【閲覧注意SS】カイザーという男

カイザー「……」

"ロープ計り売り"
"大特価"

カイザー「……」手に取る
カイザー「…………」

店員「お手伝いしましょうか？」
カイザー「は？」
カイザー「俺がロープの購入もできない人間だとでも？」
店員「いやただの善意で」

カイザー「……」
店員「……失礼」

モブ「カイザーだ。近所に住む変わり者のカイザーだ」
モブ「相変わらず面倒くさいやつ」
モブ「仕事をやめて今は何してるんだ？」
モブ「さぁ……」

カイザー「…………」

カイザー「……」てくてく

店員「いらっしゃいませ～」

カイザー「……」ロープを購入

店員「あー、2ヤードで……3ドル47セントですね」
カイザー「は？」
店員「え？」

カイザー「俺が購入したのは5フィート分だ」
店員「あー、うちヤードの単位しかないんですよ」
カイザー「それじゃ6フィート分の値段じゃないか」
店員「そう言われましてもねぇ」面倒そうな顔

カイザー「……」

後ろの客「はみ出した分払ってやろうか？」
カイザー「……ちっ」

カイザー「クソが……」会計
店員「あざっしたー」

ガチャ

カイザー「……」帰宅
カイザー「…………」

カイザー「電話……解約済み」
カイザー「電気、ガス……解約してある」
カイザー「……」

ぼろぼろのクソ物「……」

カイザー「……」
カイザー「プロのサッカー選手に蹴られてみたかったか？」
カイザー「残念だったな。お前は俺と一緒に処分される運命だ」

カイザー「……」カーテンを閉める

カイザー「……」机に登る

カイザー「……」天井にロープを吊り下げる

カイザー「……天井、軋んでるな」

カイザー「……」ギシギシ

カイザー「……ふぅ」

ロープの輪に首を入れる

カイザー「……っ」机から足を離す

カイザー「っ……！」プラプラ

ドガッ！！

カイザー「！？」びくっ

カイザー「おわっ！」ロープが千切れる

カイザー「何だ……何の音だ……？」玄関を出る

カイザー「車？　誰か引っ越してきたのか」

>>10「オーライ！　オーライ！」

>>10「ストップ……ストップ！！　あー！！」(絶叫)

(縁石に乗り上げる車)

ネス

ネス「もー何やってるんですか！！　あー、どうしよう！！」

カイザー「……」

ネス「縦列駐車ですよわかりますか！？　僕は仮免しかないから運転できませんよ！！」

>>14「えー」(困った顔の運転手)

ネス「あーもうどうすれば……」

ネス「あ！　えっと……そこの……！　ちょっと！」

カイザー「……はぁ」

カイザー「……何だ」

ネス「縦列駐車できます！？」

カイザー「は？」

ネス「ちょっとお願いします！」

>>14「助かった」運転席から降りる

カイザー「いや、やるとは言ってな……」

ネス「君は親切な人ですね！」運転席に押し込む

>>14「……」運転席に押し込む

カイザー「……」運転席に乗る

カイザー「何なんだ一体……いや誰なんだあいつらは……」

潔

ノア

運転ド下手くそノア草

カイザー「なんなんだ……」

カイザー「あのクソやかましい男と静かそうな男は」

カイザー「おかげでロープが切れたじゃないか……」

カイザー「はぁ……」

カイザー「というかあの静かそうな男、縦列駐車も出来ないくせに免許があるのか？」

カイザー「下手くそは運転するなよ……」

カイザー「これが終わったらもう一回だ……」ガチャガチャ

カイザー「……」バックするために後ろを見る

後部座席に座る子どもの>>18「……」

同じく子どもの>>20「……」

カイザー「……」

カイザー「…………」

世一

潔

潔

凛

凛

よいち「こんにちは」
りん「ちは」
カイザー「……」

よいち「だれ？」
りん「だれ？」
カイザー「……カイザーだ」
よいち「かざー！」
りん「へんな名前」

カイザー「カザーじゃない、カイザー」
カイザー「K a i s e rだ」

よいち「ふふふ」
りん「へんなのー」
カイザー「……」(渋い顔)

