「心の糧」は、以前ラジオで放送した内容を、朗読を聞きながら文章でお読み頂けるコーナーです。
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坪井木の実さんの朗読で今日のお話が(約5分間)お聞きになれます。
私が1歳になる前に父が病気で亡くなり、母が実家に帰ったので、私は高知県の足摺岬近い田舎町で、祖父と伯母を親代わりに育った。両親のいる友達がうらやましかった。
高校1年の春、初恋の戸惑いから登校拒否をして閉じ籠もり、生きる気力を失い、死ぬことばかり考えていた。
そんなある日、小児科医の伯父が、「千恵子一人で世話をするように」と、カナリヤを届けてきた。私は仕方なく起きたら雨戸を開け、縁側に籠を吊してみると、雄鳥が得意げに鳴きだして私の心も浮き立った。雌鳥が卵を産み、5羽の雛が孵り、練り餌を親鳥が雛に与え、見る間に育ち籠を分けると、何と同じ事を3回も繰り返し、私は15羽のカナリヤの世話で元気になり復学した。ペットセラピーだった。
私は自分を変えたくて不良っぽく振る舞い、何とか卒業して短大に入った。
それまでの人生は、家族や友人、出合った人の愛を拠り所に自力で生きてきたつもりでも実は神の慈愛に導かれていた様に想われる。
結婚して長女をカトリックの幼稚園に入れた事でキリストの教えに触れ、万物の創り主の神が全ての命を愛されていると知り、父と母を同時に見出した喜びで、虚だった心の奥が満たされた。
引揚者の夫がこの教えに不変の真理を悟り、洗礼を望み、偏見によるカトリック嫌いだった私も心拓かれて、一家で洗礼を受けた。
信仰の道を歩み始めた事が私の拠り所の土台となった。
十字架の死で人類の罪を贖い、復活して新しい命の光で私たちを照らしてくださる神の御子イエス・キリストは、信じる者を永遠の喜びと平和の天国に招かれる。
多くの人が神の慈愛を知り、天国で神と共に永遠に生きる真の幸せを頂けるように祈る毎日である。