大滝 洸 大滝 洸
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「あたし どうしたら幸せになれるのかな」

どうも。Hikaruです。途中まで書いて ほっぽり投げている記事があるんですが、ん〜 今は書きたい気分じゃないかな笑 最近脱線中です。。。で、話を戻します

来週以降 自宅に来客予定があるので、本日はスーパーで色々モノを買い足していました。皆さんはどうされているか分かりませんが、私の場合様々な事情の方が来ると思って、例えば 女性に対しては 生理用品をトイレの棚に置いといたりします。
で、その生理用品をスーパーで眺めているときに… ふと 少し前まで しばらく一緒にいた女性のことを思い出しました

その女性はタイトル通り「どうしたら幸せになれるのか」、「幸せになりたい」とよく言ってました。と そんな話 友人や大切な人としますか?大丈夫か、お前死ぬん?って感じですよね。まぁ…なんかこう、メンヘラな感じの人でした。そして、上のような言葉を聞く度に私はショックでした。実際 傍には私がいるのに、心は離れて遠々しい。自分だけの世界にいて、誰のことも見えていないような。そんな感じが、これらの言葉からするんですよね

人に感謝しなさい

って子どもの頃に教わりましたよね。でもぶっちゃけ それだけ言われても意味分からなくないですか。どうして?なにその論理?ってなりませんか
「へーそうなんだ。わかった」って大概の人は子どもの頃 素直に頷いたかと思いますが、私の場合 捻くれ者なので 理屈が分からないものは「は?」という感じで簡単に飲み込もうとしませんでした。「なんで?」と訊いて「そういうもんだ」と言われると尚更。反発してしまう困ったガキでした。いや、今も同じようなものかも。。。

正直20歳になるまで、この言葉の意味が分からないどころか「人に感謝なんかできない」と思って過ごしていました。なかなかウケますが、それまで私は自分のことを とても不幸な人間だと思っていましたから、これだけ不幸なんだから 自由に振る舞うことを許して欲しい、これだけ損して生きてきたのだから 元を取り返さないといけない(?)と 独りよがりな考えで いました

ただ、当時私がそう思っていたのは 仕方がないことだったと 今振り返っても思います。普通に過ごすことが難しかった。虐められた中学時代、諦めた夢、義父と亀裂。自分の好きな髪型や服装もできない苦しさ、身銭をはたいてジェンダークリニックに通った17歳。初めてのホルモン治療と強烈な副作用に挫折した18歳。周囲の白い目に普通に過ごすにもストレスだらけで、色々なものを失った19歳。自分が着たかった服を着たときは わんわん泣きました。美容室で納得のいく髪型にしたとき 初めて、散髪が楽しいものだと知りました。そんな状況で 人に感謝する心の余裕は無かったです

これだけ自分が苦しいのだから と思うほど、取り返そう、その為に”得”をしようと思うほど、不思議なことに どんどん その所謂「幸せ」が遠のいていきます

人に感謝することが 自分自身を幸せにする最短の近道となる

それに気が付き、人に感謝しようと心から思える出来事がありました。20歳のとき改名したこと、これが その後の私の人生を大きく変えることになります

名前は指示(指し示す)為に 他のものと区別して付けられますが、加えて名前には それ自体に名付られたものの特徴や思いがこめられています

例えば「ポチ」と聞いたら 小さくて可愛いイメージが出てくると同時に「犬なんだろうな」と想像が付きます。大概「ポチ」は犬に付ける名前として日本ではメジャーですが、もし猫に「ポチ」という名前が付いていたらどうでしょうか。犬だと思っていたら、猫じゃん。「タマ」じゃないの?って話です。「ポチ」という名前を猫につけて指示することはできますが、名前に込められた意味から 誤解を与えてしまいます

私は地下アイドルみたいな 可愛い女性名でしたので、大学生活、バイト、自動車学校、何をするにも躓きました。確かに戸籍は女性なのですが、、、上記の生活をするのに 性別は関係ない筈ですが 周囲の白い目に晒されて、生気を吸い取られるように私は自信をなくし、足を引っ張られ続けてきました。自分だけかかってくる重力が他人と違うんじゃないかと言うくらい 動きにくい、生きにくい

実際に改名するときは 改名することで上記のようなハンデが解消されるとは そこまで考えておらず「これから先 就活の時に苦労しないように」程度に軽く考えてHikaruに改名しました。
それが、まさかここまで自分の生活、人生を変えてしまうとは思いませんでした

戸籍は女性のままですが、健康保険証を提示するまで分からないものです。名前を呼ばれて返事をする声には覇気が出てきて、日常普通に過ごしていてほとんど支障がなくなりました。誰も白い目で見てこない。普通に過ごしているんだからそうだろ と思いますが、それほど 名前は重大なものなんだと知りました

すると

改名するまで かかった20年が途方もなく長かったと気付かされ、そして それが終わったことに 緊張が一気に解け、さらに 今まで自分がここまで来るのに1人で努力した と思ったことの背景に沢山の人の助けがあったことを、客観視することができるようになって ようやく気づきました