カイザー「お前らまさか誘拐されてきたわけじゃないだろうな」
カイザー「あいつらの子どもか……？」

よいち「ノアが俺たちのパパだよ」指差し
カイザー「あのもの静かな男か」
りん「養子だよ、しらないの？」
よいち「えっとね、養子っていうのは」
カイザー「知っている。説明しなくていい」

カイザー「……じゃああっちのやかましい男は？」
よいち「しらない」
りん「わかんない」
カイザー「誰なんだあいつは」

凛ちゃん子どもだからほえほえしててかわいいね(白目)

ネス「本当に助かりました！！」
ネス「あ……えっと、僕はアレクシス・ネスといいます」
ネス「こっちはノエル・ノア」

ノア「よろしく」

ネス「縁があって一緒に住んでいます」
ネス「あと、ノアの息子の世一と凛です」

カイザー「……カイザーだ」
ネス「カイザー、僕たち引っ越してきたばかりで……君とはご近所ですね」

ネス「よろしくお願いします」

カイザー「……」
カイザー「もう騒がしくするなよ」
ネス「また何か聞きに行くかもしれないです」

よいち「カイザーばいばい」
りん「ばいばい」
カイザー「……」

カイザー「お前は運転技術をどうにかしろ」
ノア「？」
ノア「何か問題が？」

カイザー「はぁ……」

千切れたロープ
倒れた机
壊れた天井

カイザー「……銃にするか……」

カイザー「確か物置に……」
カイザー「あった」

カイザー「……」
カイザー「可哀想に、引っ越し早々隣人が消えるなんてな」

カイザー「……」カチャ
カイザー「……」銃口を咥える

カイザー「……ふぅ……」

ドガンッ！！

カイザー「！？」びくっ
ネス「カイザー！！　いますか！！」ドンドン
ネス「ノアが車庫に車を入れられなくて！！」ドンドン
ネス「手伝ってください！！」
ノア「ぶつけてしまった」

カイザー「……」

カイザー「よく車を持とうと思ったな」バック駐車
カイザー「……ほら、鍵」

ノア「俺の言う通りに車が動かない」
カイザー「馬鹿言え、悪いのはお前だ」

ネス「助かりました～」
ネス「あ、そうだ、脚立を持っていませんか？」
カイザー「……何に使う？」

ネス「2階の窓が開かないので」
カイザー「……外から開けるつもりか？」
ネス「ええ、だって中から開きませんから」
カイザー「……」

ネス「ノア、気を付けて登ってくださいね！」
ノア「問題ない」
カイザー「……」

カイザー「……」

よいち「わー」ボール蹴り

りん「えい」ボール蹴り

カイザー「……」コロコロ

カイザー「…………」

よいち「カイザーもやる？」

カイザー「道路の近くでボールを蹴るな」

カイザー「クソ迷惑だ」

りん「……」

よいち「いっしょにあそぶ？」

カイザー「話を聞け」

りん「ねえ、だれかきたよ」

カイザー「……」

>>30「カイザー」

>>30「ストーブの調子が悪いんだ。みてくれないか？」

クソ親父

唐突な鬱ルートで草

親元から離れられなかったのか‥

ここから入れる保険はありますか？

親父「聞いているのか？」
カイザー「！」ビクッ
親父「ストーブの調子が悪いんだ！」
親父「なあ！」

カイザー「……」
よいち「ひぐっ……」
よいち「うぇーん……」
りん「うるさい」

カイザー「わかった……後から……直しにいくから……」
カイザー「……」
よいち「うぇーん……」

親父「うるさい！」
よいち「……」ぴたっ
よいち「ぐすっ……」
カイザー「……直しにいくからもう帰ってくれ……」
親父「はやく来てくれよ」

りん「あいつだれ？」
カイザー「……」
りん「なんでこわがってんの」
カイザー「…………」
よいち「うぇーん、うぇーん……」

ノアとネスどうにかしてくれ…

唐突な最悪√に入りました　スレ民のせいです　あーあ
ここから巻き返せ

ネス「うわあああぁ！！」
カイザー「！」ビクッ

カイザー「何だ騒がしい……」
ネス「助けてくださいカイザー！！」
ネス「ノアが脚立から落ちちゃって……！」
カイザー「やっぱり……」

ネス「今救急車で運ばれていったんです……」
ネス「僕たちを病院まで送ってくれませんか！？」
りん「ませんか？」
よいち「ノア……しんじゃった……？」

カイザー「なんで俺が……バスでいけよ」
ネス「命に関わるかもしれないんですよ！？」
ネス「悠長にバスに乗っていられますか！？」
りん「ますか？」
よいち「ノア……うぇーん……」

