子どもを民主主義の国で育てたい 大学教授が国外移住を決意 トランプ氏“就任100日”
[2025/05/01 00:52]
就任100日を迎え、集会を開いたトランプ大統領。「偉大なる100日間」と掲げられ、ファンたちに囲まれる本人の表情は実に満足げに見えます。ただその一方で、アメリカを去ることを選択する人たちが出てきました。自由の国・アメリカで今、起きていることとは。
■事実か疑わしくも…“熱狂的支持”
トランプ大統領が向かった先は中西部ミシガン州。自動車産業で栄えるデトロイト郊外の街です。
「ウィスコンシン州から車で来て、ここに3日間います。ここでキャンプですよ」
「来たのは日曜の朝9時ごろ。私の大統領を支援するためです。彼のことを見ていたい」
さながら“推し”の登場を待つコンサート会場のよう。始まった演説は100日間の成果を誇示し、熱狂的な“トランプ信者”に祝ってほしい。そんな思いがあふれるものでした。
「ハローミシガン!自動車企業が何十社と戻ってきて大量の雇用が生まれる。またミシガンで車を造りたがっている。なぜか?我々の関税政策だ」
始まりは、関税政策のおかげで雇用が戻ってきたという話から。
「過去100年で最大の変革を100日で実現した。アメリカに入る“違法越境者”の数は99.999%減ったんだ。99.999%だぞ。入ったのはたった3人だけ。就任以来、卵の価格は87%下がった」
事実か疑わしい話が混ざっていましたが、支持者を沸かせるためなら問題ないようです。
「『支持率はたった44%』と言うが、さほど悪くない。まともな調査結果なら60〜70%台のはずだ」
3500人が入る会場には、選挙集会と比べて空席が目立っていたものの、熱狂的な支持者にとっては関係ありません。
「彼は国境閉鎖を見事にやり遂げました」
「トランスジェンダーを軍に入れない方針に賛成です」
相互関税の発表の場にいた、元自動車工のブライアンさん来ていました。
「物価は上がるでしょうが、雇用が戻るなら本望です」
一方、会場の外では1000人規模の抗議デモが行われました。分断が進むアメリカを諦める人も出てきています。
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■国外に移住を決意 名門大教授■国外に移住を決意 名門大教授
大学教授として働く、ジェイソン・スタンリーさん。両親はユダヤ系の難民で、まさに自由を求めてアメリカにやってきた身。12年間、イエール大学でファシズムの研究をしてきましたが、2人の息子を連れて7月からカナダの大学に移るといいます。
「理由は様々ですが、一番は子どもを民主主義の国で育てたい。アメリカではもはや無理です」
大きなきっかけは、去年、全米の大学で起きたイスラエルへの抗議デモでした。トランプ政権はユダヤ系の学生などを守る対策を大学に求め、従わなければ助成金を停止する措置を実施。奨学金の認定制度を厳格化する大統領令にも署名しましたが…。
「ユダヤ人の私が脅威を感じるのはトランプ氏で、大学内でイスラエルに抗議する学生ではありません」
長年ファシズムを研究してきた身からも、今のトランプ政権との共通点を感じています。
「日本の政治も含めて極右政党はこう言いがちです。『かつては偉大な国だったのに、リベラルや批判的な歴史観で没落した。我々が皆さんを自虐史観から救う。かつての権威主義に立ち返るべき』民主主義が後退しつつある国でよくあることです。今でも40%超の国民が民主主義をぶち壊すトランプ政権を支持し、大規模な抗議活動が起きていません。抗議の声は学者や知識層ではなく、一般市民から出てくるのが最も有効的なのに」
リベラルへの圧力が続くアメリカを去る今、学生たちには声を上げ続けてほしいと願います。
「昨年、学生たちが正義を求めて抗議してくれたことが一番の思い出です」
(Q.離れるのは寂しい)
「寂しいですよ。大学も学生も同僚もみんな大好きでしたから」
(Q.カナダ移住を前に学生に伝えたいことは)
「不正に対して抗議を絶やさないでください。未来は皆さんの勇気にかかっています」
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