第9回【戦場の風】ゲームブックリプレイ
※ここから先はゲームブック【戦場の風】のネタバレを含んでいます。ご注意ください。
ぜろです。
ゲームブック「戦場の風」のプレイを続けています。
戦場に取り残され、なおも戦おうというコーデリア王女を無事に離脱させるため、王命を受けて旅立った主人公。
ウォードレイクとの遭遇。牛飼いジェイコブとの出会いと別れ、聖騎士の配下だった兵士アンドロの同行。
そしてついに聖堂でコーデリア王女に会い、撤退の説得に成功しました。
しかし、撤退するためにはウォードレイクの情報が必要不可欠。主人公ゴドフリーは牛飼いに扮してドラッツェン軍に潜入。
ウォードレイク舎まで行くことはできましたが、調査を優先しすぎて、ウォードレイクのごはんになってしまったのでした。
ここから7人目の挑戦者の出番です。今度こそは。
●アタック07-1 ロニー、ウォードレイク舎へ行く
【ロニー 技術点9 体力点17 運点11】
技術点=まあまあ
体力点=ややよわ
運点=つよつよ
これが7人目の挑戦者、俺ロニーのステイタスだ。
平凡ながら、運の強さだけでうまいこと立ち回ってこれた。
俺はこれから戦場へ、王女の脱出の手引きのために向かうわけなのだが。
王女説得までの流れは、これまでの6人の挑戦者のおかげで、完璧に把握している。
リプレイでは、そこまで一気に進めてしまおう。
王女の説得に成功した時点の俺のステイタスは、以下のとおりだ。
【ロニー 技術点9 体力点17 運点11】
【持ち物】
・剣
・荷物袋
・食料1
・馬
・ガーネット
・黒いコイン
・牛飼いの笛
なんと、全く消耗していない。
やはりこれまでの6人分の旅路で、最適解を導き出しただけのことはある。
そんな俺は、牛飼いジェイコブの手引きにより、これからドラッツェン軍に潜入する。
牛飼いの姿に扮し、ウォードレイクの餌にする雌牛を1頭、連れている。
見張りの兵士は怪しむことなく、俺をウォードレイクの餌を持ってきた牛飼いだと思ってくれた。
兵士の案内でウォードレイク舎へ。
兵士は、ほかの牛の血を、俺が連れている牛にかけた。
ウォードレイクは、牛の血のニオイを好む。
思えば、これも重要な情報ではないか。どこかで牛の血を手に入れられたなら、役立てられるシチュエーションがありそうだ。
「早いとこ餌を持ってけよ」
兵士に促され、ウォードレイク舎へと入る。
空腹なウォードレイクが牛を捕食している合間に、その場を離れた。
これで前回のゴドフリーのゲームオーバーポイントを抜けることができた。
ここからは未知の領域だ。
「よし、これで餌係の任務は終了だ。気をつけて帰れよ」
兵士はそう言い残すと、さっさと行ってしまった。
陣の出口まで案内するのではなしに俺1人を残して行くというのは、不用心とか、軍紀が緩んでいるとか評したものだろうか。
今の俺は牛飼いに扮している。一般兵の感覚なら、その程度の感覚と言ってしまえばそれまでか。
とはいえ、これはチャンスが巡ってきたぞ。
こっそりとウォードレイク舎に戻る。
ウォードレイクは、食事を終え、すやすやモードに入っているようだ。
ますますチャンスだ。
ウォードレイクが牛を雑に食した残骸を観察する。
ここで俺は、ウォードレイクが牛の血のニオイに反応するという、さっき聞いた話を思い出した。
今なら牛の血を手に入れることができる。
俺はその選択肢に1も2もなく飛びつき、牛の血を入手することができた。
そしてこの牛の血を使う場面で、パラグラフジャンプができるようになった。
しかし、そこで俺は視線に気づいた。
それは、ウォードレイクのものだ。まだ眠りが浅かったのか。そもそも動物は眠りが浅いからか。
これは、やばい。怖気が走る。
・素早く逃げ去る
・大声を上げて、兵士に助けを求める
ウォードレイクの素早さは前任のゴドフリーが体験済だ。
ここは情けなくてもなんでも、この先の展開がどうなろうと、兵士に助けを求めるべきだ。
それともここで早速牛の血のパラグラフジャンプを使うとか?