カイザー！車に乗ってクソ親父から脱却するんだ！！！！逃げればいいだろ！

ノアが何もかも雑魚で笑う

何もかも解約済みだし引っ越しには丁度いいよ逃げろ
それか天井壊されたことを理由にノア達の家に居候しなさい

学習性無力感でどうにもならんくなってる…

>>40

解約済みがわかったら親父に怒られそうだし真面目に逃げてほしい

凛ちゃんセリフ繰り返しててかわいいね（現実逃避）

カイザーが周りに迷惑をかけない方向で用意周到に準備してるって驚いてたけど、親父と同居ってなるとあいつ生活能力ないし再契約できたとしても支払い能力ないだろざまぁみろの最高の嫌がらせに変わったんだよな

なんかみたことあるなと思ったらオットーと言う男か

用意周到な自殺の計画はできるのに父親からは離れられてないの物悲しいな

なんで親父から逃げる前に現世からバイバイしようとしてんすか

直しに行くからってことは同居はしてないのかな
すごく近所に住んでる？ミヒャエルすぐ引っ越した方がいいよ…

スレ主ぴっぴ何処かにいっちゃった？

ネス「……そこ、そこ右！」
ネス「ああ通りすぎました！」
カイザー「もっとはやく言え。1m手前じゃ遅すぎる」
ネス「ごめんなさい、僕、仮免しか持ってないので……」
カイザー「ここらの道はわかる。黙って乗ってろ」

りん「ぶーん」ぐしゃ
よいち「あー！　こわれちゃった！」

ネス「さっきの人は知り合いですか？」
カイザー「……」
カイザー「近くに住んでいる父親だ」
ネス「へぇ、わざわざ会いに来てくれたんですね」
カイザー「……」

ネス「僕の両親は遠くに住んでいるんですよ。最近会ってないから、そろそろ顔を見せた方がいいかもしれませんね」
カイザー「……」

りん「ぼんっ」
よいち「だめ！　こわしたらノアに怒られるって！」
りん「ばぁんっ」ぼろっ
よいち「ああ……」

カイザー「……」
りん「まだ？」
よいち「ネス、おそいね」

カイザー「……はぁ」
りん「？」
よいち「カイザー、本よんで」
カイザー「あ？」

よいち「よいしょ」膝の上に乗る
りん「よめ」膝の上に乗る

カイザー「……」
よいち「ノアは読むのあんまりうまくない」
りん「ぼう読みなんだよあいつ」

カイザー「……」
よいち「カイザーの好きなえほんは？」
りん「読んでもらったことある？」
カイザー「…………」

ネス「お待たせしましたカイザー！　今日は帰りましょう！」
カイザー「……命に関わるんじゃなかったのか」
ネス「足の骨を折っただけでした。生きててよかったぁ」
カイザー「……」
ネス「さ、2人も帰る準備をしてください」

カイザー！！！！運転したんだしそのお礼として住まわせてもらうんや！！！後悔するぞ！！！！

カイザー「……」帰宅

散らかったリビング
落ちている銃

カイザー「……うっ……」フラッシュバック


親父「何度言ったらわかるんだ！！」
親父「俺のっ……言うことがっ……聞けないのか！！」
みひゃえる「ごめんなさ……」
みひゃえる「っ……」ドンッ
親父「クソの役にも立たない……！！」
親父「クソガキ！　俺がいないと生きられないくせに！」
みひゃえる「ごめんなさ」
みひゃえる「っ」

