1. 十分な睡眠で、記憶力の向上&アルツハイマーを予防
ゲイツが睡眠について真剣に考えるようになったきっかけのひとつは、アルツハイマー病に苦しむ父親の姿を目の当たりにしたことでした。
「良質な睡眠がいかに大事かということが、その分野で明らかになってきていたんです」と彼はポッドキャストで語りました。
脳の健康を維持するには、10代の人でも良質な睡眠を取ることがとても重要だということがわかっています。
良い睡眠をとっているかどうかが、アルツハイマー病を含むあらゆる認知症の予測因子のひとつです。
人間は、数時間の浅い眠りを経て深い睡眠に入るのですが、このとき脳では脈動するようなリズムが観察され、それがアルツハイマーの原因となるアミロイドベータを除去できることが、研究で明らかになっています。
さらに短期的に見ても、認知症を発症していないケースであっても、睡眠不足は脳が新しい記憶を形成する能力を妨げることがあります。
現在、そして生涯を通じてハイパフォーマンスで脳を機能させるには、睡眠を重視することは理にかなっています。
2. 睡眠不足は判断力を鈍らせる
眠気が判断力に影響することはあるのでしょうか? ある研究でその可能性が示唆されています。
ある実験では、被験者は「一定の金額を受け取るか、より多額の金額が手に入るかもしれない賭けに出るか、あるいは一銭も受け取らない」を決断するよう、毎日指示されました。
時間の経過とともに、睡眠不足の被験者たちは、よりリスクの高い選択肢を選ぶようになっていきました。さらに気がかりだったのは、この被験者たちが自分の判断能力が変化したとはまったく思っていなかったことです。
その点、ゲイツは違いました。彼は、自分の能力が睡眠不足によって損なわれていることに気づいていました。彼はこのように書いています。
カフェインとアドレナリンだけで動いている時は、頭の切れがあまりよくないことはわかっていた。
だけど、仕事に夢中だったし、ゆっくり睡眠をとるなんて怠け者の証拠だと思っていたよ。
3. 睡眠不足は創造性を損ねる
素晴らしい新しいアイデアや差し迫った問題に対する解決策を、寝ている間に思いついたりすることがあります。
それにはちゃんとした理由があるのです。
私たちは、レム睡眠中に夢を見たり、創造性を発揮したりします。レム睡眠のサイクルは何度も繰り返されますが、通常では数時間眠ったあとにもっとも深いレム睡眠が起こります。私たちが、朝、覚醒する直前によく夢を見るのは、このためです。
起業家やビジネスリーダーにとっては、創造的思考や的確な判断力が成功のカギを握っています。成功を手にするための、ひとつのシンプルな方法は、良質の睡眠を取ることでしょう。
翻訳: 永木久美/OCiETe
Source: YouTube, Hilarity for Charity, GatesNotes
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——2023年8月23日の記事を再編集のうえ、再掲しています。