県庁職員が選挙で「斎藤一択だ」と強要
Aさんは内部告発の個別の内容について、説明をはじめた。W氏の内部告発文書で痛烈に批判されているのが斎藤知事の「おねだり」問題だ。文書から引用しよう。
《贈答品の山 斎藤知事のおねだり体質は県庁内でも有名。知事の自宅には贈答品が
山のように積まれている》
《(兵庫県内の)T社と兵庫県はスポーツ連携協定を結んだ。そして、ヘルメット着用のキャンペーンを展開している。そのPR用の写真はT社のロードバイク(約50万円)に跨る知事。そのバイク撮影の後、知事へ贈呈された模様(偽装的に無償貸与の形をとる。ほとぼりが冷めるまで県庁で保管されるなどの小細工がなされているのかもしれません)》
この記述に対して、現役兵庫県職員のAさんが語る。
「たしかに斎藤知事は贈り物が大好きです。誰か訪ねてくると、手土産に何を持ってきたのか、いつも非常に気にしているそうです。
この告発文にあるロードバイクの話ですが、兵庫県は自転車ヘルメット購入応援事業として補助金を制度化しました。自転車のヘルメットといっても基準があって、それをクリアしたものだけに上限4000円まで補助があるというものです。この基準をクリアしているメーカーの一つが、まさに内部告発に名指しされたT社でした。露骨ですね」
内部告発文書では、公職選挙法、地方公務員法違反も指摘されている。文書を引こう。
《(斎藤知事の側近の県幹部らが)「自分は選挙前から斎藤のブレーンだった。お前ら言うこと聞けよ」と恫喝》
《選挙公約の作成、選挙期間中の運動支援など、多岐にわたり選挙運動を手伝った。論功行賞で(県幹部の)4人はそれまでの人事のルール無視でトントン拍子に昇任》
現役兵庫県職員のAさんが証言する。
「県知事選の時に、県庁職員が斎藤知事にすり寄ろうと『斎藤に入れろ』と触れて回ったのは事実です。私自身も内部告発に出ている斎藤知事側近の県庁幹部から、『斎藤一択だ、家族とかまわりにも言ってくれよ』と投票を強要されましたから間違いない。
神戸市内の会社社長からも『県庁職員の〇〇から電話がきて斎藤でと呼びかけられた。県庁職員が選挙運動していいのか』と言われました。後日、会社社長から県幹部が『斎藤に投票してくれ』という内容を送信していたメールも確認しています」
自らの経験も踏まえて語るその内容は迫真に富む。
そして、内部告発で指摘されているパワハラについてはどうだろうか。再度、文書を引用しよう。
《20m手前で公用車を降りて歩かされただけで、出迎えた職員・関係者を怒鳴り散らす》
《知事レクで気に入らないことがあると机を叩いて激怒》