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米国出る研究者受け入れ、鈍い日本 19大学・機関で北大のみ「検討」

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吉田徹さん他5名の投稿吉田徹竹内薫福井健策

トランプ米政権発足後、予算削減で苦境に立たされた米国の研究者を受け入れようとする動きが北海道大学など国内の一部の大学で出始めた。米国から優秀な人材を迎えれば、研究力の底上げにつながる可能性がある。国として積極的に受け入れようとする欧州諸国などに比べると日本の動きは鈍い。

「日本で研究できないか」。ウイルス学を専門とする東京大学の佐藤佳教授のもとには、米国にいる研究者から相談が届くようになった。米...

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  • 吉田徹のアバター
    吉田徹同志社大学政策学部 教授
    ひとこと解説

    社会科学だけに限っても、モーゲンソーやキッシンジャーなど、戦後アメリカの科学をけん引してきたのは欧州からのユダヤ系の亡命者だ。こうした欧州の知をベースに科学のパラダイムが蓄積され、戦後先進国の共通言語となってきた。もはやそのような経路は見込めないのだろう。 転じて、現在はアメリカから研究者が「亡命」してくるという。移民は高技能であれ、低技能であれ、その国の発展に多大な貢献をしてきた。凋落著しい日本の科学技術力を反転させる貴重な機会と捉えるべきだ。官僚制に毒されている日本の大学組織も活性化するだろう。

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  • 竹内薫のアバター
    竹内薫サイエンスライター
    別の視点

    アメリカではすでに大勢の科学者が「人員整理」されており、有名大学への資金打ち切りなどの締め付けも厳しく、海外への避難が始まっています。同じようなことは、ベトナム戦争の時にも起きており、隣国のカナダやヨーロッパに科学者たちが避難しました。カナダはアメリカとの貿易戦争に晒されており、受け入れ人数も限られており、ヨーロッパも同様です。日本は人材獲得のための資金がなく、中国は政治体制がネックです。私が有能なアメリカの科学者であれば、英語が通じて自由民主主義が機能しているカナダ、オーストラリア、ニュージーランド、イギリスを優先すると思います。日本は理化学研究所などに資金を集中投下して受け入れるべきです。

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  • 福井健策のアバター
    福井健策骨董通り法律事務所 代表/弁護士・ニューヨーク州弁護士
    分析・考察

    「人材獲得に動いて、トランプ政権に目をつけられると困る」。。さすがに目を疑いました。本当に言ったなら、そこまで刷り込まれていたのかと。 そもそも、多くの国が獲得に動く中、日本の今の体制では目立つほど来るはずもないでしょう。それでも、優秀な研究者が自ら希望し、こちらにもニーズがあっても受け入れられないようでは、この先がありません。 政府・知財本部でも先日、受け入れに動くべきと多くの委員の発言があったばかりです。来年度予算の概算要求などで間に合う訳もないでしょう。予備費の使用を、まずは考えるべきかと思います。

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  • 赤川省吾のアバター
    赤川省吾日本経済新聞社 欧州駐在編集委員
    ひとこと解説

    私が教えているドイツの大学の多くは、かなり前から米研究者の受け入れ準備を始めていました。歴史的な背景があります。もともとヨーロッパは「政情不安の地域」あるいは「政府批判の論文が書けない地域」からの研究者受け入れに積極的です。例えば1970年代にチリの独裁者ピノチェトが思想弾圧を始めると南米から多くの学生・研究者が欧州に渡り、最近ではトルコからエルドアン政権を嫌う学生・研究者を受け入れています。 日本が多くの米学生・研究者を受け入れれば、日本が「学問の自由を尊重する国」であり、「アカデミズムに多様性を尊ぶ空気がある」ことを示すことができます。このチャンスをいかすべきです。

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  • 青木慎一のアバター
    青木慎一日本経済新聞社 編集委員・論説委員
    別の視点

    日本語の問題もそうですが、スター研究者がきても、事務手続きなどのスタッフに事欠くようでは、在米時のような成果は望めません。在米の外国人研究者からの問い合わせは日本にも来ていましたが、強力な支援が望めなければ来てはもらえません。  米国では、外国人の企業エンジニアがグリーンカードを更新できなかったり、入国を拒否されたりする例も出ているようです。オープンAIのカナダ出身のスターエンジニアがグリーンカードを更新できず、バンクーバーでリモートワークしているようです。申請に不備があった可能性もありますが、オープンAIの同僚がX(旧Twitter)に投稿しています。今後、問題になるのではないでしょうか?

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  • 石原純のアバター
    石原純インペリアルカレッジロンドン 講師
    今後の展望

    日本語を理解しない研究者が日本で大型予算を獲得することはかなり難しいと思います。研究費審査の面接などが日本語中心だからです。 まずは日本人でアメリカで活躍している人達を受け入れ、帰国する環境を整えるだけでも十分日本の研究力の助けになると思います。 イギリスの大学でも特別予算を組んで大物研究者を受け入れようとしています。まさに今が千載一遇のチャンスです。共和党の有力議員からも科学予算のカットに批判の声が出てきており、いつまでアメリカの科学者が来てくれるかは分かりません。

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