公取委の排除命令、昨年度21件 過去10年で最多 課徴金37億円

高島曜介
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 公正取引委員会は1日、2024年度に独占禁止法違反で出した排除措置命令が21件で、過去10年で最多だったと発表した。このうち9件は、損害保険大手4社によるカルテル・談合事件だった。

 公取委によると、命令の件数は20年度9件▽21年度3件▽22年度8件▽23年度4件。命令ではなく、企業が独禁法違反の疑いがある行為の取りやめや再発防止を約束する代わりに公取委は調査を終える「確約手続き」は、20年度6件▽21年度2件▽22年度3件▽23年度5件▽24年度3件だった。

 独禁法違反の恐れがあるとして出された行政指導の「警告」は、20~22年度はなく、23年度3件、24年度8件。命令、確約手続き、警告の合計数も24年度が過去10年で最多で、計32件だった。

課徴金は37億円、かつては1千億円超も

 21年度以降の処分の減少傾向は、コロナ禍を背景に調査が長期化するなどしたことが影響したとみられるという。24年度の処分件数の増加について、公取委は「迅速な事件処理を方針とした結果でもある」などとしている。

 課徴金額は20年度約43億円▽21年度約21億円▽22年度約1019億円▽23年度約2億円▽24年度約37億円だった。22年度には、大手電力会社のカルテル事件で過去最高の総額約1010億円の課徴金納付命令があった。

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この記事を書いた人
高島曜介
東京社会部|調査報道担当
専門・関心分野
事件、外交、安全保障