……いや、ダメだ。パラグラフジャンプで進む先と、兵士に助けを求める先が同じ番号だ。
つまり、パラグラフジャンプは繋がっていない。
それなら迷うことなど何もないな。
俺は悲鳴を上げ、兵士に助けを求めた。
ウォードレイクがいまにも俺にとびかかろうと言う時に、兵士の叫び声が聞こえ、ウォードレイクがぴたりとその動きを止めた。
俺は助かった。
それだけではない。
今の叫び声の意味はわからなかったが、それはウォードレイクに「止まれ」の合図を送る文言であることは確かだった。
俺は、意味はわからないなりに、その叫びの言葉を覚えることができる。
これで俺は、ウォードレイクに対して制止をかけたい場面で、パラグラフジャンプを試せるようになった。
しかし、命が助かったかわりに、今度は別の危機が迫っていた。
「おまえ、牛飼いか? どうしてウォードレイクに近づいたりしたんだ」
疑われてる。そりゃそうだ。
そうして俺は、この場の指揮官、ジャルベッタのところに連れていかれることとなった。
●アタック07-2 ロニーとジャルベッタ将軍
ドラッツェンの女将軍ジャルベッタのもとに連れていかれる。
今の俺は牛飼いの姿になっている。武器も何も持っていない。
はったりで切り抜けられなかったら、終わりだ。
「何の用か」
ジャルベッタは兵士を誰何する。
兵士は、牛飼いが不用意にウォードレイク舎に近づいていたと報告した。
さて、ここで俺が牛の血を持っているかどうかの確認が求められた。
持っているが、こんなの持っていたらますます不自然だろう。
「牛の血を? 反逆的とは言えないが、正気の沙汰とも思えないな」
あかん。ジャルベッタに興味を持たれてしまった。
「お前はウォードレイクのために牛を連れて来たのだろう。それがなぜ、そのような真似をするのか。誰かの指示か?」
ジャルベッタの問いは鋭い。下手な嘘は通用しない迫力がある。
この一言で、俺の運命は決まる。
・指示をしたのはコーデリアだと答える
・指示をしたのはジェイコブだと答える
そもそも誰も牛の血を取れなどと指示していないのだが、それを答える選択肢はなかった。
さあどう答えるか。
当然、コーデリア王女の名前など出してはならない。一瞬でゲームオーバーだろう。
では、ジェイコブの名前を出すか?
ジェイコブはただの牛飼いだ。牛の血を集める動機などない。
それでも欲しいのなら、自分のところの牛で調達すればいいだけだ。
ここで俺は、もう1人名前を出せる人物がいることを思いだした。
司祭セロだ。
あの聖堂の司祭の名前を、パラグラフジャンプを用いて出すことができる。
けど、司祭の名前を出したことでどうなるというのだろう。
イマイチ打開策になるとも思えなかったが、俺は司祭セロの名前を出してみた。
これで俺の選択が間違いだったら、司祭セロには変な疑惑がかけられてしまうことになる。
「あの聖堂の司祭がか?」
俺の告げた名は、ジャルベッタには予想外だったようだ。
「では、牛の血は聖堂で使うものか。このあたりの儀式には詳しくないが、それなら無闇に引き留めるわけにもいかないな」
なんと、正解だった!
