• 2025/05/02 掲載

コンサル「大失業時代」がいよいよ現実に? OpenAI「Deep Resesarch」のヤバい背景(2/3)

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Deep Researchを支える「3つの技術」

 OpenAIのDeep Researchが市場に登場した翌日にはオープンソースの類似プロダクトがすぐに登場し、ビッグテック各社も数週間で後に続いた。これが可能だったのは、Deep Researchが既存の技術を上手に組み合わせた「コロンブスの卵」的なプロダクトだったからだ。

 そのキーとなる3つの技術を紹介しよう。

■AIに検索機能を与え精度を高める「RAG」
 ChatGPTが登場したとき、学習の完了後に起きた事象や製品や技術について何も知らないこと、嘘を捏造する「ハルシネーション(幻覚)」の2つが弱点だった。その後、AI検索のPerplexityやGPT Searchが登場し、これらの問題はだいぶ解消された。

 これを可能にした技術が「RAG」(Retrieval-Augmented Generation、検索拡張生成)だ。LLMにデータベースやナレッジベースを接続することで、学習していない知識も提供できる。検索エンジンのボットが集めたデータベースを接続すればAI検索が出来上がる。

 Deep Researchの場合は、複数回検索を行う「マルチターンRAG」により、単純な検索では得られない幅広い情報を取得できる。

 RAG技術は急速に進化を続けている。「GraphRAG」は、たとえば「レクサス」を検索したときに「トヨタ」が「レクサス」を「製造している」というように意味を構造化した「知識グラフ」を構築し、情報間の関係性を理解しながら検索を行う。

 「マルチモーダルRAG」は、テキストだけでなく画像や音声も含めた検索・生成を実現した。製品の外観写真から類似製品を検索したり、技術図面から関連特許を探し出したりできる。

 最新の「Adaptive RAG」は、ユーザーの意図や文脈に応じて検索戦略を動的に調整する。たとえば、専門家向けには技術文書を重視し、一般向けには解説記事を優先するなど、柔軟な情報提供を可能にする。

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生成AIのLLMからデータベースやナレッジを利用可能にするRAG技術には、複数回検索を行う「Multi-Turn RAG」、キーワードの意味を把握して検索する「Graph RAG」、ユーザー毎に検索結果をパーソナライズする「Adptive-o--Experts」などがある
(筆者作成)

■AIに推論させる「CoT」
 最近は、ChatGPTの上位モデルである「o1-pro」や「o3」「o4-mini」Anthoropicの「Claude 3.7 Sonet Thinking」、グーグルの「Gemini 2.5 Pro」など、「推論するAI」が続々と登場している。

 これらでは「レクサスの高級車市場におけるシェアは?」と聞かれると、「レクサスは高級自動車である」「レクサスの販売台数を調べる必要がある」「次に高級車市場の規模を調べてみよう」と思考を行い、それがユーザーからも見える。

 この機能の背景にあるのが「Chain-of-Thought」(CoT、思考の連鎖)だ。

 CoTには複数の実装アプローチがある。プロンプトレベルでも、単純に「一歩ずつ考えましょう」と指示する「Zero-shot CoT」や、段階的思考の例をいくつか示す「Few-shot CoT」がある。

 LLMの学習時に行うアプローチとしては、複数の思考経路を生成してから多数決を取る「自己一貫性CoT」や、異なる専門領域ごとに「専門家」を用意し、問題に応じて適切な専門家を活性化させる「Mixture-of-Experts」(MoE)などがある。

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生成AIの推論による論理的思考を与えるCoT技術には、複数の思考経路を作って多数決で決める「Self-Consistem CoT」(自己一貫性CoT)や問題に応じて適切な専門家を使用する「Mixture-of-Experts」などがある
(筆者作成)

 Deep Researchでは、CoTとRAGと組み合わせ、思考の途中で「ここはもっと情報が必要だ」と判断して追加検索を行い、その結果を踏まえてさらに思考を進めるという融合的アプローチを実現している。 【次ページ】Deep Research活用で「9割書き直し」でも満足のワケ
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