中国政府が韓国人に対するノービザ措置を突然発表し、その背景に関心が集まっている。
消費低迷の余波で凍りついた内需景気を生かすための措置であり「反スパイ法」疑惑の韓国人拘束などで不安になった韓中関係を改善しようとするのではないかという解釈が出てきている。
これに先立ち、中国外交部は今月1日(現地時間)、韓国を含む9カ国を対象に「一方的ノービザ」政策を一時的に実施すると発表した。 韓国人に対するノービザ措置は1992年の韓中国交正常化以来初めてだ。
これによって韓国など9カ国の一般パスポート所持者は8日から来年末までビジネス、旅行、親戚訪問などのためにビザなしで中国に最大15日間滞在できるようになる。
今回の決定は、駐中韓国大使館も事前に知らなかったという。 外交筋はこれと関連して「大使館に先に通知が来なかった」とし「今週中に細部協議予定」と伝えた。
中国はこれまでフランス、ドイツ、イタリア、スイスなど欧州主要国を含む20カ国を対象に一方的なノービザ措置を施行してきた。 これについて、観光客誘致を通じた内需拡大の意図だという見方が多かった。
韓国など9ヵ国を追加したのも、このような延長性という分析が支配的だ。 中国の今年第3四半期の経済成長率が4.6%にとどまり、年間目標である「5%内外」達成に対する憂慮が大きくなったためだ。
両国関係の改善に対する意志を表明したという見方も少なくない。 来年11月のAPECを契機に中国の習近平国家主席の訪韓可能性が高まり、最近の韓中関係は新しい局面を迎えた。
先月、金大基(キム·デギ)元大統領室秘書室長が駐中韓国大使に内定した点も肯定的に作用した。 大統領側近を配置することで、中国に友好的な信号を送ったというのが、多数の専門家の見解だ。
そうするうちに先月末、韓国人が反スパイ法の疑いで初めて拘束された事実が知らされ、大衆の情緒が悪化し、一部では中国の無ビザ措置がこのような雰囲気を勘案して下したのではないかという観測が出ている。
チョン·ジェホ駐中韓国大使はこの日、韓国特派員団と会い「今回のノービザ措置で韓国国民の中国訪問便宜が大きく増進されるだろう」とし「両国間の人的交流も活性化すると期待している」と伝えた。
一方、駐中韓国大使館はこの日、反スパイ法の疑いで拘束された韓国僑民と関連して、チョン大使が今年3月に直接当該僑民を訪ねて状態を確認したと明らかにした。
在中韓国大使館の高官は「具体的な(面会)内容は説明できない」としながらも「(調査を受ける過程で)人権侵害はないと理解している」と説明した。
北京の宋光燮(ソン·グァンソプ)特派員