発作により意識障害又は運動障害をもたらす病気であつて政令で定めるもの
イ又はロに掲げるもののほか、自動車等の安全な運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるもの
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第五条の二第一項に規定する認知症(第百二条第一項及び第百三条第一項第一号の二において単に「認知症」という。)である者
アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者
第八項の規定による命令に違反した者
自動車等の運転に関しこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこの法律の規定に基づく処分に違反する行為(次項第一号から第四号までに規定する行為を除く。)をした者
自動車等の運転者を唆してこの法律の規定に違反する行為で重大なものとして政令で定めるもの(以下この号において「重大違反」という。)をさせ、又は自動車等の運転者が重大違反をした場合において当該重大違反を助ける行為(以下「重大違反唆し等」という。)をした者
道路以外の場所において自動車等をその本来の用い方に従つて用いることにより人を死傷させる行為(以下「道路外致死傷」という。)で次項第五号に規定する行為以外のものをした者
第百二条第一項から第四項までの規定による命令を受け、又は同条第六項の規定による通知を受けた者
自動車等の運転により人を死傷させ、又は建造物を損壊させる行為で故意によるものをした者
自動車等の運転に関し自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(平成二十五年法律第八十六号)第二条から第四条までの罪に当たる行為をした者
自動車等の運転に関し第百十七条の二第一項第一号、第三号又は第四号の違反行為をした者(前二号のいずれかに該当する者を除く。)
道路外致死傷で故意によるもの又は自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第二条から第四条までの罪に当たるものをした者
公安委員会は、免許を与えた後において、当該免許を受けた者が当該免許を受ける前に第一項第四号から第六号までのいずれかに該当していたことが判明したときは、政令で定める基準に従い、その者の免許を取り消し、又は六月を超えない範囲内で期間を定めて免許の効力を停止することができる。
公安委員会は、免許を与えた後において、当該免許を受けた者が当該免許を受ける前に第二項各号のいずれかに該当していたことが判明したときは、その者の免許を取り消すことができる。
公安委員会は、第一項第一号から第三号までのいずれかに該当することを理由として同項ただし書の規定により免許を保留する場合において、必要があると認めるときは、当該処分の際に、その者に対し、公安委員会が指定する期日及び場所において適性検査を受け、又は公安委員会が指定する期限までに内閣府令で定める要件を満たす医師の診断書を提出すべき旨を命ずることができる。
公安委員会は、第一項ただし書の規定により免許の保留(同項第四号から第六号までのいずれかに該当することを理由とするものに限る。)をされ、又は第五項の規定により免許の効力の停止を受けた者が第百八条の二第一項第三号に掲げる講習を終了したときは、政令で定める範囲内で、その者の免許の保留の期間又は効力の停止の期間を短縮することができる。
公安委員会は、仮免許の運転免許試験に合格した者が第一項第一号から第二号までのいずれかに該当するときは、同項本文の規定にかかわらず、政令で定める基準に従い、仮免許を与えないことができる。
公安委員会は、道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要があると認めるときは、必要な限度において、免許に、その免許に係る者の身体の状態又は運転の技能に応じ、その者が運転することができる自動車等の種類を限定し、その他自動車等を運転するについて必要な条件を付し、及びこれを変更することができる。
免許を受けた者は、その者の住所地を管轄する公安委員会に対し、免許に、その者が運転することができる自動車等の種類を限定する条件その他の条件であつて、交通事故を防止し、若しくは交通事故による被害を軽減することに資するものとして内閣府令で定めるものを付し、又はこれを変更することを申請することができる。
前項の規定による申請を受けた公安委員会は、政令で定めるところにより、当該申請に係る免許に条件を付し、又は当該申請に係る免許に付されている条件を変更するものとする。
公安委員会は、第一項の規定による条件の変更の申請があつた場合において、必要があると認めるときは、当該申請をした者に対し、当該変更をすることが適当であるかどうかについて審査を行うことができる。
第三節 免許証等
免許は、運転免許証(以下「免許証」という。)を交付して行なう。
この場合において、同一人に対し、日を同じくして第一種免許又は第二種免許のうち二以上の種類の免許を与えるときは、一の種類の免許に係る免許証に他の種類の免許に係る事項を記載して、当該種類の免許に係る免許証の交付に代えるものとする。
免許を現に受けている者に対し、当該免許の種類と異なる種類の免許を与えるときは、その異なる種類の免許に係る免許証にその者が現に受けている免許に係る事項を記載して、その者が現に有する免許証と引換えに交付するものとする。
免許証には、次に掲げる事項(次条の規定による記録が行われる場合にあつては、内閣府令で定めるものを除く。)を記載するものとする。
免許証の番号
免許の年月日並びに免許証の交付年月日及び有効期間の末日
免許の種類
免許を受けた者の本籍、住所、氏名及び生年月日
免許を受けた者が第九十五条の六第一項の表の備考一のロに規定する優良運転者(第百一条第三項及び第百一条の二の二第一項において単に「優良運転者」という。)である場合にあつては、その旨
公安委員会は、前項に規定するもののほか、免許を受けた者について、第九十一条又は第九十一条の二第二項の規定により、免許に条件を付し、又は免許に付されている条件を変更したときは、その者の免許証に当該条件に係る事項を記載しなければならない。
前二項に規定するもののほか、免許証の様式、免許証に表示すべきものその他免許証について必要な事項は、内閣府令で定める。
免許を受けた者は、第九十三条第一項各号に掲げる事項に変更を生じたときは、速やかに住所地を管轄する公安委員会(公安委員会の管轄区域を異にして住所を変更したときは、変更した後の住所地を管轄する公安委員会)に届け出て、免許証に変更に係る事項の記載(前条の規定による記録が行われる場合にあつては、同条の規定による記録)を受けなければならない。
免許を受けた者は、自動車等を運転するときは、当該自動車等に係る免許証を携帯していなければならない。
免許(仮免許を除く。以下この条において同じ。)を現に受けている者のうち、当該免許について免許証のみを有するもの並びに免許証及び第四項に規定する免許情報記録個人番号カードのいずれをも有しないものは、いつでも、その者の住所地を管轄する公安委員会に、その者の個人番号カード(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成二十五年法律第二十七号)第二条第七項に規定する個人番号カードをいう。以下同じ。)の区分部分(同法第十八条に規定するカード記録事項が記録された部分と区分された部分をいう。以下同じ。)に当該免許に係る特定免許情報を記録することを申請することができる。
前項の特定免許情報とは、次に掲げる事項をいう。
免許情報記録(個人番号カードに記録された特定免許情報に係る記録をいう。以下同じ。)の番号
免許の年月日及び免許情報記録の有効期間の末日
免許の種類
第九十三条第二項に規定する条件に係る事項
第一項の規定による申請を受けた公安委員会は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、前項に規定する特定免許情報(以下「特定免許情報」という。)をその者の個人番号カードの区分部分に電磁的方法により記録するものとする。
免許の効力が停止されているとき。
当該個人番号カードが行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律第十七条第十項の規定により効力を失つていること、当該個人番号カードの区分部分における他の事項が記録されていない領域が特定免許情報を記録するために十分でないことその他の公安委員会が個人番号カードの区分部分に特定免許情報を記録することができない事情として内閣府令で定めるものがあるとき。
免許証及び免許情報記録個人番号カード(その者に係る特定免許情報が記録された個人番号カードをいう。以下同じ。)を有する者は、いつでも、免許証をその者の住所地を管轄する公安委員会に返納することができる。
免許情報記録個人番号カードは、前条の規定の適用については、免許証とみなす。
行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律第十七条第十項の規定による個人番号カードの失効は、免許情報記録の効力に影響を及ぼさないものとする。
免許証及び免許情報記録個人番号カードを有する者は、いつでも、免許情報記録個人番号カードをその者の住所地を管轄する公安委員会に提示して免許情報記録の抹消を受けることができる。
免許を現に受けている者のうち当該免許について免許情報記録個人番号カードのみを有するものは、いつでも、その者の住所地を管轄する公安委員会に当該免許に係る免許証の交付を申請することができる。
免許情報記録個人番号カードについての第九十二条第二項及び第九十三条第二項の規定の適用については、第九十二条第二項中「その異なる種類の免許に係る免許証にその者が現に受けている免許に係る事項を記載して、その者が現に有する免許証と引換えに交付する」とあるのは「その者の免許情報記録個人番号カード(第九十五条の二第四項に規定する免許情報記録個人番号カードをいう。以下同じ。)に記録された免許情報記録(同条第二項第一号に規定する免許情報記録をいう。)をその異なる種類の免許及びその者が現に受けている免許に係るものに書き換える」と、第九十三条第二項中「免許証に当該条件」とあるのは「免許情報記録個人番号カードの区分部分(第九十五条の二第一項に規定する区分部分をいう。)に当該条件(仮免許に係るものを除く。)」と、「記載しなければ」とあるのは「電磁的方法(次条に規定する電磁的方法をいう。)により記録しなければ」とする。
国家公安委員会に対し、戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第百二十条の三第三項の規定により国家公安委員会が同条第一項に規定する戸籍電子証明書(その者の変更した後の本籍を証明するものに限る。)の提供を受けるための措置として内閣府令で定める措置を講じた者
本籍
国家公安委員会に対し、電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律(平成十四年法律第百五十三号)第十八条第三項の規定により国家公安委員会が同項に規定する特定署名用電子証明書記録情報(その者の個人番号カードに記録された同法第三条第一項に規定する個人番号カード用署名用電子証明書に係るものに限る。)の提供を受けるための措置として内閣府令で定める措置を講じている者
住所、氏名及び生年月日
第一種免許及び第二種免許に係る免許証(第九十五条の二第十一項の規定により交付された免許証(第百七条の規定により読み替えて適用する第百一条の四の二第三項に規定する書面(以下この項において「更新証明書」という。)の交付を受けた者に対して交付されたものを除く。次項において同じ。)及び第百六条の三第二項の規定により交付された免許証を除く。以下この項において同じ。)並びに免許情報記録(第九十二条第一項の規定による免許証の交付を受けようとする際に第九十五条の二第一項の規定による申請をした者又は更新証明書の交付を受けた者に対して同条第三項の規定により記録された免許情報記録(次項において「免許付与時記録免許情報記録等」という。)、第九十五条の三の規定により読み替えて適用する第九十二条第二項の規定により書き換えられた免許情報記録及び第百一条第六項又は第百一条の二第四項の規定により更新された免許情報記録に限る。以下この項において同じ。)の有効期間は、次の表の上欄に掲げる区分ごとに、それぞれ、同表の中欄に掲げる年齢に応じ、同表の下欄に定める日が経過するまでの期間とする。
免許証の交付又は特定免許情報の記録を受けた者の区分 | 更新日等における年齢 | 有効期間の末日 |
優良運転者及び一般運転者 | 七十歳未満 | 満了日等の後のその者の五回目の誕生日から起算して一月を経過する日 |
七十歳 | 満了日等の後のその者の四回目の誕生日から起算して一月を経過する日 | |
七十一歳以上 | 満了日等の後のその者の三回目の誕生日から起算して一月を経過する日 | |
違反運転者等 | 満了日等の後のその者の三回目の誕生日から起算して一月を経過する日 | |
備考 一 この表に掲げる用語の意義は、次に定めるとおりとする。 イ 更新日等 次の(1)から(5)までに掲げる免許証及び免許情報記録の区分に応じ、当該(1)から(5)までに定める日 (1) 第百一条第六項の規定により更新された免許証及び免許情報記録 当該更新された日 (2) 更新証明書の交付を受けた者のうち第百一条第六項の規定による免許情報記録の有効期間の更新を受けたものに対して第九十五条の二第十一項の規定により交付された免許証及び同条第三項の規定により記録された免許情報記録 当該更新証明書の交付を受けた日 (3) 第百一条の二第四項の規定により更新された免許証及び免許情報記録並びに更新証明書の交付を受けた者のうち同項の規定による免許情報記録の有効期間の更新を受けたものに対して第九十五条の二第十一項の規定により交付された免許証及び同条第三項の規定により記録された免許情報記録 第百一条の二第三項の規定による適性検査を受けた日 (4) 海外旅行、災害その他の政令で定めるやむを得ない理由のため第百一条第一項の免許証等の更新を受けることができなかつた者(その免許がその結果第百五条の規定により効力を失つた日から起算して六月(当該やむを得ない理由のためその期間内に次の免許を受けることができなかつた者にあつては、当該効力を失つた日から起算して三年を経過しない場合に限り、当該事情がやんだ日から起算して一月)を経過しない者に限る。以下この表において「特別失効者」という。)又は第百三条第一項若しくは第四項の規定による免許の取消し(同条第一項第一号から第二号までのいずれかに係るものに限る。)を受けた者(当該取消しを受けた日から起算して三年を経過しない者に限り、同日前の直近においてした第八十九条第一項、第百一条第一項若しくは第百一条の二第一項の規定による質問票の提出又は第百一条の五の規定による報告について第百十七条の四第一項第三号の違反行為をした者を除く。以下この表において「特別取消処分者」という。)に対して第九十二条第一項の規定により交付された免許証及び第九十五条の二第三項の規定により記録された免許情報記録 当該交付された免許証又は記録された免許情報記録に係る適性試験を受けた日の直前のその者の誕生日(当該適性試験を受けた日がその者の誕生日である場合にあつては、当該適性試験を受けた日)の前日 (5) その他の免許証及び免許情報記録 当該免許証又は免許情報記録に係る適性試験を受けた日 ロ 優良運転者 更新日等(特別失効者に対して第九十二条第一項の規定により交付された免許証及び第九十五条の二第三項の規定により記録された免許情報記録にあつては当該効力を失つた免許に係る免許証又は免許情報記録の有効期間の末日、特別取消処分者に対して第九十二条第一項の規定により交付された免許証及び第九十五条の二第三項の規定により記録された免許情報記録にあつては当該取消しを受けた日。ニにおいて同じ。)までに継続して免許(仮免許を除く。ニにおいて同じ。)を受けている期間が五年以上である者であつて、自動車等の運転に関するこの法律及びこの法律に基づく命令の規定並びにこの法律の規定に基づく処分並びに重大違反唆し等及び道路外致死傷に係る法律の規定の遵守の状況が優良な者として政令で定める基準に適合するもの ハ 一般運転者 優良運転者又は違反運転者等以外の者 ニ 違反運転者等 更新日等までに継続して免許を受けている期間が五年以上である者であつて自動車等の運転に関するこの法律及びこの法律に基づく命令の規定並びにこの法律の規定に基づく処分並びに重大違反唆し等及び道路外致死傷に係る法律の規定の遵守の状況が不良な者として政令で定める基準に該当するもの又は当該期間が五年未満である者 ホ 満了日等 次の(1)から(4)までに掲げる免許証及び免許情報記録の区分に応じ、当該(1)から(4)までに定める日 (1) イ(1)に掲げる免許証及び免許情報記録 更新前の免許証又は免許情報記録の有効期間が満了した日 (2) イ(2)に掲げる免許証及び免許情報記録 その直近において記録された免許情報記録の有効期間が満了することとされていた日 (3) イ(3)に掲げる免許証及び免許情報記録 第百一条の二第三項の規定による適性検査を受けた日 (4) その他の免許証及び免許情報記録 当該免許証又は免許情報記録に係る適性試験を受けた日 二 更新日等がその者の誕生日である場合におけるこの表の適用については、この表中「更新日等」とあるのは、「更新日等の前日」とする。 三 更新日等が有効期間の末日の直前のその者の誕生日の翌日から当該有効期間の末日までの間である場合におけるこの表の適用については、この表中「更新日等」とあるのは、「更新日等の直前のその者の誕生日の前日」とする。 四 特別失効者に該当する者として当該効力を失つた免許の次の免許を受けた者に対するこの表の備考一のロ及びニの規定の適用については、当該効力を失つた免許を受けていた期間及び当該次の免許を受けていた期間は、継続していたものとみなす。 五 特別取消処分者に該当する者として当該取り消された免許の次の免許を受けた者に対するこの表の備考一のロ及びニの規定の適用については、当該取り消された免許を受けた日から当該取消しを受けた日までの期間及び当該次の免許を受けていた期間は、継続していたものとみなす。 六 その者の誕生日が二月二十九日である場合におけるこの表の適用については、その者のうるう年以外の年における誕生日は二月二十八日であるものとみなす。 | ||
次の各号に掲げる者に対して第九十五条の二第十一項の規定により交付された免許証及び第百六条の三第二項の規定により交付された免許証並びに第九十五条の二第三項の規定により記録された免許情報記録(免許付与時記録免許情報記録等を除く。)及び第百六条の四第二項の規定により書き換えられた免許情報記録の有効期間は、当該各号に掲げる者の区分に応じ、当該各号に定める日が経過するまでの期間とする。
現に受けている免許(仮免許を除く。以下この項において同じ。)について免許証のみを有していた者
当該免許証の有効期間が満了する日
現に受けている免許について免許情報記録個人番号カードのみを有していた者
当該免許情報記録個人番号カードに記録された免許情報記録の有効期間が満了する日
現に受けている免許について免許証及び免許情報記録個人番号カードを有していた者
当該免許証の有効期間が満了する日又は当該免許情報記録個人番号カードに記録された免許情報記録の有効期間が満了する日のいずれか遅い日
現に受けている免許について免許証及び免許情報記録個人番号カードのいずれをも有していなかつた者
その直近において記録された免許情報記録の有効期間が満了することとされていた日
前二項に規定する期間の末日が日曜日その他政令で定める日に当たるときは、これらの日の翌日を当該期間の末日とみなす。
第四節 運転免許試験
第八十八条第一項各号のいずれかに該当する者は第一種免許の運転免許試験を、同条第二項に規定する者は仮免許の運転免許試験を受けることができない。
大型免許の運転免許試験を受けようとする者(政令で定める者を除く。)は、中型免許、準中型免許、普通免許又は大型特殊免許を現に受けている者に該当し、かつ、これらの免許のいずれかを受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して三年(政令で定める教習を修了した者にあつては、一年)以上の者でなければならない。
中型免許の運転免許試験を受けようとする者(政令で定める者を除く。)は、準中型免許、普通免許又は大型特殊免許を現に受けている者に該当し、かつ、これらの免許のいずれかを受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して二年(政令で定める教習を修了した者にあつては、一年)以上の者でなければならない。
大型免許、中型免許、準中型免許、普通免許、大型特殊免許、大型第二種免許、中型第二種免許、普通第二種免許又は大型特殊第二種免許を現に受けている者でなければ、牽引免許の運転免許試験を受けることができない。
第二種免許の運転免許試験は、次の各号のいずれかに該当する者でなければ、受けることができない。
牽引第二種免許以外の第二種免許の運転免許試験については、二十一歳(政令で定める教習を修了した者(第百四条の二の四第一項又は第二項の規定により特例取得免許の取消しを受けた者その他の政令で定める者を除く。)にあつては、十九歳)以上の者で、大型免許、中型免許、準中型免許、普通免許又は大型特殊免許を現に受けている者に該当し、かつ、これらの免許のいずれかを受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して三年(政令で定める経験を有するものにあつては二年、政令で定める教習を修了したものにあつては一年)以上のもの