なるほど、牛の血なら、いかにもなんらかの儀式に使いそうだものな。
その発想はなかったけれど、勝手に勘違いしてくれて助かった。
ジャルベッタの様子を見るかぎり、疑惑を完全に晴らしたわけでもなさそうだ。
しかしこれ以上時間をかけて追及する意味も見いだせなかったというところだろう。
俺は雑に解放された。やった。
●アタック07-3 ロニーと撤退大作戦
牛飼いジェイコブのところに戻り、てきぱきと着替える。
ジェイコブは、俺が無事に戻ったことで大喜びだ。
一応念のため、牛の血の顛末を伝え、追求があっても大丈夫なように口裏合わせをしておく。
そのまま急いで聖堂へと向かう。
コーデリア王女は待ちかねていた。
俺はドラッツェンの陣で見聞きしたことを伝えた。
ウォードレイクに関すること、そして敵の指揮官ジャルベッタと直接顔を合わせたことを。
コーデリア王女は、俺の話を聞くと、その決意を語った。
「あなたが目にしたものと、あなたを信じます。そして改めて、お願い申し上げます。どうか私を……ロング・ナリクへ」
ついに。ついに俺の一番の目的を果たせるところにたどり着いた。
夜も更けている。
決行は明日だ。俺は敵陣に潜入した緊張感と疲れから、深い眠りに落ちた。
そして翌朝。早朝だ。
コーデリア王女は、俺に作戦を伝えた。
「私を敵に発見させ、注意を引きつけます。特に、ウォードレイクを引きつけることができれば、我が軍の損害は大きく減るはずです」
それは、とんでもなく無茶な作戦だった。
俺の使命は、コーデリア王女を無事にロング・ナリクへと脱出させることだ。
だが、コーデリア王女の目的は違う。
撤退を決めた以上、兵士の損耗を少しでも軽くして、一兵でも多く故郷へと帰すこと。
そのために取り得るベストな方法を、考案したのだ。
俺はコーデリア王女の胆力を、まだまだ見誤っていたようだ。
考え方を切り替えたと思えばこんな大胆な作戦を考える。まったく、ただ者ではない。
しかしこの作戦では、王女の身がもっとも危険になる。
「ですから私は、あなたと共に参ります。誰よりも敵軍に詳しく、誰よりも優れた騎兵である、あなたと。それに……」
こんな局面だというのに、コーデリア王女は少しおかしそうに笑った。
「あなたの使命は、私を無事に帰すこと、なのでしょう? 期待しています」
ああもう、そうだよ!
だからって、自分の身をいちばん危険なところにさらすことないじゃないか。
聞けば、すでに全軍に作戦の決行は行き渡っているという。
いつか会ったことがある、名も知らぬ王女の密偵なども活躍していたのかもしれない。
「では……参りましょう」
聖堂の地下から地上へ。
負傷者のいる礼拝堂の広場にはドラッツェン兵もいるため、そこには行かない。
聖堂外の小屋に繋がる隠し通路だ。
兵たちが、王女と俺の馬を連れてきた。
コーデリア王女が白馬にまたがる。俺も乗馬した。
いよいよだ。
俺の先導で、2頭の馬は走り出した。
【ロニー 技術点9 体力点17 運点11】
【持ち物】
・剣
・荷物袋
・食料1
・馬
・ガーネット
・黒いコイン
・牛飼いの笛
・牛の血
■登場人物
ロニー ロング・ナリク軍の一員で若き騎兵。7人目の挑戦者。
ロング・ナリク王 おうさま。コーデリア王女の父。
コーデリア ロング・ナリクの王女。15歳で初陣。戦場の指揮を執る。
ジャルベッタ ドラッツェン軍の指揮官。冷酷無比との噂。
聖騎士ウォーレン ロング・ナリクの当代一の聖騎士。ロング・ナリク軍の副官。戦地で命を落とす。
ジェイコブ 金牛の丘の牛飼い
アンドロ 聖騎士ウォーレンに従っていた兵士。ウォードレイクに遭遇し生き延びる。王女の説得に一役買う。
セロ 聖堂の司祭。コーデリア王女の神学の先生でもある。
■作品情報
作品名:戦場の風
著者:丹野佑
編集:エディットなかの
発行所・発行元:FT書房
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