カイザー「……」
カイザー「寒いな……」
カイザー「暖房つけ……」
カイザー「……解約、したんだったか」

カイザー「はは」

ネス、頼ってたノアも骨折で大変だろ
そこの脚立を貸してくれて運転もできて子供達の相手もしてくれた青年に子守の手伝いを頼んではどうだい？もちろん住み込みで

ネスーーーーッ！！！！！お隣さん家のちびすけ達ーーーーッ！！！！！！！来てくれーーーーッ！！！！

カイザー「Zzz……」
カイザー「うぅ……寒い……」ぶるっ

ドンドン！！

カイザー「！」ビクッ
ネス「カイザー！　いますか！？　いるんでしょう！？」ドンドン
カイザー「……」むくり

カイザー「何だ騒がしい……」
ネス「雪が降りましたよ！　見てください！」

カイザー「……まさか、それだけか？」
ネス「まっさか！　これ、この間のお礼です」
ネス「僕の故郷の料理なんです。お口に合えばいいですけど」
カイザー「……要らな」
ネス「レンジはありますよね？　温めた方が美味しいですよ」
カイザー「……」

ネス「世一と凛がまた君と遊びたいと話していました」
ネス「また遊びに来ますね！」
ネス「それじゃあ」

カイザー「……」

電気も解約済みなんだよなぁ…

カイザー「……電気も止めてんだよ」

カイザー「はぁ……」

カイザー「これを食べたら」

カイザー「……」

カイザー「……」もぐもぐ

カイザー「……」ごくん

カイザー「……悪くない」

カイザー「どうやって作ったんだ？」

カイザー「……」

カイザー「考えたって意味ないか」

カイザー「……確実か……」

カイザー「天井はもう、壊れてしまったし……」

カイザー「……」

トントン

カイザー「……またか」

カイザー「誰だ？」

>>60「やあカイザー。一緒に雪かきをしよう」

りん

雪宮

凛ちゃん今すぐカイザーの家を破壊してくれ
そんでカイザーを居候させて

>>58

抜けてた

カイザー「銃の方がロープより確実か」

カイザー「天井はもう壊れてしまったしな……」

雪宮「久しぶりだね」
カイザー「……剣優か」
雪宮「雪かきを手伝ってくれないかい？」

雪宮「ほら、この地域の雪かきボランティアやってるんだよ、俺」
雪宮「知ってるよね？　カイザーとは出会ってもう5年になるしさ」
カイザー「……ああ」

雪宮「暇でしょ？　ランチ奢るし、手伝いに来て」
カイザー「……」

雪宮「ほら行こう。仕事やめたからって家でゴロゴロするのはよくないよ」
カイザー「……」
雪宮「仕方ないな。俺が君の上着を家の中から取ってきてあげる」
カイザー「待て……入るな」
カイザー「わかった、行くから」

雪宮「じゃあ、早くしてね」

どうにかクソ親父を排除したいな

だいたい邪悪なスナイパーのせい

話飛ぶかもしれないけど、玲王を友達にして作中屈指の戦闘力を誇るばぁやさんを呼んで親父を排除しないか？

雪宮「最近の調子はどう？」
カイザー「……ぼちぼち」
雪宮「急に仕事辞めたって言うからびっくりしたよ」
雪宮「まあ君って高給取りだったし……早期リタイアってやつ？」
カイザー「……」

雪宮「親御さんも鼻が高いだろうね」
カイザー「……」
雪宮「そういえば君のお父さん、肝臓、悪くしたんだって？」
カイザー「……ああ」
雪宮「大丈夫？　カイザーと違って、そっちはあまり見かけないから……」
カイザー「……わからない」

雪宮「わからない？　会いに行ってないの？」
カイザー「そういうわけじゃないが」
雪宮「？」
カイザー「……」

雪宮「よし、今日はこんな感じで終わりにしよう」
雪宮「ありがとう、助かったよ」
雪宮「ランチでも一緒に」
カイザー「帰る」

雪宮「そっか、じゃあまた今度」

帰り際に雪で遊んでたお隣のちびっこ×2に絡まれてくれ…一緒にあそぼってせがまれろ…

お隣さん家のちびっこに癒される…かはわからないけど浄化とほんの少しの明るさはもらえるんじゃないか
出番だぞちび達

カイザー「……」コンコン
親父「おお、ミヒャエル」
カイザー「……ストーブは？」
親父「こっちだこっち。待ってたぞ」

カイザー「……」
転がる酒瓶、散らかった部屋

カイザー「……酒、医者に止められてるだろ」
親父「ああ……でも少しならいいだろ？」
カイザー「……薬、ちゃんと飲んでるのか？」
親父「飲んでるさ。たまに忘れるけど」

