合成着色料とADHDやがんの関連は?…ケネディ米保健福祉長官、2027年までに禁止を発表(海外)
アメリカは食品メーカーに対し、2027年までにすべての合成食品着色料を排除するよう求めている。ロバート・F・ケネディ・ジュニア保健福祉長官はこの措置を発表し、食品メーカーはこの変化に前向きだと述べた。合成着色料に関連するがんやADHDなどの健康問題に関する研究や政策について紹介する。 アメリカのロバート・F・ケネディ・ジュニア(Robert F. Kennedy Jr.)保健福祉長官は2025年4月22日、食品会社に対し製品から石油由来の合成着色料8種を取り除くよう命じたと発表した。 アメリカ食品医薬品局(FDA)や食品に関する活動家らとともに記者会見を行ったケネディ長官は、食品メーカーに対し、カルミン、ウコン、ビーツといった天然由来の着色料を使うか、あるいは製品に警告ラベルを付けるか、いずれかを2027年までに自主的に行うよう求めると述べた。 この発表はドナルド・トランプ(Donald Trump)政権が発足する直前に、アメリカ食品医薬品局が赤色3号を禁止してから3カ月後に行われた。 現在問題となっている8種類の合成着色料には、シトラスレッド2(Citrus Red No 2)やオレンジ色B(Orange B)などの生産量が多くないものも含まれている。これら2種類については直ちに使用を中止すべきだと外科医でFDA長官のマーティン・マカリー(Martin Makary)は述べている。 その他の着色料は一般的に使用されているものだ。例えば、赤色40号は、ゲータレード(Gatorade)、ドリトス(Doritos)、スキットルズ(Skittles)に使われている。黄色5号は、ヴィーゴ(Vigo)のサフランライス、ケロッグ(Kellogg's)のフルーツループス(Fruit Loops)、青色1号は炭酸飲料のマウンテンデュー・バハブラスト(Mountain Dew Baja Blast)、緑色3号は市販薬のナイクイル(Nyquil)に使用されている。 石油由来の合成着色料を使用する理由は経済的であることだ。コストが低く、年間を通して品質や色が安定しており、果物や野菜、香辛料よりも色が褪せにくいことにも利点があるという。石油の精製過程で抽出された炭化水素と無機塩類を結合させることで、合成着色料の鮮やかな色が作り出されている。 しかし、消費者擁護団体や研究者は、これらの石油由来の合成着色料が健康に与えるリスクについて懸念を示している。 2024年の大統領選挙で合成食品着色料を主要な争点としたケネディ長官は、母親を中心とした草の根活動家のグループ「MAHA(Make America Healthy Again)」の運動に感謝の意を示し、この変革に対する政治的な関心を喚起したと評価した。 記者会見で、マーティン・マカリーFDA長官は「子どもたちは合成化学物質の有害なスープの中で生きてきた」と語った。彼は、合成食品着色料とADHD(注意欠陥・多動性障害)やがんなどの健康問題との関連を示す研究を引用した。 合成食品着色料と健康問題との関連について分かっていることは以下の通りである。