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フランスUniversité Paris CitéのCarolina Graña Possamai氏らは、インパクトファクターに基づくトップ25医学雑誌に発表されていた系統的レビューとメタアナリシスのうち、後に撤回された論文が分析に含まれていた場合の影響を検討したところ、撤回された研究がレビューの結果と解釈に影響を及ぼした可能性があると報告した。結果は2025年3月31日のJAMA Intern Med誌電子版に掲載された。
近年では、「paper mill」と呼ばれる論文をねつ造して販売する違法業者が増加しており、論文の撤回が増えている。そのため、撤回された論文を収集・追跡するデータベース「Retraction Watch」などの対策が取られてきた。しかし、撤回前に系統的レビューの対象に選ばれてしまうと、メタアナリシスの結果は、エビデンスとして継続して用いられる可能性がある。そこで著者らは、撤回された論文のデータをメタアナリシスに含めていた系統的レビューを同定し、それらのデータが分析結果に及ぼした影響を評価しようと考えた。