牽引第二種免許の運転免許試験については、二十一歳(政令で定める教習を修了した者(第百四条の二の四第一項又は第二項の規定により特例取得免許の取消しを受けた者その他の政令で定める者を除く。)にあつては、十九歳)以上の者で、大型免許、中型免許、準中型免許、普通免許又は大型特殊免許及び牽引免許を現に受けている者に該当し、かつ、これらの免許のいずれかを受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して三年(政令で定める経験を有するものにあつては二年、政令で定める教習を修了したものにあつては一年)以上のもの
その者が受けようとする第二種免許の種類と異なる種類の第二種免許を現に受けている者
第二項から第四項まで及び前項各号に規定する免許を現に受けている者には、第九十条第五項、第百三条第一項若しくは第四項、第百三条の二第一項、第百四条の二の三第一項若しくは第三項又は同条第五項において準用する第百三条第四項の規定により当該免許の効力が停止されている者及びこれに準ずるものとして政令で定める者を含まないものとする。
大型免許、中型免許、準中型免許、普通免許、大型第二種免許、中型第二種免許又は普通第二種免許の運転免許試験を受けようとする者(政令で定める者を除く。)は、仮免許(大型免許又は大型第二種免許の運転免許試験を受けようとする者にあつては大型仮免許、中型免許又は中型第二種免許の運転免許試験を受けようとする者にあつては大型仮免許又は中型仮免許、準中型免許の運転免許試験を受けようとする者にあつては大型仮免許、中型仮免許又は準中型仮免許)を現に受けている者に該当し、かつ、過去三月以内に五日以上、内閣府令で定めるところにより道路において自動車の運転の練習をした者でなければならない。
第九十条第一項ただし書若しくは第二項の規定による免許の拒否、同条第五項若しくは第六項若しくは第百三条第一項、第二項若しくは第四項の規定による免許の取消し又は第百七条の五第一項若しくは第二項の規定若しくは同条第九項において準用する第百三条第四項の規定による六月を超える期間の自動車等の運転の禁止を受けた者(第九十条第一項第一号から第三号まで若しくは第七号、第百三条第一項第一号から第四号まで又は第百七条の五第一項第一号に該当することを理由としてこれらの処分を受けた者を除く。第百八条の二第一項第二号において「取消処分者等」という。)で、運転免許試験(仮免許の運転免許試験を除く。次項において同じ。)を受けようとするものは、過去一年以内に第百八条の二第一項第二号に掲げる講習(当該処分前に行われた講習を除く。)を終了した者でなければならない。
ただし、当該処分を受けた後免許(仮免許を除く。)を受けたことがある者は、この限りでない。
前項の規定は、免許が失効したため又は第百七条の二の国際運転免許証若しくは外国運転免許証を所持する者でなくなつたため、第九十条第五項若しくは第六項若しくは第百三条第一項、第二項若しくは第四項の規定による免許の取消し又は第百七条の五第一項若しくは第二項の規定若しくは同条第九項において準用する第百三条第四項の規定による六月を超える期間の自動車等の運転の禁止(第百三条第一項第一号から第四号まで又は第百七条の五第一項第一号に該当することを理由とするものを除く。)を受けなかつた者(第百八条の二第一項第二号において「準取消処分者等」という。)で、運転免許試験を受けようとするものについて準用する。
この場合において、前項中「当該処分前に行われた講習」とあるのは「当該免許が失効する前又は当該国際運転免許証若しくは外国運転免許証を所持する者でなくなる前に行われた講習」と、「当該処分を受けた後」とあるのは「当該免許が失効した後又は当該国際運転免許証若しくは外国運転免許証を所持する者でなくなつた後」と読み替えるものとする。
自動車等の運転について必要な適性
自動車等の運転について必要な技能
自動車等の運転について必要な知識
前項第二号に掲げる事項について行う大型免許、中型免許、準中型免許、普通免許、大型第二種免許、中型第二種免許及び普通第二種免許の運転免許試験は、道路において行うものとする。
ただし、道路において行うことが交通の妨害となるおそれがあるものとして内閣府令で定める運転免許試験の項目については、この限りでない。
第一項第三号に掲げる事項についての運転免許試験は、第百八条の二十八第四項の規定により国家公安委員会が作成する教則の内容の範囲内で行う。
前三項に規定するもののほか、運転免許試験の実施の手続、方法その他運転免許試験について必要な事項は、内閣府令で定める。
次の各号のいずれかに該当する者に対しては、それぞれ当該各号に定める運転免許試験を免除する。
その者が当該検査の時に受けていた仮免許の区分に応じ大型免許、中型免許、準中型免許又は普通免許のいずれかに係る前条第一項第二号に掲げる事項についての運転免許試験
第九十九条の五第五項に規定する卒業証明書(同項後段に規定する技能検定員の書面による証明が付されているものに限る。)を有する者で当該卒業証明書に係る技能検定を受けた日から起算して一年を経過しないもの又は同項に規定する修了証明書(同項後段に規定する技能検定員の書面による証明が付されているものに限るものとし、政令で定めるものを除く。)を有する者で当該修了証明書に係る技能検定を受けた日から起算して三月を経過しないもの
当該卒業証明書又は修了証明書に係る免許に係る前条第一項第二号に掲げる事項についての運転免許試験
第百一条第一項の免許証等の更新を受けなかつた者(政令で定める者を除く。)で、その者の免許が第百五条の規定により効力を失つた日から起算して六月(海外旅行、災害その他政令で定めるやむを得ない理由のため、その期間内に運転免許試験を受けることができなかつた者にあつては、当該効力を失つた日から起算して三年を経過しない場合に限り、当該事情がやんだ日から起算して一月)を経過しないもの(以下「特定失効者」という。)のうち、次に掲げる区分に応じそれぞれ次に定める検査及び講習又は教育を内閣府令で定めるところにより受けたもの
その者が受けていた免許に係る運転免許試験(前条第一項第一号に掲げる事項についてのものを除く。)
第八十九条第一項の規定により免許申請書を提出した日における年齢が七十五歳以上の者(普通自動車対応免許を受けようとする者であつて大型自動車、中型自動車、準中型自動車又は普通自動車(以下この条及び第百一条の四において「普通自動車等」という。)の運転に関するこの法律及びこの法律に基づく命令の規定並びにこの法律の規定に基づく処分並びに重大違反唆し等及び道路外致死傷に係る法律の規定の遵守の状況を勘案して普通自動車等を運転することが道路における交通の危険を生じさせるおそれがある者として政令で定める基準に該当するものに限り、同日前一年以内に第百二条第一項から第四項までの規定により診断書(同項に規定する診断書にあつては、その者が第百三条第一項第一号の二に該当するかどうかを診断したものに限る。ロ及びハ並びに第百一条の四第二項において同じ。)を提出した者その他公安委員会が内閣府令で定めるところにより行う介護保険法第五条の二第一項に規定する認知機能(以下単に「認知機能」という。)に関する検査(以下「認知機能検査」という。)又は第百八条の三十二の三第一項第三号イに掲げる基準に適合する同項の認定を受けた同項の運転免許取得者等検査(以下「認知機能検査等」という。)を受ける必要がないものとして内閣府令で定める者を除く。)
認知機能検査等、公安委員会が内閣府令で定めるところにより行う普通自動車等の運転について必要な技能に関する検査(同号ロ及び第百十二条第一項第五号の四において「運転技能検査」という。)又は第百八条の三十二の三第一項第三号ロに掲げる基準に適合する同項の認定を受けた同項の運転免許取得者等検査(以下「運転技能検査等」という。)及び第百八条の二第一項第十二号に掲げる講習、同条第二項の規定による講習(同号に掲げる講習と同等の効果がある講習の基準として国家公安委員会規則で定める基準に適合するものに限る。ロからニまでにおいて同じ。)又は第百八条の三十二の二第一項の認定を受けた同項の運転免許取得者等教育の課程(同項第三号ロに掲げる基準に適合するものに限る。ロからニまでにおいて同じ。)
第八十九条第一項の規定により免許申請書を提出した日における年齢が七十五歳以上の者(普通自動車対応免許を受けようとする者であつてイの政令で定める基準に該当するもの及び同日前一年以内に第百二条第一項から第四項までの規定により診断書を提出した者その他認知機能検査等を受ける必要がないものとして内閣府令で定める者を除く。)
認知機能検査等及び第百八条の二第一項第十二号に掲げる講習、同条第二項の規定による講習又は第百八条の三十二の二第一項の認定を受けた同項の運転免許取得者等教育の課程
第八十九条第一項の規定により免許申請書を提出した日における年齢が七十五歳以上の者(普通自動車対応免許を受けようとする者であつてイの政令で定める基準に該当し、かつ、同日前一年以内に第百二条第一項から第四項までの規定により診断書を提出した者その他認知機能検査等を受ける必要がないものとして内閣府令で定める者であるものに限る。)
運転技能検査等及び第百八条の二第一項第十二号に掲げる講習、同条第二項の規定による講習又は第百八条の三十二の二第一項の認定を受けた同項の運転免許取得者等教育の課程
第八十九条第一項の規定により免許申請書を提出した日における年齢が七十歳以上の者(イからハまでに掲げる者を除く。)
第百八条の二第一項第十二号に掲げる講習、同条第二項の規定による講習又は第百八条の三十二の二第一項の認定を受けた同項の運転免許取得者等教育の課程
イからニまでに掲げる者以外の者
第百八条の二第一項第十一号に掲げる講習、同条第二項の規定による講習(同号に掲げる講習と同等の効果がある講習の基準として国家公安委員会規則で定める基準に適合するものに限る。)又は第百八条の三十二の二第一項の認定を受けた同項の運転免許取得者等教育の課程(同項第三号イに掲げる基準に適合するものに限る。)
第百三条第一項又は第四項の規定による免許の取消し(同条第一項第一号から第二号までのいずれかに係るものに限る。)を受けた者(当該取消しを受けた日前の直近においてした第八十九条第一項、第百一条第一項若しくは第百一条の二第一項の規定による質問票の提出又は第百一条の五の規定による報告について第百十七条の四第一項第三号の違反行為をした者その他政令で定める者を除く。)で、その者の免許が取り消された日から起算して三年を経過しないもの(以下「特定取消処分者」という。)のうち、第三号イからホまでに掲げる区分に応じそれぞれ同号イからホまでに定める検査及び講習又は教育を内閣府令で定めるところにより受けたもの
その者が受けていた免許に係る運転免許試験(前条第一項第一号に掲げる事項についてのものを除く。)
第一項に定めるもののほか、免許を受けようとする者が自動車等の運転に関する本邦の域外にある国又は地域の行政庁又は権限のある機関の免許を有する者であるときは、公安委員会は、政令で定めるところにより、その者が受けようとする免許に係る自動車等を運転することに支障がないことを確認した上で、運転免許試験の一部を免除することができる。
第四節の二 自動車教習所
自動車教習所(免許を受けようとする者に対し、自動車の運転に関する技能及び知識について教習を行う施設をいう。以下同じ。)を設置し、又は管理する者は、当該自動車教習所において行う自動車の運転に関する教習の水準の維持向上に努めなければならない。
自動車教習所を設置し、又は管理する者は、内閣府令で定めるところにより、当該自動車教習所の所在地を管轄する公安委員会に、次に掲げる事項を届け出ることができる。
氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
自動車教習所の名称及び所在地
前二号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項
公安委員会は、前項の規定による届出をした自動車教習所を設置し、又は管理する者に対し、自動車の運転に関する教習の適正な水準を確保するため、当該自動車教習所における教習の態様に応じて、必要な指導又は助言をするものとする。
公安委員会は、前項の指導又は助言をした場合において、必要があると認めるときは、自動車安全運転センターに対し、当該指導又は助言に係る自動車教習所における自動車の運転に関する技能又は知識の教習を行う職員に対する研修その他当該職員の資質の向上を図るための措置について、必要な配慮を加えるよう求めることができる。
公安委員会は、前条第二項の規定による届出をした自動車教習所のうち、一定の種類の免許(政令で定めるものに限る。)を受けようとする者に対し自動車の運転に関する技能及び知識について教習を行うものであつて当該免許に係る教習について職員、設備等に関する次に掲げる基準に適合するものを、当該自動車教習所を設置し、又は管理する者の申請に基づき、指定自動車教習所として指定することができる。
政令で定める要件を備えた当該自動車教習所を管理する者が置かれていること。
第九十九条の三第四項の教習指導員資格者証の交付を受けており、同条第一項の規定により教習指導員として選任されることとなる職員が置かれていること。
自動車の運転に関する技能及び知識の教習並びに技能検定(自動車の運転に関する技能についての検定で、内閣府令で定めるところにより行われるものをいう。以下同じ。)のための設備が政令で定める基準に適合していること。
当該自動車教習所の運営が政令で定める基準に適合していること。
指定自動車教習所を管理する者は、技能検定を行わせるため、技能検定員を選任しなければならない。
第四項の技能検定員資格者証の交付を受けていない者は、技能検定員となることができない。
技能検定員は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
公安委員会は、次の各号のいずれにも該当する者に対し、技能検定員資格者証を交付する。
次のいずれかに該当する者
公安委員会が国家公安委員会規則で定めるところにより技能検定に関する技能及び知識に関して行う審査に合格した者
自動車安全運転センターが行う自動車の運転に関する研修の課程であつて国家公安委員会が指定するものを修了した者
公安委員会が国家公安委員会規則で定めるところにより技能検定に関しイ又はロに掲げる者と同等以上の技能及び知識を有すると認める者
次のいずれにも該当しない者
二十五歳未満の者
過去三年以内に第九十九条の五第五項に規定する卒業証明書又は修了証明書の発行に関し不正な行為をした者
第百十七条の二の二第一項第九号の罪を犯し罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して三年を経過していない者
自動車等の運転に関し自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第二条から第六条までの罪又はこの法律に規定する罪(第百十七条の二の二第一項第九号の罪を除く。)を犯し禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して三年を経過していない者
指定自動車教習所を管理する者は、自動車の運転に関する技能及び知識の教習を行わせるため、教習指導員を選任しなければならない。
第四項の教習指導員資格者証の交付を受けていない者は、教習指導員となることができない。
指定自動車教習所を管理する者は、自動車の運転に関する技能又は知識の教習を、教習指導員以外の者に行わせてはならない。
公安委員会は、次の各号のいずれにも該当する者に対し、教習指導員資格者証を交付する。
次のいずれかに該当する者
公安委員会が国家公安委員会規則で定めるところにより自動車の運転に関する技能及び知識の教習に関する技能及び知識に関して行う審査に合格した者
自動車安全運転センターが行う自動車の運転に関する研修の課程であつて国家公安委員会が指定するものを修了した者
公安委員会が国家公安委員会規則で定めるところにより自動車の運転に関する技能及び知識の教習に関しイ又はロに掲げる者と同等以上の技能及び知識があると認める者
指定自動車教習所を管理する者は、公安委員会から当該指定自動車教習所の職員について第百八条の二第一項第九号に掲げる講習を行う旨の通知を受けたときは、当該職員に当該講習を受けさせなければならない。
指定自動車教習所を管理する者は、第九十九条第一項に規定する免許の種類ごとに、技能検定員に、内閣府令で定めるところにより自動車の運転に関する技能及び知識の教習を終了した者に対し技能検定を行わせなければならない。
指定自動車教習所を管理する者は、技能検定員に、前項に規定する教習を終了した者以外の者に対し技能検定を行わせてはならない。
指定自動車教習所を管理する者は、技能検定員以外の者に技能検定を行わせてはならない。
技能検定員は、技能検定に合格した者について、その者が技能検定に合格した旨の証明をしなければならない。
指定自動車教習所は、技能検定員が前項の証明をしたときは、当該証明に係る者に対し、内閣府令で定めるところにより、内閣府令で定める様式の卒業証明書(指定自動車教習所において教習を終了した旨を証明する証明書をいう。以下同じ。)又は修了証明書(指定自動車教習所において教習を受け、仮免許を受けて運転することができる程度の技能及び知識の水準に達した旨を証明する証明書をいう。以下同じ。)を発行することができる。
この場合において、当該卒業証明書又は修了証明書には、内閣府令で定めるところにより、当該卒業証明書又は修了証明書に係る者が技能検定に合格した旨の技能検定員の書面による証明を付さなければならない。
公安委員会は、指定自動車教習所が第九十九条第一項各号に掲げる基準に適合しなくなつたと認めるときは、当該指定自動車教習所を設置し、又は管理する者に対し、当該指定自動車教習所を同項各号に掲げる基準に適合させるため必要な措置をとることを命ずることができる。
前項に定めるもののほか、公安委員会は、この節の規定を施行するため必要な限度において、指定自動車教習所を設置し、又は管理する者に対し、当該指定自動車教習所の業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
公安委員会は、指定自動車教習所を管理する者が第九十九条の三第三項、第九十九条の四若しくは第九十九条の五第二項若しくは第三項の規定に違反したとき、指定自動車教習所が同条第五項の規定に違反して卒業証明書若しくは修了証明書を発行したとき、又は指定自動車教習所を設置し、若しくは管理する者が前条の規定による命令に違反したときは、当該指定自動車教習所に対し、その指定を取り消し、又は六月を超えない範囲内で期間を定めて当該指定自動車教習所が当該期間内における教習に基づき卒業証明書若しくは修了証明書を発行することを禁止することができる。
公安委員会は、前項の規定による卒業証明書又は修了証明書の発行の禁止の処分を受けた指定自動車教習所が当該処分に違反して卒業証明書又は修了証明書を発行したときは、その指定を取り消し、又は六月を超えない範囲内で卒業証明書若しくは修了証明書を発行することを禁止する期間を延長することができる。
第四節の三 再試験
公安委員会は、準中型免許、普通免許、大型二輪免許、普通二輪免許又は原付免許を受けた者で、当該免許を受けた日から当該免許を受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して一年に達することとなる日までの間(以下「初心運転者期間」という。)に当該免許に係る免許自動車等の運転に関しこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこの法律の規定に基づく処分に違反する行為をし、当該行為が当該免許について政令で定める基準に該当することとなつたもの(以下「基準該当初心運転者」という。)に対し、その者が当該免許に係る免許自動車等を安全に運転するために必要な能力を現に有するかどうかを確認するための試験(以下「再試験」という。)を行うものとする。
ただし、次に掲げる者については、この限りでない。
当該免許を受けた日前六月以内に当該免許に係る上位免許を受けていたことがある者
当該免許を受けた日前六月以内に当該免許と同一の種類の免許(当該免許と同等の免許として政令で定めるものを含み、第百四条の二の二第一項、第二項又は第四項の規定により取り消された免許及びこれに準ずるものとして政令で定める免許を除く。)を受けていたことがあり、かつ、その免許を受けていた期間(その免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して一年以上である者
当該免許を受けた日以後に当該免許に係る上位免許を受けた者
第百八条の二第一項第十号に掲げる講習を終了した者(当該講習を終了した後初心運転者期間が経過することとなるまでの間に当該免許に係る免許自動車等の運転に関しこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこの法律の規定に基づく処分に違反する行為をし、当該行為が当該講習に係る免許について政令で定める基準に該当することとなる者を除く。)
当該免許が準中型免許である場合において、普通免許を現に受けており、かつ、当該準中型免許を受けた日前に当該普通免許を受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して二年以上である者
