これは暴動が起きるレベル…上がり続けるコメ価格、なぜ備蓄米放出でも下がらないのか?笑いが止まらない人たちがいる現実
コメの値上がりが止まらない。コメの仲介会社クリスタルライスのまとめによると、秋田あきたこまちや関東あきたこまち、関東コシヒカリの取引価格は前年同期の2倍以上となっている。政府備蓄米が放出されても値下がりする気配が見られない。スーパーで販売される精米価格も同様で、農林水産省の発表では、最高値の更新を続けている。 【写真】コメの価格高騰の影響を受ける産業とは? 一向に値下がりしない米価へ消費者の不満もさらに募っており、農水大臣が謝罪する事態にまでなっている。なぜ、コメの価格は下がらないのか。歪な農政や産業構造を表出させている。
変わらないタイトな需給見通し
コメの価格が下がらない原因は、需給のタイト感が薄れていないからだ。需給状況が最も簡単にわかるのは民間在庫のデータを見ることである。 農水省の発表によると、今年2月の在庫数量は205万トンで、前年同月に比べ39万トン少ない。昨年は新米との入れ替わりが起きる端境期の7月から9月にかけてスーパーの店頭に並ぶ精米がなくなり急激に価格が上昇したが、今年の在庫は昨年よりも少ないのである。 ただし、今年は政府備蓄米の売却や国のSBS(売買同時契約)と呼ばれる入札制度の枠で輸入された外国産米、関税支払いの外国産米の輸入という新たな供給量が加わる。需要量を昨年並みとみれば、6月末の民間在庫は増加するものと見込まれる。 コメの需給分析に詳しい業者のシミュレーションでは、政府備蓄米が3回目から毎月10万トン売却され、外国産米の輸入量が6万トンになるとすると、今年6月末の民間在庫は158万4000トンになると見込まれ、昨年より5万トンほど多くなると予測している。しかし、米穀業界では6月末の適正在庫は180万トンとみており、タイトな状況から抜け出すとは言えない。市中価格が値下がりしないのもこうした需給見通しが反映しているためとみられる。
流通過程で「スタック」する備蓄米
メディアは連日のように備蓄米がどこに置いてあるのか、スーパーや米穀小売店をまわって、限られたところにしか置いていないことを報じている。これは備蓄米を買い受けた全農が取引契約のあるパートナー卸に優先的に販売しているためで、多くは大手コンビニのベンダーや大手量販店、大手外食企業に販売されており、中小のスーパーや米穀小売店にはまわって来ない。 実際、農水省が公表した備蓄米の販売数量等の報告結果によると、3月17日から30日までに備蓄米落札業者(全農・全集連)から卸に引き渡された備蓄米は落札数量21万トンのうち1%の2761トンに留まっている。 農水省が定めた備蓄米の売買契約の約定では、落札業者(全農等)は「原則として玄米販売は行わない」ことになっており、全農等から玄米を買い受けた卸も原則玄米販売は行えないことになっている。このため玄米仕入を基本としている米穀小売店は備蓄米を仕入れることができなかった。 4月14日に開催された農水大臣と全米販、スーパーの団体など流通業者の意見交換会には、日本米穀商連合会や東京都米穀小売商業組合といった米穀小売店の団体の代表者も入っており、農水省に対して備蓄米が仕入れられないことを強く批判した。こうしたこともあって農水省は4月16日付で売却要領を改正して米穀小売店が玄米仕入できるようにした。早速、日米連は自社のホームページで玄米購入が可能になったことを告知した。 玄米販売の禁止を定めているのは農水省だけではない。備蓄米を受けた全農も販売先の卸に対して「条件備蓄米のお取扱いについて」と題するA4版23ページにもなる冊子を配布し様々な流通ルートの図を示し、赤字で玄米販売が禁止される事例を示している。さらにはQ&Aは28項目にもわたり、こまごまとした規制について触れている。