英国防省は3日、2022年2月のウクライナ侵略の開始以降、ロシア軍の死傷者が約95万人に達したとする推計を公表した。また、露軍の今年1~4月の死傷者が計16万人に上っているとし、このペースで損害が増えれば露軍の今年の死傷者数は年間ベースで過去最多になると指摘した。
英国防省によると、露軍の死傷者は1日平均で1月に1556人、2月に1255人、3月に1328人、4月に1209人だった。最多だった昨年12月の1570人からは減ったものの高い水準が続いており、しかも目立った前進に結びついていないという。
米シンクタンク「戦争研究所」も2日、露軍は過去4カ月間、制圧を狙うウクライナ東部ハルキウ州クピャンシクや東部ドネツク州チャシフヤル、ポクロウシク方面などでウクライナ軍の防衛線に直面し、前進が鈍化していると報告した。
一方、米CNNテレビは1日、複数の消息筋の話として、米欧の情報機関が「プーチン露大統領は戦争の当面の方針を、露軍の占領地域の維持と低迷する国内経済の活性化に切り替えた」と分析していると伝えた。
CNNによると、欧米情報機関は従来、「プーチン氏は露軍が優勢で、ウクライナ全体を掌握できるだけの人員と勢いがあると考えている」と分析してきたが、こうした見方を変えたという。