愛子さまの帝王教育

また、同書では次のような記述もある。

「きっと悠仁さまもご両親の仕事に打ち込む姿などから、自然に多くのことを学ぶに違いない。ご家族と一緒に暮らすことが、何よりも悠仁さまにとっての大切な『帝王教育』なのかもしれない」

しかし、このような記述は逆に、将来おそらく即位されることはないと思われる秋篠宮殿下をはじめとする「ご家族と一緒に暮らすこと」すら、あえて「帝王教育」と表現しなければならないほど、ほかにそれにあたる教育がとくに行われていなかった事実を伝えている。

一方、敬宮としのみや(愛子内親王)殿下は誠心誠意、公的なご活動に取り組まれる天皇、皇后両陛下から薫陶を受けながら、これまで育ってこられた。

またご卒業後の昨年は、過去の天皇が亡くなられてから節目の年ごとの「式年祭」の前に行われる、祭典の対象となる天皇の事跡についての専門家によるご進講を3回、両陛下とご一緒に受けておられる。

さらに今年は、皇宮警察本部の「年頭視閲式」にも、両陛下とともにお出ましになるという、皇嗣の秋篠宮殿下すらできない経験を、積まれている。

これらこそ「帝王教育」の表現にふさわしいのではないか。

「夫婦と親子で身分が違う」検討中のプランの問題点

現在、国会では衆参両院の正副議長の呼びかけにより、全政党・会派の代表者が一堂に会して、皇室制度の改正が検討されている。しかしその中身は、多くの国民が望む安定的な皇位継承につながる「女性天皇」への制度改正とは、隔たった方向のものだ。

単に皇族数の減少に“目先だけ”歯止めをかけようとする弥縫策でしかない。

そこで検討されているプランの1つは、こんな中身だ。

内親王・女王について、これまでのルールを変更し、男性皇族と同じように結婚後も皇族の身分を保持することとする。しかし一方で、その配偶者とお子さまは、男性皇族の場合とは違って一般国民に位置づけるという。

近代以来、家族は同じ身分という構成原理が採用されてきた。だから、一般国民の家族に皇族が混在したり、皇族の家族に一般国民が混在したりすることは、これまでまったくなかった。ところが政府・自民党などは、女性皇族の家族のケースだけ、それをあえてくつがえそうとしている。

配偶者やお子さまが一般国民なら当然、国民としての自由や権利が保障される。自由に政治活動やビジネス、宗教活動もできる仕組みになる。

しかし、そのような制度を設けると、夫婦や親子など家族は社会通念上、“一体”と見られがちなので、公正中立、不偏不党が求められる皇室の立場と鋭く矛盾するおそれがある。