再試験は、基準該当初心運転者の当該免許に係る初心運転者期間が経過した時におけるその者の住所地を管轄する公安委員会が、当該期間が経過した後、免許の種類ごとに自動車等の運転について必要な技能及び知識(原付免許にあつては必要な知識に限る。)について行う。
第九十七条第二項から第四項までの規定は、公安委員会が行う再試験について準用する。
公安委員会は、第一項の規定に基づき再試験を行おうとする場合には、内閣府令で定めるところにより、基準該当初心運転者の当該免許に係る初心運転者期間が経過した後速やかに、再試験を行う旨及びその理由その他必要な事項を基準該当初心運転者に書面で通知しなければならない。
基準該当初心運転者は、公安委員会から再試験の通知(前項の規定による通知をいう。以下同じ。)を受けたときは、当該通知を受けた日の翌日から起算した期間(再試験を受けないことについて政令で定めるやむを得ない理由のある者にあつては、当該期間から当該事情の存する期間を除いた期間)が通算して一月を超えることとなるまでに、当該公安委員会に内閣府令で定める再試験受験申込書を提出して、再試験を受けなければならない。
第九十五条の六第三項の規定は、この場合について準用する。
公安委員会は、再試験を行おうとする場合において、基準該当初心運転者がその住所を他の公安委員会の管轄区域内に変更していたときは、速やかに現にその者の住所地を管轄する公安委員会に内閣府令で定める試験移送通知書を送付しなければならない。
第五節 免許証等の更新等
免許証又は免許情報記録(以下「免許証等」という。)の有効期間の更新(以下「免許証等の更新」という。)を受けようとする者は、当該免許証等の有効期間が満了する日の直前のその者の誕生日の一月前から当該免許証等の有効期間が満了する日までの間(以下「更新期間」という。)に、その者の住所地を管轄する公安委員会に内閣府令で定める様式の更新申請書(第四項の規定による質問票の交付を受けた者にあつては、当該更新申請書及び必要な事項を記載した当該質問票。第五項及び第百一条の二の二第一項から第五項までにおいて同じ。)を提出しなければならない。
公安委員会は、免許を現に受けている者に対し、更新期間その他免許証等の更新の申請に係る事務の円滑な実施を図るため必要な事項(その者が更新を受ける日において優良運転者又は一般運転者(第九十五条の六第一項の表の備考一のハに規定する一般運転者をいう。第百一条の二の二第一項において同じ。)(第九十一条の規定により免許に条件を付されている者のうち内閣府令で定めるもの及び同表の備考四の規定の適用を受けなければ同表の備考一のニに規定する違反運転者等となる者を除く。)に該当することとなる場合には、その旨を含む。)を記載した書面を送付するものとする。
第一項に規定する公安委員会(同項の規定による更新申請書の提出が第百一条の二の二第一項に規定する経由地公安委員会を経由して行われる場合にあつては、当該経由地公安委員会)は、第一項の規定により更新申請書を提出しようとする者に対し、その者が第百三条第一項第一号、第一号の二又は第三号のいずれかに該当するかどうかの判断に必要な質問をするため、内閣府令で定める様式の質問票を交付することができる。
第一項の規定による更新申請書の提出があつたときは、当該公安委員会は、その者について、速やかに自動車等の運転について必要な適性検査(以下「適性検査」という。)を行わなければならない。
前項の規定による適性検査の結果又は第百一条の二の二第五項の規定により通知された適性検査の結果(同条第七項の規定による適性検査を行つた場合には、当該通知された適性検査の結果及び同項の規定による適性検査の結果)から判断して、当該免許証等の更新を受けようとする者が自動車等を運転することが支障がないと認めたときは、当該公安委員会は、当該免許証等の更新をしなければならない。
この場合において、当該公安委員会は、その者が同条第三項の規定による申出をしていたときは、同条第七項の規定による適性検査を行つた場合その他内閣府令で定める場合を除き、当該申出に係る経由地公安委員会(同条第一項に規定する経由地公安委員会をいう。)に当該免許情報記録の有効期間の更新をすべき旨を通知して、当該経由地公安委員会に第百一条の四の二第三項の規定による免許情報記録の書換えを行わせるものとする。
前各項に定めるもののほか、免許証等の更新の申請及び適性検査について必要な事項は、内閣府令で定める。
海外旅行その他政令で定めるやむを得ない理由のため更新期間内に適性検査を受けることが困難であると予想される者は、その者の住所地を管轄する公安委員会に当該更新期間前における免許証等の更新を申請することができる。
この場合においては、当該公安委員会に内閣府令で定める様式の特例更新申請書(次項の規定による質問票の交付を受けた者にあつては、当該特例更新申請書及び必要な事項を記載した当該質問票)を提出しなければならない。
前項に規定する公安委員会は、同項後段の規定により特例更新申請書を提出しようとする者に対し、その者が第百三条第一項第一号、第一号の二又は第三号のいずれかに該当するかどうかの判断に必要な質問をするため、内閣府令で定める様式の質問票を交付することができる。
第一項の規定による申請があつたときは、当該公安委員会は、その者について、速やかに適性検査を行わなければならない。
前項の規定による適性検査の結果から判断して、当該免許証等の更新を受けようとする者が自動車等を運転することが支障がないと認めたときは、当該公安委員会は、速やかに当該免許証等の更新をしなければならない。
免許証及び免許情報記録個人番号カードを有する者は、前項の規定による免許証の有効期間の更新若しくは免許情報記録の有効期間の更新又はその双方を受けることができる。
ただし、その双方を受けようとする者は、その双方を同時に申請しなければならない。
前各項に定めるもののほか、更新期間前における免許証等の更新の申請及び適性検査について必要な事項は、内閣府令で定める。
免許情報記録の有効期間の更新を受けようとする者は、第一項の規定による経由地公安委員会を経由して行う更新申請書の提出に併せて第百一条の四の二第三項の規定による免許情報記録の書換えを当該経由地公安委員会において受けたい旨を申し出ることができる。
第一項の規定により更新申請書を受理した経由地公安委員会は、その者について、速やかに適性検査を行わなければならない。
経由地公安委員会は、当該免許証等の更新を受けようとする者が次条第一項の規定により経由地公安委員会が行う第百八条の二第一項第十一号に掲げる講習を受けたときは、その旨をその者の住所地を管轄する公安委員会に通知するものとする。
第五項の規定による通知を受けた公安委員会は、当該通知に係る適性検査の結果のみによつては当該免許証等の更新を受けようとする者が自動車等を運転することが支障がないかどうかを判断できないときは、その者について適性検査を行うものとする。
この場合において、当該公安委員会は、その者に適性検査を受けるべき旨を通知しなければならない。
第三項の申出の手続について必要な事項は、内閣府令で定める。
免許証等の更新を受けようとする者は、その者の住所地を管轄する公安委員会(前条第一項の場合にあつては、その者の住所地を管轄する公安委員会又は経由地公安委員会。次条第一項から第三項までにおいて同じ。)が行う第百八条の二第一項第十一号に掲げる講習を受けなければならない。
ただし、更新期間が満了する日(第百一条の二第一項の規定による免許証等の更新の申請をしようとする者にあつては、当該申請をする日。次条第一項から第三項まで及び第百八条の二第一項第十二号において同じ。)前六月以内に同項第十二号に掲げる講習を受けた者その他の同項第十一号に掲げる講習を受ける必要がないものとして政令で定める者は、この限りでない。
免許証等の更新を受けようとする者で更新期間が満了する日における年齢が七十歳以上のものは、更新期間が満了する日前六月以内にその者の住所地を管轄する公安委員会が行つた第百八条の二第一項第十二号に掲げる講習を受けていなければならない。
ただし、当該講習を受ける必要がないものとして政令で定める者は、この限りでない。
前項に定めるもののほか、免許証等の更新を受けようとする者で更新期間が満了する日における年齢が七十五歳以上のものは、更新期間が満了する日前六月以内に第百二条第一項から第四項までの規定により診断書を提出した場合その他認知機能検査等を受ける必要がないものとして内閣府令で定める場合を除き、当該期間内にその者の住所地を管轄する公安委員会又は第百八条の三十二の三第一項の認定を受けて同項の運転免許取得者等検査を行う者が行つた認知機能検査等を受けていなければならない。
前二項に定めるもののほか、免許証等の更新を受けようとする者で更新期間が満了する日における年齢が七十五歳以上のもの(普通自動車対応免許を現に受けている者であつて、普通自動車等の運転に関するこの法律及びこの法律に基づく命令の規定並びにこの法律の規定に基づく処分並びに重大違反唆し等及び道路外致死傷に係る法律の規定の遵守の状況を勘案して普通自動車等を運転することが道路における交通の危険を生じさせるおそれがある者として政令で定める基準に該当するものに限る。)は、更新期間が満了する日前六月以内にその者の住所地を管轄する公安委員会又は第百八条の三十二の三第一項の認定を受けて同項の運転免許取得者等検査を行う者が行つた運転技能検査等を受けていなければならない。
免許証の有効期間の更新は、当該更新を受けようとする者が現に有する免許証(仮免許に係るものを除く。以下この条において同じ。)と引換えに更新された免許証を交付して行う。
前項の規定による免許証の交付を受けようとする際に第九十五条の二第一項の規定による申請をする者は、当該申請に併せて当該免許証の交付を希望しない旨の申出をすることができる。
この場合においては、その者が同条第三項の規定による更新された特定免許情報の記録を受けたことをもつて、当該免許証が前項の規定により交付され、同条第四項の規定により返納されたものとみなす。
免許情報記録の有効期間の更新は、当該更新を受けようとする者が現に有する免許情報記録個人番号カードに記録された免許情報記録を書き換えて行う。
前項の規定による免許情報記録の書換えを経由地公安委員会において受けた者は、第九十五条の二第四項の規定にかかわらず、免許証を当該経由地公安委員会に返納することができる。
第二項の申出の手続について必要な事項は、内閣府令で定める。
公安委員会は、免許を受けた者が第百三条第一項第一号、第一号の二又は第三号のいずれかに該当するかどうかを調査するため必要があると認めるときは、内閣府令で定めるところにより、その者に対し、必要な報告を求めることができる。
医師は、その診察を受けた者が第百三条第一項第一号、第一号の二又は第三号のいずれかに該当すると認めた場合において、その者が免許を受けた者又は第百七条の二の国際運転免許証若しくは外国運転免許証を所持する者(本邦に上陸(同条に規定する上陸をいう。)をした日から起算して滞在期間が一年を超えている者を除く。)であることを知つたときは、当該診察の結果を公安委員会に届け出ることができる。
前項に規定する場合において、公安委員会は、医師からその診察を受けた者が免許を受けた者であるかどうかについての確認を求められたときは、これに回答するものとする。
公安委員会は、その管轄する都道府県の区域外に居住する者について第一項の規定による届出を受けたときは、当該届出の内容を、その者の居住地を管轄する公安委員会に通知しなければならない。
公安委員会は、七十五歳以上の者(免許を現に受けている者に限る。)が、自動車等の運転に関しこの法律若しくはこの法律の規定に基づく命令の規定又はこの法律の規定に基づく処分に違反する行為のうち認知機能が低下した場合に行われやすいものとして政令で定める行為をしたときは、その者が当該行為をした日の三月前の日以後に第九十七条の二第一項第三号若しくは第五号、第百一条の四第二項又はこの条第三項の規定により認知機能検査等を受けた場合その他臨時に認知機能検査を受ける必要がないものとして内閣府令で定める場合を除き、その者に対し、臨時に認知機能検査を行うものとする。
公安委員会は、前項の規定により認知機能検査を行おうとするときは、内閣府令で定めるところにより、認知機能検査を行う旨を当該認知機能検査に係る者に書面で通知しなければならない。
前項の規定による通知を受けた者は、当該通知を受けた日の翌日から起算した期間(認知機能検査等を受けないことについて政令で定めるやむを得ない理由のある者にあつては、当該期間から当該事情の存する期間を除いた期間)が通算して一月を超えることとなるまでに、認知機能検査等を受けなければならない。
公安委員会は、前項の規定により認知機能検査等を受けた者が、当該認知機能検査等の結果、その者が当該認知機能検査等を受けた日前の直近において受けた認知機能検査等の結果その他の事情を勘案して、認知機能の低下が自動車等の運転に影響を及ぼす可能性があるものとして内閣府令で定める基準に該当するときは、その者に対し、第百八条の二第一項第十二号に掲げる講習を行うものとする。
公安委員会は、前項の規定により第百八条の二第一項第十二号に掲げる講習を行おうとするときは、内閣府令で定めるところにより、同号に掲げる講習を行う旨を当該講習に係る者に書面で通知しなければならない。
前項の規定による通知を受けた者は、当該通知を受けた日の翌日から起算した期間(講習を受けないことについて政令で定めるやむを得ない理由のある者にあつては、当該期間から当該事情の存する期間を除いた期間)が通算して一月を超えることとなるまでに、第百八条の二第一項第十二号に掲げる講習を受けなければならない。
公安委員会は、第九十七条の二第一項第三号又は第五号の規定により認知機能検査等を受けた者で当該認知機能検査等の結果が認知症のおそれがあることを示すものとして内閣府令で定める基準に該当するもの(以下この条において「基準該当者」という。)が第八十九条第一項の免許申請書を提出したときは、その者が当該認知機能検査等を受けた日以後に次の各号のいずれかに該当することとなつたときを除き、その者が第九十条第一項第一号の二に該当する者であるかどうかにつき、臨時に適性検査を行い、又はその者に対し公安委員会が指定する期限までに内閣府令で定める要件を満たす医師の診断書を提出すべき旨を命ずるものとする。
この条(第五項を除く。)の規定による適性検査(第四項の規定によるものにあつては、その者が第百三条第一項第一号の二に該当することとなつた疑いがあることを理由としたものに限る。)を受け、又はこの項から第四項までの規定により診断書(同項に規定する診断書にあつては、その者が同号に該当するかどうかを診断したものに限る。)を提出したとき。
認知機能検査等を受け、基準該当者に該当しないこととなつたとき。
公安委員会は、第百一条の四第二項の規定により認知機能検査等を受けた者が基準該当者に該当したときは、その者が次の各号のいずれかに該当するときを除き、その者が第百三条第一項第一号の二に該当することとなつたかどうかにつき、臨時に適性検査を行い、又はその者に対し公安委員会が指定する期限までに内閣府令で定める要件を満たす医師の診断書を提出すべき旨を命ずるものとする。
当該認知機能検査等を受けた日以後に前項各号のいずれかに該当することとなつたとき。
公安委員会は、前条第三項の規定により認知機能検査等を受けた者が基準該当者に該当したときは、その者が当該認知機能検査等を受けた日以後に第一項各号のいずれかに該当することとなつたときを除き、その者が第百三条第一項第一号の二に該当することとなつたかどうかにつき、臨時に適性検査を行い、又はその者に対し公安委員会が指定する期限までに内閣府令で定める要件を満たす医師の診断書を提出すべき旨を命ずるものとする。
前三項に定めるもののほか、公安委員会は、運転免許試験に合格した者が第九十条第一項第一号から第二号までのいずれかに該当する者であり、又は免許を受けた者が第百三条第一項第一号から第三号までのいずれかに該当することとなつたと疑う理由があるときは、当該運転免許試験に合格した者又は免許を受けた者につき、臨時に適性検査を行い、又はその者に対し公安委員会が指定する期限までに内閣府令で定める要件を満たす医師の診断書を提出すべき旨を命ずることができる。
この場合において、公安委員会は、第八十九条第一項、第百一条第一項又は第百一条の二第一項の規定により提出された質問票の記載内容、第百一条の五の規定による報告の内容その他の事情を考慮するものとする。
第一項から前項までに定めるもののほか、公安委員会は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、免許を受けた者について、臨時に適性検査を行うことができる。
公安委員会は、第一項から前項までの規定により適性検査を行おうとするときは、あらかじめ、適性検査を行う期日、場所その他必要な事項を当該適性検査に係る者に通知しなければならない。
前項の規定により通知を受けた者は、通知された期日に通知された場所に出頭して適性検査を受けなければならない。
前各項に定めるもののほか、第一項から第五項までの規定による適性検査について必要な事項は、内閣府令で定める。
免許を受けた者は、自動車等の運転に関しこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこの法律の規定に基づく処分に違反する行為(政令で定める軽微なものに限る。以下「軽微違反行為」という。)をし、当該行為が政令で定める基準に該当することとなつた場合において、第百八条の三の二の規定による通知を受けたときは、当該通知を受けた日の翌日から起算した期間(講習を受けないことについて政令で定めるやむを得ない理由がある者にあつては、当該期間から当該事情の存する期間を除いた期間)が通算して一月を超えることとなるまでの間に第百八条の二第一項第十三号に掲げる講習を受けなければならない。
特例取得免許(第八十八条第一項第一号の規定により十九歳から大型免許を受けることができる者に該当して受けた大型免許若しくは十九歳から中型免許を受けることができる者に該当して受けた中型免許又は第九十六条第五項第一号若しくは第二号の規定により十九歳から第二種免許の運転免許試験を受けることができる者に該当して受けた第二種免許をいい、政令で定めるものを除く。以下同じ。)を現に受けている者であつて、特例取得免許を最初に受けた日から二十一歳に達するまでの間(特例取得免許を受けていない期間及び二十歳に達した日以後特例取得免許のうち中型免許のみを受けている期間を除く。以下「若年運転者期間」という。)に自動車等の運転に関しこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこの法律の規定に基づく処分に違反する行為をし、当該行為が政令で定める基準に該当することとなつたもの(第百八条の二第一項第十四号に掲げる講習を終了した後若年運転者期間が経過することとなるまでの間に自動車等の運転に関しこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこの法律の規定に基づく処分に違反する行為をし、当該行為が第百四条の二の四第二項の政令で定める基準に該当することとなつた者を除く。以下「基準該当若年運転者」という。)が、第百八条の三の三の規定による通知を受けたときは、当該通知を受けた日の翌日から起算した期間(講習を受けないことについて政令で定めるやむを得ない理由がある者にあつては、当該期間から当該事情の存する期間を除いた期間)が通算して一月を超えることとなるまでの間に同号に掲げる講習を受けなければならない。
第六節 免許の取消し、停止等
免許(仮免許を除く。以下第百六条までにおいて同じ。)を受けた者が次の各号のいずれかに該当することとなつたときは、その者が当該各号のいずれかに該当することとなつた時におけるその者の住所地を管轄する公安委員会は、政令で定める基準に従い、その者の免許を取り消し、又は六月を超えない範囲内で期間を定めて免許の効力を停止することができる。
ただし、第五号に該当する者が第百二条の二の規定の適用を受ける者であるときは、当該処分は、その者が同条に規定する講習を受けないで同条の期間を経過した後でなければ、することができない。
次に掲げる病気にかかつている者であることが判明したとき。
幻覚の症状を伴う精神病であつて政令で定めるもの
発作により意識障害又は運動障害をもたらす病気であつて政令で定めるもの
イ及びロに掲げるもののほか、自動車等の安全な運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるもの
認知症であることが判明したとき。
目が見えないことその他自動車等の安全な運転に支障を及ぼすおそれがある身体の障害として政令で定めるものが生じている者であることが判明したとき。
アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者であることが判明したとき。
第六項の規定による命令に違反したとき。
自動車等の運転に関しこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこの法律の規定に基づく処分に違反したとき(次項第一号から第四号までのいずれかに該当する場合を除く。)。
重大違反唆し等をしたとき。
道路外致死傷をしたとき(次項第五号に該当する場合を除く。)。
前各号に掲げるもののほか、免許を受けた者が自動車等を運転することが著しく道路における交通の危険を生じさせるおそれがあるとき。
免許を受けた者が次の各号のいずれかに該当することとなつたときは、その者が当該各号のいずれかに該当することとなつた時におけるその者の住所地を管轄する公安委員会は、その者の免許を取り消すことができる。
自動車等の運転により人を死傷させ、又は建造物を損壊させる行為で故意によるものをしたとき。
