“万博でコスプレ”が炎上、「著作権侵害」の声も 当事者コスプレイヤー「タブーにするのではなく…」
万博の公式規約では、コスプレや仮装について「入場は可能」と記載
開催中の大阪・関西万博で、コスプレでの来場を巡りネット上で賛否両論の議論が巻き起こっている。今月22日、人気漫画のキャラクターに扮(ふん)し万博に参加した女性がSNS上で感想をつづると、一部から「万博はコスプレ会場ではない」「作品に迷惑」といった批判の声が寄せられ、炎上状態に発展。公式規約では、コスプレや仮装をしての入場について「持込禁止物に該当しないものであれば、装着しての入場は可能」との記載もあるが、何が問題なのだろうか。当事者でコスプレイヤーの鹿乃つの(@shikano_tsuno_)さんに、騒動への受け止めを聞いた。(取材・文=佐藤佑輔) 【写真】「すげぇ!!」と反響 コスプレで話題の鹿乃つのさんが万博会場で見せたガンダムとの“コラボ” 「『万博ってコスプレOKだったんだ!』というコメントが多かったので! コスプレ万博のいろいろをまとめました! これからコスプレ来場される方の参考になったら嬉しいです!」 事の発端は、鹿乃さんが23日にSNS上に投稿した万博での体験記。記事では万博の公式規約に触れつつ、「露出の制限、撮影エリアの指定、OK/NGな作品などの詳しいルールは一切ありません。ただこれは『なんでもやっていいよ』というわけではないと思います。何かしらの形で秩序が乱れ、他のお客さんからクレームが多数入るようなことがあれば、今後コスプレ来場が完全NGになる可能性も非常に高いなと感じました」「万博会場に更衣室はなく、またお手洗いでの着替えもNGです。自家用車での来場もできないため、ホテルで着替え→タクシー来場が1番間違いないと思います!」など、コスプレで来場する際の注意点やマナーがつづられている。 体験記について紹介した投稿は、9000件を超えるリポスト、1.8万件もの“いいね”が集まるなど話題に。「わかりやすくて良い記事をありがとうございます」「ルールやマナーを守れば大丈夫なのですね」「万博に興味持てました~」など好意的な声が多数寄せられている一方、「いつの間にコスプレは『禁止されなきゃやっていい』になったんだ」「TPOってあるんですよ」「コスプレは著作権侵害の可能性があること忘れてない? キャラを私物化するなよ」といった批判的な意見も多い。 鹿乃さんは2023年8月に開催されたコミックマーケット(コミケ)でコスプレデビュー。コスプレ歴は1年半ほどだが、人気漫画『ダンジョン飯』のキャラクター・マルシルのコスプレがネット上で話題を呼んでおり、趣味の傍らイベントやトークショーにゲスト参加することもある人気コスプレイヤーだ。今回もマルシルのコスプレで、22日に万博会場に足を運んだという。 「開幕当初はコスプレに関する記載はありませんでしたが、その後公式サイトで解禁となり、コスプレがOKならと思い参加しました。事前に会場周辺のトイレで着替えができないことも調べていたので、ホテルで着替えてタクシーで会場入りしました。スタッフの方も一般の来場者の方も、海外パビリオンのスタッフも目が合うだけで喜んでくれて、トラブルになるようなことは一切なかったです」 当日、ホテルに戻った直後から早速体験記を書き始め、日付が変わった23日未明にSNS上に記事を公開した。その後、23日午後9時頃から急激に批判コメントがつき始め、24日朝には「コスプレイヤーだけでなく一般層にまで波及していて、混沌とした状態でした」と振り返る。