明治大学・中野キャンパスが駿河台に統合へ キャンパス移転で何が変わる?
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明治大学は約10年後をめどに、中野キャンパス(東京都中野区)にある国際日本学部と総合数理学部を千代田区の駿河台キャンパスに移転します。移転の目的について大学側に聞きました。近年、増える大学のキャンパス集約化の背景を探ります。(写真=明治大学中野キャンパス、明治大学提供) 【写真】明治大学のキャンパス
8学部が一つのキャンパスに
明治大学中野キャンパスは、JR中野駅・東京メトロ東西線中野駅から徒歩約8分の場所にあり、2013年に開設されました。別のキャンパスにあった国際日本学部が移転し、同年、総合数理学部が新設されました。 08年に設置された国際日本学部は、京王線・井の頭線の明大前駅近くにある和泉キャンパス(東京都杉並区)から移転しました。「世界の中の日本」という視点から、世界に価値のある情報を発信できる人材の育成を行うことを目的として、漫画やアニメ文化に関する講座などを用意していることで知られ、開設当時は「国際日本」という学部名が話題になりました。 一方、13年開設の総合数理学部は、「社会に貢献する数理科学の創造・展開・発信」という理念のもと、総合大学の中でいち早く数理科学やコンピューター技術、情報の分野を取り入れ、数理科学と情報技術の最先端を学ぶことができます。デジタル・グリーン分野の人材育成を支援する文部科学省の「大学・高専機能強化支援事業」(24年度)にも採択され、26年度入試からの入学定員増や、大学院の拡充も予定されています。 明治大学は24年12月、大学創立150周年(31年)の記念事業として、中野キャンパスのすべての機能を、約10年後に駿河台キャンパスに移転することを発表しました。これにより、生田キャンパス(神奈川県川崎市)にある理工学部と農学部を除く8学部を駿河台に集約します。 経営企画部の宮森望・企画課長は、中野キャンパス移転の経緯を次のように説明します。 「駿河台キャンパスは1886年に有楽町から移転して以来、長きにわたり使用されてきた歴史あるキャンパスです。同キャンパスには築40年を超える建物が数多く残っている中、築60年を超えるものもあり、建て替えが急務となっていました。一方、駿河台キャンパスは明大通り沿いだけでなく、猿楽町地区を含めると約3万6000平方メートルもありながら、現状では容積率を十分に満たしておらず、中野キャンパスを丸ごと受け入れるのに十分な広さがありますので、『キャンパスの最適化』という視点から、施設整備に当たって『学部の移転・集約化が有効』という結論に達しました」
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