自動車等の運転に関し自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第二条から第四条までの罪に当たる行為をしたとき。
自動車等の運転に関し第百十七条の二第一項第一号、第三号又は第四号の違反行為をしたとき(前二号のいずれかに該当する場合を除く。)。
道路外致死傷で故意によるもの又は自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第二条から第四条までの罪に当たるものをしたとき。
前項の処分移送通知書が当該公安委員会に送付されたときは、当該公安委員会は、その者が第一項各号のいずれかに該当する場合(同項第五号に該当する者が第百二条の二の規定の適用を受ける者であるときは、その者が同条に規定する講習を受けないで同条の期間を経過した後に限る。)には、同項の政令で定める基準に従い、その者の免許を取り消し、又は六月を超えない範囲内において期間を定めて免許の効力を停止することができるものとし、その者が第二項各号のいずれかに該当する場合には、その者の免許を取り消すことができるものとし、処分移送通知書を送付した公安委員会は、第一項又は第二項の規定にかかわらず、当該事案について、その者の免許を取り消し、又は免許の効力を停止することができないものとする。
公安委員会は、第一項第一号から第四号までのいずれかに該当することを理由として同項又は第四項の規定により免許の効力を停止する場合において、必要があると認めるときは、当該処分の際に、その者に対し、公安委員会が指定する期日及び場所において適性検査を受け、又は公安委員会が指定する期限までに内閣府令で定める要件を満たす医師の診断書を提出すべき旨を命ずることができる。
公安委員会は、第一項又は第四項の規定による免許の効力の停止(第一項第一号から第四号までのいずれかに該当することを理由とするものを除く。)を受けた者が第百八条の二第一項第三号に掲げる講習を終了したときは、政令で定める範囲内で、その者の免許の効力の停止の期間を短縮することができる。
免許を受けた者が自動車等の運転に関し次の各号のいずれかに該当することとなつたときは、その者が当該交通事故を起こした場所を管轄する警察署長は、その者に対し、当該交通事故を起こした日から起算して三十日を経過する日を終期とする免許の効力の停止(以下この条において「仮停止」という。)をすることができる。
第百十七条の二第一項第一号、第三号若しくは第四号、第百十七条の二の二第一項第一号、第三号若しくは第七号、第百十七条の四第一項第二号又は第百十八条第一項第五号の違反行為をし、よつて交通事故を起こして人を死亡させ、又は傷つけたとき。
第百十八条第一項第一号若しくは第二項第一号又は第百十九条第一項第一号から第六号まで、第十五号若しくは第二十号若しくは第二項第一号若しくは第二号の違反行為をし、よつて交通事故を起こして人を死亡させたとき。
警察署長は、仮停止をしたときは、当該処分をした日から起算して五日以内に、当該処分を受けた者に対し弁明の機会を与えなければならない。
免許証を有する者が仮停止を受けたときは、免許証を当該処分をした警察署長に提出しなければならない。
免許情報記録個人番号カードを有する者が仮停止を受けたときは、免許情報記録個人番号カードを当該処分をした警察署長に提示して免許情報記録の抹消を受けなければならない。
公安委員会は、第百三条第一項第五号の規定により免許を取り消し、若しくは免許の効力を九十日(公安委員会が九十日を超えない範囲内においてこれと異なる期間を定めたときは、その期間。次条第一項において同じ。)以上停止しようとするとき、第百三条第二項第一号から第四号までのいずれかの規定により免許を取り消そうとするとき、又は同条第三項(同条第五項において準用する場合を含む。)の処分移送通知書(同条第一項第五号又は第二項第一号から第四号までのいずれかに係るものに限る。)の送付を受けたときは、公開による意見の聴取を行わなければならない。
この場合において、公安委員会は、意見の聴取の期日の一週間前までに、当該処分に係る者に対し、処分をしようとする理由並びに意見の聴取の期日及び場所を通知し、かつ、意見の聴取の期日及び場所を公示しなければならない。
意見の聴取に際しては、当該処分に係る者又はその代理人は、当該事案について意見を述べ、かつ、有利な証拠を提出することができる。
意見の聴取を行う場合において、必要があると認めるときは、公安委員会は、道路交通に関する事項に関し専門的知識を有する参考人又は当該事案の関係人の出頭を求め、これらの者からその意見又は事情を聴くことができる。
前各項に定めるもののほか、意見の聴取の実施について必要な事項は、政令で定める。
公安委員会は、第百三条第一項又は第四項の規定により免許の効力を九十日以上停止しようとするとき(同条第一項第五号に係る場合を除く。)は、行政手続法第十三条第一項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
前項の通知を行政手続法第十五条第三項に規定する方法によつて行う場合においては、同条第一項の規定により聴聞の期日までにおくべき相当な期間は、二週間を下回つてはならない。
第二項の聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。
第二項の聴聞の主宰者は、聴聞の期日において必要があると認めるときは、道路交通に関する事項に関し専門的知識を有する参考人又は当該事案の関係人の出頭を求め、これらの者からその意見又は事情を聴くことができる。
再試験を行つた公安委員会は、再試験の結果、再試験を受けた者が当該免許に係る免許自動車等を安全に運転するために必要な能力を現に有しないと認めるときは、その者の当該免許を取り消さなければならない。
再試験の通知を受けた者が第百条の二第五項の規定に違反して再試験を受けないと認めるときは、その者の住所地を管轄する公安委員会は、その者の当該免許を取り消さなければならない。
公安委員会は、第百二条第一項から第四項までの規定により適性検査を行い、又はこれらの規定による命令をする場合において、当該適性検査を受けるべき者(免許を受けた者に限る。)又は当該命令を受け診断書を提出することとされている者(免許を受けた者に限る。)が、自動車等の運転により交通事故を起こし、かつ、当該交通事故の状況から判断して、第百三条第一項第一号、第一号の二又は第三号のいずれかに該当する疑いがあると認められるときその他これに準ずるものとして政令で定めるときは、三月を超えない範囲内で期間を定めてその者の免許の効力を停止することができる。
この場合において、当該処分を受けた者がこれらの規定に該当しないことが明らかとなつたときは、速やかに当該処分を解除しなければならない。
公安委員会は、前項前段の規定により免許の効力を停止したときは、当該処分をした日から起算して五日以内に、当該処分を受けた者に対し弁明の機会を与えなければならない。
第百一条の七第二項の規定による通知を受けた者(免許を受けた者に限る。)が同条第三項の規定に違反して当該通知に係る認知機能検査等を受けないと認めるとき、同条第五項の規定による通知を受けた者(免許を受けた者に限る。)が同条第六項の規定に違反して当該通知に係る講習を受けないと認めるとき、第百二条第一項から第四項までの規定による命令を受けた者(免許を受けた者に限る。)が当該命令に違反したと認めるとき(第一項前段の規定による免許の効力の停止を受けた者にあつては、当該停止の期間が満了するまでの間に命令に応じないと認めるとき)又は同条第六項の規定による通知を受けた者(免許を受けた者に限る。)が同条第七項の規定に違反して当該通知に係る適性検査を受けないと認めるとき(第一項前段の規定による免許の効力の停止を受けた者にあつては、当該停止の期間が満了するまでの間に適性検査を受けないと認めるとき)は、第百一条の七第三項若しくは第六項に規定する期間が通算して一月となる日、第百二条第一項から第四項までに規定する期限の満了の日又は同条第七項の通知された期日におけるその者の住所地を管轄する公安委員会は、政令で定める基準に従い、その者の免許を取り消し、又は六月を超えない範囲内で期間を定めて免許の効力を停止することができる。
ただし、当該認知機能検査等を受けないこと、当該講習を受けないこと、当該命令に応じないこと又は当該適性検査を受けないことについてやむを得ない理由がある場合は、この限りでない。
前項の規定による免許の効力の停止は、その者が当該認知機能検査等を受けたとき、当該講習を受けたとき、当該命令に応じたとき又は当該適性検査を受けたときは、その効力を失う。
第百三条第三項、第四項及び第九項の規定は、第三項の規定により免許を取り消し、又は免許の効力を九十日(公安委員会が九十日を超えない範囲内においてこれと異なる期間を定めたときは、その期間。第七項において同じ。)以上停止しようとする場合について準用する。
この場合において、同条第三項中「第百四条第一項の意見の聴取又は聴聞」とあるのは「聴聞」と、同条第四項中「第一項各号のいずれかに該当する場合(同項第五号に該当する者が第百二条の二の規定の適用を受ける者であるときは、その者が同条に規定する講習を受けないで同条の期間を経過した後に限る。)には、同項」とあるのは「第百一条の七第三項の規定に違反して当該通知に係る認知機能検査等を受けないと認めるとき、同条第六項の規定に違反して当該通知に係る講習を受けないと認めるとき、第百二条第一項から第四項までの規定による命令に違反したと認めるとき又は同条第七項の規定に違反して当該通知に係る適性検査を受けないと認めるときは、第百四条の二の三第三項」と、「停止することができるものとし、その者が第二項各号のいずれかに該当する場合には、その者の免許を取り消すことができるものとし」とあるのは「停止することができるものとし」と、「第一項又は第二項」とあるのは「同項」と、同条第九項中「第一項、第二項又は第四項」とあるのは「第百四条の二の三第三項又は同条第五項において準用する第四項」と読み替えるものとする。
第百八条の二第一項第十四号に掲げる講習を終了した者が当該講習を終了した後若年運転者期間が経過することとなるまでの間に自動車等の運転に関しこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこの法律の規定に基づく処分に違反する行為をし、当該行為が政令で定める基準に該当することとなつたときは、その者の住所地を管轄する公安委員会は、その者が受けている特例取得免許(当該行為が当該基準に該当することとなつた時点において二十歳に達している者にあつては、中型免許を除く。)を取り消さなければならない。
前項の処分移送通知書の送付を受けた公安委員会は、第百八条の三の三の規定による通知を受けた者が第百二条の三の規定に違反して講習を受けないと認めるとき又は第百八条の二第一項第十四号に掲げる講習を終了した者が当該講習を終了した後若年運転者期間が経過することとなるまでの間に自動車等の運転に関しこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定若しくはこの法律の規定に基づく処分に違反する行為をし、当該行為が第二項の政令で定める基準に該当することとなつたときは、その者が受けている特例取得免許(第一項又は第二項に規定する時点において二十歳に達している者にあつては、中型免許を除く。)を取り消さなければならない。
この場合において、処分移送通知書を送付した公安委員会は、第一項又は第二項の規定にかかわらず、その者の特例取得免許を取り消すことができない。
公安委員会がその者の所在が不明であることその他の理由により前項の規定による書面の交付をすることができなかつた場合において、警察官が当該書面の交付を受けていない者の所在を知つたときは、警察官は、内閣府令で定めるところにより、その者に対し、日時及び場所を指定して当該書面の交付を受けるために出頭すべき旨を命ずることができる。
前項の規定による申請を受けた公安委員会は、政令で定めるところにより、当該申請に係る免許を取り消すものとする。
前項の規定により免許を取り消した公安委員会は、第一項の申出をした者から第百六条の三第一項第一号の規定による当該免許に係る免許証の返納を受け、又は第一項の申出をした者に係る第百六条の四第一項第一号の規定による免許情報記録の抹消を行つたとき(第一項の申出をした者が免許証(仮免許に係るものを除く。次条において同じ。)及び免許情報記録個人番号カードを有する者である場合にあつては、当該免許証の返納を受け、かつ、当該免許情報記録の抹消を行つたとき)は、その者に対し、当該申出に係る免許を与えることができる。
免許は、免許を受けた者が免許証等の更新を受けなかつたとき(免許証及び免許情報記録個人番号カードを有する者にあつては、免許証の有効期間の更新及び免許情報記録の有効期間の更新のいずれをも受けなかつたとき)は、その効力を失う。
第百四条の四第二項の規定により免許を取り消された者(同条第三項の規定により免許を受けた者を除く。)及び前条の規定により免許が失効した者(当該免許が失効した日の前日において第九十条第五項の規定による免許の取消しの基準に該当する者その他の政令で定める者を除く。)は、その者の住所地を管轄する公安委員会に対し、運転経歴証明書(当該取消しを受けた日又は当該免許が失効した日前五年間の自動車等の運転に関する経歴について、第九十五条の六第一項の表の上欄に規定する優良運転者、一般運転者又は違反運転者等の区分に準じた区分(第三項において「運転経歴区分」という。)により表示する書面をいう。以下この条及び次条において同じ。)の交付を申請することができる。
前項の規定による申請を受けた公安委員会は、政令で定めるところにより、運転経歴情報をその者の個人番号カードの区分部分に電磁的方法により記録するものとする。
前各項に定めるもののほか、運転経歴証明書及び運転経歴情報の記録について必要な事項は、内閣府令で定める。
公安委員会は、第九十条第一項本文若しくは第百四条の四第三項の規定により免許を与え、第九十一条若しくは第九十一条の二第二項の規定により条件を付し、若しくはこれを変更し、第九十四条第一項(第九十五条の五第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定による届出を受け、第九十四条第二項の規定による免許証の再交付をし、第九十五条の二第三項の規定により特定免許情報の記録をし、同条第四項の規定による免許証の返納を受け、同条第十項の規定により免許情報記録の抹消をし、同条第十一項の規定により免許証の交付をし、第百一条第六項若しくは第百一条の二第四項の規定により免許証等の更新をし、第百二条第六項の規定による通知をし、前条第二項の規定により運転経歴証明書を交付し、同条第四項の規定により運転経歴情報の記録をし、第九十条第一項ただし書、第二項、第五項、第六項、第九項、第十項若しくは第十二項、第九十七条の三第三項、第百三条第一項、第二項、第四項、第七項、第八項若しくは第十項、第百四条の二の二第一項、第二項若しくは第四項、第百四条の二の三第一項若しくは第三項、同条第五項において準用する第百三条第四項、第百四条の二の四第一項、第二項若しくは第四項若しくは第百四条の四第二項の規定による処分をし、若しくは第九十条第八項、第百二条第一項から第四項まで若しくは第百三条第六項の規定による命令をしたとき、警察署長が第百三条の二第一項の規定による処分をしたとき、又は自動車等の運転者が自動車等の運転に関しこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定若しくはこの法律の規定に基づく処分に違反したとき(内閣府令で定める場合に限る。)、重大違反唆し等若しくは道路外致死傷(内閣府令で定めるものに限る。)をしたとき、認知機能検査を受けたとき、第百条の二第一項の規定による再試験を受けたとき、若しくは第百八条の二第一項第二号、第十号、第十三号若しくは第十四号に掲げる講習を受けたとき、その他自動車等の運転者について自動車等の運転に関し内閣府令で定める事由が生じたときは、内閣府令で定める事項を国家公安委員会に報告しなければならない。
この場合において、国家公安委員会は、免許に関する事務の適正を図るため、当該報告に係る事項を各公安委員会に通報するものとする。
第百一条の七第二項の規定による通知を受けた者(仮免許を受けた者に限る。)が同条第三項の規定に違反して当該通知に係る認知機能検査等を受けないと認めるとき、同条第五項の規定による通知を受けた者(仮免許を受けた者に限る。)が同条第六項の規定に違反して当該通知に係る講習を受けないと認めるとき、第百二条第一項から第四項までの規定による命令を受けた者(仮免許を受けた者に限る。)が当該命令に違反したと認めるとき又は同条第六項の規定による通知を受けた者(仮免許を受けた者に限る。)が同条第七項の規定に違反して当該通知に係る適性検査を受けないと認めるときは、第百一条の七第三項若しくは第六項に規定する期間が通算して一月となる日、第百二条第一項から第四項までに規定する期限の満了の日又は同条第七項の通知された期日におけるその者の住所地を管轄する公安委員会は、政令で定める基準に従い、その者の仮免許を取り消すことができる。
ただし、当該認知機能検査等を受けないこと、当該講習を受けないこと、当該命令に応じないこと又は当該適性検査を受けないことについてやむを得ない理由がある場合は、この限りでない。
免許証を有する者は、次の各号のいずれかに該当することとなつたときは、速やかに、免許証(第三号の場合にあつては、発見し、又は回復した免許証)をその者の住所地を管轄する公安委員会に返納しなければならない。
免許が取り消されたとき。
免許が失効したとき。
免許証の再交付を受けた後において亡失した免許証を発見し、又は回復したとき。
免許証の有効期間が満了したとき(第二号に該当する場合を除く。)。
第百四条の二の二第一項、第二項若しくは第四項、第百四条の二の四第一項、第二項若しくは第四項又は第百四条の四第二項の規定により免許を取り消された者がなお他の種類の免許を受けている場合(同条第三項の規定により免許が与えられる場合を含む。次条第二項において同じ。)において、前項の規定により免許証を返納したときは、公安委員会は、当該他の種類の免許に係る免許証を交付するものとする。
第九十五条の二第五項及び第六項の規定は、前項の規定による免許証の交付について準用する。
第三項において準用する第九十五条の二第六項の申出の手続について必要な事項は、内閣府令で定める。
免許情報記録個人番号カードを有する者は、次の各号のいずれかに該当することとなつたときは、速やかに、免許情報記録個人番号カードをその者の住所地を管轄する公安委員会に提示して免許情報記録の抹消を受けなければならない。
ただし、当該免許情報記録個人番号カードを行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律第十七条第八項に規定する住所地市町村長に返納した場合は、この限りでない。
免許情報記録の有効期間が満了したとき(第一号に該当する場合を除く。)。
第百四条の二の二第一項、第二項若しくは第四項、第百四条の二の四第一項、第二項若しくは第四項又は第百四条の四第二項の規定により免許を取り消された者がなお他の種類の免許を受けている場合において、その者の住所地を管轄する公安委員会に対して前項の規定により免許情報記録個人番号カードを提示したときは、当該公安委員会は、同項の規定にかかわらず、当該免許情報記録個人番号カードに記録された免許情報記録を当該他の種類の免許に係る免許情報記録に書き換えるものとする。
現に受けている免許(仮免許を除く。)について免許情報記録個人番号カードを有していた者であつて、第百三条の二第四項又は第百六条の四第一項第二号の規定による免許情報記録の抹消を受けたことその他の事情により免許証及び免許情報記録個人番号カードのいずれをも有しない者となつたものについては、その直近において有していた免許情報記録個人番号カードを引き続き有している者とみなして、第九十五条の二第十一項、第九十五条の五第二項及び第三項、第百一条から第百一条の四まで(第百一条の二の二第三項を除く。)、第百一条の四の二第三項並びに第百五条の規定を適用する。
この場合において、第百一条の四の二第三項中「が現に有する免許情報記録個人番号カードに記録された免許情報記録を書き換えて」とあるのは、「に対し、当該更新をした旨を証する書面を交付して」とする。
第七節 国際運転免許証及び外国運転免許証並びに国外運転免許証
道路交通に関する条約(以下「条約」という。)第二十四条第一項の運転免許証(第百七条の七第一項の国外運転免許証を除く。)で条約附属書九若しくは条約附属書十に定める様式に合致したもの(以下この条において「国際運転免許証」という。)又は自動車等の運転に関する本邦の域外にある国若しくは地域(国際運転免許証を発給していない国又は地域であつて、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図る上で我が国と同等の水準にあると認められる運転免許の制度を有している国又は地域として政令で定めるものに限る。)の行政庁若しくは権限のある機関の免許に係る運転免許証(日本語による翻訳文で政令で定める者が作成したものが添付されているものに限る。以下この条において「外国運転免許証」という。)を所持する者(第八十八条第一項第二号から第四号までのいずれかに該当する者を除く。)は、第六十四条第一項の規定にかかわらず、本邦に上陸(住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)に基づき住民基本台帳に記録されている者が出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第六十条第一項の規定による出国の確認、同法第二十六条第一項の規定による再入国の許可(同法第二十六条の二第一項(日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成三年法律第七十一号)第二十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定により出入国管理及び難民認定法第二十六条第一項の規定による再入国の許可を受けたものとみなされる場合を含む。)又は出入国管理及び難民認定法第六十一条の二の十五第一項の規定による難民旅行証明書の交付を受けて出国し、当該出国の日から三月に満たない期間内に再び本邦に上陸した場合における当該上陸を除く。第百十七条の二の二第一項第一号において同じ。)をした日から起算して一年間、当該国際運転免許証又は外国運転免許証(以下「国際運転免許証等」という。)で運転することができることとされている自動車等を運転することができる。
