複雑な計算式も、正しく変形することで、素早く正確な計算が可能になります。基本的な四則演算の計算法則に加えて、計算の工夫についても学びましょう。
今回は、「分配法則」を使った問題に挑戦します。
問題
次の計算をしなさい。
(5/6+3/4)×24
通常、カッコがついた計算式はカッコ内の計算から始めなければいけません。
しかし、今回の問題ではカッコ内が分数どうしの計算なので少し厄介です。
どのように工夫をすると、簡単に計算できるでしょうか。
解説
今回の問題の答えは「38」です。
途中式は次のようになります。
計算を簡単にするために、ここでは「分配法則」を利用しました。
分配法則とは
分配法則とは、以下のような法則です。
二つの数の和(差)に“ある数”をかけても、二つの数にそれぞれ“ある数”をかけてからその和(差)をもとめても、結果は変わらない。
具体的には、以下のような式で表されます。
<分配法則>
a×(b+c)= a×b+a×c
a×(b−c)= a×b−a×c
今回の問題を分配法則に当てはめると、次のようになります。
(5/6+3/4)×24 = (5/6)×24 + (3/4)×24
つぎのように、「(5/6)×24」は「6」で約分、「(3/4)×24」は「4」で約分してから計算を行うと、とても簡単ですね。
(5/6)×24=5×4=20
(3/4)×24=3×6=18
上記の二つの計算は、どちらの分数も分母を1にできるため、簡単な掛け算だけで計算が可能になります。
そして、最後に足し算をします。
20+18=38
したがって、答えは「38」になります。
このように分配法則を利用することで、多くの方が苦手とする分数の計算を省略して、計算を進めることができます。
まとめ
分数が入った計算は、単純な計算力だけでなく、どのように工夫するかも重要です。
繰り返し練習することで、どのような場面で計算を工夫できるのかが分かるようになりますよ。
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」
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