今回挑戦するのは、小数の割り算です。小数の割り算は小学校で習いますが、久しぶりに計算しようとすると案外やり方を忘れているかもしれませんよ。
小学生に質問されたときに慌てないように、今回の問題で小数の割り算のルールを復習しておきませんか。
問題
次の計算をしなさい。
2.7÷0.3
解答
正解は、「9」です。
うっかり0.9と答えてしまいがちですが、この問題の答えは9、つまり整数になります。
小数どうしの割り算なのに、答えが整数になるのは不思議ですね。
次の「ポイント」で小数の割り算のルールを復習しつつ、この問題の答えが整数になる理由を確認してみましょう。
ポイント
今回の問題のポイントは、「割る数を整数にすること」です。
小数の割り算では、まず「割る数が整数になるまで10の倍数を掛ける」ことから始めます。計算の手順は、次の通りです。
<小数の割り算の計算ルール>
ステップ1:割る数が整数になるまで10の倍数を掛ける
ステップ2:割られる数にもステップ1と同じだけ10の倍数を掛ける
ステップ3:割り算をする
では、今回の問題の具体的な計算の過程を、ステップごとに見てみましょう。
<2.7÷0.3>
ステップ1:割る数0.3に10を掛けて整数にする→0.3×10=3
ステップ2:割られる数2.7にも10を掛ける→2.7×10=27
ステップ3:割り算をする→27÷3=9
これで、小数どうしの割り算の答えでも、整数になる理由が分かったはずです。
小数の割り算→整数の割り算にしてもよい理由
計算のステップでは、小数の割り算を整数の割り算に変えていましたが、こんなことをして式の意味が変わってしまわないのでしょうか。この点が気になる人は、次のように考えてみてください。
まず、「a÷b」の割り算を「a/b」の分数形式に変形します。「2.7÷0.3」なら、「2.7/0.3」です。
分数は、分子と分母に同じ数を掛けても表している数は変わりません。つまり「2.7/0.3」の分子と分母に10を掛けて、「(2.7×10)/(0.3×10)=27/3」としてもよいことになります。
あとは「27/3」を割り算形式の「27÷3」に戻してあげれば...。「2.7÷0.3=27÷3」となり、割られる数と割る数に10の倍数を掛けても式の意味は変化していないことが分かるでしょう。
2.7÷0.3
=2.7/0.3
=(2.7×10)/(0.3×10)
=27/3
=27÷3
まとめ
今回の問題、スムーズに答えられたでしょうか。
整数はともかく、小数の割り算はなかなか日常で計算する機会がありません。その分、算数や数学から離れてしまった大人は、計算ルールを忘れてしまいがちです。
小数の割り算は「10の倍数を掛けて割る数を整数にする」→「同じ10の倍数を割られる数にも掛ける」→「できた数で割り算」という3ステップで計算できます。この機会に覚えて使いこなせるようになっておけば、小学生から宿題の質問をされたときも冷静に答えられるはずです。
他にも小学校で習う算数の知識を復習できる問題を用意していますので、ぜひ挑戦してみてくださいね。
※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
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