カイザー「……ストーブ……これか」
親父「直してくれ」
カイザー「……わかった」

カイザー「……」
親父「お前、仕事辞めたんだってな」
カイザー「……」ぴくっ
親父「お金、あるのか？」
親父「俺と一緒に、共倒れしちまうぞ」
カイザー「……金ならちゃんと毎月渡……」
親父「なんで勝手に辞めた？」

親父「俺に言わなかったよな？」
親父「育ててやった恩を忘れたのか？」
親父「お前は本当、親不孝者だな」

カイザー「……ごめん」

テメェ親なら息子の脛齧ってんじゃねえぞ

カイザー「……」かちゃかちゃ
カイザー「……」

カイザー「……」
カイザー(たとえば、わざとガスが漏れるようにしたら)
カイザー(親父は簡単にいなくなるだろうな)

カイザー「……」ちらっ
親父「Zzz……」
カイザー(できないけど)

カイザー「直ったぞ」
親父「んがっ……」
親父「おお……助かった」

カイザー「……次の病院、いつだ？」
親父「あー……来週だ」
カイザー「……俺は送っていけないから」
カイザー「一人で行けよ」
親父「なら行かなくていいか」
カイザー「……」

親父「行きたいわけでもないしな」
カイザー「……」
カイザー「…………」

カイザー「……来れたら、来る」
親父「ああ、またな」

マジで言っちゃいけないってわかってるんだけどこいつはよ肝臓悪くしてくたばってくんねぇかな

＞親父「俺と一緒に、共倒れしちまうぞ」

一応心配する気はあるのかよ…

こう…息子を形だけでも心配してる面があるのが妙に生々しいというか…嫌というか…

なんかこの……この……絶妙なカス具合凄いこう……心にクる…………
「待ってたぞ」って朗らかに迎え入れたり「共倒れしちまうぞ」って地味に心配してたり「助かった」ってお礼言うあたりがほんとこう………(子供からしたら)微妙に嫌いになれないラインで嫌…………

子供を縛る（つもりがあるかは不明）手腕がお上手ですね……本気で憎めないのキツイな

カイザーがこの父親と縁が切れずに生活の世話をしてるの生々しいな
カイザーが成長して働くようになったら昔みたいに殴らなくなって「お前がいないと俺はダメだから」ぐらいのことを言うようになるタイプだ

カイザー「……」

ネス「カイザー！！」
りん「ザー」
よいち「カイザー！」

カイザー「なんだ騒がしい」
ノア「よう」松葉杖
カイザー「……足だけですんで良かったな」
ノア「仕事には支障が出ないから問題ない」

カイザー「……」
ネス「ねぇカイザー、良かったらディナー一緒にどうですか？」
カイザー「いや今日は」ぐいっ

よいち「カイザー」
りん「はやくこい」

カイザー「だから、俺は……」
ノア「食べていけ」
ノア「ネスの料理はうまい」

カイザー「いや……」
ネス「さあさあ行きましょう我が家に！」ぐいぐい
カイザー「……」

よいち「カイザーはいつもしかめっ面だな」
りん「笑い方しらないの？」
カイザー「……ああ、知らない」

何だろう
ネスがめっちゃ可愛くていい奴に見えてきた
本誌ではかませ犬としか思ってなかったからごめん

なんかこれママがカイザー産んだ時に亡くなった世界線の質感があるな
女優（演技）要素が無くて親父もそこまで狂ってない

>>78

メ、メンヘラだ……！！！

>>73

カイザーは父親が病気で死んだら解放されるだろうけど

何か葬儀とか諸々の手続きが終わった瞬間が1番自殺しそうな趣がある

なんだろうなーこの…病院のくだりとかが、暗にぎりっぎりﾀﾋんだらお前のせいにされるかもしれないぞって感じがなぁ…

ガシャーン

ノア「すまない」
ノア「食器が全部ひっくり返った」
ネス「もー！！　どうしてあなたって人はいっつも……」
ノア「いま床を拭く」
ネス「その足で拭けるわけないでしょう！？」