ただし、旅客自動車運送事業に係る旅客を運送する目的で、旅客自動車を運転し若しくは牽引自動車によつて旅客用車両を牽引して当該牽引自動車を運転する場合、又は代行運転普通自動車を運転する場合は、この限りでない。
公安委員会は、国際運転免許証等を所持する者が当該国際運転免許証等に係る発給の条件を満たしているかどうかを調査するため必要があると認めるとき(その者が第百三条第一項第一号、第一号の二又は第三号のいずれかに該当するかどうかを調査するため必要があると認めるときに限る。)は、内閣府令で定めるところにより、その者に対し、必要な報告を求めることができる。
公安委員会は、国際運転免許証等を所持する者について、当該国際運転免許証等に係る発給の条件が満たされなくなつたと疑う理由があるとき(その者が第百三条第一項第一号から第三号までのいずれかに該当することとなつたと疑う理由があるときに限る。)は、臨時に適性検査を行うことができる。
この場合において、公安委員会は、前条の規定による報告の内容その他の事情を考慮するとともに、あらかじめ、適性検査を行う期日、場所その他必要な事項をその者に通知しなければならない。
前項後段の規定による通知を受けた者は、通知された期日に通知された場所に出頭して適性検査を受けなければならない。
公安委員会は、道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要があると認めるときは、第一項の適性検査を受けた者に対し、運転をするに当たつてその者の身体の状態に応じた必要な措置をとることを命ずることができる。
国際運転免許証等を所持する者が次の各号のいずれかに該当することとなつたときは、その者が当該各号のいずれかに該当することとなつた時におけるその者の住所地を管轄する公安委員会は、政令で定める基準に従い、五年を超えない範囲内で期間を定めてその者に対し、当該国際運転免許証等に係る自動車等の運転を禁止することができる。
ただし、第二号に該当する者が前条において準用する第百二条の二の規定の適用を受ける者であるときは、当該処分は、その者が前条において準用する第百二条の二に規定する講習を受けないで同条の期間を経過した後でなければ、することができない。
国際運転免許証等の発給の条件が満たされなくなつたことが明らかになつたとき(その者が第百三条第一項第一号から第三号までのいずれかに該当することとなつたときに限る。)。
自動車等の運転に関しこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこの法律の規定に基づく処分に違反したとき(次項各号のいずれかに該当する場合を除く。)。
国際運転免許証等を所持する者が次の各号のいずれかに該当することとなつたときは、その者が当該各号のいずれかに該当することとなつた時におけるその者の住所地を管轄する公安委員会は、政令で定める基準に従い、三年以上十年を超えない範囲内で期間を定めてその者に対し、当該国際運転免許証等に係る自動車等の運転を禁止することができる。
自動車等の運転により人を死傷させ、又は建造物を損壊させる行為で故意によるものをしたとき。
自動車等の運転に関し自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第二条から第四条までの罪に当たる行為をしたとき。
自動車等の運転に関し第百十七条の二第一項第一号、第三号又は第四号の違反行為をしたとき(前二号のいずれかに該当する場合を除く。)。
第百四条の規定は公安委員会が第一項第二号又は第二項各号に該当してこれらの規定により自動車等の運転を九十日(公安委員会が九十日を超えない範囲内においてこれと異なる期間を定めたときは、その期間。以下この項において同じ。)以上禁止しようとする場合及び第九項において準用する第百三条第三項(同条第五項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の処分移送通知書(第一項第二号及び第二項各号に係るものに限る。)の送付を受けた場合について、第百四条の二の規定は公安委員会が第一項第一号に該当して同項の規定により自動車等の運転を九十日以上禁止しようとする場合及び第九項において準用する第百三条第三項の処分移送通知書(第一項第一号に係るものに限る。)の送付を受けた場合について準用する。
この場合において、第百四条第四項中「第百三条第一項若しくは第四項の規定による免許の取消し若しくは効力の停止(同条第一項第五号に係るものに限る。)又は同条第二項若しくは第四項の規定による免許の取消し(同条第二項第一号から第四号までのいずれかに係るものに限る。)をする」とあるのは「第百七条の五第一項若しくは第二項又は同条第九項において準用する第百三条第四項の規定による自動車等の運転の禁止(第百七条の五第一項第二号及び第二項各号に係るものに限る。)をする」と、第百四条の二第二項中「前項の聴聞又は第百三条第一項若しくは第四項の規定による免許の取消し(同条第一項各号(第五号を除く。)に係るものに限る。)若しくは同条第二項若しくは第四項の規定による免許の取消し(同条第二項第五号に係るものに限る。)に係る聴聞」とあるのは「前項の聴聞」と読み替えるものとする。
第百三条第三項から第五項まで及び第九項の規定は、第一項又は第二項の規定により自動車等の運転を禁止する場合について準用する。
この場合において、同条第四項中「第一項各号のいずれかに該当する場合(同項第五号に該当する者が第百二条の二の規定の適用を受ける者であるときは、その者が同条に規定する講習を受けないで同条の期間を経過した後に限る。)には、同項の政令で定める基準に従い、その者の免許を取り消し、又は六月を超えない範囲内において期間を定めて免許の効力を停止することができるものとし、その者が第二項各号のいずれかに該当する場合には、その者の免許を取り消すことができる」とあるのは、「第百七条の五第一項各号のいずれかに該当するものであるとき(同項第二号に該当する者が第百七条の四の二において準用する第百二条の二の規定の適用を受ける者であるときは、その者が第百七条の四の二において準用する第百二条の二に規定する講習を受けないで同条の期間を経過した後に限る。)は、同項の政令で定める基準に従い、五年を超えない範囲内で期間を定めて、その者が第百七条の五第二項各号のいずれかに該当するものであるときは、同項の政令で定める基準に従い、三年以上十年を超えない範囲内で期間を定めて、その者に対し、当該国際運転免許証等に係る自動車等の運転を禁止することができる」と読み替えるものとする。
第百三条の二(第四項を除く。)の規定は、国際運転免許証等を所持する者が自動車等の運転に関し同条第一項各号のいずれかに該当することとなつた場合について準用する。
この場合において、同条中「免許の効力の停止」とあるのは「自動車等の運転の禁止」と、「仮停止」とあるのは「仮禁止」と、「免許証」とあるのは「国際運転免許証等」と、「仮停止通知書」とあるのは「仮禁止通知書」と、同条第三項中「有する」とあるのは「所持する」と、同条第六項中「前条第三項」とあるのは「第百七条の五第九項において準用する前条第三項」と、同条第七項中「前条第一項、第二項又は第四項の規定」とあるのは「第百七条の五第一項若しくは第二項の規定又は同条第九項において準用する前条第四項の規定」と、同条第八項中「前条第一項又は第四項の規定」とあるのは「第百七条の五第一項若しくは第二項の規定又は同条第九項において準用する前条第四項の規定」と読み替えるものとする。
国外運転免許証の有効期間は、当該国外運転免許証の発給の日から起算して一年とする。
国外運転免許証は、当該国外運転免許証に係る免許が失効し、又は取り消されたときは、その効力を失う。
国外運転免許証は、当該国外運転免許証に係る免許の効力が停止されたときは、当該停止の期間、その効力が停止されるものとする。
国外運転免許証の交付を受けた者は、当該国外運転免許証の有効期間が満了し、又は当該国外運転免許証が失効したとき(当該国外運転免許証の有効期間が満了した時又は当該国外運転免許証が失効した時に本邦外の地域にある者については、本邦に帰国したとき。)は、すみやかに、当該国外運転免許証をその住所地を管轄する公安委員会に返納しなければならない。
国外運転免許証の交付を受けた者は、当該国外運転免許証の効力が停止されたとき(当該国外運転免許証の効力が停止された時に本邦外の地域にあり、かつ、当該国外運転免許証の効力の停止の期間中に本邦に帰国した者については、帰国したとき。)は、すみやかに、当該国外運転免許証をその者の住所地を管轄する公安委員会に提出しなければならない。
前項の規定により国外運転免許証の提出を受けた公安委員会は、当該国外運転免許証の効力の停止の期間が満了した場合においてその提出者から返還の請求があつたときは、直ちに当該国外運転免許証を返還しなければならない。
第八節 免許関係事務の委託
公安委員会は、政令で定めるところにより、この章に規定する免許に関する事務(免許の拒否及び保留、免許の条件の付与及び変更、運転免許試験及び適性検査の結果の判定並びに免許の取消し及び効力の停止に係る事務その他の政令で定める事務を除く。次項において「免許関係事務」という。)の全部又は一部を内閣府令で定める法人に委託することができる。
前項の規定により免許関係事務の委託を受けた法人の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、当該委託に係る免許関係事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
第六章の二 講習
公安委員会は、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる講習を行うものとする。
安全運転管理者等に対する講習
取消処分者等又は準取消処分者等に対する講習
第九十条第一項ただし書の規定による免許の保留、同条第五項若しくは第百三条第一項若しくは第四項の規定による免許の効力の停止又は第百七条の五第一項の規定若しくは同条第九項において準用する第百三条第四項の規定による六月を超えない範囲内の自動車等の運転の禁止を受けた者(第九十条第一項第一号から第三号まで若しくは第七号、第百三条第一項第一号から第四号まで又は第百七条の五第一項第一号に該当することを理由としてこれらの処分を受けた者及び第百二条の二の期間内に同条に規定する講習を受けなかつた者を除く。)に対する講習
大型免許、中型免許、準中型免許又は普通免許を受けようとする者に対するその受けようとする免許に係る自動車の運転に関する講習
大型二輪免許又は普通二輪免許を受けようとする者に対するその受けようとする免許に係る自動車の運転に関する講習
原付免許を受けようとする者に対する一般原動機付自転車の運転に関する講習
大型第二種免許、中型第二種免許又は普通第二種免許を受けようとする者に対するその受けようとする免許に係る自動車の運転に関する講習
大型免許、中型免許、準中型免許、普通免許、大型二輪免許、普通二輪免許、大型第二種免許、中型第二種免許又は普通第二種免許を受けようとする者に対する応急救護処置(交通事故の現場においてその負傷者を救護するため必要な応急の処置をいう。)に関する講習
指定自動車教習所の政令で定める職員に対する講習
基準該当初心運転者(免許の効力が停止されている者を除く。)に対する免許の種類ごとに行う当該免許自動車等の運転について必要な技能及び知識に関する講習
免許証等の更新を受けようとする者、特定失効者又は特定取消処分者に対する第九十五条の六第一項の表の上欄に規定する優良運転者、一般運転者又は違反運転者等の区分に応じた講習
更新期間が満了する日における年齢が七十歳以上の者、第八十九条第一項の規定により免許申請書を提出した日における年齢が七十歳以上の特定失効者若しくは特定取消処分者又は第百一条の七第五項の規定による通知を受けた者に、加齢に伴つて生ずるその者の身体の機能の低下が自動車等の運転に影響を及ぼす可能性があることを理解させるための講習
免許を受けた者又は国際運転免許証等を所持する者で軽微違反行為をし、当該行為が第百二条の二の政令で定める基準に該当することとなつたものに対する講習
基準該当若年運転者(免許の効力が停止されている者を除く。)に対する特例取得免許に係る自動車の運転に関する講習
特定小型原動機付自転車の運転による交通の危険を防止するための講習
自転車の運転による交通の危険を防止するための講習
公安委員会は、前項各号に掲げるもののほか、車両の運転に関する技能及び知識の向上を図るため車両の運転者に対する講習を行うように努めなければならない。
公安委員会は、内閣府令で定める者に第一項第一号、第三号から第九号まで、第十一号から第十三号まで、第十五号若しくは第十六号に掲げる講習又は前項に規定する講習の実施を委託することができる。
前項の通知を受けた者は、当該通知を受けた日の翌日から起算した期間(講習を受けないことについて政令で定めるやむを得ない理由がある者にあつては、当該期間から当該事情の存する期間を除いた期間)が通算して一月を超えることとなるまでの間に限り、初心運転者講習を受けることができる。
公安委員会は、免許を受けた者又は国際運転免許証等を所持する者が軽微違反行為をし、当該行為が第百二条の二の政令で定める基準に該当することとなつたときは、内閣府令で定めるところにより、速やかに、その者に対し、第百八条の二第一項第十三号に掲げる講習を行う旨を書面で通知しなければならない。
公安委員会は、内閣府令で定めるところにより、基準該当若年運転者に対し、その者が自動車等の運転に関しこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこの法律の規定に基づく処分に違反する行為をし、当該行為が第百二条の三の政令で定める基準に該当することとなつた後速やかに、第百八条の二第一項第十四号に掲げる講習(以下「若年運転者講習」という。)を行う旨を書面で通知しなければならない。
公安委員会は、特定小型原動機付自転車の運転に関しこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこの法律の規定に基づく処分に違反する行為であつて道路における交通の危険を生じさせるおそれのあるものとして政令で定めるもの(次条において「特定小型原動機付自転車危険行為」という。)を反復してした者が、更に特定小型原動機付自転車を運転することが道路における交通の危険を生じさせるおそれがあると認めるときは、内閣府令で定めるところにより、その者に対し、三月を超えない範囲内で期間を定めて、当該期間内に行われる第百八条の二第一項第十五号に掲げる講習(次条において「特定小型原動機付自転車運転者講習」という。)を受けるべき旨を命ずることができる。
公安委員会は、自転車の運転に関しこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこの法律の規定に基づく処分に違反する行為であつて道路における交通の危険を生じさせるおそれのあるものとして政令で定めるもの(次条において「自転車危険行為」という。)を反復してした者が、更に自転車を運転することが道路における交通の危険を生じさせるおそれがあると認めるときは、内閣府令で定めるところにより、その者に対し、三月を超えない範囲内で期間を定めて、当該期間内に行われる第百八条の二第一項第十六号に掲げる講習(次条において「自転車運転者講習」という。)を受けるべき旨を命ずることができる。
公安委員会は、前条の規定による命令をしたとき、特定小型原動機付自転車の運転者が特定小型原動機付自転車危険行為をしたとき若しくは特定小型原動機付自転車運転者講習を受けたとき又は自転車の運転者が自転車危険行為をしたとき若しくは自転車運転者講習を受けたときは、内閣府令で定める事項を国家公安委員会に報告しなければならない。
この場合において、国家公安委員会は、特定小型原動機付自転車運転者講習及び自転車運転者講習に関する事務の適正を図るため、当該報告に係る事項を各公安委員会に通報するものとする。
公安委員会は、次の各号に掲げる講習を、それぞれ当該各号に定める要件に該当すると認められるものとして指定する者(以下「指定講習機関」という。)に行わせることができる。
第百八条の二第一項第二号に掲げる講習(以下この条及び次条第一項において「取消処分者講習」という。)
初心運転者講習
若年運転者講習
運転適性指導員が置かれていることその他若年運転者講習を適正かつ確実に行うために必要なものとして国家公安委員会規則で定める基準に適合すること。
前項の規定による指定は、取消処分者講習、初心運転者講習又は若年運転者講習(以下「特定講習」という。)を行おうとする者の申請により行う。
一般社団法人若しくは一般財団法人又は指定自動車教習所として指定された者以外の者
第百八条の十一第一項又は第二項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者
自動車等の運転に関し自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第二条から第六条までの罪又はこの法律に規定する罪を犯し禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者
法人で、その役員のうちに前号に該当する者があるもの
公安委員会は、第一項の規定による指定をしたときは、当該指定に係る特定講習を行わないことができる。
取消処分者講習又は若年運転者講習を行う指定講習機関は、運転適性指導には、運転適性指導員以外の者を従事させてはならない。
初心運転者講習を行う指定講習機関は、運転習熟指導には、運転習熟指導員以外の者を従事させてはならない。
公安委員会は、運転適性指導員又は運転習熟指導員が運転適性指導又は運転習熟指導について不正な行為をしたときは、当該指定講習機関に対し、その選任に係る当該運転適性指導員又は運転習熟指導員の解任を命ずることができる。
指定講習機関は、特定講習の開始前に、特定講習の業務に関する規程(次項において「講習業務規程」という。)を定め、公安委員会の認可を受けなければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
講習業務規程で定めるべき事項は、国家公安委員会規則で定める。
指定講習機関の役員(法人でない指定自動車教習所にあつては当該施設を設置する者。次項において同じ。)若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、特定講習の業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
特定講習の業務に従事する指定講習機関の役員又は職員は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
公安委員会は、指定講習機関が第百八条の四第一項各号に規定する基準に適合しなくなつたと認めるときは、当該指定講習機関に対し、同項各号に規定する基準に適合するため必要な措置を採るべきことを命ずることができる。
公安委員会は、前項に定めるもののほか、特定講習を適正かつ確実に行うことを確保するため必要があると認めるときは、指定講習機関に対し、特定講習の業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
公安委員会は、指定講習機関について、第百八条の四第一項各号に規定する基準に適合しているかどうか、又は第百八条の五第一項若しくは第二項の規定に従い運営されているかどうかを検査し、及び指定講習機関に対し、必要な報告又は資料の提出を求めることができる。
指定講習機関は、公安委員会の許可を受けなければ、特定講習の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
第百八条の四から前条までに規定するもののほか、指定講習機関に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。
第六章の三 交通事故調査分析センター
国家公安委員会は、交通事故の防止及び交通事故による被害の軽減に資するための調査研究等を行うことにより道路における交通の安全と円滑に寄与することを目的とする一般社団法人又は一般財団法人であつて、次条に規定する事業を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申出により、全国に一を限つて、交通事故調査分析センター(以下この章において「分析センター」という。)として指定することができる。
国家公安委員会は、前項の規定による指定をしたときは、分析センターの名称、住所及び事務所の所在地を公示しなければならない。
