秋田 風車羽根落下で現地調査 設置会社“点検が過信だったか”

秋田市の海浜公園にある風力発電の風車から羽根が落下した事故で、3日に電力の保安業務を担当する経済産業省の職員などが現地を調査しました。
風車を設置した会社の社長は、取材に対し「原因はまだはっきりとしていないが、これまでの点検が過信だった可能性が高い」などと話しました。

2日、秋田市新屋町の新屋海浜公園で風力発電の風車から羽根が落下し近くで倒れていた近所に住む宍戸敬さん(81)がその後、死亡しました。

警察によりますと、風車は3枚ある羽根のうち1枚が付け根部分で折れて、数十メートル離れた休憩所近くに落下していて、その付近で男性は頭にけがをして倒れていたということです。

3日、経済産業省の関東東北産業保安監督部の職員と、風車を設置した東京に本社がある「さくら風力」の社員が現地で被害状況などを調査し、羽根が折れた部分を詳しく見たり、落下した部品の飛散状況などを確認したりしていました。

調査に立ち会ったさくら風力の盛高健太郎社長は、現地で取材に応じ「亡くなられた方のご冥福をお祈りしている。原因はまだはっきりとしていないがこれまでの点検が過信だった可能性が高いと考えている」などと話しました。

会社によりますと、事故前日の5月1日に風車を点検していましたが、その時点で異常は確認されなかったとしています。

また今回、羽根が落下した風車は15年前の2010年にも羽根が落ちて地面に落下する事故が起きていたということです。

警察は、羽根が落下した原因や男性の死亡との関連を調べています。

亡くなった男性を知る人「ショックで落ち込んでいる」

亡くなった宍戸さんを知る近所の夫婦は「宍戸さんは優しくて近所づきあいもよく、庭に草が生えていたら一本も残さずに抜くようなきれい好きで真面目な人でした。宍戸さんの家族からは事故のあった当日は自転車に乗って散歩がてら公園に向かったと聞きました。亡くなったことがあまりにもショックで、今は考えられないです」と話していました。

宍戸さんと家族ぐるみでつきあいがあったという40代の女性は「エネルギッシュで優しい人で年齢よりも若々しい人でした。前にも風車が折れたことがあったので心配していたなかで2回目の事故が起きて巻き込まれてしまったのではないかと思う。宍戸さんと仲のよかった父と母もショックで落ち込んでいます」と話していました。

経産省 風車製造や点検方法に問題が無かったか調査

経済産業省は、今回の現地調査をもとに、電気事業法に基づいて羽根が落下した風力発電の風車の製造や、点検方法に問題が無かったか調べることにしています。

また、風車を設置した東京に本社がある「さくら風力」に対し、風車のメーカーや有識者などでつくる調査チームを設けて、原因を究明するよう求めることにしています。

「さくら風力」親会社 傘下の全風力発電所の運転を停止

一方、「さくら風力」の親会社の「新エネルギー技術研究所」は、NHKの取材に対し、羽根が落下した風車は、基本的に台風にも耐えられる設計だと説明しています。

風速25メートル以上になると、風車の回転を落とし、風速34メートル以上になると、風車の回転が止まる仕組みだということです。

2日の事故を受けて、新エネルギー技術研究所は、傘下にあるすべての風力発電所の運転を停止しているとしています。

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