カイザー「……」
りん「おれね、お兄ちゃんがいるんだよ」
カイザー「知ってる」
りん「こいつのことじゃない」
よいち「りんにはお兄ちゃんがいるんだけど、今はどこかに行っちゃったの」

カイザー「世一は兄弟じゃないのか？」
よいち「血がつながってないよ」
りん「兄ちゃのこと、ちょっとしか覚えてないんだけど」
りん「また会いたいなぁ」

カイザー「……」
ネス「ごめんなさいカイザー、騒がしいですよね」
ネス「でも、もう少しゆっくりしていってください」
ネス「世一と凛が喜びます」
カイザー「……」

ノアって何もできん人なのかもしれない
その前に怪我人はやすんどけ

カイザー「……」帰宅

カイザー「……寒い」
カイザー「っ……」フラッシュバック


ミヒャエル「あけて、おとうさん……」ドンドン
ミヒャエル「外はさむいよ……」ドンドン

ミヒャエル「ごめんなさい……」
ミヒャエル「もう言わないから」
ミヒャエル「お母さんに会いたいって、もう言わないから」
ミヒャエル「あけてください」
ミヒャエル「あけてください……」ドンドン


カイザー「……クソ親父の病院……来週か……」
カイザー「来週……来週終わったら……」
カイザー「……」

ヨシダメだ罪悪感煽ってるだけだあの親父

クソ親父の行動が結果的にファインプレー…なのか？
来週までに少しでも癒されてくれ

電車のホーム

カイザー「……電気だけは……通電してもらうか……」
カイザー「……！」

モブ「誰か線路に落ちたぞ！」
モブ「おいやばい！」
モブ「電車が来ちゃう！」

男「う……うう……」

カイザー「……なんで誰も助けに行かない」
カイザー「スマホで動画を撮ってばかり……」
カイザー「イカれてる……」

男「……」

カイザー「……クソ親父と……同じくらいの歳か」

モブ「おい誰か飛び下りたぞ！」
モブ「マジかよ！」
モブ「勇気あるな！！」

カイザー「立てるか？」
男「……」
カイザー「意識がないな」
カイザー「っ、しょ……」

ホームに戻される男「うう……」
カイザー「……」

カイザーと親父はよく言われるアルコール中毒患者とその家族の依存関係(疲弊してるし本当に困ってるにも関わらずついつい世話をしたり助けてしまったりする)って感じだ

救われない自分の代わりに誰かを救ってる感じする...
救われろ...救われろ...

カイザー「……」

近づいてくる電車

カイザー「…………」ゆっくり目を閉じる

カイザー「……」

モブ「おいアンタ何してる！！」

カイザー「！」ビクッ

モブ「死にたいのか！？」

モブ「ほら手を伸ばせ！！」

カイザー「……」手を掴む

カイザー「……」ホームに戻される

モブ「すごい！　あいつがヒーローだ！」

モブ「命を救ったんだ！！」

カイザー「……」早足で立ち去る

配信 者(記者)>>93「……いい映像が撮れた」

カメラマン>>95「取材に行こう」

カイザーも早くホームに戻って…！

配信 者が>>99

カメラマン>>102

冴

絵心さん

帝襟アンリちゃん！

>>98

青森のメッシ西岡

アンリちゃんと絵心さん嬉しい！！

よかった…これでガイザーママでスナイプされたらどうしようかと思った…

>>105

その名前出したらスレ民がふざけて次の安価で出し始めるぞ…

>>106

やっべ…ガ、ガイザー…ガイザーさんのママだから…！！例のあの人じゃないから！！！

数日後

雪宮「やあカイザー、随分有名人になったね」
雪宮「SNSでバズってるよ。君が人助けする様子がね」
カイザー「……は？」

アンリ「その通り！」
絵心「……」カメラ構え
カイザー「っ」ビクッ
アンリ「こちらにいるのが、今ネット上で騒がれているヒーローです！」
カイザー「おい、なんだ……」