分析センターは、その名称、住所又は事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を国家公安委員会に届け出なければならない。
国家公安委員会は、前項の規定による届出があつたときは、その旨を公示しなければならない。
分析センターは、次に掲げる事業を行うものとする。
交通事故の実例に即して、道路交通の状況、運転者の状況その他の交通事故に関係する事項について、その原因等に関する科学的な研究に資するための調査を行うこと。
交通事故の原因等に関する科学的な研究を目的として、前号に規定する調査(以下この章において「事故例調査」という。)に係る情報又は資料その他の個別の交通事故に係る情報又は資料を分析すること。
交通事故一般に関する情報又は資料を収集し、及び分析し、その他交通事故に関する科学的な調査研究を行うこと。
前号に掲げるもののほか、交通事故に関する知識の普及及び交通事故防止に関する意識の啓発を図るため、第二号の規定による分析の結果又は第三号の規定による分析の結果若しくは調査研究の成果を、定期的に又は時宜に応じて提供すること。
外国における交通事故に関する調査研究機関との間において情報交換を行うこと。
前各号に掲げる事業に附帯する事業を行うこと。
事故例調査に従事する分析センターの職員は、事故例調査を行うために関係者に協力を求めるに当たつては、その生活又は業務の平穏に支障を及ぼさないように配慮しなければならない。
事故例調査に従事する分析センターの職員は、その身分を示す証票を携帯し、関係者の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
警察署長は、分析センターの求めに応じ、分析センターが事故例調査を行うために必要な限度において、分析センターに対し、交通事故の発生に関する情報その他の必要な情報又は資料で国家公安委員会規則で定めるものを提供することができる。
警察庁及び都道府県警察は、分析センターの求めに応じ、分析センターが第百八条の十四第三号に掲げる事業を行うために必要な情報又は資料で国家公安委員会規則で定めるものを分析センターに対し提供することができる。
国家公安委員会は、前項の認可をした特定情報管理規程が特定情報の適正な管理又は使用を図る上で不適当となつたと認めるときは、分析センターに対し、当該特定情報管理規程を変更すべきことを命ずることができる。
特定情報管理規程に記載すべき事項は、国家公安委員会規則で定める。
分析センターの役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、第百八条の十四第一号から第三号までに掲げる事業に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
国家公安委員会は、分析センターの役員又は職員が特定情報管理規程によらないで特定情報の管理若しくは使用を行つたとき、又は前条の規定に違反したときは、分析センターに対し、当該役員又は職員を解任すべきことを命ずることができる。
分析センターは、毎事業年度の事業計画及び収支予算を作成し、当該事業年度の開始前に国家公安委員会に提出しなければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
分析センターは、毎事業年度の事業報告書、収支決算書、貸借対照表及び財産目録を作成し、当該事業年度経過後三月以内に国家公安委員会に提出しなければならない。
国家公安委員会は、この章の規定を施行するため必要な限度において、分析センターに対し、その事業に関し監督上必要な命令をすることができる。
国家公安委員会は、分析センターがこの章の規定に違反したとき、又は第百八条の十七第二項、第百八条の十九若しくは前条の規定による命令に違反したときは、その指定を取り消すことができる。
国家公安委員会は、前項の規定により指定を取り消したときは、その旨を公示しなければならない。
警察庁及び都道府県警察は、分析センターに対し、国家公安委員会規則で定めるところにより、その事業の円滑な運営が図られるように必要な配慮を加えるものとする。
第百八条の十三から前条までに規定するもののほか、分析センターに関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。
第六章の四 交通の安全と円滑に資するための民間の組織活動等の促進
公安委員会は、道路における交通の安全と円滑に資するための次に掲げる活動で民間の自主的な組織活動として行われるものの促進を図るため、関係する機関及び団体の活動との調和及び連携を図りつつ、情報の提供、助言、指導その他必要な措置を講ずるものとする。
道路を通行する者に対する交通安全教育
歩行者の誘導その他の道路を通行する者の通行の安全を確保するための活動
適正な交通の方法又は交通事故防止についての広報活動その他道路における交通の安全と円滑に資するための広報活動
道路における適正な車両の駐車又は道路の使用についての啓発活動、特定小型原動機付自転車又は自転車の適正な通行についての啓発活動その他道路における交通の安全と円滑に資するための啓発活動
前各号に掲げるもののほか、道路における交通の安全と円滑に資するための活動
公安委員会は、地方公共団体が行う交通安全対策(公安委員会が行うものを除く。)の的確かつ円滑な実施が図られるよう、関係地方公共団体の長に対し、当該関係地方公共団体の区域における交通事故の発生の状況に関する情報の提供、職員の研修に係る協力その他必要な措置を講ずるものとする。
公安委員会は、適正な交通の方法及び交通事故防止について住民の理解を深めるため、住民に対する交通安全教育を行うように努めなければならない。
国家公安委員会は、道路を通行する者に対する交通安全教育を行う者(公安委員会を除く。)が効果的かつ適切な交通安全教育を行うことができるようにし、及び公安委員会が行う前条の交通安全教育の基準とするため、次に掲げる事項を内容とする交通安全教育に関する指針(以下「交通安全教育指針」という。)を作成し、これを公表するものとする。
自動車及び原動機付自転車の安全な運転に必要な技能及び知識その他の適正な交通の方法に関する技能及び知識を習得する機会を提供するための交通安全教育の内容及び方法
交通事故防止に関する知識を習得する機会を提供するための交通安全教育の内容及び方法
前二号に掲げるもののほか、道路を通行する者に対する交通安全教育を効果的かつ適切に行うために必要な事項
交通安全教育指針は、道路を通行する者が、交通安全教育に係る学習の機会を通じて、適正な交通の方法及び交通事故防止に関する技能及び知識を自主的に習得する意欲を高めるとともに、その年齢若しくは通行の態様又は業務に関し通行する場合にあつてはその業務の態様に応じたこれらの技能及び知識を段階的かつ体系的に習得することができるように配慮して作成されなければならない。
国家公安委員会は、第一項の規定により交通安全教育指針を作成しようとする場合には、関係行政機関の長と緊密な協力を図るよう努めなければならない。
国家公安委員会は、道路を通行する者が適正な交通の方法を容易に理解することができるようにするため、次に掲げる事項を内容とする教則を作成し、これを公表するものとする。
法令で定める道路の交通の方法
道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、又は道路の交通に起因する障害を防止するため、道路を通行する者が励行することが望ましい事項
前二号に掲げるもののほか、自動車の構造その他自動車及び原動機付自転車の運転に必要な知識
公安委員会は、地域における交通の状況について知識を有する者であつて次に掲げる要件を満たしているもののうちから、地域交通安全活動推進委員を委嘱することができる。
人格及び行動について、社会的信望を有すること。
職務の遂行に必要な熱意及び時間的余裕を有すること。
生活が安定していること。
健康で活動力を有すること。
地域交通安全活動推進委員は、次に掲げる活動を行う。
適正な交通の方法及び交通事故防止について住民の理解を深めるための住民に対する交通安全教育
高齢者、障害者その他その通行に支障のある者の通行の安全を確保するための方法について住民の理解を深めるための運動の推進
道路における適正な車両の駐車及び道路の使用の方法について住民の理解を深めるための運動の推進
特定小型原動機付自転車又は自転車の適正な通行の方法について住民の理解を深めるための運動の推進
前各号に掲げるもののほか、地域における交通の安全と円滑に資するための活動で国家公安委員会規則で定めるもの
前項第一号の交通安全教育は、交通安全教育指針に従つて行わなければならない。
地域交通安全活動推進委員は、名誉職とする。
公安委員会は、地域交通安全活動推進委員が次のいずれかに該当するときは、これを解嘱することができる。
第一項各号のいずれかの要件を欠くに至つたとき。
職務上の義務に違反し、又はその職務を怠つたとき。
地域交通安全活動推進委員たるにふさわしくない非行のあつたとき。
前各項に定めるもののほか、地域交通安全活動推進委員に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。
地域交通安全活動推進委員は、公安委員会が定める区域ごとに、地域交通安全活動推進委員協議会を組織するものとする。
地域交通安全活動推進委員協議会は、地域交通安全活動推進委員が前条第二項の活動を行う場合においてその活動の方針を定め、並びに地域交通安全活動推進委員相互の連絡及び調整を行うことその他地域交通安全活動推進委員が能率的にその任務を遂行するために必要な事項で国家公安委員会規則で定めるものを行う。
地域交通安全活動推進委員協議会は、地域交通安全活動推進委員の活動に関し必要と認める意見を、公安委員会及び当該地域交通安全活動推進委員協議会に係る区域を管轄する警察署長に申し出ることができる。
前三項に定めるもののほか、地域交通安全活動推進委員協議会に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。
公安委員会は、道路における交通の安全と円滑に寄与することを目的とする一般社団法人又は一般財団法人であつて、次項に規定する事業を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申出により、都道府県に一を限つて、都道府県交通安全活動推進センター(以下「都道府県センター」という。)として指定することができる。
都道府県センターは、当該都道府県の区域において、次に掲げる事業を行うものとする。
適正な交通の方法、交通事故防止その他道路における交通の安全に関する事項について広報活動を行うこと。
適正な交通の方法、交通事故防止その他道路における交通の安全についての啓発活動を行うこと。
交通事故に関する相談に応ずること。
道路における車両の駐車及び交通の規制並びに道路の使用に関する事項について照会及び相談に応ずること。
道路における車両の駐車及び交通の規制並びに道路の使用に関する事項について広報活動を行うこと(第一号に該当するものを除く。)。
道路における適正な車両の駐車及び道路の使用についての啓発活動を行うこと(第二号に該当するものを除く。)。
警察署長の委託を受けて道路における工作物又は物件の設置の状況について調査すること(前号の許可に係るものを除く。)。
運転適性指導(道路運送法第二条第二項に規定する自動車運送事業(貨物利用運送事業法第二条第八項に規定する第二種貨物利用運送事業を含む。)の用に供する自動車の運転者に対するものを除く。)を行うこと。
道路における交通の安全と円滑に資するための民間の自主的な組織活動を助けること。
地域交通安全活動推進委員に対する研修を行うこと。
地域交通安全活動推進委員協議会の事務について連絡調整を行う等その任務の遂行を助けること。
前各号の事業に附帯する事業
公安委員会は、都道府県センターの財産の状況又はその事業の運営に関し改善が必要であると認めるときは、都道府県センターに対し、その改善に必要な措置を採るべきことを命ずることができる。
都道府県センターの役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、第二項第三号又は第七号から第九号までに掲げる業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
都道府県センターは、第二項各号に掲げる事業の遂行に当たつては、関係する機関及び団体の活動の円滑な遂行に配慮して、これらの活動との調和及び連携を図らなければならない。
第一項の指定の手続その他都道府県センターに関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。
国家公安委員会は、道路における交通の安全と円滑に寄与することを目的とする一般社団法人又は一般財団法人であつて、次項に規定する事業を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申出により、全国に一を限つて、全国交通安全活動推進センター(以下「全国センター」という。)として指定することができる。
全国センターは、次に掲げる事業を行うものとする。
交通事故に関する相談に応ずる業務を担当する者、道路における車両の駐車及び交通の規制並びに道路の使用に関する事項について照会及び相談に応ずる業務を担当する者、運転適性指導の業務を担当する者その他都道府県センターの業務を行う者に対する研修を行うこと。
適正な交通の方法、交通事故防止その他道路における交通の安全に関する事項について二以上の都道府県の区域における広報活動を行うこと。
適正な交通の方法、交通事故防止その他道路における交通の安全についての二以上の都道府県の区域における啓発活動を行うこと。
道路における適正な車両の駐車及び道路の使用についての二以上の都道府県の区域における啓発活動を行うこと(前号に該当するものを除く。)。
道路における車両の駐車及び交通の規制並びに道路の使用並びに運転適性指導に関する調査研究を行うこと。
道路を通行する者に対する交通安全教育を行う者の資質の向上に必要とされる技能及び知識に関する研修(道路運送法及び貨物自動車運送事業法に規定する運行管理者に対するものその他国家公安委員会規則で定めるものを除く。)を行うこと。
都道府県センターの事業について、連絡調整を行うこと。
前各号の事業に附帯する事業
免許(仮免許を除く。)を現に受けている者又は特定失効者若しくは特定取消処分者に対しその運転技能を向上させるとともに道路交通に関する知識を深めさせるための教育(以下「運転免許取得者等教育」という。)を、自動車教習所である施設その他の施設を用いて行う者は、国家公安委員会規則で定めるその課程の区分ごとに、当該施設の所在地を管轄する公安委員会に申請して、当該施設において当該課程により行う運転免許取得者等教育が次の各号のいずれにも適合している旨の認定を受けることができる。
教習指導員資格者証の交付を受けた者その他の運転免許取得者等教育を効果的かつ適切に行うことができる者として国家公安委員会規則で定める者により行われるものであること。
第九十九条第一項第四号の政令で定める基準に適合した設備その他の運転免許取得者等教育を効果的かつ適切に行うための設備として国家公安委員会規則で定める設備を用いて行われるものであること。
当該課程が、交通安全教育指針に従つて行われるものであり、かつ、次に掲げる基準のいずれかに適合するものであること。
第百八条の二第一項第十一号に掲げる講習と同等の効果がある課程の基準として国家公安委員会規則で定める基準
第百八条の二第一項第十二号に掲げる講習と同等の効果がある課程の基準として国家公安委員会規則で定める基準
イ及びロに掲げるもののほか、運転技能を向上させるとともに道路交通に関する知識を深めさせる効果がある課程の基準として国家公安委員会規則で定める基準
公安委員会は、前項の認定をしたときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。
運転免許取得者等教育を行う者は、当該運転免許取得者等教育の課程について、第一項の認定を受けないで、公安委員会認定という文字を冠した名称を用いてはならない。
第九十八条第三項から第五項までの規定は、第一項の認定を受けて運転免許取得者等教育を行う者について準用する。
この場合において、同条第三項中「自動車の運転に関する教習」とあるのは「第百八条の三十二の二第一項の認定を受けた同項の運転免許取得者等教育」と、「自動車教習所における教習」とあるのは「運転免許取得者等教育」と、同条第四項中「自動車教習所における自動車の運転に関する技能又は知識の教習」とあるのは「第百八条の三十二の二第一項の運転免許取得者等教育」と読み替えるものとする。
免許を現に受けている者又は特定失効者若しくは特定取消処分者に対し加齢に伴つて生ずるその者の身体の機能又は運転の技能の低下が自動車等の運転に及ぼす影響を確認するための検査(以下「運転免許取得者等検査」という。)を、自動車教習所である施設その他の施設を用いて行う者は、国家公安委員会規則で定めるその方法の区分ごとに、当該施設の所在地を管轄する公安委員会に申請して、当該施設において当該方法により行う運転免許取得者等検査が次の各号のいずれにも適合している旨の認定を受けることができる。
公安委員会が運転免許取得者等検査に関する技能及び知識に関して行う審査に合格した者その他の運転免許取得者等検査を効果的かつ適切に行うことができる者として国家公安委員会規則で定める者により行われるものであること。
第九十九条第一項第四号の政令で定める基準に適合した設備その他の運転免許取得者等検査を効果的かつ適切に行うための設備として国家公安委員会規則で定める設備を用いて行われるものであること。
当該方法が次に掲げる基準のいずれかに適合するものであること。
認知機能検査と同等の効果がある方法の基準として国家公安委員会規則で定める基準
運転技能検査と同等の効果がある方法の基準として国家公安委員会規則で定める基準
イ及びロに掲げるもののほか、加齢に伴つて生ずる身体の機能又は運転の技能の低下が自動車等の運転に及ぼす影響を確認する効果がある方法の基準として国家公安委員会規則で定める基準
特定小型原動機付自転車を販売し、又は貸し渡すことを業とする者は、当該特定小型原動機付自転車の購入者又は利用者に対し、交通安全教育指針に従つて特定小型原動機付自転車の安全な運転を確保するために必要な交通安全教育を行うように努めなければならない。
第七章 雑則
道路運送車両法第十九条、第五十八条第一項若しくは第七十三条第一項(同法第九十七条の三第二項において準用する場合を含む。)、自動車損害賠償保障法(昭和三十年法律第九十七号)第五条又は自動車の保管場所の確保等に関する法律(昭和三十七年法律第百四十五号)第十一条第一項若しくは第二項の規定は、第六十七条第二項、第九十条第一項第四号若しくは第五号、第九十五条の六第一項、第九十七条の二第一項第三号イ、第百条の二第一項本文若しくは同項第四号、第百一条の四第三項、第百二条の二、第百二条の三、第百三条第一項第五号、第百四条の二の四第一項、第二項若しくは第四項、第百六条、第百七条の五第一項第二号、第百八条の三の三又は次条の規定の適用については、この法律の規定とみなす。
警察官は、自動車又は一般原動機付自転車の運転者が自動車又は一般原動機付自転車の運転に関しこの法律の罰則に触れる行為をしたと認めるときは、その現場において、内閣府令で定めるところにより、その者に対し、日時及び場所を指定して、第百三条第一項第五号に掲げる事由に係る事実の確認その他の必要な措置を受けるために出頭すべき旨を命ずることができる。
公安委員会は、内閣府令で定めるところにより、車両の運転者に対し、車両の通行に必要な情報(以下この条及び次条において「交通情報」という。)を提供するように努めなければならない。
公安委員会は、内閣府令で定める者に交通情報の提供に係る事務を委託することができる。
国家公安委員会は、交通情報を提供する事業を行う者が正確かつ適切に交通情報を提供することができるようにするため、交通情報の提供に関する指針を作成し、これを公表するものとする。
交通情報を提供する事業であつて次の各号のいずれかに該当するもの(以下この条において「特定交通情報提供事業」という。)を行おうとする者は、内閣府令で定めるところにより、氏名及び住所(法人にあつては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)、交通情報の収集及び提供の方法その他内閣府令で定める事項を国家公安委員会に届け出なければならない。
その者が届出をした事項を変更するときも、同様とする。
道路における交通の混雑の状態を予測する事業
目的地に到達するまでに要する時間を予測する事業
国家公安委員会は、特定交通情報提供事業を行う者が正確かつ適切でない交通情報を提供することにより道路における交通の危険又は混雑を生じさせたと認めるときは、その者に対し、前項各号に掲げる事業に係る技術水準その他の事情を勘案して、相当な期間を定めて、正確かつ適切な交通情報の提供の実施のために必要な措置をとるべきことを勧告することができる。
国家公安委員会は、前項の規定による勧告をした場合において、当該勧告を受けた特定交通情報提供事業を行う者が当該勧告に従わないときは、その旨及び当該勧告の内容を公表することができる。
国家公安委員会は、前二項の規定を施行するため必要な限度において、特定交通情報提供事業を行う者に対し、必要な事項を報告させることができる。
