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【秋田県仙北市】田沢湖畔で時を刻む木造校舎!昭和100年に見る『思い出の潟分校』とは?

KANEYANライター/地域クリエイター(大仙市・横手市・仙北市・仙北郡)

初夏の田沢湖でノスタルジーに浸る!令和に残る昭和の学び舎とは?

思い出は、古き良き木造校舎と共に。

田沢湖に昭和の風景が宿る貴重な建物がある。半世紀前に廃校となった2階建ての校舎を修復し一般公開している『思い出の潟分校(かたぶんこう)』だ。

思い出の潟分校
思い出の潟分校

澄んだ空気と鮮やかな緑。耳を澄ませばホーホケキョとウグイスの合唱が聞こえる。そんな長閑な場所に、小さな学び舎は佇んでいた。田沢湖ブルーに隠れた圧倒的ノスタルジー。まるで昭和にタイムスリップしたような風景が、時間を忘れて訪れる者をのんびりと待っている。

田沢湖で出会った圧倒的ノスタルジー
田沢湖で出会った圧倒的ノスタルジー

さっそくその学び舎に足を踏み入れると、親切な職員さんが迎えてくれた。下駄箱には藁で作った長靴が並び、隣の手洗い場には懐かしのレモン石鹸の姿が見える。令和のよろしく哀愁。どこにカメラを向けても絵になるレトロでフォトジェニックな空間は、遠い海外からの訪問者も多いという。ちなみに利用料金は大人500円、仙北市民は無料だ。

下駄箱には雪国ならではの藁靴が並ぶ
下駄箱には雪国ならではの藁靴が並ぶ

手洗い場には懐かしいレモン石鹸も
手洗い場には懐かしいレモン石鹸も

貴重な「昭和の教科書」も展示!自然に囲まれた田沢湖の木造校舎を巡る!

教室(一・二年生)
教室(一・二年生)

ギシギシと音がする年季の入った床を歩きながら、昭和の木造校舎を巡る。この場所が「田沢湖町立生保内(おぼない)小学校 潟分校」として最後に使われたのは、志村けんがドリフターズに加入し、長嶋茂雄が現役を引退した昭和49年。そんな古き良き時代を田沢湖で過ごした生徒たちの息づかいが、この教室から聞こえてくる。

教室には歴史を感じる木の机と椅子も
教室には歴史を感じる木の机と椅子も

職員室
職員室

一・二年生の教室の隣にある職員室にも立ち寄ってみる。先生用のドデカいそろばんから当時の授業風景が思い浮かび、奥にあるオルガンからは今にも「うさぎ おいし かのやま~」なんてメロディが聞こえてきそうだ。そんな中、特に私が気になったのが先生の机に並んでいた当時の教科書たちだ。

職員室には当時使用されていた教科書も展示
職員室には当時使用されていた教科書も展示

昭和初期に使われていた国語の教科書
昭和初期に使われていた国語の教科書

昭和初期の女の子はやっぱり「火垂るの墓」の節子みたいな髪型だったんだな……と、若干どうでもいいことを考えながら、めくる古い教科書。こんな貴重な資料がナチュラルに置いてある『思い出の潟分校』は、歴史を辿る資料館としてもガッツリ楽しめそうだ。

思い出はこの学び舎と共に!いつまでも残したいふるさとの風景とは?

体操場(体育館)
体操場(体育館)

続いてぶらり体育館……いや、体操場へ。開放感のある高い天井にステージの大きな赤い幕、緑が見える窓からは穏やかな光が差し込む。またしても郷愁を誘うそんな空間には、ポツンと卓球台がスタンバイ。この体操場では実際に卓球やバドミントンで遊ぶことができる。

体操場には卓球台もスタンバイ
体操場には卓球台もスタンバイ

教室(五・六年生)
教室(五・六年生)

最後は階段を上り、三・四年生や五・六年生の教室がある2階へ。おお、この机と椅子は覚えてるぞ。掃除のときは、この椅子を逆さにして机に乗せて運んだっけ。そんなポケットの奥深くに眠っていた当時の思い出が、おもむろに蘇ってくる。

いつまでも残したい風景がここに
いつまでも残したい風景がここに

生徒の減少により昭和49年に廃校となった「潟分校」は、その後地元の集会施設として利用されていた。だが時代の流れと共に老朽化が進み、一時は解体も検討されたという。それでも「この風景を残したい」という地元の有志によって建物を2年がかりで修復。その想いが実り、この学び舎は平成16年に『思い出の潟分校』として新たなスタートを切った。

昭和100年に見る田沢湖の木造校舎。私たちの小さな思い出と共に、いつまでも残したいふるさとの風景がここにある。

思い出の潟分校
所在地:秋田県仙北市田沢湖潟字一ノ渡222-8
開校日:通年(9時~16時)
休校日:毎週火曜日(祝日の場合は翌日)
利用料金:大人500円(高校生以上)/小人300円(6歳未満無料)
※団体(20人以上):大人400円/小人200円
※仙北市民無料
問合せ先:0187-43-0766

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ありがとうございます。
ライター/地域クリエイター(大仙市・横手市・仙北市・仙北郡)

大仙市在住のWEBライター。趣味は酒場巡り。現在はYahoo!で地域情報を発信しているほか、秋田市のフリーペーパー「あおぽ」でグルメ記事の執筆や「大仙経済新聞」の運営にも携わっています。

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