アンリ「私、ネット配信 者と記者をしているアンリといいます！」
アンリ「こっちはカメラマンの絵心です」
絵心「ドーモ」

雪宮「あはは、遂に配信 者まで来ちゃったか」
アンリ「あの、あの時の心情を教えていただきたいんです！」
アンリ「助けた男性の方も、あなたにお礼を言いたいと……」

カイザー「……」てくてく
アンリ「……あの、何故、ガレージに？」
カイザー「そっちの奥をよく見てみろ」
アンリ「？　絵心さんカメラをそちらに」

カイザー「……」ガレージを閉める
アンリ「きゃあ！？　暗い！」
絵心「あちゃー」
カイザー「出たきゃ自分で開けて出ろ。開け方はここにいる胡散臭い男に聞け」
雪宮「まったく、君って容赦がないよね」

雪宮「名刺はもらっておいたよ」
雪宮「アンリさんと絵心さん」
カイザー「必要ない。連絡するわけでもあるまいし」
雪宮「まあ、貰っておきなよ。俺は帰るからね」

カイザー「……」
ドンドン

カイザー「……なんだ」
ネス「カイザー、ノアを病院に送って欲しいんですが」
ネス「頼めませんか？」

カイザー「……免許は？」
ネス「昨日取りましたよ！」
カイザー「じゃあ自分で運転しろ」
ネス「だ、だって僕も運転……得意じゃなくて」

カイザー「いつまでも俺がいると思うなよ」
ネス「引っ越しでもするんですか？」
カイザー「……」

カイザー「来いネス」
ネス「？」
カイザー「俺の車を貸してやる」
カイザー「練習しろ」
ネス「え？　でも……」
カイザー「助手席に座ってやる」
ネス「……教えてくれるんですか？」

カイザー「さっさとしろ」

ネス「うぎゃー！？」
ネス「あぎゃー！？」ｷｷｰｯ
ネス「おぁっ！？」急ブレーキ

カイザー「落ち着いて運転しろ」

よいち「おぇ……酔った……」
りん「きもちわるい……」

ノア「あと3秒で吐くぞ」
ノア「俺が」
ノア「うっ……」

カイザー「……お前らは乗せるべきじゃなかったな……」
カイザー「今度からはお前だけだ」
ネス「うっ……うっ……どうして僕はこんなことも出来ない……」

カイザー「安心しろ。ノアよりはマシにしてやる」
ネス「ぐすっ……カイザー……」
ネス「ありがとう……」

カイザー「……」
カイザー「…………」

よいち「おえぇ……」
りん「おい、おれの服が……」
ノア「　」ﾁｰﾝ

ネスって書き込んで最初の安価踏んだけど、ネスって書いて正解だった
安価踏んだ瞬間に潔のが良かったかもなぁって思っちゃってたけど
ネス予想以上に可愛くて癒されるし、カイザーの隣に居てくれるから本当に良い

このスレのネス一家とカイザーが好きすぎる

医者「お父さん、また飲みましたね」
カイザー「……ええ、多分」
医者「正直、数値は最悪ですよ」
医者「このままだと死んでしまいます」
医者「身内は、あなただけですよね」
カイザー「はい」
医者「あなたがしっかりみないといけないですよ」

カイザー「はい」


親父「俺ぁもう、ダメかもしれないな」
カイザー「……」運転中
親父「はぁ……」
カイザー「……」

親父「俺が死んだら、お前が一人になっちまうな……」
カイザー「……」

親父「……俺」
親父「死んだ方がいいか？」

カイザー「……」ハンドルを強く握る
カイザー「……薬は……ちゃんと飲んでくれ」
カイザー「酒は禁止だ……絶対、飲むなよ」

親父「……」

カイザー「……また、様子を見にくる」
カイザー「……」

ネスのちちんぷいぷいの魔法で親父治してハッピー和解してくれんかな

クソ親父は同じ口でカイザーが子供の頃は「役に立たない何もできないクソ物」と罵っただろうと思うとやるせねぇよ

何か病気になって初めて自分がしていた行動を理解するの妙にリアリティあって眠れんな

ノアのポンコツ具合がいい味出してる
それはそれとして親父とのやり取りがリアリティあって辛ぇ

俺には見えるぞ
この父親は結局またカイザーの持ってくる金を酒に使って酔って暴れて喧嘩になるけど
酔いが醒めたら殊勝になって謝ってきたりしてなあなあになるのを無限に繰り返す

