重文・奈良女子大記念館改修へ、外壁劣化や瓦の破損で CFを実施し7日まで公開

改修される重文の奈良女子大学記念館=奈良市
改修される重文の奈良女子大学記念館=奈良市

奈良女子大(奈良市)は30日、外壁劣化などが進む同大学記念館(重要文化財)の改修工事を実施すると発表した。明治42年に建てられた同大学のシンボルとなっている建築物。インターネットで事業費の一部を募るクラウドファンディング(CF)を同日始め、7月29日まで実施する。

記念館は木造2階建て、延べ約950平方メートル。屋根は中央に頂塔(ランタン)、6カ所に明り取り窓を設けるなど変化を持たせている。外観は木の骨組みを露出させるハーフティンバーという様式で、1階は大小の部屋が並び、2階は講堂で中央部は天井が高い大きな空間となっている。

奈良女子大記念館の内部。中央部は天井が高く、シャンデリアも
奈良女子大記念館の内部。中央部は天井が高く、シャンデリアも

創建当初は前身の奈良女子高等師範学校本館だった。現在も式典や講演会などで使用しているが、外壁の劣化や瓦の破損などがあり、8月から改修を行うことを決めた。

今回のプロジェクトでは空調、照明設備の更新、収蔵している教育資料の保存環境の整備なども行う。令和8年春の完了を目指す。総事業費は1億5千万円を超える見込みで、一部をCFで募ることにした。

同大学は改修後について、「学外者を含むより多くの人たちに利活用していただきやすくなるよう準備を進める」としている。

CFは1千万円を目標額に「READYFOR」のサイトで行う。返礼品はオリジナルグッズや記念館内への氏名掲載など。

5月1~7日には記念館内を公開する。入場無料。

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