「悠仁さまの即位」自明視への違和感が表れている
秋篠宮殿下はこれまで、例年の記者会見で、悠仁殿下が将来、天皇として即位されることをあたかも既定の事実であるかのように扱う質問に対して、ほとんどかたくななまでに、真正面からの回答を控え続けてこられている。将来の皇位継承者にふさわしい適性を身につける、いわゆる「帝王学」(帝王教育)についての質問へのお答えも、つねに避けてこられた。
これらは、おそらく秋篠宮殿下が不誠実であるとか、無責任なのではないだろう。そうではなくて、将来における悠仁殿下の即位を自明視することへの、強い違和感によるものではないか。
その違和感は、天皇、皇后両陛下のお子さまが男女の別に関係なく、皇位を継承されることがふさわしいと考えておられるために生まれるものだろう。
「帝王学」が不在
先の『悠仁さま』は、悠仁殿下がこれまで秋篠宮家でどのような教育を受けてこられたかを、詳しく記述している。だが、そこには「帝王学」にあたる教育が、見当たらない。
天皇陛下の場合は、学習院初等科・中等科の頃に碩学の宇野哲人・精一父子から『論語』の素読と通釈を学ばれている。また高等科に進まれてからは、学習院大学の児玉幸多学長や黛弘道教授、東京大学の笹山晴生教授などから、「天皇の歴史」を独自に学ばれた。
さらに天皇、皇后になられるご両親のもとで、“将来の皇位継承者”として薫陶を受けてこられた事実は大きい。
悠仁殿下の場合、少なくともこれまでは、それらがほぼ欠けた状態のように見える。
『悠仁さま』では、平成最後の天皇誕生日(平成30年[2018年]12月23日)に詰めかけた国民たちに交じって皇居での一般参賀を経験されたことを、「生きた帝王教育」として特筆大書している。しかし、一般参賀に加わることは、今のルールでは皇位継承資格を持たない姉宮たちも、それぞれご成年前に経験された出来事だ。
だから、皇族として貴重な経験だったに違いないものの、“帝王教育”という表現は少し言いすぎだろう。