国家公安委員会は、全国的な幹線道路(高速自動車国道及び政令で定める基準に従い国家公安委員会が指定する自動車専用道路を除く。)における交通の規制の斉一を図るため必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、公安委員会に対し、この法律の規定により公安委員会の権限に属する事務のうち、車両等の最高速度その他政令で定める事項に係るものの処理について指示することができる。
国家公安委員会は、高速自動車国道及び前項の規定により国家公安委員会が指定する自動車専用道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため特に必要があると認めるときは、公安委員会に対し、当該道路におけるこの法律の実施に関する事項について指示することができる。
公安委員会は、大気汚染防止法(昭和四十三年法律第九十七号)第二十一条第一項若しくは第二十三条第二項、騒音規制法(昭和四十三年法律第九十八号)第十七条第一項又は振動規制法(昭和五十一年法律第六十四号)第十六条第一項の要請があつた場合その他交通公害が発生したことを知つた場合において、必要があると認めるときは、当該交通公害の防止に関し第四条第一項の規定によりその権限に属する事務を行なうものとする。
この場合において、必要があると認めるときは、都道府県知事その他関係地方公共団体の長に対し、当該交通公害に関する資料の提供を求めることができる。
公安委員会(第五条第一項の規定により権限を委任された警察署長を含む。以下この条において同じ。)は、第四条第一項の規定に基づき、第二条第一項第三号、第三号の四、第四号、第四号の二若しくは第七号、第四条第三項、第八条第一項、第十三条第二項、第十七条第四項、第五項第五号若しくは第六項、第十七条の二第一項、第二十二条第一項、第二十三条、第三十四条第五項、第四十九条第一項、第六十三条の四第一項第一号又は第六十三条の七第二項の道路標識等(第十七条第六項の道路標識等にあつては内閣府令・国土交通省令で定めるものに限り、第二十二条第一項の道路標識等にあつては同項の政令で定める最高速度を超える最高速度に係るものに限る。以下この条において同じ。)により交通の規制を行おうとするときは、当該規制の適用される道路(第二十二条第一項及び第六十三条の四第一項第一号の道路標識等以外の道路標識等に係る場合にあつては、道路法による道路に限る。)の管理者の意見を聴かなければならない。
ただし、第八条第一項の道路標識等による交通の規制を行う場合において、緊急を要するためやむを得ないと認められるときは、この限りでないものとし、この場合には、事後において、速やかに当該交通の規制に係る事項を通知しなければならない。
公安委員会は、駐車場法第三条第一項に規定する駐車場整備地区内において、第四条第一項の規定に基づき第四十九条第一項の道路標識等により時間制限駐車区間を指定しようとする場合において、同法第四条第一項の規定により駐車場整備計画(同条第二項第四号に掲げる事項が定められているものに限る。)が定められているときは、当該計画を定めた市町村の意見を聴かなければならない。
公安委員会は、この法律の規定により行なう道路における交通の規制の適正を図るため、道路における交通量、車両等の通行の経路その他道路の交通に関し必要な事項の調査をその管理に属する都道府県警察の警察官に行なわせることができる。
前項の規定による道路の交通に関する調査をするため特に必要があると認めるときは、当該警察官は、道路を通行する車両等の運転者に対し、当該調査をするため必要な限度において、一時当該車両等を停止することを求め、及び当該車両等の通行の経路について質問することができる。
公安委員会は、第一項の規定による調査を行なつた場合において、必要があると認めるときは、その道路の管理者又は関係行政庁に対し、意見を付してその調査の結果を通知するものとする。
都道府県は、第六章(第百五条の二第二項及び第四項を除く。)及び第六章の二の規定により公安委員会が行うものとされている事務に係る手数料の徴収については、次の各号に掲げる者から、それぞれ当該各号に定める手数料の種別ごとに政令で定める区分に応じて、物件費及び施設費に対応する部分として政令で定める額に人件費に対応する部分として政令で定める額を標準とする額を加えた額を徴収することを標準として条例を定めなければならない。
第九十五条の二第三項の規定による特定免許情報の記録又は第九十五条の三の規定により読み替えて適用する第九十二条第二項の規定若しくは第百六条の四第二項の規定による免許情報記録の書換えを受けようとする者(免許の効力の停止の期間が満了した場合又は免許の効力の停止が解除された場合に第九十五条の二第一項の規定による申請をした者その他の政令で定める者を除く。)
特定免許情報記録手数料
認知機能検査を受けようとする者
認知機能検査手数料
運転技能検査を受けようとする者
運転技能検査手数料
削除
第七十五条の十五第二項(第七十五条の十六第二項において準用する場合を含む。)の規定による条件の変更及び新たな条件の付加、第七十七条第四項の規定による条件の変更及び新たな条件の付加並びに同条第五項の規定による許可の取消し及び効力の停止、第九十条第五項の規定による免許の取消し及び効力の停止、同条第六項の規定による免許の取消し並びに同条第九項又は第十項の規定による免許を受けることができない期間の指定、第九十七条の三第三項の規定による運転免許試験を受けることができないものとする措置(同条第一項の合格の決定の取消しに係るものに限る。)、第百三条第一項又は第四項の規定による免許の取消し及び効力の停止(同条第一項第五号に係るものに限る。)、同条第二項又は第四項の規定による免許の取消し(同条第二項第一号から第四号までのいずれかに係るものに限る。)並びに同条第七項又は第八項の規定による免許を受けることができない期間の指定、第百四条の二の二第二項若しくは第四項又は第百四条の二の四第一項、第二項若しくは第四項の規定による免許の取消し、第百六条の二の規定による仮免許の取消し並びに第百七条の五第一項又は同条第九項において準用する第百三条第四項の規定による自動車等の運転の禁止(第百七条の五第一項第二号に係るものに限る。)及び第百七条の五第二項又は同条第九項において準用する第百三条第四項の規定による自動車等の運転の禁止(第百七条の五第九項において準用する第百三条第四項の規定による自動車等の運転の禁止にあつては、第百七条の五第二項に係るものに限る。)については、行政手続法第三章(第十二条及び第十四条を除く。)の規定は、適用しない。
この法律の規定に基づき警察官等が現場においてした処分については、審査請求をすることができない。
この法律又はこの法律に基づく命令の規定により国家公安委員会の権限に属する事務(第百十条第一項の規定による指定に係るものを除く。)は、政令で定めるところにより、警察庁長官に委任することができる。
この法律の規定により道公安委員会の権限に属する事務は、政令で定めるところにより、方面公安委員会に行なわせることができる。
この法律の規定により警察署長の権限に属する事務のうち、高速自動車国道等に係るものは、公安委員会の定めるところにより、当該高速自動車国道等における交通警察に関する事務を処理する警視以上の警察官に行わせることができる。
都道府県警察に、歩行者又は自転車の通行の安全の確保、停車又は駐車の規制の励行及び道路における交通の安全と円滑に係るその他の指導に関する事務を行わせるため、交通巡視員を置く。
交通巡視員は、前項に規定する事務のほか、自動車の保管場所の確保等に関する法律の規定による自動車の保管場所の確保の励行に関する事務を行うものとする。
交通巡視員は、警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)第五十五条第一項に規定する職員(警察官を除く。)で政令で定める要件を備えるもののうちから、警察本部長が命ずる。
都道府県は、政令で定める基準に従い条例で定めるところにより、交通巡視員に対し、その職務遂行上必要な被服を支給し、及び装備品を貸与するものとする。
公安委員会は、自衛隊法第七十六条第一項の規定による防衛出動命令が発せられた場合において、自衛隊又は武力攻撃事態等及び存立危機事態におけるアメリカ合衆国等の軍隊の行動に伴い我が国が実施する措置に関する法律(平成十六年法律第百十三号)第二条第六号に規定する特定合衆国軍隊(以下「自衛隊等」という。)による我が国に対する外部からの武力攻撃を排除するための行動が的確かつ円滑に実施されるようにするため緊急の必要があると認めるときは、武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律(平成十六年法律第百十二号)第百五十五条第一項の規定の例により、自衛隊等の使用する車両以外の車両の道路における通行を禁止し、又は制限することができる。
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第七十六条第二項、第七十六条の二、第七十六条の三(第四項を除く。)、第七十六条の五及び第八十二条第一項の規定は、前項の規定による通行の禁止又は制限について準用する。
この場合において、同法第七十六条の二第一項及び第二項並びに第七十六条の三第一項中「緊急通行車両」とあるのは「自衛隊等の使用する車両」と、同法第七十六条の二第五項中「前条第一項」とあり、及び同法第七十六条の三第五項中「第七十六条第一項」とあるのは「道路交通法第百十四条の五第一項」と、同条第一項及び同法第七十六条の五中「災害応急対策」とあるのは「我が国に対する外部からの武力攻撃を排除するための行動」と、同法第七十六条の三第三項前段及び第六項中「災害派遣を命ぜられた部隊等」とあるのは「自衛隊法第七十六条第一項の規定により防衛出動を命ぜられた自衛隊」と、同条第三項後段中「第一項」とあるのは「道路交通法第百十四条の五第二項において読み替えて準用する第一項」と、「「緊急通行車両」とあるのは「「自衛隊等の使用する車両」と、「自衛隊用緊急通行車両(自衛隊の使用する緊急通行車両で災害応急対策の実施のため運転中のものをいう。以下この項において同じ。)の」とあり、及び「自衛隊用緊急通行車両の」とあるのは「自衛隊の使用する車両の」と、同条第六項中「直ちに」とあるのは「遅滞なく」と読み替えるものとする。
この法律の規定に基づき政令、内閣府令、国家公安委員会規則又は都道府県公安委員会規則を制定し、又は改廃する場合においては、それぞれ政令、内閣府令、国家公安委員会規則又は都道府県公安委員会規則で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
この法律に定めるもののほか、この法律の実施のための手続その他この法律の施行に関し必要な事項は、内閣府令で定める。
第八章 罰則
みだりに信号機を操作し、若しくは公安委員会が設置した道路標識若しくは道路標示を移転し、又は信号機若しくは公安委員会が設置した道路標識若しくは道路標示を損壊して道路における交通の危険を生じさせた者は、五年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
車両等の運転者が業務上必要な注意を怠り、又は重大な過失により他人の建造物を損壊したときは、六月以下の禁錮又は十万円以下の罰金に処する。
特定自動運行を行う者又は特定自動運行のために使用される者が業務上必要な注意を怠り、又は重大な過失により、特定自動運行によつて他人の建造物を損壊したときは、六月以下の禁錮又は十万円以下の罰金に処する。
次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
第六十五条(酒気帯び運転等の禁止)第一項の規定に違反して車両等を運転した者で、その運転をした場合において酒に酔つた状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいう。以下同じ。)にあつたもの
第六十六条(過労運転等の禁止)の規定に違反した者(麻薬、大麻、あへん、覚醒剤又は毒物及び劇物取締法(昭和二十五年法律第三百三号)第三条の三の規定に基づく政令で定める物の影響により正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転した者に限る。)
次条第一項第八号の罪を犯し、よつて高速自動車国道等において他の自動車を停止させ、その他道路における著しい交通の危険を生じさせた者
次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
法令の規定による運転の免許を受けている者(第百七条の二の規定により国際運転免許証等で自動車等を運転することができることとされている者を含む。)でなければ運転し、又は操縦することができないこととされている車両等を当該免許を受けないで(法令の規定により当該免許の効力が停止されている場合を含む。)又は国際運転免許証等を所持しないで(第八十八条第一項第二号から第四号までのいずれかに該当している場合又は本邦に上陸をした日から起算して滞在期間が一年を超えている場合を含む。)運転した者
第六十四条(無免許運転等の禁止)第二項の規定に違反した者(当該違反により当該自動車又は一般原動機付自転車の提供を受けた者が同条第一項の規定に違反して当該自動車又は一般原動機付自転車を運転した場合に限る。)
第六十五条(酒気帯び運転等の禁止)第一項の規定に違反して車両等(自転車以外の軽車両を除く。次号において同じ。)を運転した者で、その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあつたもの
第六十五条(酒気帯び運転等の禁止)第二項の規定に違反した者(当該違反により当該車両等の提供を受けた者が身体に前号の政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態で当該車両等を運転した場合に限るものとし、前条第一項第二号に該当する場合を除く。)
第六十五条(酒気帯び運転等の禁止)第四項の規定に違反した者(その者が当該同乗した車両の運転者が酒に酔つた状態にあることを知りながら同項の規定に違反した場合であつて、当該運転者が酒に酔つた状態で当該車両を運転したときに限る。)
他の車両等の通行を妨害する目的で、次のいずれかに掲げる行為であつて、当該他の車両等に道路における交通の危険を生じさせるおそれのある方法によるものをした者
第二十四条(急ブレーキの禁止)の規定に違反する行為
第二十六条(車間距離の保持)の規定の違反となるような行為
第七十条(安全運転の義務)の規定に違反する行為
第七十五条の四(最低速度)の規定の違反となるような行為
偽りその他不正の手段により免許証若しくは国外運転免許証の交付又は特定免許情報の記録を受けた者
第六十八条(共同危険行為等の禁止)の規定に違反した者は、二年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
第六十五条(酒気帯び運転等の禁止)第三項の規定に違反して酒類を提供した者(当該違反により当該酒類の提供を受けた者が身体に第百十七条の二の二第一項第三号の政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態で車両等(自転車以外の軽車両を除く。)を運転した場合に限るものとし、同項第五号に該当する場合を除く。)
第六十五条(酒気帯び運転等の禁止)第四項の規定に違反した者(当該同乗した車両(自転車以外の軽車両を除く。以下この号において同じ。)の運転者が酒に酔つた状態で当該車両を運転し、又は身体に第百十七条の二の二第一項第三号の政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態で当該車両を運転した場合に限るものとし、同項第六号に該当する場合を除く。)
次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
第二十二条(最高速度)の規定の違反となるような行為をした者
第六十四条の二(十六歳未満の者による特定小型原動機付自転車の運転等の禁止)第二項の規定に違反した者(当該違反により当該特定小型原動機付自転車の提供を受けた者が同条第一項の規定に違反して当該特定小型原動機付自転車を運転した場合に限る。)
第七十一条(運転者の遵守事項)第五号の五の規定に違反して無線通話装置を通話のために使用し、又は自動車、原動機付自転車若しくは自転車に持ち込まれた画像表示用装置を手で保持してこれに表示された画像を注視した者(第百十七条の四第一項第二号に該当する者を除く。)
第八十五条(第一種免許)第五項から第十項までの規定に違反した者
次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
過失により第一項第一号の罪を犯した者は、三月以下の禁錮又は十万円以下の罰金に処する。
次の各号のいずれかに該当する者は、三月以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。
第四条(公安委員会の交通規制)第一項後段に規定する警察官の現場における指示又は第六条(警察官等の交通規制)第四項の規定による警察官の禁止若しくは制限に従わなかつた者(当該行為が車両等の通行に関して行われた場合に限る。)
第七条(信号機の信号等に従う義務)、第八条(通行の禁止等)第一項又は第九条(歩行者用道路を通行する車両の義務)の規定の違反となるような行為をした者(当該行為が車両等の通行に関して行われた場合に限る。)
第二十四条(急ブレーキの禁止)の規定に違反した者
第二十六条(車間距離の保持)の規定の違反となるような行為(高速自動車国道等におけるものに限る。)をした者
第三十条(追越しを禁止する場所)、第三十三条(踏切の通過)第一項若しくは第二項、第三十八条(横断歩道等における歩行者等の優先)、第四十二条(徐行すべき場所)又は第四十三条(指定場所における一時停止)の規定の違反となるような行為をした者
第十七条(通行区分)第一項から第四項まで若しくは第六項、第十八条(左側寄り通行等)第二項、第二十五条の二(横断等の禁止)第一項、第二十八条(追越しの方法)、第二十九条(追越しを禁止する場合)、第三十一条(停車中の路面電車がある場合の停止又は徐行)、第三十六条(交差点における他の車両等との関係等)第二項から第四項まで、第三十七条の二(環状交差点における他の車両等との関係等)、第三十八条の二(横断歩道のない交差点における歩行者の優先)又は第七十五条の五(横断等の禁止)の規定の違反となるような行為をした者
第五十条の二(違法停車に対する措置)(第七十五条の八(停車及び駐車の禁止)第二項において準用する場合を含む。)又は第五十一条(違法駐車に対する措置)第一項(第七十五条の八(停車及び駐車の禁止)第二項において準用する場合を含む。)の規定による警察官等の命令に従わなかつた者
第五十八条の二(積載物の重量の測定等)の規定による警察官の停止に従わず、提示の要求を拒み、又は測定を拒み、若しくは妨げた者
第六十一条(危険防止の措置)の規定による警察官の停止又は命令に従わなかつた者
第七十条(安全運転の義務)の規定に違反した者
第七十五条の十(自動車の運転者の遵守事項)の規定に違反し、本線車道等において当該自動車を運転することができなくなつた者又は当該自動車に積載している物を当該高速自動車国道等に転落させ、若しくは飛散させた者
次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、三月以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。
第五十七条(乗車又は積載の制限等)第一項の規定に違反して積載をして車両を運転したとき(第百十八条第二項第一号に該当する場合を除く。)。
第六十二条(整備不良車両の運転の禁止)の規定に違反して車両等(軽車両を除く。)を運転させ、又は運転したとき。
第七十五条(自動車の使用者の義務等)第一項第六号の規定に違反したとき(第百十八条第二項第四号に該当する場合を除く。)。
次の各号のいずれかに該当する行為(その行為が車両を離れて直ちに運転することができない状態にする行為に該当するとき又はその行為をした場合において車両を離れて直ちに運転することができない状態にする行為をしたときに限る。)をした者は、十五万円以下の罰金に処する。
過失により第一項第一号の罪を犯した者は、十五万円以下の罰金に処する。
次の各号のいずれかに該当する者(第一号から第四号までに掲げる者にあつては、前条第一項の規定に該当する者を除く。)は、十万円以下の罰金に処する。
第四十四条(停車及び駐車を禁止する場所)第一項、第四十五条(駐車を禁止する場所)第一項若しくは第二項、第四十八条(停車又は駐車の方法の特例)、第四十九条の三(時間制限駐車区間における駐車の方法等)第二項若しくは第三項、第四十九条の四(高齢運転者等専用時間制限駐車区間における駐車の禁止)又は第四十九条の五(時間制限駐車区間における駐車の特例)後段の規定の違反となるような行為をした者(第四十九条の三第二項の規定の違反となるような行為をした者にあつては、次号に該当する者を除く。)
第四十九条第一項のパーキング・チケット発給設備を設置する時間制限駐車区間において、車両を駐車した時から第四十九条の三第二項の道路標識等により表示されている時間を超えて引き続き駐車した者(車両を駐車した時から当該表示されている時間を経過する時までの間に当該パーキング・チケット発給設備によりパーキング・チケットの発給を受けた者を除く。)
第七十一条の四(大型自動二輪車等の運転者の遵守事項)第四項から第七項までの規定に違反した者
次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、十万円以下の罰金に処する。