親父はそういう生き物として割り切れるが医者の発言がキツイ…
別に医者が間違ってること言ってるわけでもないんだけどキツイ

このスレハラハラして開いたけどホッコリする
ネス一家可愛い、雪宮もいい味出してる
黒名とか出てきても可愛いだろうな

カイザー「……」帰宅

散らかったままのリビング
切れたロープ
倒れた机
放置された銃

カイザー「……」
カイザー「……病院、送ったしな……」

カイザー「……」
カイザー「ポストに何か、入ってる」

『カイザーへ
ネスのうんてんをどうにかしてください
よいち と りん』

カイザー「……」
カイザー「もう1枚……」

『カイザーへ
ネスより俺にあの車を運転させてくれないか
ノア』

カイザー「それは嫌だ」
カイザー「……」

カイザー「ネスの……運転が上達するまで……」
カイザー「……」

ほら！！！！！お隣さんがこんなに頼りにしてくれてるしチビ達も懐いてんだから早まるな！！！！！！！！！！！

よかった！！！どんなにカイザーの教え方が上手くてもこの世界のネスとノアちっとも上達しなさそうだもんな！！！！そのままちび達にもみくちゃにされながら生きろ！！！！！

親父はもう措置入院させちまえ

ネス「ひぃ……」
カイザー「……」

カイザー「……少しは、上達したな」
ネス「ほんとですか！？」
カイザー「前見ろ」
ネス「あぎゃっ！？」ｷｷｰｯ

よいち「わあ」
りん「ざこうんてんが……」

カイザー「……」
ネス「ああもう……どうしよ……すこしは上達したと思ったのに……」
ネス「カイザー、次はどこに行けば……」

カイザー「…………」がくっ

よいち「……カイザー、寝ちゃったよ」
りん「あちち、カイザー、あちち」

ネス「……」
ネス「カイザー……ちょっと……」
ネス「カイザー！？　大丈夫ですか！？」
カイザー「……」

ネス「ど、ど、どうしよ！！」
ネス「誰か！！」ｷｷｰｯ
りん「そこ右いけば病院」
ネス「はい！」
よいち「りんすげー」

ネス？誰か！！って助け求めながら爆走してるのか？？

カイザー「……」
りん「おきた」
よいち「カイザーだいじょうぶ？」
カイザー「重い……」

ネス「はい……はい……」
看護師「では、お願いしますね」

ネス「……カイザー」
カイザー「……ここは……」
ネス「病院です……」

ネス「発熱がありました……」
ネス「それに、栄養失調も……」
ネス「ストレスじゃないかって……」

カイザー「……そうか」
ネス「僕は勘違いしてました……」
ネス「君って心臓に毛が生えた図太い人間かと……」

ネス「僕から家族に連絡をいれましょうか？」
ネス「ご家族は……」

カイザー「……いらない」
ネス「いいんですか？　心配していると」
カイザー「いらない」
ネス「……そ、そうですか……」
ネス「じゃあノアには知らせておきますね……」

カイザー「……」

ほのぼのとシリアスの塩梅が癖になるな

複雑な事情があることは伝わりだしてる
ネスは遠慮なく踏み込んでくれるタイプだよね…？

カイザー「……」帰宅

ネス「僕が何か作りましょうか？」
ネス「栄養失調は危険ですよ」
カイザー「構うなよ」
カイザー「迷惑だ」

ノア「いつも世話になってるからな」
ノア「飯くらいは作ってもらえ」
ノア「ネスに」

カイザー「松葉杖とれたのか？」
ノア「ああ、これで凛と世一とサッカーができる」
ネス「キッチン借りますよ～」
カイザー「待っ……リビングには行くなよ！　天井を修理しているから！」
ネス「はいはーい」

よいち「わー、何これ！」
りん「ぼろぼろだ……おれのおもちゃみたい」
カイザー「勝手にあちこち動き回るな」
カイザー「って、馬鹿、それは……」
よいち「これ何？」
りん「なに？」

クソ物くんか……？？

けんじゅ...クソ物くんだよね！ね！