改名する時 面談した書記官が GOサインを出してくれなかったら裁判官は 改名許可の審判を出すことはなかったし、ジェンダークリニックの医院長達が許可せず診断書を書いてくれなかったら 改名の審判を受けることも ホルモン治療を受けることもできなかった。バイト先のオーナーが寛容な方でなかったら バイトもできなかったし 仲間もできなかった。LGBTQの人々に会わなければ ずっとひとりぼっちだと思っていただろう。義父がいなければ高校も大学も行けなかった。家族がいなかったら、生まれて、今幸せを感じることもなかった

今までのこと、今まで会った人に心から感謝しようと思いました。今からでも遅くない。そっくりそのまま その人に返せなくても、これから会う別の人へ恩を返していきたい

そう思った私は 人から何か物を貰ったり、感謝の言葉をかけられる都度 とにかくそれを返していくことを意識的に行いました。貰ったものより出来るだけ大きく。初めて会った人には自分から いっぱい渡していこう。私は今まで貰いすぎていたから

すると、不思議なことに 渡せば渡すほど、回り回って大きくなって返ってきます。そうして なるほど、と

人に感謝することは自分を幸せにする方法なんだな

「感謝」という言葉。まず心に「ありがたい」思えるかどうかが大事なことです。「ありがたい」と思うだけで幸せを感じることができます。そしてそれを「感謝」という形で表現し、相手へ伝えることで相手を幸せにすることができます。そして相手からまた帰ってきます。このキャッチボールのループが結局自分を幸せにしていきます
「ありがたい」と思うことができなければ 自分の心は貧しいばかり。誰かから何か受け取っていることに気づきもしない為 孤独に苛まれます。そうしたらもちろん感謝しようと表へ出すことなんてできません。相手が誰かも分からないわけですから。すると感謝のループも生じません。結果 どんどん1人になっていきます

「あたし どうしたら幸せになれるのかな」

「人に感謝することができたら幸せになれるよ」

と私は答えました。

「はー。何 説教たれてんだか。そういうよくわかんない精神論とか求めて無いんだよ。わからないのか?あたしが欲しい言葉だけ お前は吐けばいい」

解説したものの 案の定 女性の方は他人の言葉をまともに聞ける状況に無いようでした。それよりも 自分を甘やかして、おだててくれる言葉を求めているようでした。私は飢えているから、あるもの全てで満たして欲しい。私からお前らに くれてやるものなんて何も無い。疲れているんだ。欲しい、欲しい というオーラが その人からしていました

その人からかかってくる電話は 少し憂鬱なものでした。開口一番 愚痴から始まり、ここから先は接待みたいなものです。何ら否定せず、むしろ肯定して、ついでに 話に出てきた人達を言葉でフルボッコにしていかなければなりません。嘘でも 人を侮辱するようなことを言うのは心が痛みますし、言霊と言いますか、少なくとも、言っていても聞いていても良い気はしません

とにかく私のポジティブな気持ち、というか生気が どんどんその人に吸い取られていく感じがしました。これは恐らく、この女性の周囲にいる関係者の多くが同じように感じていたのではないかなと思います。そうなってくると、このままでは どれだけこの女性が幸せを求めても むしろどんどん隔たっていくのではないかと思います

私はこの女性が それに気付くまで一緒にいようと思っていましたが、向こうの方からワァーワァー叫んで、とうとう出て行くという日が突然にして訪れました

前夜、「出て行く!」と叫んだ女性は 知らない電話をかけ ぶつぶつと私のことやら色々話し、気づくと私の隣で眠っていましたが、翌朝私の家のシャワーを利用したかと思うと、交代で私がシャワーを浴びている間に荷物をまとめ、私が浴室から出てきた瞬間「殺してやる。呪ってやる」と喚きながら勢いよく家を出ていきました。私はまだビショビショ。後ろから追いかけられません。計画的犯行。もうここら辺は私も呆れてしまって あまり記憶がありませんが、ただ 鮮明に覚えていることが…

すっからかんになった私の部屋。女性は荷物をまとめて部屋を後にした訳ですが、持ち帰りたい物だけ持っていき、要らないものやゴミは持ち帰りたい物をカバンに詰め込む為に鞄から出したのかドッサリ置いていったようです。放心状態の私。しばらくしてトイレに行きたくなって扉を開けた時

「もし使うのなら」と思って買って置いていた生理用品がごっそり持っていかれていました。どうしてそんなことまで?!と 女性のあまりの貪食さにビックリしてしまいましたが もう笑うしかありません

ほんとに幸せになりたいですか?

もう長々書きませんが、私はこの女性から色々なことを学びました。人を変えることは難しい。しかし、もし友人やこれから出会う人に 苦しんでいる人がいればその都度助けたい。この人の恩を別の形で返していきます

添付の写真は 若洲海浜公園の海岸近くで撮ったものです。後ろを振り返ると ちょうど東京ゲートブリッジが見えます
この場所は私の思い出の場所で、話に出てきた女性とも深夜0時過ぎの風が冷たい中2人で歩きました

改名したばかりのとき 私はこの場所を訪れ防波堤に登り、顔を出したばかりの満月が明明と照らす水面を眺め、それは一本の光の道が私の足元から月まで伸びているよう見えました。美しいなと思っていると、ふと 沢山の人達の後ろ盾があって今ここに立てているのだという実感が湧いてきました。私は まだこの光の道を歩き始めたばかりです





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