ストーリーの構造が『はだしのゲン』や『火垂るの墓』と重なる漫画『みいちゃんと山田さん』
小学校の図書室は基本的に、図鑑や絵本や文字中心の本ばかりが置かれている。
筆者が通っていた小学校の図書室でも、置いてある漫画は学習漫画や『火の鳥』や『ブラックジャック』や『はだしのゲン』ぐらいだった。
筆者は、『火の鳥』や『ブラックジャック』を読むことは殆どなかったものの『はだしのゲン』はよく読んでいた。
成人してから『はだしのゲン』を読み返すと、小学生の時は気付かなかったことが結構みえてくる。
例えば、作中には主人公ゲンが絵に目覚めていく描写がある。
主人公が遠近法を試みたり看板屋の仕事を手伝ったりしているのを読んで小学生の時は(流石に作者の中沢啓治氏が被爆者である話とかは知っていたものの)単に「へー。ゲンは絵が好きなんだ」と感じただけだったが、成人してから読むと「これって中沢啓治氏が自分の実体験をもとに、この展開を描いているってことだよな」などと察せられてくる。
要するに、『はだしのゲン』は自伝的側面が強い漫画なのだ。
亜月ねね先生による漫画『みいちゃんと山田さん』も自伝的側面が強い作品なように思う。
『みいちゃんと山田さん』第3話を読み、主人公である山田(仮名)というキャラは亜月ねね先生がモデルになっている側面がありそうだなと感じた。 pic.twitter.com/BYOSCdqORn
— krist2019 (@krist2019) October 1, 2024
『みいちゃんと山田さん』は、夜の街でキャバクラ嬢として働く主人公(山田さんという仮名を名乗っている大学生)が、発達障害が疑われる女性「みいちゃん」と出会い、二人が交流していく漫画である。
筆者が亜月ねね先生を知ったのは確か3~4年ほど前の時期だったと思う。当時、亜月ねね先生はダイアナというTwitterアカウントで主に性風俗やルッキズムをテーマにした漫画を発表していた。
たが、亜月ねね先生は次第にダイアナというアカウントでは漫画を発表しなくなり、やがて「亜月ねね」という名義を用いるようになる。
そして、去年の9月、亜月ねね先生はマガポケという商業漫画サイトで漫画『みいちゃんと山田さん』の連載を開始した。
2023年9月に亜月ねね先生は「会社員と夜職とパパ活しながらのダイエット方法」という漫画を投稿しており、夜職やパパ活の経験があると考えられる。
第3話の他にも、第4話で主人公が幼少期にママの好きな花をお絵描きしたのを思いだし、「私は絵を描いたり物を作ったりするのが好きだった」と回想する描写があり、本作は亜月ねね先生による自伝的側面が強いように見える。
因みに、この漫画の第1話は「主人公がみいちゃんの墓の前で合掌する描写」で始まっており、最後の3頁で「みいちゃんが12か月後に殺されること」を読者に明示して結ばれている。
太平洋戦争末期や終戦直後の時期を描いた有名作品としては『はだしのゲン』の他に『火垂るの墓』などがあり、『火垂るの墓』は冒頭で「主人公の妹や、主人公本人が後々死ぬということ」が予め読者や視聴者に明示される作品である。
主人公や、主人公に匹敵するほど重要なキャラの死が冒頭部で明示されるという点で『みいちゃんと山田さん』は『火垂るの墓』とストーリーの構造が共通している。
2025年春現在も『みいちゃんと山田さん』の連載は続いている。
この漫画が『火垂るの墓』のように完結するのか、それとも諸事情により未完のまま連載終了となるのかは今のところ誰にも分からない。いずれにせよ、筆者は『みいちゃんと山田さん』を興味深い漫画だと感じているし、最終話まで読んでいきたいと強く願っている。
『みいちゃんと山田さん』はマガポケという商業漫画サイトで定期的に一部の回が無料公開されているので、興味のある方はマガポケにアクセスしてみると良いだろう。
※亜月ねね先生のリンク集
https://lit.link/azukinene


コメント
1亜月先生は、みい山はあくまでフィクションだけど、みいちゃんにはモデルがいる事やお墓の事についてもXで言及はしていたので、もちろん漫画的な脚色をして話しを広げたり、フェイクを入れてはいるでしょうけど、亜月先生の自伝的な側面も大なり小なりあるとは思います。