過失により第一項第一号から第三号までの罪を犯した者は、十万円以下の罰金に処する。
次の各号のいずれかに該当する者は、五万円以下の罰金に処する。
第二十五条(道路外に出る場合の方法)第三項、第二十六条(車間距離の保持)、第二十六条の二(進路の変更の禁止)第二項、第二十七条(他の車両に追いつかれた車両の義務)、第三十一条の二(乗合自動車の発進の保護)、第三十二条(割込み等の禁止)、第三十四条(左折又は右折)第六項(第三十五条(指定通行区分)第二項において準用する場合を含む。)、第三十六条(交差点における他の車両等との関係等)第一項、第三十七条(交差点における他の車両等との関係等)、第四十条(緊急自動車の優先)、第四十一条の二(消防用車両の優先等)第一項若しくは第二項又は第七十五条の六(本線車道に入る場合等における他の自動車との関係)の規定の違反となるような行為をした者(第二十六条の規定の違反となるような行為をした者にあつては、第百十九条第一項第四号に該当する者を除く。)
第二十条(車両通行帯)、第二十条の二(路線バス等優先通行帯)第一項、第二十六条の二(進路の変更の禁止)第三項、第三十五条(指定通行区分)第一項又は第七十五条の八の二(重被牽引車を牽引する牽引自動車の通行区分)第二項から第四項までの規定の違反となるような行為をした者
第七十一条(運転者の遵守事項)第一号、第四号から第五号まで、第五号の三、第五号の四若しくは第六号、第七十一条の二(自動車等の運転者の遵守事項)、第七十三条(妨害の禁止)(第七十五条の二十三(特定自動運行において交通事故があつた場合の措置)第六項において読み替えて準用する場合を含む。)、第七十六条(禁止行為)第四項、第九十五条(免許証の携帯及び提示義務)第二項(第百七条の三(国際運転免許証等の携帯及び提示義務)後段において準用する場合を含む。)又は第九十五条の二(特定免許情報の記録等)第八項の規定に違反した者
第七十五条の四(最低速度)の規定の違反となるような行為をした者
免許証、免許情報記録個人番号カード、国外運転免許証又は国際運転免許証等を他人に譲り渡し、又は貸与した者
高齢運転者等標章を他人に譲り渡し、又は貸与した者
第百八条の三の五(特定小型原動機付自転車運転者講習等の受講命令)の規定による公安委員会の命令に従わなかつた者
次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、五万円以下の罰金に処する。
第五十七条(乗車又は積載の制限等)第一項の規定に違反したとき(第百十八条第二項第一号及び第百十九条第二項第一号に該当する場合を除く。)。
過失により第一項第三号から第七号まで又は第十四号の罪を犯した者は、五万円以下の罰金に処する。
次の各号のいずれかに該当する者は、二万円以下の罰金又は科料に処する。
第四条(公安委員会の交通規制)第一項後段に規定する警察官の現場における指示若しくは第六条(警察官等の交通規制)第四項の規定による警察官の禁止若しくは制限に従わず、又は第七条(信号機の信号等に従う義務)若しくは第八条(通行の禁止等)第一項の規定に違反した者(第百十九条第一項第一号及び第二号並びに次号に該当する者を除く。)
第四条(公安委員会の交通規制)第一項後段に規定する警察官の現場における指示若しくは第六条(警察官等の交通規制)第四項の規定による警察官の禁止若しくは制限に従わず、又は第七条(信号機の信号等に従う義務)若しくは第八条(通行の禁止等)第一項の規定の違反となるような行為をした者(当該行為が遠隔操作型小型車の遠隔操作による通行に関して行われた場合に限る。)
第十四条の四(移動用小型車等を通行させる者の義務)の規定に違反した者
第十七条の二(特例特定小型原動機付自転車の歩道通行)第二項、第十七条の三(特例特定小型原動機付自転車等の路側帯通行)第二項、第十九条(軽車両の並進の禁止)、第二十一条(軌道敷内の通行)第一項、第二項後段若しくは第三項、第二十五条(道路外に出る場合の方法)第一項若しくは第二項、第三十四条(左折又は右折)第一項から第五項まで、第三十五条の二(環状交差点における左折等)、第六十三条の三(自転車道の通行区分)、第六十三条の四(普通自転車の歩道通行)第二項又は第七十五条の七(本線車道の出入の方法)の規定の違反となるような行為をした者
第四十五条の二(高齢運転者等標章自動車の停車又は駐車の特例)第四項、第五十一条の四(放置違反金)第二項、第六十三条(車両の検査等)第七項、第七十五条(自動車の使用者の義務等)第十一項(第七十五条の二(自動車の使用者の義務等)第三項において準用する場合を含む。)、第七十八条(許可の手続)第四項、第九十四条(免許証の記載事項の変更届出等)第一項(第九十五条の五(免許情報記録個人番号カードのみを有する者の特則)第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)、第百三条の二(免許の効力の仮停止)第三項(第百七条の五(自動車等の運転禁止等)第十項において準用する場合を含む。)若しくは第四項、第百六条の三(免許証の返納等)第一項若しくは第四項、第百六条の四(免許情報記録の抹消等)第一項、第百七条の五(自動車等の運転禁止等)第五項若しくは第七項又は第百七条の十(国外運転免許証の返納等)第一項若しくは第二項の規定に違反した者
第七十一条の五(初心運転者標識等の表示義務)第一項から第三項まで又は第七十一条の六(初心運転者標識等の表示義務)第一項若しくは第二項の規定に違反した者
次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、二万円以下の罰金又は科料に処する。
削除
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第百十七条第三項、第百十七条の二第二項、第百十七条の二の二第二項、第百十七条の四第二項、第百十七条の五第二項、第百十八条第二項、第百十九条第二項、第百十九条の二から第百十九条の二の三まで、第百十九条の二の四第二項、第百十九条の三第二項、第百二十条第二項又は第百二十一条第二項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑又は科料刑を科する。
次の各号のいずれかに該当する者は、十万円以下の過料に処する。
第百四条の三(免許の取消し又は効力の停止に係る書面の交付等)第二項(第百七条の五(自動車等の運転禁止等)第十一項において準用する場合を含む。)又は第百九条(出頭命令)の規定による警察官の命令に従わなかつた者
第百八条の三十二の二(運転免許取得者等教育の認定)第三項(第百八条の三十二の三(運転免許取得者等検査の認定)第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者
この章の規定の適用については、この法律の規定中公安委員会とあるのは、第百十四条の規定により権限の委任を受けた方面公安委員会を含むものとする。
第九章 反則行為に関する処理手続の特例
第一節 通則
この章において「反則者」とは、反則行為をした者であつて、次の各号のいずれかに該当する者以外のものをいう。
当該反則行為に係る車両等(特定小型原動機付自転車を除く。)に関し法令の規定による運転の免許を受けていない者(法令の規定により当該免許の効力が停止されている者を含み、第百七条の二の規定により国際運転免許証等で当該車両等を運転することができることとされている者を除く。)、第六十四条の二第一項の規定により当該反則行為に係る特定小型原動機付自転車を運転することができないこととされている者又は第八十五条第五項から第十項までの規定により当該反則行為に係る自動車を運転することができないこととされている者
当該反則行為をした場合において、酒に酔つた状態、第百十七条の二第一項第三号に規定する状態又は身体に第百十七条の二の二第一項第三号の政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態で車両等を運転していた者
当該反則行為をし、よつて交通事故を起こした者
この章において「反則金」とは、反則者がこの章の規定の適用を受けようとする場合に国に納付すべき金銭をいい、その額は、別表第二に定める金額の範囲内において、反則行為の種別に応じ政令で定める。
第二節 告知及び通告
警察官は、反則者があると認めるときは、次に掲げる場合を除き、その者に対し、速やかに、反則行為となるべき事実の要旨及び当該反則行為が属する反則行為の種別並びにその者が次条第一項前段の規定による通告を受けるための出頭の期日及び場所を書面で告知するものとする。
ただし、出頭の期日及び場所の告知は、その必要がないと認めるときは、この限りでない。
その者の居所又は氏名が明らかでないとき。
その者が逃亡するおそれがあるとき。
前項の書面には、この章に定める手続を理解させるため必要な事項を記載するものとする。
第百十四条の四第一項に規定する交通巡視員は、第百十九条の二の四第一項若しくは第三項又は第百十九条の三第一項第一号から第四号まで若しくは第三項の罪に当たる行為をした反則者があると認めるときは、第一項の例により告知するものとし、当該告知をしたときは、前項の例により報告しなければならない。
第三節 反則金の納付及び仮納付
第四節 反則者に係る刑事事件等
第五節 雑則
この章の規定により道警察本部長の権限に属する事務は、政令で定めるところにより、方面本部長に行なわせることができる。
この法律(以下「新法」という。)は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
道路交通取締法(昭和二十二年法律第百三十号。以下「旧法」という。)及び道路交通取締法施行令(昭和二十八年政令第二百六十一号。以下「旧令」という。)は、廃止する。
新法の施行の際、現に旧令第五十三条第一項第一号に掲げる公安委員会の指定した自動車練習所その他これに類する施設の発行する卒業証明書を有する者で卒業後一年を経過しないものは、新法第九十九条第一項の適用については、当該施設を卒業して一年を経過しない間は、同条同項第一号に掲げる指定自動車教習所の発行する卒業証明書を有する者で当該指定自動車教習所を卒業した日から起算して一年を経過しないものとみなす。
附則第三条に規定するもののほか、新法の施行の際、旧法の規定により公安委員会がした道路の通行の禁止若しくは制限又は旧法若しくは旧令の規定により公安委員会がした運転免許若しくは運転許可の取消し若しくは停止その他の処分で現にその効力を有するものは、それぞれ新法の相当規定により公安委員会がした処分とみなす。
この場合において、当該処分に期間が定められているときは、その期間は、旧法又は旧令の規定により当該処分がされた日から起算するものとする。
新法の施行の際、現に旧法又は旧令の規定により公安委員会に対してされている運転免許の申請(十八歳未満の者がした小型自動四輪車免許に係る申請を除く。以下この条において同じ。)、届出その他の手続は、それぞれ新法の相当規定により公安委員会に対してされた手続とみなす。
この場合において、運転免許の申請、運転免許証若しくは運転許可証の再交付の申請又は運転免許証若しくは運転許可証の記載事項の変更に係る届出を受理した公安委員会が当該手続をした者の住所地を管轄するものでないときは、当該公安委員会は、新法の施行後すみやかに当該手続に係る書類をその者の住所地を管轄する公安委員会に引き継がなければならない。
新法の施行の際、旧法第九条第六項(第九条の二第四項において準用する場合を含む。)の規定により公安委員会がした聴聞又は聴聞の手続については、これを新法第百四条の規定により公安委員会がした聴聞又は聴聞の手続とみなし、当該聴聞又は聴聞の手続をした公安委員会は、当該聴聞に係る事案について新法第百三条の規定による処分をすることができる。
この場合において、当該処分をした公安委員会が当該処分に係る者の住所地を管轄するものでないときは、当該公安委員会は、すみやかに当該処分をした旨をその者の住所地を管轄する公安委員会に通知しなければならない。
新法第九十条第一項及び第百三条第二項(同項第二号に係る部分に限る。)の規定の適用については、自動車及び原動機付自転車の運転に関し旧法若しくは旧令の規定又はこれらの規定に基づく処分に違反した者は、新法の相当規定又はこれに基づく処分にそれぞれ違反した者とみなす。
新法の施行の際、旧法又は旧令の規定により警察署長がした許可その他の処分で現にその効力を有するものは、それぞれ新法の相当規定により警察署長がした処分とみなし、当該許可に係る許可証は、新法の相当規定による許可証とみなす。
この場合において、当該処分に期間が定められているときは、その期間は、旧法又は旧令の規定により当該処分がされた日から起算するものとする。
新法の施行の際、現に旧法又は旧令の規定により警察署長に対してされている許可の申請その他の手続は、それぞれ新法の相当規定により警察署長に対してされた手続とみなす。
新法の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
国は、当分の間、交通安全対策の一環として、道路交通安全施設の設置及び管理に要する費用で政令で定めるものに充てるため、都道府県及び市町村(特別区を含む。以下同じ。)に対し、交通安全対策特別交付金(以下「交付金」という。)を交付する。
交付金の額は、第百二十八条第一項(第百三十条の二第三項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定により納付された反則金(第百二十九条第三項の規定により反則金の納付とみなされる同条第一項の規定による仮納付に係るものを含む。以下この条及び附則第十八条第一項において「反則金等」という。)に係る収入額に相当する金額に当該金額に係る余裕金の運用により生じた利子に相当する金額を加えた額(次項第一号及び附則第十八条第一項において「反則金収入相当額等」という。)から次の各号に掲げる額の合算額を控除した額とする。
第百二十九条第四項の規定による返還金に相当する額
第百二十七条第一項後段に規定する通告書の送付に要する費用(次項第二号ロ及び附則第十九条において「通告書送付費」という。)に係る収入額に相当する額として政令で定めるところにより算定した額(以下「通告書送付費支出金相当額」という。)
過誤納に係る反則金等の返還金に相当する額
毎年度分として交付すべき交付金の総額は、第一号に掲げる額(第二号に掲げる額を限度とする。)に当該年度の前年度以前の年度において交付すべきであつた交付金の額でまだ交付していない額を加算した額とする。
前年度の二月から当該年度の一月までの期間の収納に係る反則金収入相当額等からイからハまでに掲げる額の合算額を控除した額
前年度の二月から当該年度の一月までの期間に係る第百二十九条第四項の規定による返還金に相当する額
前年度の二月から当該年度の一月までの期間に係る通告書送付費支出金相当額
前年度の二月から当該年度の一月までの期間に係る過誤納に係る反則金等の返還金に相当する額
前年度の二月から当該年度の一月までの期間の収納に係る反則金等の収入見込額に当該額に係る余裕金の運用により生じた利子に相当する金額を加えた額からイからハまでに掲げる額の合算額を控除した額
前年度の二月から当該年度の一月までの期間に係る第百二十九条第四項の規定による返還金の見込額
前年度の二月から当該年度の一月までの期間に係る通告書送付費に係る支出見込額
前年度の二月から当該年度の一月までの期間に係る過誤納に係る反則金等の返還金の見込額
都道府県及び市町村ごとの交付金の額は、当該都道府県及び市町村の区域における交通事故の発生件数、人口の集中度その他の事情を考慮して政令で定めるところにより算定した額とする。
交付金は、毎年度、次の表の上欄に掲げる時期に、それぞれ同表の下欄に定める額を交付する。
交付時期 | 交付時期ごとに交付すべき額 |
九月 | 前年度の二月から当該年度の七月までの期間の収納に係る反則金収入相当額等に当該年度の前年度以前の年度において交付すべきであつた交付金の額でまだ交付していない額を加算した額から当該期間に係る第百二十九条第四項の規定による返還金に相当する額、通告書送付費支出金相当額及び過誤納に係る反則金等の返還金に相当する額の合算額を控除した額に相当する額(附則第十六条第三項第二号に掲げる額に当該年度の前年度以前の年度において交付すべきであつた交付金の額でまだ交付していない額を加算した額(以下この表において「交付金見込額」という。)を限度とする。)を基礎として政令で定める額 |
三月 | 当該年度の八月から一月までの期間の収納に係る反則金収入相当額等から当該期間に係る第百二十九条第四項の規定による返還金に相当する額、通告書送付費支出金相当額及び過誤納に係る反則金等の返還金に相当する額の合算額を控除した額に相当する額(交付金見込額から九月に交付した額を控除した額を限度とする。)を基礎として政令で定める額 |
前項に規定する各交付時期ごとに交付することができなかつた金額があるとき、又は各交付時期において交付すべき金額を超えて交付した金額があるときは、それぞれ当該金額を、次の交付時期に交付すべき額に加算し、又はこれから減額するものとする。
国は、通告書送付費支出金として、各都道府県ごとの通告書送付費に係る支出額を考慮して政令で定めるところにより、通告書送付費支出金相当額を都道府県に支出する。
附則第十六条から第十八条までの規定による交付金に関する事務は総務大臣が、前条の規定による通告書送付費支出金に関する事務は内閣総理大臣が行う。
前項の規定により内閣総理大臣が行うものとされる事務は、政令で定めるところにより、警察庁長官に委任することができる。
総務大臣は、次に掲げる場合には、地方財政審議会の意見を聴かなければならない。
附則第十七条の政令の制定又は改廃の立案をしようとするとき。
都道府県及び市町村に対して交付すべき交付金を交付しようとするとき。
放置車両の態様の区分 | 放置車両の種類 | 放置違反金の限度額 |
第四十四条第一項、第四十五条第一項若しくは第二項、第四十七条第二項若しくは第三項、第四十八条、第四十九条の三第三項、第四十九条の四又は第七十五条の八第一項の規定に違反して駐車しているもの | 大型自動車、中型自動車、準中型自動車、大型特殊自動車及び重被牽引車 | 三万五千円 |
普通自動車、大型自動二輪車及び普通自動二輪車(以下「普通自動車等」という。) | 二万五千円 | |
小型特殊自動車及び原動機付自転車(以下「小型特殊自動車等」という。) | 一万五千円 | |
第四十九条の三第二項若しくは第四十九条の五後段の規定に違反して駐車しているもの又は第四十九条第一項のパーキング・チケット発給設備を設置する時間制限駐車区間において駐車している場合において当該車両に当該パーキング・チケット発給設備により発給を受けたパーキング・チケットが掲示されておらず、かつ、第四十九条の三第四項の規定に違反しているもの | 大型自動車、中型自動車、準中型自動車、大型特殊自動車及び重被牽引車 | 二万五千円 |
普通自動車等 | 二万円 | |
小型特殊自動車等 | 一万二千円 |
放置違反金の限度額は、この表の上欄に掲げる放置車両の態様の区分及びこの表の中欄に掲げる放置車両の種類に応じ、この表の下欄に掲げる金額とする。
反則行為の区分 | 反則行為に係る車両等の種類 | 反則金の限度額 |
第百十八条第一項第一号又は第三項の罪に当たる行為(第二十二条の規定によりこれを超える速度で進行してはならないこととされている最高速度を三十キロメートル毎時(高速自動車国道等においては四十キロメートル毎時)以上超える速度で運転する行為を除く。) | 大型自動車、中型自動車、準中型自動車、大型特殊自動車、トロリーバス及び路面電車(以下「大型自動車等」という。) | 五万円 |
普通自動車等 | 四万円 | |
小型特殊自動車等 | 三万円 | |
第百十八条第一項第四号の罪に当たる行為 | 大型自動車等 | 五万円 |
普通自動車等 | 四万円 | |
小型特殊自動車等 | 三万円 | |
第百十八条第二項第一号の罪に当たる行為(車両について第五十七条第一項の規定により積載物の重量の制限として定められた数値の二倍以上の重量の積載をして大型自動車等を運転する行為を除く。) | 大型自動車等 | 五万円 |
普通自動車等 | 四万円 | |
小型特殊自動車等 | 三万円 | |
第百十九条第一項第二号から第六号まで、第十四号から第十六号まで、第十九号若しくは第二十号、第二項第一号から第三号まで又は第三項の罪に当たる行為 | 大型自動車等 | 二万円 |
普通自動車等 | 一万五千円 | |
小型特殊自動車等 | 一万円 | |
第百十九条の二の四第一項又は第三項の罪に当たる行為 | 大型自動車等及び重被牽引車 | 三万五千円 |
普通自動車等 | 二万五千円 | |
小型特殊自動車等 | 一万五千円 | |
第百十九条の三第一項又は第三項の罪に当たる行為 | 大型自動車等及び重被牽引車 | 二万五千円 |
普通自動車等 | 二万円 | |
小型特殊自動車等 | 一万二千円 | |
第百二十条第一項第二号から第六号まで、第十号(第七十一条第一号、第四号から第五号まで、第五号の三、第五号の四若しくは第六号又は第七十一条の二に係る部分に限る。)若しくは第十二号から第十四号まで、第二項第一号若しくは第二号又は第三項の罪に当たる行為 | 大型自動車等 | 一万円 |
普通自動車等 | 八千円 | |
小型特殊自動車等 | 六千円 | |
大型自動車等 | 八千円 | |
普通自動車等 | 六千円 | |
小型特殊自動車等 | 四千円 |
反則金の限度額は、この表の上欄に掲げる反則行為の区分及びこの表の中欄に掲げる反則行為に係る車両等の種類に応じ、この表の下欄に掲げる金額とする。