世界一の発電量を誇るといわれる中国最大のダム「三峡ダム」ですが、毎年のように降る大雨で決壊のおそれも指摘されています。実際はどうなのでしょうか?現場を取材しました。
中国中部にある湖北省宜昌市、許家沖村。
記者
「見えてきました、三峡ダムです。水門があり、幅はおよそ2.4キロあります」
2009年に完成した三峡ダム。貯水量は日本最大の徳山ダムのおよそ60倍、琵琶湖のおよそ1.4倍です。32の発電機で電気を作っていて、世界一の発電量を誇るといいます。
この巨大ダムの建設には15年の歳月が費やされました。多くの村がダム湖の底に沈み、100万人以上の住民が移住を余儀なくされたといいます。許家沖村も移住先の1つで、2018年には習近平国家主席も視察に訪れました。
記者
「ヨモギの刺しゅう工場です。入り口には習主席の言葉がスローガンとして掲げられています」
「すばらしい生活は、努力してもたらされるものだ」。生活をよくするため、頑張って働くよう呼びかけたといいます。その村人の雇用を生むために刺しゅう工場が作られるなどして、村の去年1人あたりの年収は2万2476元、日本円でおよそ45万円と2017年からの5年で1.5倍になりました。
刺しゅう工場従業員
「今の生活はとても楽しくて幸せだよ」
その一方で。
刺しゅう工場従業員
「前の村のこと?ダムをつくった時になくなりました。戻りたいけどもう戻れない」
人々の暮らしを大きく変えた三峡ダム。こんな懸念も指摘されています。2020年に大雨の影響により上流で洪水が相次いで発生。ダムの制限水位を大幅に上回ってしまったことから「決壊」するのでは、と危惧されたのです。
今後も決壊のおそれはないのでしょうか?担当者に聞いてみると。
許家沖村の幹部
「このダムは100年に一度の洪水にも耐えられます。ここの地盤はとても固いのです」
ダムの下の地盤は一枚岩の花こう岩のため非常に固く、安心だと幹部は強調しました。一方で、こうした決壊の懸念をよそに、中国政府はチベット自治区に三峡ダムの3倍の規模を誇るダム建設を計画。巨大な三峡ダムでも、中国全土の電力のたった1%をまかなっているにすぎず、さらなる電力確保を目指しているのです。
国境を接するインドからは「水資源を中国に奪われる」との声があがっているものの、経済発展を支える電気を発電するため、中国はこれからもダムを作り続けようとしています。
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